gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「劇場版 ムーミン谷の彗星 パペットアニメーション (2010)」世界の終わり。ムーミン谷の攻防🌠

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原題:Muumi ja punainen pyrstötähti
原作: トーベ・ヤンソンムーミン谷の彗星』 監督: マリア・リンドバーグ
製作国 フィンランド/イギリス/ポーランド 上映時間 75分
シリーズ:ムーミンのパペット・アニメーションシリーズ

 

GyaOで配信されてたから流してたが、気になってきて頭から普通に観た。
こないだの大学入試センター試験ムーミンに関する問題が出て受験生がキレてたのが話題になった記憶も新しいムーミン
ムーミンは幼い頃に日本製アニメをやってて(岸田今日子のやつ)家に「楽しいムーミン一家」の小説があってそれにはまって繰り返し読んでいた。
トーベ・ヤンソンの挿絵が刺々しく感じて、キャラクターの描写や台詞が妙にドライで少し冷たく感じたが、そこに異国情緒を感じて妙に温かみのある日本のムーミンよりもトーベ・ヤンソンの本家ムーミンの方が好きになった。
その後、ハヤカワ文庫のSF小説とかアメコミや洋ゲー好きになったのも、どれも日本より少し冷たくてドライなところが気に入ったのだと思う。
楽しいムーミン一家」は超繰り返し読んでたのだが、小学校の図書室で他の作品‥この映画の原作のムーミン谷の彗星とか若い頃のムーミンパパが旅する話とか色々読んだ。どれも死の恐怖などの要素が少し入ってる印象だった。それを当時通っていた小学校にあった木造の湿気が多くて柱時計がボンボン鳴っていた図書室で読んだ記憶を未だに覚えている(きっとボロい図書室の雰囲気がムーミン小説とぴったりだったせいだろう)
そんな感じでムーミントーベ・ヤンソンはざっくりと好きだが、ムーミンコミックを集めたりといったムーミンマニアとかではない。6年に一度思い出すか思い出さないか程度の好き度だ。
この「ムーミン谷の彗星」も90年代に日本アニメの劇場版があって、クオリティ高いのだが、はっきり言ってめっちゃ日本っぽいし刺々しさが足りないので物足りない。やはりフィンランド製アニメの方が雰囲気出てる。

 

 

Story
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世界の終わりがきた
ある朝、美しいムーミンがホコリで辺り一面灰色に。
哲学者じゃこうねずみが「もうすぐ彗星が落ちて地球が滅びる」と言い、ムーミントロール達は恐怖した。
不安になったムーミントロールは、ムーミンパパムーミンママのアドバイスで、おさびし山にある天文台に行って彗星について調べることに。
こうして友だちのスニフと共におさびし山にある天文台に向け出発するムーミントロール
道中でのスナフキンスノークのお嬢さんスノークヘムレンさんなどとのと出会い。激流や恐ろしい生き物や竜巻などに遭うスリリングな道中となるのだった

 

 

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それにしても「ムーミン谷の彗星」ってタイトルがカッコいい。
1stの機動戦士ガンダムのサブタイトルでありそうだ。
ブライトの声優が「ムーミン谷の‥彗星!」と読み上げるの声が脳内再生される。
パペットといっても何だか平べったいパペット。背景とかは絵の部分もあったりCGを使ってる部分などがあって徹底されてない感じもしたが、その適当さもまたムーミンっぽくていいかもしれない。
時系列的にはかなり最初期の話らしく、ムーミンスナフキンとはこれが初対面。
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🌠川の畔のスナフキンと知り合ったムーミントロールとスニフ。
スナフキン「やあ君たち、そのイカダに珈琲を積んでたりしないかな?」
スニフ「珈琲なら持ってるよ。お砂糖もある」
スナフキンすごいねぇ
こんな間抜けな台詞久々に聞いたのでハッ!とした。
アニメはもっとこういう間の抜けた会話や意味のないシーンを取り入れたほうがいい、と改めて思った。ちなみにスナフキンの吹き替えは子安武人

🌠スナフキン(CV子安)「僕の名はスナフキン
スナフキン(CV子安)「テントで暮らしている。
それ以上いけない
ホームレスみたいな風体で、こんな台詞言われたらハッとする。
俺をからかって飲むコーヒーはうまいか?

スナフキンによる彗星の話を聞いて怯えるスニフ。
スナフキン「まあまあ落ち着いて。それより凄いものがあるから見せてあげるよ」
ナレーション『すごいものと言われてスニフは彗星のことを忘れました
いいね。このアニメ。
凄いものとは洞穴にあるガーネットだった。
スニフ「すごく綺麗だ!あれ君のもの?」
スナフキン自分できれいだと思うものは何でも僕のものさ。その気になれば、世界じゅうでもね。自分でそう思えばね。」
雑誌ダヴィンチとかネットでのスナフキン名言特集で取り上げられそうな台詞。
それにしてもああいうサブカル的な感じでスナフキンの名言を一括りにまとめられるとイラッとするのは僕だけでしょうか?だけどまあ確かにいい台詞だしね(スナフキン的フォロー)
欲にかられてガーネットを集めるスニフ。
すると突然、洞窟の奥から巨大なトカゲが現れて追いかけてくる。
ナレーション『スニフは短い足を必死に動かして走りました
妙にドライなナレーションがトーベ・ヤンソン感を演出。
恐怖で宝石を落としてしまい泣き出すアホのスニフ。
スナフキン「何かを自分のものにしようとすると、むずかしいものだよ」
「見たものはカバンでなく頭にしまって、それで立ち去れば良いんだ」
「だから僕は荷物も持たず、楽しく旅ができるのさ」
スナフキンの「物を所有しない思想」でた。
確かにまとめたくなる魅力あるわ。吹き替えしてる子安の言い方もうまい

🌠イカダで川下りしてピンチを迎えるが何とか助かる。
スニフ「もう冒険なんてこりごりだ!君たちにもだ!」
幼稚な性格の役柄を割り当てられて気の毒な気もするが、スニフは終始、不平不満ばかり言ったり周囲に八つ当たりするのでイライラしてくる。一緒に飯食いに行ってまずかったりしたら「おいしくない」とか、その場で言い出しかねないタイプ。しかもスニフの吹き替え声優はフリーザの人なので、フリーザの声で精神年齢5歳くらいのキャラクターが不平不満ばかり言うものだからイラついてくる。黒豹のように静かに近づいて腹に膝蹴りを入れ、すみやかに屠殺された豚のように静かにさせてやりたくなるというものさ。そうだろう?(スナフキン的まとめ)

🌠また、しばらく旅をしててムーミントロールが谷に落っこちそうになって、スナフキンムーミンを括っているロープを引っ張るが一人では引っ張り上げられない。そこでスナフキンは事態に気づいていない後方のスニフに
スナフキン(CV子安)「スニフ~。手伝ってくれ~」
と最初は穏やかに言ってるが、アホのスニフは気づかない。すると
スナフキン(CV子安)「スニフーっ!!一人では引っ張り上げられない!!引っ張ってくれ!」
などと次第に呼びかけがエキサイトしていって最終的には
スナフキン(CV子安)「おい!スニフーーッ!!怒
と、スナフキンらしからぬ怒号のような怖い声に変わっていくのが面白くて笑った
スナフキンの吹き替え声優・子安武人、普段はめちゃくちゃ穏やかで素敵な声なのだがエキサイトするとまるでDIOみたいな声色で怒号を飛ばすのでめっちゃ怖い!ちょうどネトフリにあったジョジョ三部アニメのDIO戦を再見した直後にこれ観たのでよりDIOっぽく聞こえた
スナフキン(CV子安)「おいッ!スニフゥーッ!聞いているのか貴様ーッ!!便所のネズミのクソにも匹敵する取るに足らない貴様がッ!役に立つのは今しかないんじゃあないのかーッ!?この汚らしい間抜けがーッ!」
今にもそんな風に言いそうで震えた

🌠食虫植物に襲われるスノークのお嬢さんとスノークを助けたムーミン一行。
スノークはいつものように議論を始める
スノーク「議題その1、彗星について!議題その2、なぜ誰も私の話を聞かないのか!?」
などと捲し立てると
スニフ「しらないよ。いつもそんな風なの?
と言うのに笑った。スニフみたいなアホにこんな言われ方したら泣きたくなる

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スノークのお嬢さんは相変わらず女を武器にした言動や行動、そのメス声でムーミンを誘惑してばっかりいやがる。相変わらずメス豚だ
そしてヘムレンさんを一行に加えて竜巻を乗り越えたりして天文台からムーミンハウスに帰宅する。
終末の時を迎えた皆は覚悟を決めて、洞窟でケーキを食べたりお茶を飲んだりする。
スニフは拾った黒い子猫を探しに行った。
スニフ「もうケーキとか隕石とかどうでもいい。子猫ちゃんどこにいったの?」
見た目がでかいネズミにしか見えないスニフが人語を喋ってて、ニゃーとしか鳴かない猫を可愛がってるのは何だかシュールな光景だ。だが不平不満や文句ばかり言って俺をムカつかせていたスニフが世界が終わる瞬間に突然、猫ちゃんを探しに行く(愛を探しに行く)場面は唐突で、自分も黒猫飼ってるのでハッとした。愚かでイライラさせられたスニフは観ていた自分自身だったのかもしれない‥(映画感想ブログにありがちな一文)
だが結局、彗星は地球をかすめるだけで大事には至らなかった。
いつもの日常に戻るムーミンたち。
彗星のおかげで増えた友だちと共に、苺ジャムを塗ったパンを食べるのだった‥

🌠この原作を幼い時に読んだ時は「世界の終わり」という初めての概念を知って震え、未曾有のカタストロフを感じた記憶がある。
幼い子供が死や世界の終わりについて考えて気が遠くなったりするのは必要なことだと思う(なぜ必要?と訊かれても具体的にはうまく答えられないが)
またムーミン作品に共通する冒険心、死に対する厭世観、「他の人にはたいしたことないけど僕にはこれが大事なんだ」というスナフキン個人主義や間抜けな台詞などが満喫できた。
個人的にはパペットじゃなくてトーベ・ヤンソンの挿絵がそのままCGで動くアニメを観たいな。スヌーピーみたいに短編集みたいな作りでさ

 

そんな感じでした

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新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

 

 

『リメンバー・ミー』(2017)/死の香りのする良作だったが、あまりに全て上手くいきすぎな気も‥💀

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原題:Coco 監督:リー・アンクリッチ 製作総指揮: ジョン・ラセター
制作:ディズニー/PIXAR 製作国:アメリカ 上映時間:105分 💀

 

 

 

トイ・ストーリー」シリーズや「カーズ」シリーズの監督であり宮崎駿を尊敬して交流を深めているPIXARの代表つまり覇王。そしてつい最近、PIXAR女性社員やスタッフに望まれないハグしたり彼女達の肉体を勝手に撫で回したり無理にキスしたりして、ラセターがフトモモに手を置こうとする時にさりげなく避ける動作に「ザ・ラセター」という名称が付けられるほどセクハラ行為が常態化していた事が発覚するという、自殺したいほど恥ずかしい事実が発覚して現在、半年間の休職中であるジョン・ラセターが製作総指揮を努め、「トイ・ストーリー3」監督リー氏が監督した本作を「きっと、これを制作してた女性スタッフたちもジョン・ラセターに無理やり下半身を触られたりキスされながら我慢して作ったんだな」と思いながら鑑賞。

 

 

Story
伝説のミュージシャン、ラクルスを尊敬しミュージシャンを夢見るメキシコの少年ミゲル
しかし、ミゲルの家はミュージシャンのひいいひいおじいちゃんが音楽をやりたいがために居なくなってしまい苦労したひいひいおばあちゃんの決めた厳格な掟によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた。隠れてギターを弾いたりデラクルスのビデオを観たり、認知症のひいおばあちゃんココや野良犬ダンテと遊ぶ日々。
ある日、ミゲルは顔が破られた古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんがデラクルスではないかと推測。
デイ・オブ・ザ・デッド(死者の日)のお祭りで一芸を披露するため、デラクルスの墓に忍び込み彼のギターを手にした瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。
そこは、夢のように美しく、死者のガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。
しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルは永遠に現世に戻れなくなってしまう。
ひいひいおばあちゃんを初めとする親族もいたが彼女達は家族の掟があるので彼女たちの手で現世に還ると音楽をできない呪いにかかってしまう。ここはひとつひいひいおじいちゃんであるデラクルスの手で現世に還るしかない。

唯一の頼りは、に会いたいと願う陽気で孤独な死者のヘクター
だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、ここ死者の国でも第二の死を迎えて消滅してしまう」という運命が待ち受けていた。
絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが好きな曲“リメンバー・ミー”だけ。一体どうなってしまうのか
そんな話

 

 


右にも死者!左にも死者!どこもかしこも死者だらけだ(トヨエツ)
これほどまでに「死」の香りが充満したアニメがあっただろうか。いやない
登場キャラクターの殆どが死者。本編の9割は死の国。プロローグとエピローグ以外は死者だらけ。死の香りが充満している。
これを監督したのが黒沢清だったらとんでもなく恐ろしい画面だっただろう
「ミゲルは死者に遭う夢を見た‥」などというボヤかしもなく、ミゲルは死の国で死者に聞かないとわからない情報を持って現世に返ってくるので完全に死者に逢って帰ってきた驚異の少年になっとる。
勿論、恐ろしくならないようにキャラクターたちは終始おどけまくっていて、画面は明るくて美しく楽しい(これによって逆に死を強く感じる気もする)
更に「死者は、生者に忘れられると第二の‥最後の死を迎えてしまう」という未だかつて聞いたこともないほど恐ろしい設定がある。
「死者に鞭打つ」どころではない。死んであの世に落ちた死者を更に死なす!あまりに恐ろしくて何だか死にたくなってきた
ショックを受けるミゲルにヘクターは「まあ‥誰にも訪れる運命だ。今は気にしなくてもいいヨ~♫」
気にするわ!
だが死後の世界があったとしても我々には知覚できないのと同じように、死者が更なる一段階上のレイヤーの死者の死者の世界があるのかもしれん。だがそれは他の只の死者には知覚できない。つくづく「死」というものは生きてる者特有の概念なんだな、とか色々考えさせられた。
そういえば高橋洋が語ってた怪談で「人間には見えない、幽霊にしか視認できない幽霊を見て怯える幽霊の話」があったなぁ。認識できなさすぎて恐ろしいよな
だから、この死の世界ではフリーダ・カーロのような著名人の死者は安泰。
本作には特に出来てきてないがアインシュタインとかがこの死者の国いたとしたら彼などは不老不死なんだろう(それとも、ここはメキシコ人だけが来る冥府なのかな?)
それにしても、この作品のこのストーリーや設定は「親族、先祖を忘れないようにしよう」という事のメタファーに過ぎないのだから厳密に考える必要は一切ないのだが、自分がミゲルになったつもりで考えると「死んだら鮮やかで楽しい世界に行く。そしてそこで生者に忘れられると今度こそ完全に死ぬ」という事を知ったミゲルは現世で今後、どういう気持ちで生涯を生きるんだろう?とりあえず「皆がいる楽しい世界に行く」という事がわかってるのだから我々よりずっと気楽で楽しく生きられそうだ。
土曜日ではなく金曜日の気持ちで生きれるのだから。。
何でもこの映画は「2017年、最も優れた脚本の映画」と言われたらしい。
確かにスキがなかった。そして映画開始で即、楽しくて、納得のオチまであっという間だった。最後はじんわりするし
これはPIXAR作品で、ディズニー作品とは違うかもしれないが「ズートピア」を観た感触に似ていた。
観てる間は凄く面白いし感動もするし欠点もなく「よく出来とるわぁ~!」と思うのだが、観終わってしばらくすると、割とすっ‥と忘れてしまうのは僕だけでしょうか。別に嫌いになるわけではなく記憶から消えやすい。あまりにも何もかもが解決してしまうからだろうか?でも「インサイド・ヘッド」はかなり強烈に覚えてるので個人の好き嫌いかもしれない。
ズートピア」を評して「他人にツッコまれる要素を限りなく減らして、あらゆる方面に気を遣った作品」という批判ぎみの声があるが、本作にも似たようなものを感じた。
当然、ミゲルやヘクターやミゲルの親族達に幸せになってほしいので、事が上手く運んで「よかったぁ~」と安堵して幸福な気持ちで劇場を後にしたのだが、ちょっと事が上手く運びすぎだと思うのは重箱だろうか?
ラスボスが「全て俺の計画通り!」的な自白をし始めるとマイクが声を拾っており、それが死者の国中に響き渡り彼はベルトコンベアー式に失脚してしまう。そして現世に還ると、どういうわけか現世でもそれが明らかとなってラスボスは現世でも名を落とし、真のヒーローが讃えられている。
勿論「そうなって欲しい」と観てるこちらの思うがままなのだが、あまりに何もかもが上手く行き過ぎて、まるでミゲルによる「こうあってほしい」という空想のようにも思えた。
文句というほどの事ではないのだが、そんな感触があったがために「リメンバー・ミー」を歌う終盤の感動シーンで乗り切れなかった。
せめて「現世では悪が明らかになってないが、そんな事はどうでもいい。僕は家族を大事にするし音楽もやるぜ」という感じでよかったのではないだろうか?
というかミゲルは一体どうやって真実を明らかにしたんだろう?
まあいいや。そんな事も思ったりはしたが良い話であることは間違いないので、お子さんを連れて観に行くにはちょうどいいだろう、きっと。。
何か個人的に「インサイド・ヘッド」の時ほどハマらず、あまり褒めてない感じになったが、あっという間に引き込まれて一気に観終えてしまった感触だったので面白いことは間違いない。
そういえばココおばあちゃんの表情や顔面の情報度が凄かった。全キャラの全身分のポリゴンがココおばあちゃんの顔だけに集中してそうなデータ量だった。
あと犬のダンテの忠実なバカ犬っぽい挙動。死者の世界での守護動物?のカラフルさは思わずトランス系のレイヴに行きたくなったし、死者が渡る橋やオレンジの花びら、死者の街などの美しさはマジで凄かった。
一度も演奏したことないのにミゲルの歌が上手すぎて素晴らしかった。
その割に演奏シーンが3、4回しかなかった。もっと街の説明なども全部歌にしてアナ雪みたいなマリアッチミュージカルにしてもよかった気もした

 


そんな感じでした

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「アナイアレイション -全滅領域- (2018)」『アンダー・ザ・スキン種の捕食』や黒沢清のSFホラーっぽくて面白い🌈

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原題:Annihilation 監督&脚本:アレックス・ガーランド
原作:ジェフ・ヴァンダミア「全域領域」  放映局:Netflix
製作国:アメリカ/イギリス 放映時間:115分

 
エクス・マキナ (2015)」の監督作。
この監督はイギリスのヒーローコミックの映画化「ジャッジ・ドレッド (2012)」を実質的に監督したが大人の事情でクレジットされなかった人物であることが、つい最近に発覚した。「ジャッジ・ドレッド」は100本近くあるヒーローコミック原作映画の中でベスト5に入るくらい好きなので本作への期待値も上がった。前作「エクス・マキナ」も良かったし。前作からはオスカー・アイザックついでにソノヤ・ミズノが続投。
原作はSF小説で、三部作の一作目。でも監督は続編とか一切読まずに単体として映画化したらしい
そしてHuluはかなり前から入ってたがNetflixは一ヶ月くらい前に入ったばかりの僕。
ネトフリの通知で本作の予告編がポンとUPされた時に「ああ、Huluでもよくある、新作映画の予告編を宣伝でUPするやつね」と思って再生すると最後に「来週、Netflixで公開!」と出たのでめっちゃびびった。こんなかなり金のかかった映画が「来週、ここで公開します」ってあまりに凄すぎる。
ここ10年くらいのいろんな技術‥スマホの誕生とかよりビックリしたしNetflixが覇権を取った理由が体感できた。SEXで喩えるなら、朝目覚めたら知らない女性が巨乳を俺の口に入れようとしてるからビックリして目覚めたら「あら?寝てたの?」と言われる感じというか‥。喩えがわかりにくいか。
★かなりネタバレしてるが、主人公と同じように何も知らない状態から徐々に知ってくほうが面白いタイプの映画なので本編を観てない人はあらすじ以降は読まない方がいい

 

 

Story
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世界に突如として出現したシマーと呼ばれる虹色の揺らめく光エネルギーに囲まれた領域。その地帯はじりじりと面積が増えており、調査でそこへ足を踏み入れたものは誰も帰ってこない。
アメリカ陸軍兵士の生物学教授のレナナタリー・ポートマン)は、そのシマーからの唯一の生還者だった。彼女が軍に語る回想がこの映画の本編。
一年前、シマーに囲まれた領域内を調査中に行方不明となっていた軍人の夫ケインオスカー・アイザック)。彼は突然帰ってきたが記憶喪失の上に容態が悪化する。
夫婦は軍隊に拉致され、シマーの調査を目的する研究施設に連れて行かれる。
レナは領域内への調査へ志願する。レナと同行するのは女性科学者たち‥ヴェントレスジェニファー・ジェイソン・リー)、ジョシーテッサ・トンプソン)、アニャシェパード‥ら女性だけの総勢5名の調査隊を結成してシマー領域内に入り不思議な出来事に遭遇する―
みたいな話。

 

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虹色の光シマーに覆われた領域に入ると、何が起きるかわからない。
シマーに入ってしばらく経過、レナはテントで目覚めたので2日目かと思ったら、様子が変だ。仲間達が残った食料を調べると何と数日経過していたようだ。寝てしまうと記憶が混濁してしまうらしい。
領域内には突然変異の植物が生えていたり、突然変異のワニや熊、鹿などに遭遇。
シマーに覆わえた領域はただの州立公園なのに、シマーのCGと設定のおかげでたちまち未知の暗黒大陸ものになってるのが安上がりでいいね。
やがてキャンプ地で、レナは夫が残した異常な映像を見つける。
変異が起こる理由はさだかではないがマイティ・ソーのヴァルキリー役やってた女優が語る仮説によると、どうやら光の屈折によってヘビー・ウェザーみたいな効果が生物のDNAに影響したせいではないか?ということだった。すごくワクワクする展開

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調査隊だが何故か女性だけで構成されてるのが謎だった(説明あったかもしれないが覚えてない)そしてストーリーが進むと彼女達は「家族を亡くした」「不治の病」「生きてる実感が欲しい」など、ワケありで危険な調査に躊躇のない女性科学者たちだった。
帰ってきた者がいないんだから行ったらほぼ死ぬってことだもんね。
ヴェントレスは「自殺する人間はいない。皆、無意識に自滅の方向に行くだけ」と語る。なるほど、大人になって辛いことあって飲酒とか増えるもんね。
更にレナの回想がたまに入るが、レナは大学の同僚と浮気していて、それを夫が察知していたという回想が入る。夫が危険なシマー領域に入ったのはそのせい?そしてレナが領域内に入ったのも贖罪の気持ちがあったからなのか。
最初はエイリアンみたいなSFホラーめいた感じで始まるのだが、当然変異でキメラ化した動物たちは銃弾を撃ち込めば普通に死ぬので現実の猛獣と大差はない。
そんなキメラ動物も怖いが彼女達自身にも突然変異が起きて違う生物に変えられていってるのだ。そのせいか彼女達は精神に異常をきたしていく。もともとメンヘラ気味の女性たちがチームを作ってるせいかシマー内での突然変異のせいなのかメンタル崩壊によるものなのか、その両方なのかよくわからないのが面白かった。
最終目的地の灯台にある洞窟が神秘的。
というか「エクス・マキナ」でもそうだったが映像がめちゃくちゃ綺麗。シマー内にいるせいか虹色の光が煌めいているし、シマー内では記憶が混濁するせいもあって全体的に面白い夢を見てる感じ。
最終的には「アンダー・スキン 種の捕食 (2013)」っぽい事態になっていく。ここは凄く不思議で面白い。色々、目的が不明なところはあるがレナ本人が語る「目的はないのかも」という事なんだろうと思う。
「アンダー・ザ・スキン 種の捕食 (2013)」っぽくもあるし、黒沢清「回路」「カリスマ」「ドッペルゲンガー「叫」などの不思議なホラーにも似てる。アンダースキンもJホラー時代の黒沢監督作も好きだったので本作にも惹きつけられるものが会った。
色々と明らかにならない事が多いというお土産を持たせてくれるので凄く面白かった。
だけど「エイリアン2」みたいなSFアクションを求めてる人にはつまらないかもしれない。
僕は面白かった。原作には続編があるが本作は単体で成立するように作られている。だけど本作の続編作るのも容易なんだろうな。別に作らなくてもいいが作られたら続きを観たい。映像やナタリー・ポートマンの老け方も美しかったし。というかこの監督の映画はどれも「この人、女性が凄い好きだな」という異様な圧を感じる。

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エクス・マキナ」にも出てたソノヤ・ミズノは冒頭のレナの講義を聴いてる生徒役としてチョイ役で出てくるだけだった。てっきり一緒にシマー領域に入る仲間だと思ってたのに出番が終わりだったのでがっかりした。続編作る時はメインキャラになってほしい

 
そんな感じでした

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全滅領域 (サザーン・リーチ1)

全滅領域 (サザーン・リーチ1)

 

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『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)/きっと良い映画なんだろうとは思うが色んな過剰な描写が不要に思えて全然乗れなかった🐟

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原題:The Shape of Water 製作国 アメリカ 上映時間:123分
監督&脚本&原案&制作:ギレルモ・デル・トロ

これが第74回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を取ったのはまだわかるが、先日、第90回アカデミー賞で作品賞&監督賞その他の賞を受賞した事で多くの人を驚かせた本作。
時代が変わったことを知らしめた一作と言える。
個人的には「ゲット・アウト」のノミネートが嬉しかった。
今までならB級ホラーと軽んじられてたであろう作品が多くノミネートされて良かった(だが同時に、ジョン・カーペンターとかトビー・フーパーにも賞をあげてほしくなってくる)
だが本作を実際に観てみると、ハリウッドがこれを選ぶことによって「私達の意志はこれだ!」というメッセージにうってつけの作品だったので、観終わると「アカデミー賞も納得だな」と思う内容だった。
ギレルモ・デル・トロ監督自体はオタクだし良い人なのでデルトロ本人は好きだが、彼の映画は実のところ合わないものが多い。これは良い悪いじゃなく好みの問題なので仕方ない。
特に「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」は、水木しげる漫画のようにドライでクールだった原作とは似ても似つかない、ベタベタしたウェットな内容で全体的に苦手だった(ヘルボーイに恋愛させたり半魚人と飲み明かしたり特撮への愛を炸裂させる後半とか特に苦手)、「パシフィック・リム」も面白かったけど登場人物やストーリーがアニメみたいに類型的すぎたり、子供帰りを起こしたオタクが「いぇーがーのぱんちがすごかったです!」と平仮名でツイートしたりと映画本編というよりもファンの方たちのノリが苦手だった(ガルパンおじさんや、マッドマックス好きすぎおじさんも同様に苦手だ)
まあそれだけ人を夢中にさせる映画を撮る偉大な監督なんでしょうね。
あ、でも「パンズ・ラビリンス」は普通に好きだった。
本作は「パンズ・ラビリンス」っぽい雰囲気っぽいし半魚人も観たいしこれは前から期待していた。
そこそこネタバレしてます

 

Story
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1962年、米ソ冷戦下のアメリカ。
政府の極秘研究所に勤める掃除婦イライザサリー・ホーキンス)は、研究所に運び込まれた不思議な生きものを見てしまう。アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”の、奇妙だが魅惑的な姿に心を奪われたイライザは周囲の目を盗んで会いに行くようになる。
声が出せないイライザだったが“彼”とのコミュニケーションは、音楽とダンスに手話と卵や熱い眼差しで二人の心が通い始めた時、責任者である高圧的なエリート軍人ストリックランドマイケル・シャノン)は“彼”の生体解剖を実行に移そうとするのだったが…

そんな話 

 

 

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まずフィクションに出てくる1950~1960年の文化好きなので好きだった。デルトロ苦手と言いつつ彼の美術とか趣味は好き。冒頭の、水中に沈んだ50~60年代風アパートで寝てる夢などは「バイオショック(1960年の水中都市を舞台にしたゲーム)」を思わせた。
少女の雰囲気を持つおばさん、主人公イライザを演じるのは「ブルージャスミン」で主人公の妹を演じてた女優さん。
主人公イライザは喋れない掃除婦。彼女に親切にする同僚は黒人女性。仲良しの隣人は猫好きの絵描きゲイ老人。そしてイライザが一目惚れして運命を共にすることになる男性は囚われの半魚人。ロシアからのスパイ科学者もイライザ達に協力してくれる。
見事に除け者ばかりが集まっている。
そんな彼女達が、お互いを労りあって支配的なレイシストに反抗する。
半魚人を勝手に連れ去ってきた軍はさっさと解剖して「彼」の生体の秘密を知って戦争を有利に運ぶことしか考えていない。
では
本作がアカデミー作品賞獲った時は意外だったが、いざ本編を観てみると、この一年間でハリウッドに起きた出来事などを鑑みてみると「これしかない」と誰もが思うはずだ。
メインストーリーやキャラクターとかは、そんな感じで想像してた通りいい話だと思った。
「FUCK YOU」のシーンは好きだし。
イライザはやたらと全裸になったり毎日、バスタブでオナニーしまくったり、そのバスタブに半魚人を匿ったり、半魚人とSEXしたり‥と性の生々しさを出してくる。ゲイの老人はダイナーのマスターの手を握り拒絶されストリックランドは妻と激しいファックする。

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🐟
マイケル・シャノンが物凄い熱演で演じる過剰に嫌な奴 エリート軍人。
殆どこいつ一人が悪‥、悪というか嫌な奴要素を一気に担っている。
登場して僅か数分で、性差別、人種差別、職業差別、半魚人差別、めちゃくちゃムカつく表情、普段はネチネチとパワハラ、そのくせ反抗されるとすぐに怒号や暴力、サイコパス的側面‥など、レイシストとか陰と陽とか‥ありとあらゆる嫌なヤツ要素が搭載されていて全弾発射される。
パンズ・ラビリンス」のナチの悪役の三倍くらい嫌なヤツだった。
嫌な奴の総合デパート状態。邦画リメイクされたら香川照之が演じそう。
デルトロの演出とマイケル・シャノンの演技が上手いもんだから登場して数分で見事にキャラが立った。つまりムカつかされる。
だが、はっきり言ってやりすぎだ。
よくエロ漫画などで、あらゆる属性を足しすぎてフルアーマーガンダムみたいになったエロキャラが出てくると笑ってしまうがそれに近いものがある。
もう充分キャラが立ってるのに更に「まだスペース空いてる?まだ搭載できるか?」といった感じでセクハラ要素まで足してくる。スペース空いてないから‥。
悪役を2人にしろよ、こいつ一人に全部やらせてないで。
腹いっぱいの状態なのに大盛り炒飯セットやちゃんこ鍋が運ばれてきた感じとでもいうか、射精もしくはオーガズムを迎えてもまだこすり続けてくるヤツとでもいうか‥何かと過剰だ。
そんな勢いのキャラのコイツが最初から最後まで大活躍するもんだから、映画の内容がだんだん入ってこなくなった。
そしてその感情的なムカつきとは相反する感情も同時に芽生えた。
それは、まるで生まれ落ちたその日からムカつく要素だけで構成されてるかのようなコイツを観てると、なんだかドラクエなどのゲームに出てくる村人などで、何度話しかけても「宿屋はあっちだよ」としか言わないキャラがいるが、コイツもそんな感じに見えてくる。つまり「こいつは人間じゃなくて、只の嫌な奴要素デパートだはないか」と思えて覚めてくるのだ。
またこいつはこれだけ多くの嫌な奴要素だけでは飽き足らず、激しい面も備わっていて、人体に銃弾を撃ち込んでその銃槍に指をつっこんで引きずったり、尋問中にビビらせようと自分の指を引きちぎったりする終盤に至ってはかなり醒めた気分で観ていた。何というか「こいつ、本当にこんな事やるかな?」と疑問に思ってしまった。
要するに「もっと半魚人とかイライザとか、この映画そのものについて考えたいが、鑑賞の妨げになるのでもうちょい抑えて普通にしててくれ」という感じに思えた。
かと思えば前半で、息子と過ごしてる時は普通のお父さんっぽく見えた。
「この悪役にはこんな平穏な時もあります」と見せられた気がする。これによって彼は立体的な悪役思えて、彼のことを「生まれついてのピュア・イーヴィル」という引き出しにしまい込む事もできなくなり、そのせいで全編「人間・ストリックランド」のめちゃくちゃ嫌な部分に否応なしに対峙させられる。デルトロ&マイケル・シャノンの優れた才能に感心すると共に、ただただしんどい思いをさせられた。説明難しいが、わかります?言ってること
😺
あと中盤で、イライザたちは半魚人の救出に成功。
だが空腹でタンパク質が不足してたので隣人ゲイ老人の飼い猫を喰ってしまう。
これはSNSのTL等で話題になってたので知ってた。
猫と睨み合ってカットが変わると、うたた寝してたゲイ老人がはっ!と起きるそして異常を感じて部屋に戻ると、半魚人に首を噛みちぎられた断面が見えてる血まみれの猫を抱えた口の周りを血まみれにした半魚人がいた!
そして頭部を失った猫の死体をほっぽって老人の身体を傷つけながら外に飛び出していく‥。しばらくして時間が経過した後も猫の死体が転がっている。
よくある描写だと「ゲイ老人が異音を聞いて部屋に戻る」→「口元に血の付いた半魚人、その足元には猫の毛や血痕が‥」こんな感じかと想像してたのだが全然違った。。
ロシア人科学者が「タンパク質を与えるんだ」という忠告を守らなかったこと、半魚人は空腹だった野生の生き物、そんな事から引き起こされた事件だった。老人は「野生だからな‥」と半魚人を許すのはキレて展開が停滞したらイライラするので別にいいが、その後の子猫が半魚人に普通に懐いてるのがよくわからなかった。
「別に猫を喰ってもいいけど、要らなくない?」と思った。
要は「空腹だったら猫を喰っちゃうような半魚人だが、これが彼のサガなんだ。愛するというのは相手のサガをも受け入れることだ」みたいな事が言いたいのかもしれないが、さっき言った悪役と一緒でとにかく過剰だろう。猫なんて食わずに老人が魚やったりしてサラッと先進めろよと思った。
🐟
その後も、イライザと半魚人のセックス、色が消えてミュージカル、水中ラストシーンなどの感動的な場面が次々と展開されてたようだが一切入って来ず、その間ストリックランドの過剰さと猫を食うシーンについてずっと考えてる間に終わった。
そんな感じで全体的に「きっと良い映画だったんだろうな」と思いつつも、不要に思える過剰な演出が多くて全然入ってこない映画だった。
そういえば、凄く「芸術や映画を愛してる」という雰囲気が炸裂するミュージカルシーンも苦手だった。。「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」での特撮愛が爆発するシーンが苦手だったのと似た苦手さを感じた。その苦手さの理由はよくわからないけど映画や芸術などへの愛をこういった感じで爆発させるシーン苦手だわ。ピーター・ジャクソンの映画とか「キル・ビル」全編とか「レオン」でチャップリンごっこする場面とか‥そういうの。理由はよくわからない。瞳孔が開いた感じではしゃいでる雰囲気に引いてしまうのかも(そしてそのファンの瞳孔が開いたはしゃぎっぷりも‥)。僕はそういうのもっとさらっとしてほしい方。まあ好みの問題か。
そんな感じで、やっぱ個人的にデルトロとは相性がめちゃくちゃ悪いなと思った。
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普段、他人の感想あまり読まないが気になってTwitterで感想を検索したら自分以外の人は全員絶賛したり号泣してる人多数で、徐々に不安な気持ちになった。
しかも彼らは「愛」についてとか、この映画の細部に対して「実はこうじゃないか?」などといった持論を展開しており、それに対して「僕とは意見違うな」と思うのだったらまだいいのだが、はっきり言って彼らが一体何を言っているのか全く理解できないので、ひょっとして僕はずば抜けてアホなのか、それとも「映画」や「愛」について何も理解してない男なのかもしれないと思い、不安を通り越して連れてこられた南米の半魚人になった気分になった。

 

そんな感じでした

『スケアリーストーリーズ 怖い本』(2019) /全体的に平凡だったが大柄女性怪異と結末が良かった📕 - gock221B
『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』 (2022) 全8話/ギレルモ・デル・トロ関係の作品でこれが一番好きかも🧠 - gock221B

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www.foxmovies-jp.com

www.youtube.com

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『ジャスティス・リーグ』(2017)/ワンダーウーマンのケツばかり映すのやめろよ

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原題:Jutice League 監督:ザック・スナイダー 脚本:ジョス・ウィードン 製作国:アメリカ 上映時間:120分 シリーズ:DC・エクステンデッド・ユニバース第5作目

 

 

 

最初に言っときたいが、このアレックス・ロス風ポスター↑は全アメコミ映画の中で一番かっこいい。
アメコミ映画が多すぎるせいか、昔はジャスティス・リーグの映画化を夢見ていたはずなのに劇場にかけつけないばかりかソフトが出てもしばらく積んでいた自分が信じられないけど観ました。

※この下は感想ではないので飛ばしてOK
★Marvelスタジオにおける「Marvelシネマティック・ユニバース」みたいな感じで、DCのこのシリーズは「DC・エクステンデッド・ユニバース」と呼ばれて皆が使ってたが実は正式名称ではなく、キース・スタスキーヴィッチ氏という人がEntertainment Weeklyのウェブサイト記事で冗談で付けた名前だとわかった。
日本ワーナー・ブラザースのウェブサイトでも使われてたりもしたので正式名称だと思いこんで普通に呼んでいた人は何だか恥をかかされた気持ちになり赤面したが、
ワーナーは改めて正式名称を発表するわけでもなく皆の気もちは未だに宙ぶらりんのままになった(この世は名付ける事にパワーが秘められていることを全くわかっとらんな)
★「マン・オブ・スティール」「バットマンvs. スーパーマン ジャスティスの誕生」「スーサイド・スクワッド」「ワンダーウーマン」に続くDCエクステン‥じゃなかった。〈ワーナー・ブラザース/DCコミックスによるDCコミック映画ユニバース〉の4作目。
今までのこのユニバース作品は、評価が低いものでも全て大ヒットはしてたのだが、本作は大集合映画にも関わらず興行収入が初めてガクンと落ちた(5千万ドル~1億ドルの赤字)。
公開までに色んなことがあった。
ザック・スナイダー監督、身内に不幸があり完成直前で監督を降りて、「アベンジャーズ」のジョス・ウィードンが追加監督になり再撮影は2ヶ月間、費用は2500万ドルもかけて大幅に撮り直す。「ミッション:インポッシブル/フォールアウト (2018)」の撮影のためにヒゲを剃れないスーパーマンヘンリー・カヴィルのヒゲを莫大な費用をかけてCGでヒゲを消したら凄く間抜けな口元になってSNS炎上。そしてザックの色味が暗くてコントラストの強い画面を塗り替えて後半、画面が真っ赤になる。超大量に追加監督をしたジョス氏のクレジットは「脚本」。
★「ザ・バットマン」の監督を降りたベンアフ、バットマン役からも降りる?という噂が出てベンアフがそれを撤回するというくだりが2、3回あった。
★ベンアフ、公開直前にハーヴェイ・ワインスタインのセクハラを知らなかったと嘘をついて非難された上に、過去のセクハラを追求され、ベンアフはそれを事実だと認めて謝罪。多くのバットマンファンは「来週くらいに公開されるのに一体どういう気持ちでブルースのことを見ればいいのか‥」と困惑させられ、思考停止してバットマンを観る努力を強いられた
★ジョス・ウィードン「今後のDC映画ではバットガールを撮りたい!」と意気込んでいて僕も楽しみにしてた。だが、ジョス氏は昔、ドラマ「バフィー 〜恋する十字架〜 (1997-2003)」の話を死ぬほど作ってて、女の子が闘う話を作るのはお手の物だったし、バットガールの構想ありきで追加監督を引き受けたはずなのに、本作がコケた直後に「バットガールの映画、どんなお話にしたらいいのかわからないので僕はやめます」と言いだして突然ワーナー/DCから去った。
★ワーナーの人は、こんな風に、無理難題を引き受けてくれたクリエイターを「失敗した?はい失敗!おまえクビ~」とやってたら今後、誰も助けてくれなくなるぞ。
MCUケヴィン・ファイギみたいなプロデューサーになってくれるのを勝手に期待してたDCコミックの有名ライターのジェフ・ジョンズ、重役には残るが直接的な映画製作から遠ざかる(残念)
★新しいプロデューサーはジェームズ・ワン制作ホラー「死霊館」ユニバースを成功させたり「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017)」を大ヒットさせたウォルター・ハマダ氏。
これはこれで楽しみだし、身内のジェームズ・ワンが監督する「アクアマン」が楽しみになった

ワーナー/DCのこのユニバースは、ワンダーウーマン以外ピンチを迎えている
ネタバレあり

 

 

Story
前作、スーパーマンヘンリー・カヴィル)の犠牲によって守られた地球。
ステッペンウルフとかいうヴィランが、3つ揃えると凄いパワーをもたらすマザーボックスを集め始める。
世界滅亡の危機をいち早く察知したバットマンベン・アフレック)は、ワンダーウーマン(デル・ガドット)と共に超人たちのスカウトに乗り出す。

こうして集められたのは、世界最速の青年フラッシュアトランティスの王アクアマン、全身の殆どが機械化されたサイボーグなどの超人たち。
バットマンワンダーウーマンは、我の強い彼らをチームとしてまとめ上げ、ステッペンウルフを倒して地球を護れるのか?
みたいな話

 

 


構造的には6年前の「アベンジャーズ (2012)」と同じ。
第一幕:巨大な敵に立ち向かうため、ヒーローを集めてチームを作る
第二幕:敵に苦戦する
第三幕:チームがまとまって敵を撃破してジ・エンド
で、今まで殆ど出てきてないフラッシュ、アクアマン、サイボーグの背景を短時間でちゃちゃっと説明する必要があるので第一幕でササッとやってた。初めて観る人はそれで了解したのかどうかよくわからんが僕は別にいいと思った。この前半が一番好き。
今まで散々「明るくした方がいい」と言ってたジェフ・ジョンズを初めとしたスタッフの忠告を無視してたワーナーは、気が変わったのかジョス・ウィードンを招聘して「アベンジャーズみたいに明るい内容にしてくれ」とでも言ったのか明るくなった。フラッシュやアクアマン等の明るいキャラのギャグも多めで、ついでに画面の色彩も明るく着色された(殆ど推測)。
以降「このシーンはザック?あのシーンはジョス?」みたいな話は、推測は出来るが推測の域を出ないのでやめておく。終わりのない言い合いに発展して最終的には自分が好きな監督を推してそうじゃない方の監督を貶すだけの不毛な千日戦争になるだけだ。トビー・フーパースピルバーグの「ポルターガイスト」みたいに。。
だが、そんなジョス・ウィードンもワーナー/DCにもういない。
中盤、ジャスティス・リーグは苦戦を強いられて打開策を練ってるうちにちょっとした波乱があり、後半は総攻撃して「三國無双」の敵兵くらい弱いパラデーモンを倒していく。ステッペン氏は結構強い。
結構、ニチアサ感あふれる単純な話だったので何度も観る気はしないが「これぞヒーロー映画」って感じで、まとまってたので良いと思う。子供や子供の心を大事にしてる大人が観たら夢中になれる気がするし破綻したところもない。ワーナー/DC映画の中では「ワンダーウーマン」の次に良い気がした。

以降はキャラ個別の感想
バットマン
物理的には一番弱いがキャラ的にはアメコミ界でも最強の部類のブルース氏。今回はおとなしくニック・フューリー的なブレイブ&ボールド的なまとめ役に徹してた。たまにパラデーモンをフックで引っ張ったりバットモービルをぶっ飛ばすくらい。
本当ならバットマンにはもっと活躍してほしいところだが、ベンアフ氏には男尊女卑セクハラクソ野郎のイメージが付きすぎたので今回はこんなもんでいい。
ワンダーウーマン
彼女は相変わらずめちゃくちゃ美しくてカッコよくて目立っていた。世界で一番美しい
バットマンジャスティス・リーグの父なら、彼女はママ役を演じる。
ところで本作、ワンダーウーマンのケツや股間やフトモモをやたらとドアップにしたり煽りでスカートの中を撮ったり、乱戦中に覆いかぶさってしまったフラッシュがドキドキするという90年代香港映画みたいな場面が多すぎる。男だしワンダーウーマン好きなので最初は「おっセクシー」と視線を奪われたが、それが6回も7回も続くと次第にウンザリしてきて「いい加減にしろよ!」と思った。女児が尊敬するヒーローなんだし、僕もワンダーウーマンを憧れのまなざしで見たいのであって、性的な目では見たくないので、こういう時代に逆行した性的な撮り方はやめてほしい。セクシーな女体は勿論好きだが、今は男性からのエロ目線でワンダーウーマンの下半身を見つめる時じゃない。ワーナーDC映画の評価を一人で上げて女児に希望を与えたワンダーウーマンをもっと敬って大事にしろよ。
というか、そんなワーナーっぽいエロ目線もそうだがキャラクター性も、元カレの事言われたらブチギレたりママ役に徹したバブみ要員といい、どれも旧態依然としたマッチョな男目線で、MCUより確実に勝ってた「男に頼らないカッコいい女性ヒーローの躍進」までかなぐり捨ててご苦労なこったな。
マザーボックスを守るアマゾン族はすげえ美しい。それにしても「ワンダーウーマン」単独作ではドイツ軍に撃たれただけで死んでたのでダイアナ以外のアマゾン族は普通の人間並かと思ってたが今作のアマゾン族は超人みたいに強く見えた。彼女達の強さはファジーなものなのかも知れない。製作中の「ワンダーウーマン2(仮)」も楽しみ
★スーパーマン
何といってもスーパーマンだし、「バットマンvsスーパーマン」終盤で命を落としたスーパーマンは数分後のラストシーンで息を吹き返していた。
だから映画を観てる観客は誰一人スーパーマンが死んだと思っていないのに予告編やポスターでスーパーマンを隠し続ける意味がよくわからなかった。そして公開数日で客足が芳しくなかったので急遽スーパーマン入りのポスターを公開した(このページ最上段のトップ画のやつ↑)。
寝起きで記憶が飛んでブチギレたスーパーマンが暴れるシーンはよかった。
特に超高速のフラッシュを目で追う場面と、ワンダーウーマンを殴ったら彼女が斜めに地面にめり込む場面は恐ろしくて良かった。サイボーグにヒートビジョン撃ってたがスーパーマンはよっぽど極悪な敵に激怒した時じゃないと他人に向かってヒートビジョンは撃たないのでギョッとした。それと全体的にスーパーマンの態度が原作より高圧的な気がした。
中盤で皆が苦労して蘇らせたが母と妻に会いに行き、後半でドラゴンボールの悟空みたいに皆が苦戦してる時に再登場して敵をやっつけた。
CGで消したスーパーマンの口元はマジで不自然で、彼が出てる場面ずっと口元を見ていた。こんな事なら今回のスーパーマンはヒゲ生やしたキャラにした方が良かったのでは
★フラッシュ
フラッシュは現在ドラマも放送中なので映画とドラマで2人のフラッシュが存在する事態になった(感想書いてないがドラマ版は好き)。 この映画版フラッシュは高校生だっけ?かなり若者。そして戦闘経験ゼロのお調子者キャラになっていた。キャラ立ちのためにお調子者にするのは別にいいが、こいつのチョケ方はムカつく。高校生というよりも「ストレンジャー・シングス」の小学生が言うようなギャグを言う。やたらとキョロキョロ見回したりチョコマカ動き回る感じも好きになれなかった。
だがこんな彼が可愛くてたまらないという女性も勿論いるだろう。
アーマースーツは結構カッコよかった。でもやっぱドラマのフラッシュの方が好き
★アクアマン
WWEのレスラーみたいなタトゥー入れまくりのワイルドバッドアスキャラになっていた。原作とは似ても似つかないし原作のさっぱりアーサーの方が好きだが、これはこれでカッコいいから別にいい。活躍シーンは思ってたより少なかったので敵を水中に引きずり込んでボコるシーンが欲しかった。ウイスキーラッパ飲みする場面がカッコよかった。ワンダーウーマンを可愛いと思ってるという愉快な事実も判明した。アンバー・ハード演ずるメラも出た(アンバー・ハードはそうでもないが原作のメラは好き)。
「アクアマン」単独作はジェームズ・ワンが監督だし新プロデューサーはジェームズ・ワンの身内なので楽しみだ。面白い予感
★サイボーグ
ティーンタイタンズのキャラだったのに黒人枠なのかNEW52から急にジャスティス・リーグ入りしたキャラ。コミックやアニメだと印象薄くて気にした事なかったが、コミックそのままのルックスが凄くカッコよかった(というかザックの監督作ぶりは好きじゃないがザックが採用するデザインは凄く好き)。演じてる黒人俳優の顔もカッコいいし手が銃に変形するのもカッコいい。顔面の半分が機械でそっちの目がずっと赤く光ってるのも、フードで身体を隠してるのもカッコよくて小二的感性をくすぐられた。
★ステッペンウルフとかいうCGのかたまり
こいつは典型的な中身空っぽの強いだけの悪の魔王キャラ。
ワンダーウーマンのアレスとか、ヒーローがわーわーと総攻撃して倒されるためのキャラ。だけど今回はジャスティス・リーグ初の勢揃いなのでそれでいいと思う。「アベンジャーズ」のチタウリも全く中身ないし。でも最後の方で「ばかな‥破滅の魔王であるこの私が‥」みたいな事言ってたのは赤面した。こいつが妙にショボいのは、最初「ジャスティス・リーグ」は前後編の予定だったのが急遽二時間以内の一本になったので本来ならこいつは中ボスだったのではないかと専らの噂。
★グリーンランタン・コァ
そういえば太古のグリーンランタン・コァ出てたね。グリーンランタン・コァが昔のステッペンウルフにやられて指輪が飛んでるのを観て「ブラッケストナイト」がめちゃくちゃ観たくなった。「シネストロ・コァ・ウォー」でもいいがグリーンランタンは絶対に映画向きだと思う。ワーナー/DCは以前大失敗した「グリーンランタン」の失敗を踏まえてか次は「グリーンランタン・コァ」という最初からチームものにする模様。多分「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」風味にしてくると予想。グリーンランタンがヒットしてスター・ウォーズみたいになるのをマジで期待している
★デスストローク
若ハゲクソ野郎ことルーサーと組んで悪役チームを作り、それが「ジャスティス・リーグ2(仮)」もしくはバットマン単独作、もしくは「マン・オブ・スティール2(仮)」このどれかの悪役になる模様。というかコミックそのもののデスストローク、マスクも素顔もめっちゃカッコ良すぎる。というかデスストローク本人。

何かこの感想‥貶してる部分の方多いように見えると思うが、最後まで一気に観れたし楽しめた(特に前半)。
一言で言うと、悪くはないがそこそこ、古臭いという感じ。
6年前の「アベンジャーズ」から下ごしらえ要素を抜いた感じとでもいうか。
アメコミ映画が氾濫する今年では平凡な一作に思ったが、本作が6年前に公開されていたら絶賛してた気もする。10年前だったら神アメコミ映画だ。
ファンを無視したワーナー上層部ないのしょうもない社内政治のせいで常にゴタゴタし続けてるワーナー/DCだが、アメコミやアメコミ映画を好きになったきっかけは29年前の「バットマン (1989)」だし今後も朽ち果てるまで応援したい。
ユニバースの屋台骨が崩れてきて危機的状況だが、何とか建て直して欲しいし。

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

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『DC がんばれ!スーパーペット』 (2022)/動物とDC好きな人なら全編感動しながら観ることになる「レゴ®バットマン」のジャスティス・リーグ版的な理想的なDC映画🐕 - gock221B
『ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー』(2018)/ほぼ全編ギャグだけどDCEUのどの実写映画よりグッと来ました。マリオの映画の監督&脚本だけあって全体的に似てた🎬 - gock221B

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Justice League (2017) - IMDb

www.youtube.com

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