gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『ブレードランナー 2049』(2017)/デッカードを出さず前作との繋がりがない方が良かったような……🤖

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原題:Blade Runner 2049 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作国:アメリカ 上映時間:163分 シリーズ:「ブレードランナー」シリーズ

 

 

 

前作「ブレードランナー (1982)」は‥まあ好きです。というか映画好きな人でブレードランナー嫌いな人は若い子以外じゃいないでしょ‥(バージョンはファイナル・カット)
ストーリーとかキャラが良いのは勿論ですが、やっぱり「世界一雰囲気がいい映画」という印象がある。ヴァンゲリスの世界一いいサントラが流れてる中、シド・ミードのクルマに乗ってシド・ミード的な汚い街や汚い部屋を、心底しんどそうな顔したデッカードがウロウロして、ろくな説明や台詞が殆どないまま、話が進んでいくのを観てるとうっとりする。
本作の公開直前にYouTubeで短編映画が三本公開された。
【渡辺信一郎監督による前奏アニメ解禁!】「ブレードランナー ブラックアウト 2022」 - YouTube
【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2036:ネクサス・ドーン」 - YouTube
【『ブレードランナー 2049』の前日譚】「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」 - YouTube 
旧作と本作の間に何が起きたかを描いてるので「本編観る前に要チェックしとけ」って事なんだろう。
エイリアン:コヴェナント」の時も似たような事をやってたらしいが(宇宙船のクルーの紹介してたらしい)動画の存在を知らずにコヴェナント本編観て「クルーの紹介せずにどんどん殺しても何とも思わんって!」とイラついた記憶。
エイリアン:コヴェナント」も本作もどっちもコケた上に低評価だったのでこの手法は流行らないと思う。

 

 

Story
▼▼前作ブレードランナー (1982)」
21世紀初頭、タイレルは優れた体力と高い知性を持つレプリカントと呼ばれる人造人間を発明。
西暦2019年11月のロサンゼルスレプリカントを判別し抹殺する警察の専任捜査官「ブレードランナー」のデッカードハリソン・フォード)は、反乱を起こして地球に潜伏していた「ネクサス6型レプリカントの男女4人を抹殺し、女性レプリカントレイチェルと姿を消した。
ブレードランナー ブラックアウト2022 (2017)」※アニメ作品
西暦2020年。多くの反乱を起こしたレプリカントの「ネクサス6型」達は寿命年限を迎え死滅。
タイレル社は寿命のない「ネクサス8型」を市場に投入したが、人間至上主義運動が興りレプリカントと見なされた者が私刑虐殺される事件が相次ぐ。

西暦2022年レプリカントのイギー&トリクシーの起こしたテロにより、あらゆる電磁気記録が破壊される「ブラックアウト(停電)」が発生 。翌年、レプリカントは法律で製造禁止になりタイレル社は倒産。
「2036:ネクサス・ドーン (2017)」
西暦2036年。旧タイレル社の資産を手に入れた科学者ウォレスジャレッド・レト)が、政治家たちに働きかけてレプリカント禁止を廃止させ、従順で寿命制御も可能な「ネクサス9型レプリカントを製造開始。
「2046:ノーウェア・トゥ・ラン (2017)」
西暦2046年ブレードランナーたちが違法な旧型レプリカントの処分を徹底する世の中。
ロサンゼルスにて、旧型「ネクサス8型レプリカントサッパー・モートンデイヴ・バウティスタ)は、顔見知りの母娘を守るため凶悪犯達を殺害し逃走。レプリカントである事がバレて通報される。↓

ブレードランナー 2049 (2017)」
西暦2049年。貧困と病気が蔓延するカリフォルニア。 人間と見分けのつかない「レプリカント」が労働力として製造され、 人間と危うい共存関係を保っていた。
旧型レプリカントを取り締まるブレードランナーであり自身もネクサス9型レプリカントであるロサンゼルス市警の“K”(ライアン・ゴズリング)は、ウォレス社製AIホログラムのジョイ(アナ・デ・アルマス)を恋人として過ごす孤独な日々を送っていた。
ある日、Kは逃亡中だった旧型のレプリカント「ネクサス8型」のサッパー・モートンデイヴ・バウティスタ)を始末するが、その庭にある枯木の根元から帝王切開合併症で30年前に死亡した女性型の遺骨を発見する。しかし検査の結果、その女性は何とレプリカントだった。。
ウォレスジャレッド・レト)の陰謀とは?30年間、行方不明のデッカード(ハリソン・フォード)に一体何が起こったのか?

 

 

 

あらすじ書くだけでヘトヘトになって感想を書くのが面倒くさくなったので、まとまりのない箇条書きスタイルで終えることにした。
前半は良いと思ったけど後半になるに従ってうーん‥と思いました。
★まずライアン・ゴズリング演じる主人公Kのドラマは良いと思いました。ジョイや木製の馬、死ぬほどキショいラヴ‥。
「AIとの恋愛」は、映画やネットばかり観たりアイドルもそこそこ好きな自分は観ていて「はっ」と思ったし肉体を得てKと交わるジョイのけなげさにはジーンとした。こう言うと一気に「可哀想な男」と思われそうだが正直Kにめっちゃ感情移入したしジョイがめちゃくちゃ可愛かった。ジョイの優しい感情はプログラムかも知れないが別にどうでもいいと思った。本当に優しいかどうかより、優しい態度を取ってくれる方が大事だ、俺はね。だからジョイの結末は人間の死より悲しかった(その後巨大エロ広告が話しかけてくるのがもっと悲しい)。自分よりもっと上の40代半ば~50代が言う「ブレランを二次嫁の話という矮小なものにするな!」とは思わなかった(というかブレラン好きなのにAIを軽んじるのはアウトだろ)。
ラヴはここ10年の映画の悪役の中でもトップクラスにムカつきました(特にKをボコボコにして、どさくさに紛れてKにキスする場面がめちゃくちゃ気持ち悪い!)
★美術デザインは前作の「雑然とした汚い未来」が見れないのが残念だった。「エイリアン:コヴェナント」もそうだが、旧作のブレランとエイリアンは、その美術が全ての映画の中でもトップレベルにカッコいいのに、どういうわけか両作とも捨て去ってしまう。かといって本作の美術がダサいわけではない。「数十年の間に色んな事があって地球が劣化した」という言い訳と共に展開される美術だが、まずヴィルヌーヴのデザインは個人的に凄く好きです。だだっ広くてカッコいいヴィルヌーヴ空間ね。ヴィルヌーヴ映画では只の駐車場とか道路ですらカッコよくなるし。でもそれはヴィルヌーヴ映画でいくらでも観れるので、本作では前作っぽい美術が観たかったなと思った。
★空飛ぶ自動車スピナーのカッコよさは健在だった。そしてスピナーが空を飛んでる時の浮遊感はめちゃくちゃいいと思った。そういった、Kが色んな所に行って調査する前半まではかなり好きだと思った。ブレラン風BGMに乗せて可愛いジョイを助手席に乗せたKのスピナーがフワフワ飛んで強制労働施設に行く場面とかめちゃくちゃ良い。VRにしてくれ、それ観ながら死ぬから
デッカード絡みのストーリーも実は良いと思ったけど、これはデッカードやレイチェルを持ち出さず、バティスタでも何でもいいけど新しいキャラでやった方が飲み込みやすかったような気がしました。
★そんな感じでメインストーリー自体は、そんなに悪くないと思った。
レプリカントは子供を作れるのか?」「記憶とは一体何なんだ?」などのテーマも良かった。
★だけど、あらすじまでの基本設定が多すぎたり、一体どういう話なのかわからない予告編や、本当はわかりやすく作れるはずのヴィルヌーヴブレランっぽさを演出するために、わざと台詞を少なくして話を解りにくくしたり(こんなもん若い子寝るぞ)、バティスタ演じるチョイ役サッパーの存在をやたらデカくしたりと、やたらと本作を奥深く見せようとしている部分や、後半出てくるレジスタンスやラスボスのウォレスを2作目3作目のために温存したりするところ。
そしてこんなわざと解りにくく作った本作。スター・ウォーズMCUみたいなわかりやすくてそこそこ中身ある映画が若者に大ヒットしてる現代でヒットすると思って大金かけて作った制作過程などが‥何かダサいと思いました。
ブレランっぽく描写は解りにくく作ってあるものの(たとえば「レプリカントの出産」とかの衝撃的事実をわざとさらっと流したりするのをカッコいいと思ってる)、映画が終わると色んな謎は綺麗に解けてるので旧ブレランみらいにああだこうだと論争してロングセラー化する余地がない気がした。事件は解決してるのにラスボスのウォレスは続編のために残してあるのが何かイライラするし、別に続きが観たくならない
★要するに映画の背骨となるストーリーやテーマや主人公&ヒロインには好感を持ったけど、その背骨に着いてる脂肪や制作姿勢がうっとうしいという感じ。
悪くはないが一年後には忘れていそうという意味で「ブレードランナー」に対する「ブレードランナー2049」は、何か「ブルースブラザーズ」に対する「ブルース・ブラザーズ2000」を思い出した。
★割と批判めいた感想になったが、良いところの方が多いので観るタイミングが違っていれば絶賛してたかもしれない。
やっぱり傑作すぎる一作しかないブレランの続編を数十年後にいきなり作ったから、ハードルが高すぎたのか。
そんな感じで、監督もストーリーもキャラクターもガジェットも結構好きだが、トータルで見るとあまり好きになれない、という微妙な感想を持つ映画だった。
デッカードを出さず、Kだけの映画ならもっと気持ちよく観れた気がする。
もしくは二回目観たら好きになれるかも

 

 

 

そんな感じでした

『複製された男』(2013)/凄いのか凄くないのか判別が困難な映画👨👨 - gock221B
『ボーダーライン』(2015)/巨大な暴力を目の前にした時の無力感と不思議な快感、同時に我にあり💀 - gock221B
『メッセージ』(2016)/異星人との触れ合いは楽しかったがそれよりもラストにあるSF要素にもっと時間取った方が良かったのでは?👽 - gock221B
『プリズナーズ』(2013)/この監督作でこれが一番おもしろい🧑🏻👨🏻 - gock221B
『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)/最後の5分くらいまでリンチのデューンの方がマシだと思ってたけどラストは凄く良かったです🐛 - gock221B

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Blade Runner 2049 (2017) - IMDb

www.youtube.com

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「ジム&アンディ (2018)」ジム・キャリーがアンディ・カウフマンに感情移入しすぎて暴走する『マン・オン・ザ・ムーン(1999)』の記録

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原題:Jim & Andy: The Great Beyond - Featuring a Very Special, Contractually Obligated Mention of Tony Clifton 放映局:Netflix 監督:クリス・スミス 製作国:アメリカ 放映時間:94分

 

これ観たの一ヶ月前だがまとめるのが面倒で放置していた。Netflixに入ってからというもの毎晩無限に観ていて追いつかない。今もこれを書きながら家事をしながら違う作品を観ている(というか流してる)
これはめちゃくちゃ観たくてNetflixに入る動機の一つになったもの。
マン・オン・ザ・ムーン(1999)」撮影中のジム・キャリーの様子を流しながらアンディ・カウフマンやジム・キャリーに触れるドキュメンタリー。
僕は90年代にジム・キャリーの大ファンだったし、「マン・オン・ザ・ムーン(1999)」もそこそこ楽しかったので本作は観てみたかった。
しかし「マン・オン・ザ・ムーン(1999)」より先に翻訳された、恐らく映画の原作となったであろうアンディ・カウフマンの座付き構成作家であり架空のキャラ、トニー・クリフトンの一人でもあったボブ・ズムダによるアンディ・カウフマン伝記を読んだのだが、この本が傑作だった。※最後に後述
でも世代じゃないし英語もできないので生前のアンディ動画を観まくったりはしてない(というか今から過去のネタを観ても別に面白いものでもないと思う)。映画と本で情報として知ってるだけだ。アンディが好きというよりも情報としての「アンディの逸話」が好きといった方が正しい

 

 

Story
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ジム・キャリーは1999年に、自身が尊敬する、35歳で他界した伝説のコメディアン、アンディ・カウフマン役をした映画「マン・オン・ザ・ムーン(1999)」に出演した。
本作は、その舞台裏を記録したメイキング・ドキュメンタリー。

アンディに感情移入しすぎて虚構と現実の境目が曖昧になったジムは、バックステージでもアンディの扮装のままアンディ的振る舞いをしてスタッフや共演者にウザがられていく‥

 

 

アンディ・カウフマン
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アンディ・カウフマンはおかしなコメディアンだった。
★めちゃくちゃショボい男のフリをしながらプレスリーの物真似をするために着替えてる最中に声や顔つきが全て変わっていき超そっくりにプレスリーを演じ、直後に再びショボい男に戻るというネタ。
www.youtube.com★アニメ「マイティ・マウス」のレコードを再生して居心地悪そうに聴いているが、サビだけ自信満々に口パクで踊るというネタ。
★「女なんか下等な生き物だ!ボクには勝てないだろう!かかってこい!」と視聴者の女性を挑発して、リングに上がってきた素人女性を完膚なきまでにボコボコにして「ほらな!弱っちい女どもめ!」と叫んで女性視聴者のヘイトを集めて次の挑戦者を集める‥という90年代に東野幸治が「ダウンタウンのごっつええ感じ」でアイドルやオバハンをボコボコにするというプロレスネタより先駆けること数十年前にやってたプロレスのミックスドマッチのネタ。
www.youtube.com

★そんなアンディを懲らしめるためにやってきた本物のプロレスのチャンピオン、ジェリー・ローラー(近年ではWWE解説者通称”キング”として有名)をおちょくりまくって自分をシバキ回すよう仕向ける。その後生放送で和解すると見せかけて首を怪我してる自分をシバかせて抗争を演出。
ようするに本当に喧嘩してるように思わせる喧嘩ネタですよね。
www.youtube.com★平和で愉快なコメディ「Taxi」のレギュラーキャラで退屈な役をする事にストレスを感じ、傍若無人に振る舞う太った毛むくじゃらの架空の歌手トニー・クリフトンという第二のペルソナを作り上げて暴れる。

www.youtube.com★そのトニーを、相棒の座付き作家ボブ・ズムダに演じさせて、アンディとクリフトンが同時に共演したりして「トニーを演じてるのは誰なのかわからなくする」という芸。
★かと思いきや最終的には大人たちを大ホールに呼んで歌って踊って空飛ぶサンタがクッキーを配るというガチで心暖まるライブ(実はアンディが一番本当にやりたかったのはこういうものらしい)
★そういった抗争ヤラセやトニー・クリフトンなどの、虚構と現実の壁を曖昧にする芸のせいで本当に死んでも「本当は生きてて死を偽装してるのでは?」と思う人が続出した
★アンディ・カウフマンは死んだが、相棒のボブ・ズムダが時折クリフトンに扮してライブしたりしてるので死後も生き続ける感じにさせる。

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‥などがある。
どれも観たことある気がする芸だが、アンディがやったのは大昔なので近年のそういう芸風のコメディアン(サシャ・バロン・コーエンとか)よりも早い。

 

 

ジム・キャリー
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アンディの説明が一通り終わると、ジム・キャリーに視点が戻る。
父が仕事で失敗して、一時期ホームレスになった事もある貧しい生い立ち。
そんな父を凄く愛していて、死んだ父の棺桶に大金を入れたこと
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そのせいか他人が引くくらいオーバーでハイテンションな芸になった?
それは特に言ってなかったが、僕は昔からそう思って観ていた。
とにかくジム・キャリーは黒人オンリーのコメディ番組で唯一の白人として出演して頭角を現し、映画も成功してスターとなった。
全然関係ないが僕もYOUTUBEがまだ無い頃、英語もわからんくせにMXとかでジム・キャリーのコントとかを集めて観ていた。
90年代に僕がジム・キャリーを好きだった理由は彼がハイテンションで何かすればするほどウケはするがどことなく浮いているし何だか「悲しい雰囲気」が漂うところだった。
僕はアラサーくらいまでアスペ寸前の空気が読めない男だったので(今は多分、経験や知識で補ってるだけで僕の本来の性格は今もそんな感じだと思う)そんなハイテンションでいながらも、まるで自分の殻に閉じこもってるように見えるジム・キャリーに感情移入して大好きだった。
コメディでヒットを連発してスターになった後、ジム・キャリーはモロに賞狙いの映画に出始める。だけど全く獲れなかったところを見ると裏で嫌われてたのかも知れない。本作を見るとジム・キャリーが映画人達と仲が良いとはとても言えない(完全に自分の殻に閉じこもって自分しかわからない自分だけの世界に生きているように見える)
まあ、とにかくアンディを尊敬していたジム・キャリーは完コピのオーディションテープを送ってアンディ役をゲットする。

見事、アンディ役を射止めたジム。
映画でもアンディの喋り方、アンディのネタや番組などを完コピ再現する。
www.youtube.comそれは「マン・オン・ザ‥」を観ればわかる話だ。ここからが本作。
彼は舞台裏でもアンディになったつもりで普段からアンディとして過ごす事にする。本作はそれをジム・キャリーのスタッフか誰かが回しているカメラなのかな?たまに「撮影禁止だぞ」と怒られている
具体的にどういうことかと言うとジムは、アンディやクリフトンの扮装を解かずに監督、スタッフ、共演者に延々と絡み続けるのだ。
はっきり言ってどう観ても嫌がられている!
皆、苦笑いで「あぁ、ジムは役作りで普段からアンディになりきろうとしてるんだねw」とは言ってくれるが、完全にスターの奇行に引いた雰囲気を出している。
特に顔見知りでもないスピルバーグのオフィスに突撃したり、撮影所でカメラを回してるので警備員に「それを切れ!」と怒られたりする。
昔、アンディと抗争を繰り広げたプロレスラー、ジェリー・ローラーが本人役でセットに入るが、アンディになりきったジムはジェリーに対して延々とウザ絡みしたりちょっかいかけ続ける。
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ジェリーの彼女にマジでジュースをかけたり。。
ジェリーは「奴なりにアンディになろうとしてるんだろう」と大人の態度だが時折、半ギレになって身を乗り出す(ジム・キャリーは走って逃走)。
どうやらジムは昔のアンディvs.ジェリーのように抗争を起こそうとしてたようだ。ジェリーも昔を思い出して、抗争に乗ってあげてる感じでイカついプロレスラーを演じてる‥のかもしれないが演技が上手すぎて本気で怒ってるのか怒ってないのかよくわからない。
虚構と現実の境目を曖昧にするというジム・キャリーの目論見は上手くいってるのかも知れない(だがそれを見てるのは現場の人だけだ)
そんなジムに引かない人達もいた。所謂、アンディ側の人達だ。
アンディを憑依させたジムはあまりにもアンディに似ていた。
顔は似てないが表情や雰囲気や仕草が似ているらしい。
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アンディの実の妹が「本当に似てるわ‥」と瞳をうるませて抱きつく。
現場にアンディの実の娘が会いに来て、ジムキャリージム・キャリーじゃなく「本物のアンディ・カウフマン」として数時間、娘と語り合う。
映画でアンディの妻役を演じたコートニー・ラブが現場入りした日、ジム・キャリーはズボンを脱いで歓迎のダンスを始める。
するとコートニーはスターだというのに一瞬で気を合わせてスタッフたちの衆人環視のもとブラとパンツだけになって踊り狂う。
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「やっぱコートニーってイカれてるな‥」と思った。
あとアンディの相棒、構成作家だったボブ・ズムダもジムのキャンピングカーに入り浸るようになる。
彼は完全にアンディ側の人間だしイカれた世界に住む人なので、ジムと意気投合して、あんな事しようこんな事しようと悪さをする。
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とにかく連日、要らんことばっかりして監督はウンザリしてる感じ。
「映画は舞台裏で起きていた」と語るジム
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まあ、そんな感じのドキュメンタリーなのだが。
これがずっとオクラ入りしてた事といい、暴走するジム・キャリーが現場で浮いてる感じといい。舞台裏のジムのノリを特に映画に盛り込むこと無く真面目な映画を撮るだけの監督といい、「やっぱジム・キャリーは自分のビジョンを100%の形にできる人が周りにいないんじゃないかな」と思った。
というか昔からジム・キャリーに対してそう思っていた。
コメディやっても感動作に出ても、どれも良いところはあるが全体的に空回りしてるイメージというか。。
現在のジム・キャリーも色々語ったりするが、どうも何を言っても全部、自己完結していて何というか‥うまく言えないが殻に閉じこもったままで微妙な閉塞感を感じるんですよね。
人気出演作は幾つかあるが「絶対ジム・キャリーのポテンシャルはこんなもんじゃない気がするのだが‥」と思っていた。ジム・キャリーの映画って第一幕でギャグやって第三幕で中途半端な感動作にするだけだもんね。
アンディへのなりきりっぷりや、舞台裏での暴走など、確かに面白いが「これが全部合致して作品に出せればきっと凄いんだろうに」という気分になった。結果できあがった「マン・オン・ザ‥」は、そこそこ面白い手堅い映画でしかなかったしね。
ひょっとして彼だけに限った話ではないがアメリカのコメディアンは「売れてきた」という時点で既にとんでもない大スターMAX状態なので、スターになった時点でアガリなんだろう。その後は普通のハリウッドスターになるくらいしかやる事ないのかも。
この本作、アンディ・カウフマンを題材にしてるから正直言って何か作品自体にメタ的な仕掛けがあると思っていた(思いつかないけど死んだアンディ本人が何とかして出てくるとか‥そういう無茶苦茶なこと)
だけど本当にただのドキュメンタリーだったので少し肩透かしにあった。
それがなかったとしても舞台裏で狂人のようになったジム・キャリーを期待したのだが‥確かに狂った感じではあってニュースにもなりかかるのだが、やっぱりそれでも狂人になろうと努力してるレベルというか‥。単純にハリウッドの大人の人達に我慢してもらってるだけという結果になってる気がした。もちろんジム・キャリーは真摯な気持ちでギャラにもならない己の道を求めた事は伝わったが‥やはり空回りしてただけという印象を持った。
ジム・キャリーも僕のような何も成し遂げてない男にそんな偉そうな事言われたくはないと思うが感想とはそういうものなのでジム・キャリーさん‥すみません

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ボブ・ズムダによるアンディ・カウフマンの伝記
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当時、はっきり言って映画「マン・オン・ザ・ムーン(1999)」よりも、「マン・オン・ザ・ムーン(1999)」公開前に発売された原作といえるこの本の内容の方が衝撃的だった。アンディの座付き構成作家であり親友だったボブ・ズムダによるアンディの伝記。
これ先に読んだせいで映画は、知ってる情報をただなぞっただけ状態だった。

マン・オン・ザ・ムーン―笑いの天才アンディ・カフマン (角川文庫)

マン・オン・ザ・ムーン―笑いの天才アンディ・カフマン (角川文庫)

しかも肝心のアンディ・カウフマンについての話も勿論面白かったのだが、それよりもこの本だけにしか出てこないアンディの心の師匠とも言える、Xのエピソードが強烈だった。
Xは風呂にも入らず浮浪者のような格好をして大金持ちのハリウッドの脚本家で、ズムダは一時期Xの付き人をしていた。
Xは普段、無茶苦茶な事をして捕まりそうになったり殺されそうになるとズムダにカバンを開かせて金でなんとかする男で、特にパン屋でドーナツ買おうとしたらオバサン店員に「並べ」と断られたので全てのパンや機材や店員や職人たちの服や下着も買い上げて全裸にして、要求に応じない真面目なオバサン店員へ払う金を釣り上げて「シャツだけ少し脱げば君の夫の年収1万9千ドル払う」と言うも高潔なオバサンを倒しきらずに(だけどオバサンの精神は完全に破壊され、オバサンは他のたった1000ドルで全裸になった全店員や職人に悪態を嫌われる)店を後にするが全ての物や魂を買い取って全裸の店員達が大騒ぎして精神が破壊されたオバサンが震えている爆心地みたいになった店のショーウインドーに一番最初のドーナツ一個だけが残されていた‥というエピソードが強烈で、劇中で話を聞くアンディ同様に当時は痺れた。
でもXは悪意で嫌がらせがしたいってわけじゃなくて(オバサンからすればそういう人にしか見えないが)その反社会的な行動で自分の事や他人の価値観や精神を破壊する人で、それ自体がジョークになっている。そのXの逸話がアンディに影響を与えた。
でも確認のために今ひさびさに読み返したら20年経って自分の中の倫理観が変わったのか、Xの行動は99%の人には伝わらないので「という事はただの嫌な奴と差がないよな」と思えて昔ほどピンとこなかった。
興味湧いた人は、AmazonKindleや古本屋で見かけた時に読んでみて下さい

 

 

そんな感じでした

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マン・オン・ザ・ムーン デラックス版 [DVD]

マン・オン・ザ・ムーン デラックス版 [DVD]

  

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『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡


原題:Thor: Ragnarok 監督:タイカ・ワイティティ 製作:ケヴィン・ファイギ 脚本&原案:エリック・ピアソン 原案:クレイグ・カイル、クリストファー・ヨスト 原作:スタン・リー、ラリー・リーバー、ジャック・カービー 主題歌:レッド・ツェッペリン「移民の歌」 制作会社:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:130分 シリーズ:「ソー」シリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

「ソー」トリロジー完結作。MCU17作目。
アベンジャーズBIG3のパワー担当、レンタル始まってたので観た。
観れば絶対面白いのはわかってるがアメコミ映画が多すぎてMCU疲れを起こしてたので後回しにした。
ワイティティ監督の映画は、感想書いてないけど最近Huluで「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」観た。面白かったし本作は「シェアハウス‥」に似てたし、どういう資質を買われたのかがわかった。先に観といた事でより楽しめた気がする。
MCUの中でもワースト3に入る前作「ダーク・ワールド」がまずかったのか、本作は社長やキャップに比べて結構間を空けて制作された。そして過去のソー要素が全て削り取られた。ほぼ別物と言っていい‥が、ソーとしての大事な背骨は残ってるのがさすがマーベル・スタジオさすがワイティティ監督といった感じだった。
ネタバレあり

 



1、2作目共にアスガルドの王子ソーがロキと張り合いつつ、アスガルド王宮劇や地球に来て、ジェーンやセルウィグ博士やダーシーなどの愉快な仲間達と戯れつつアスガルドとミッドガルド(地球)間のカルチャー・ギャップを受けながら奮闘する‥という展開で、一応ヒットはしたが大ヒットとまでは行かなかった。そこで間を開けて大きく路線変更して大ヒットした本作。
本作ではそんな過去の展開を、ムジョルニアやジェーンやセルウィグ博士やダーシーやどうでも良すぎるダーシーの助手の青年達やウォリアーズスリーごと今までの設定を全て棄てつつ、ユニヴァーサルとの契約上ハルクの単独作が作れないから「プラネット・ハルク」も同時に描きながら、ソーとロキの絡み、ソーとヘラ、ソーvs.ハルク、ラグナロクアスガルド終末‥などの数多くの要素を盛り込みつつソートリロジーを完結するという荒業が行われた。
マーベル・スタジオズが近年編成したというライター・プログラムという脚本作成システムで作られた脚本を、コメディが得意なワイティティ監督が軽快に撮った。
ソーが雷神として覚醒したりロキと和解したりハルクやヴァルキリーと共闘したりして表面的には明るいが、大部分においてソーのお馴染みの身内が殆ど死んだ上に文字通り世界(アスガルド)の終わりが描かれる。
ラグナロクは結局防ぐ事ができない。
事象だけ見るとめちゃくちゃ暗いのだが、5分に一回くらいの割合でギャグが挟み込まれるしソーは絶対にへこたれないナイスガイなので、本当は悲惨なのだが最初から最後までめちゃくちゃ明るく観られるという太古の神話みたいな映画だった。北欧神話が元になってるのでこれが正解なのかも。
殺害されるウォリアーズスリーについては「3人が殺されたことをソーが最後まで気づいてない」という荒業で楽しさをキープしていた。
そんな本作の作風は「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」に似てた。
そして、本作の中盤の舞台、惑星サカールは何もかもがMARVEL創成期の伝説的アーティストのジャック・カービー的デザインで装飾した部分も最高だった。
だけど作品内の情報量が多く、まるで隙間を埋めるかのようにギャグを連打しまくるせいか性急に感じたりもした。
「こんなに面白くしすぎなくてもいいよ。もうちょっと中盤にのんびりした退屈なシーンもあっていいぞ」とも思った。
だが、それは中年だからそう思うのであって中高生や大学生にとっては、このテンポこそが丁度いいのかもしれない。
ソーは作風に合わせてか、ギャグを言ったりおどけた台詞を言う機会が増えた。
それが狙ったのか偶然なのか、何が起きてもへこたれないというソー的なキャラに上手く結びついていた。
ソーの覚醒は、ハルクやヘラにボコられて気が遠くなって父を幻視して真の雷神パワーが目覚めるというもの。
修行や生い立ちの回想などで覚醒するという少年ジャンプ的な覚醒ではなく、一度死にかけた際に亡き父の幻と共に悟りを得て覚醒するという西部劇や香港カンフー映画みたいな覚醒。
覚醒と同時にレッド・ツェッペリン「移民の歌」が流れ文句なくカッコいい。
それなのにすぐに失神させられるのでハルクとの勝敗は持ち越し(これがBEST。2人に優劣がつくのは良くない)、ヘラには覚醒ソーでもダメージを与えられずスルトを使いアスガルドごとぶっ潰すしかなかったし結果的にラグナロクも防げなかった‥というビターな展開。
展開は若者向けのハイスピードなのに、ストーリーはめちゃくちゃ古風で、その苦難はコメディで覆われているという、そのバランスが新鮮で良かった。
あまり他で思いつかない映画だ。
だがソーが覚醒で得たものは雷神パワーや結果といった具体的なものではなく「心の持ちよう次第で物事の見え方は如何様にも変わる」という普遍的なものだったので別に無双できなかった事はどうでもいい。
ヒーローものの価値は心の持ちようを描くのが一番大事なので、これでOK。
そういえば映画版ではドナルド・ブレイク状態が無くて見れなかった杖(本作では傘)を地面に打ち付けて変身するシーンがあってめちゃくちゃカッコよかった。ロキと並んで変身するこのシーンは盛り上がった。
やはり変身好きの日本人のDNAが反応したのかな?
ウォリアーズ・スリー(そして他の作品の撮影中で参加できなかったシフ)はバッサリ切られた。だけど彼らが輝いた時って一作目で地球にいるソーを四人で訪ねてきてガラス越しに「やぁ!」と笑顔で手を上げた数秒しかなく魅力を出せなかったのでリストラも仕方ない。シフは女優が本作に出演できなかったために生死は不明。
入れ替わりでヴァルキリーが、過去の彼らのようなポジションになった。
原作では金髪+白人というめちゃくちゃ白い色合いのキャラだったのに本作では黒人女性になったので「黒人に文句あるわけではないがイメージが原作と違いすぎる‥」と最初は思ったが、これはこれで魅力的だし、そもそも原作ヴァルキリーに大して思い入れないので別にいい。
※とか思ってたが「ヴァルキリー」とは個人名じゃなくて団体名で、このヴァルキリーは原作の白人ヴァルキリーとは違う‥言わばオリジナルキャラのようなものだと後で知った
だが、過去のトラウマやオーディン歴史修正主義に呆れていたとしても、彼女のソーに対する態度が悪すぎて「何でこいつ何も悪い事してないソーにここまで偉そうなん?!」と若干イラッとした。
だが悔しい事にキャラがバッチリ立ちまくっていて、ウォリアーズ・スリー&シフを4人全員足したより数倍もキャラが立ってて魅力的だった。
出番が多いのもそうだが、ヴァルキリーは喋ったり何かワンアクションする度に眉をくいっと上げたりとキメ顔を決めてくる。まるでWWEスーパースター(レスラー)のようだ。仕草の一つ一つが魅力ありすぎる。
ウォリアーズスリー&シフにもう少し出番を‥と思わないでもなかったが、本作の中でやる事が多すぎるので瞬殺もやむなしか。浅野忠信がヘラの攻撃を数発ガードして顔を一発殴った事を破格の待遇だと思って良しとするしかない。
ヴァルキリー、後半の正装はめちゃくちゃお洒落でカッコよかった。
銀アーマーと青マントという組み合わせ、そして褐色の肌に黒髪。‥カッコ良すぎる。今後の活躍も期待できる。
ロキはいつも通り常に最高なので省略するとして。。
バナーはハルク状態で二年過ごしたせいか、ハルクも幼児程度に精神年齢が成長したようだ。腹を立てて腕を振り回してふくれたりして妙に可愛いハルク。
ソーと喧嘩したりヴァルキリーとじゃれ合ったり‥いいなぁ、このハルク好きだわ。
他には100倍くらい強くなってたドクター・ストレンジ(タイムストーンを使って数十年ぶんくらい修行したのではないだろうか)。最後にジョン・カーペンター的な反抗を見せてカッコよかったスカージ。皆、魅力的だった。
ヘラはホーガンやアスガルド軍を殺す前に「私に会いたかったのではないのか‥」と言うのが寂しそうだったのと、ソーと闘ってる時が凄く楽しそうだった。
ヘラは、あの感じでは死んでないのではないか?という感じがする。
死ぬんだったら、もっと「決定的に死んだぞー」と分かりやすく死を描くはずだと思う。
きっとヘラが死んだか否かは客の反応を観て、後で出したくなったら出してくるんだろうなと思った。
全編、異世界で急展開が全編続くせいか、ソーとハルク状態を解除したブルースがサカールの町を彷徨いたり、ヴァルキリーの部屋で相談したり、宇宙船で脱出する普通っぽいシークエンスが凄く面白かった。
ユニヴァーサルとの権利関係で不可能らしいがハルク単体作も観たいな。「ワールド・ウォー・ハルク」が観たい
⚡あと監督自ら演技したというコーグがめちゃくちゃ面白かった。
また出てきてほしい。コーグはめちゃくちゃ可愛い。
ロキの幻を見て壁を不格好に蹴るというチャウ・シンチー映画みたいなシーンが、めちゃくちゃ好き。
グランドマスターの幹部が太ったオバチャンだった。ラスボスの幹部がオバチャン‥というのは珍しい。DCに太った強おばちゃんいたっけ
⚡惑星サカールのジャック・カービー的デザインが素晴らしかった。
ジャック・カービーのデザインは好きなので、光線銃とか宇宙船とか建物とか内装とかファッションや宇宙人デザインとかどれもこれも、めちゃくちゃ良かった(建物に彫刻されたベータ・レイ・ビル!)
あと足りないのは黒い謎の玉とか金属のテカリくらいか。
今後もコズミック方面はカービー的なデザインにして欲しい。
ジャック・カービー的な宇宙船がジャック・カービー的な建物のカタパルトから飛び立つカットが、どれも「UFOロボ・グレンダイザー」などのダイナミックプロのロボットアニメっぽくてめちゃくちゃカッコ良かった。
サカールは、闘技場もグラーディエーターマンションも、ゴミ捨て場でさえカラフルで、観てて全然飽きなかった。ガーディアンズvol2もウケたし恐らくジャック・カービー的カラフルMARVELデザインは今後も続けていくんだろうから、次のコズミックものや異世界もののMCU作品が楽しみだ。
ちょっと情報量とギャグが多くて、観てて疲れたが文句なく面白かった。
過去二作も嫌いではなかったが、テコ入れして大ヒットした矢先にシリーズが終わるのは寂しくも感じた。だがテコ入れしなきゃどうしようもなかったのもわかる。
あまりに情報量とギャグが多いので、中盤のソーがバナーと街歩きしたり、コーグと絡んでる場面などのほのぼの描写が一番好きかもしれない。
5分に一回ギャグ‥という感じで、最初は良かったがソーがハルクの部屋の窓をボール投げて失敗するとことか、バナーがアスガルドに飛び降りてハルクに変身しようとして失敗する場面などは「もうここでギャグ入れたら流れが停滞するから、ここはスッと行けよ」と少しイライラした。
そういえば何があっても流血しないのがちょっと不自然な気もする。
ソーが目を潰されても流血するわけでもなく赤黒いよくわからない患部になってたのも気になった。だが子供も観れるようにするには仕方ないのかな。
ヘラは素晴らしいが、アスガルド軍を数分で壊滅させたのはどうなのか‥そしてヘラに合わせてアスガルドの人口自体が今までの10分の一くらいに縮小して見えた。
また、本作は強さがよくわからない過ぎる。
冒頭でソーは最強のスルトをあっさりと御する事ができた、それはスルトが永遠の炎でパワーアップしてない通常状態だからだが、ここでスルト自体があまり強くない印象になってしまった。そして、そんなソーが雷神として覚醒しても傷一つ付けられないヘラ。めっちゃ強い。ではヘラvs.覚醒ラグナロクスルトは?ヘラは奮闘したが覚醒スルトが買った。ヘラの強さを描きすぎたせいか、ヘラなら覚醒スルトをも瞬殺できるんじゃないかと思ってた。
こんな感じで強さの基準がよくわからない。
それとグランドマスターが作ったという、ソーを従わせるために使った電気ショックを発生させる「服従ディスク」。雷神なのに電気ショックに負けちゃうんだから相当すごい電気なんだな‥と思ってたら、数々の苦難を乗り越えて遂に雷神として覚醒したソーさえも電気ショックで気絶させる。どんだけ強いねん!この電気。
クリリンのことかー!」で超サイヤ人に目覚めた悟空が次のページで電気ショックで倒れたらどう思う?電気ショックが最強だと思うだろう。そして何度も言うがソーは雷神‥しかも覚醒した雷神。この電気ショックを作ったグラマスが爆弾作ればサノスも余裕で倒せそう。
あとグランドマスターの溶け棒。ちょんと触れただけで溶ける。
この2つの道具があまりに強すぎる。もっとインフィニティ・ストーンに匹敵する神秘的で不思議アイテムにして欲しかった。電気ショックはないだろ
それとも我々が思ってる以上に、グラマスが強すぎるのか?
⚡追記:そんな感じで「面白いけど、ちょっとな‥」という感じで観た本作だが「インフィニティ・ウォー」後に何度か観てると、何度観ても飽きないしやはり最初に言ったように色んな複雑な要素を同時に何とかした処理が凄い。
また「IW」での運命を考えると、本作の妙な明るさや、ラスト(ソーが「ここにお前が居れば抱きしめるのに」と言って投げた石を受け止めたロキが「いるよ‥」と言う)ラストを再見すると何だか全編が凄く尊いものに思えて、公開時より感動的に感じた。ソーやアスガルドが「アベンジャーズ4」以降どうなるかわからないが、彼らの行く末やタイカ監督の次回作が楽しみになった

 

 

 

そんな感じでした

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2016年の日本公開映画ベスト5を今頃やっと考えました🎬


もう2018年も、春の足音が聞こえてきたという今日この頃、2016年の観たかった映画をようやく殆ど観たのでベストを決めた。
なるべくその年の年末にこういうのが書けるよう追いつきたいが、去年の2017年のやつもまだ20本くらい観てないのあるのでなかなか追いつかない。
逆に考えてみてください。「こいつ!映画ブログ書いてるくせに2年も経ってやっとベストを考えやがった!」ではなく「2年間、このことを忘れなかった真面目な部分のある人なんだなぁ」‥と。
それで最初から最後まで好きな順番なので正確にはベスト48と言える。下に行けば行くほど好きじゃない映画になる。

 

 

1:「シチズンフォー スノーデンの暴露 (2014)」
2:「ザ・ウォーク (2015)」
3:「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)」
4:映画『この世界の片隅に』(2016) ※このブログに記事なし
5:「インシディアス 序章 (2015)」 
※太字のタイトルは個別にリンクした



5位から下
「シン・ゴジラ (2016)」  「ブリッジ・オブ・スパイ (2015)」 「帰ってきたヒトラー (2015)」 「ハドソン川の奇跡 (2016)」 「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に (2016)」 「死霊館 エンフィールド事件 (2016)」 「ヘイトフル・エイト (2015)」 「ザ・ボーイ~人形少年の館~ (2016)」 「スポットライト 世紀のスクープ (2015)」 「イット・フォローズ (2014)」 「ドント・ブリーズ (2016)」 「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (2016)」 「オデッセイ (2015)」 『ゴーストバスターズ』(2016) 「ヤング・アダルト・ニューヨーク (2014)」 「COP CAR/コップ・カー (2015)」 「キャロル (2015)」 「トマホーク ガンマンvs食人族 (2015)」 「デッドプール (2016)」 「ボーダーライン (2015)」 「エクス・マキナ (2015)」 「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK (2016)」 「マネー・ショート 華麗なる大逆転 (2015)」 「ロスト・バケーション (2016)」 「スティーブ・ジョブズ (2015)」 「コロニア (2015)」 「ルーム (2016)」 「残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋― (2016)」 「アイアムアヒーロー (2016)」 「スター・トレック BEYOND (2016)」 「ズートピア (2016)」 「クリーピー 偽りの隣人 (2016)」 「貞子vs伽椰子 (2016)」 「ミラクル・ニール!(2015)」 「バンクシー・ダズ・ニューヨーク (2014)」 「ダゲレオタイプの女 (2016)」 「ライト/オフ (2016)」 「アンフレンデッド (2015)」 「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 (2015)」 「ハイ・ライズ (2016)」 「クランプス 魔物の儀式 (2015)」 「レヴェナント:蘇えりし者 (2015)」  

 

イマイチ
「サウスポー (2015)」 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント (2016)」 「教授のおかしな妄想殺人 (2015)」 「10・クローバーフィールド・レーン (2016)」 「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)」 「X-MEN:アポカリプス (2016)」 「ラザロ・エフェクト (2015)」 「スーサイド・スクワッド (2016)」 「ゾンビーワールドへようこそ (2015)」 「フィフス・ウェイブ (2015)」 

 

 

こうして観ると中年にしてはかなりアホっぽいベストだけど趣味嗜好なので仕方ない。
アメコミ映画やB級ホラー映画っぽい内容のものやオカルト映画が高評価になる傾向があると思う。それと「狭い世界で起こるちょっとした出来事」みたいなのが好き。
映画好きな人は年々シネフィルになったり独自のオブセッションに取り憑かれたり、もしくは好きな作家のオブセッションを自分のオブセッションだと思いこんで取り憑かれたりする。もちろん僕もこのブログを始める前までは正にそんな感じの好みをしていたが、ある日突然全てがアホらしくなった。そして多分、他人にどう思われようと構わなくなったのでブログを始めたんだと思う。
その結果本当の自分(つまり普通のバカ)がそこにいた。
それが良いとも思わないが以前よりはマシだと思う。
広島県出身だし『この世界の片隅に』(2016)も良かったんですがブログに感想書いてないうちに感想書くタイミングを逸してしまいました。
 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ 

 

「シチズンフォー スノーデンの暴露 (2014)」「ザ・ウォーク (2015)」
最初は「ザ・ウォーク (2015)」が一位だったんだけど5年以上経ったら「シチズンフォー スノーデンの暴露 (2014)」の方が印象に残ってるから入れ替えました。ドキュメンタリーで一位はこれだけや。単純に陰謀論厨二病みたいな世界が現実だったという面白さ、スノーデンのクールさなど。

 

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)」
MCUは始まった前から好きだが連続ドラマになってるのでベストを作る頃には最新作に目が奪われて過去作は古く感じられて順位が下る傾向がある。
また好きだったとしても後の展開によって評価が下がったり(「アイアンマン3」とか)するが「シビル・ウォー」はMCUの中でもかなり普遍性あって良いと思う。どこが一番いいかというとキャップと社長、双方に正しい言い分と明らかに間違ってる言い分を持たせてる事だと思う。これによって脳内で双方が闘い続ける。そして答えが出ない。だから、どちらか片方だけに100%肩入れする人は物事を何でも二極化した白か黒かでしか考えられないお子ちゃまだとと思う(まあそんなアホはさすがにいないか)
スパイダーマンの紹介や、後続で一見地味に見られがちなブラックパンサーに最大級の良い役を与えたり(主役のキャップですらグレーな役を振り分けられてるのにブラックパンサーは唯一、完璧に正しい役を振られている)。あまり目立たないアントマンには単独作でもまだやってないジャイアントマンという見せ場が与えられてる。ホークアイはウルトロンで大正義キャラだったせいか頑固なオヤジキャラ化し、最強の背景キャラのビジョンはまたも良いところなし。
キャップ好きとしては、キャップ映画は常にMCU作品に奉仕させられてるという不満も無くはないが、そんな利他的な構造もまたキャップらしいし面白いのでまあいい。

 

インシディアス 序章 (2015)」と「死霊館 エンフィールド事件 (2016)」
この2作が僕の好きなジェームズ・ワン制作ホラーの中でも極まった最高峰だと思う。
普通、ベストを考える時に同じ要素のものは2つ入れない。だけど序章とエンフィールド事件どっちも外せなかった。エンフィールド事件はそれまでになかったエモさも加わって何か新フェイズに移行しそうな感じもした。
だけどジェームズ・ワンは最近ホラー以外を撮りたがってるっぽいし翌年のアナベルの続編が、初めてクオリティ下がったつまらないものだったのでかなり醒めた。今までいっぱい楽しんだからもういいかという気もするし潮時感もある。
まだまだ「インシディアス:ラスト・キー」「NUN」「へそ曲がり男」などが控えている。ホラー界のキングの座を奪った「IT」に逆転できるか?

 

この世界の片隅に (2016)」
この映画は本当なら絶対ベスト3以上に入る傑作なんだと思う。
多分、公開初日に観てたらそうしてた気がする。
かなり遅れてレンタルで観た。噂通り傑作だし、何よりも登場人物たちが皆クールなのがめちゃくちゃよかった。もっとベタベタした話だったら嫌だなと思ってた。
僕は作品の舞台になった広島県呉市に実家がある。
だから作品中に出てきた病院とか山とか全部近所だし地名も全部知ってるし、毎年夏に戦争映画とか学校で見せられたので不思議な気分になった。
すずさんの家は僕が通ってた学校の近くだし。ちなみに実家の母にこの映画の話をすると「今、呉では片隅フィーバーよ」と言っていた。
だけどこれを観るのがめちゃくちゃ遅かった。
大絶賛の嵐が二次、三次の爆発を迎えて海外でも評価されたり散々した後に観たので、「ここは感動!あそこも凄い」と、頭では理解できるのだがなかなか入っていけない。
何というか‥「客観的に観れない」というのはよくあるが、この場合「主観的になれない」という状態になってしまった。あまりに大勢が絶賛した少し後に観ると、こういった盛り上がりすぎてる飲み会にシラフで途中参加したような感じになる。
その場合「自分の映画」というように感じることができないのだ。
思えば「マッドマックス 怒りのデスロード」も同じように観るのが遅かったせいで内容は明らかに大傑作なのだが未だに主観的に観ることができない。
わかりますかこの感じ?
そして観た映画は絶対に感想書くようにしてたのだが、浮かんでくる感想が全部「何かどっかで誰かが言ってたな」というものばかりなので感想も書かなかった。
この映画が悪いのではなく観るのが遅すぎた僕が悪かったという話です。
5年後の夏くらいまで寝かせてから、呉市の実家でもう一回観てみようと思う

 

ヘイトフル・エイト (2015)」
本当は1位か2位にタランティーノの「ヘイトフル・エイト (2015)」が入るはずだった。
いや「ザ・ウォーク」は何度も楽しむ感じの映画じゃないからヘイトフル・エイトが一位だったんだろうと思う。
が、タランティーノはワインスタインとかユマ・サーマン関連のアレコレ(その話すると長くなるので知らない人は検索してください)で、楽しく観たりする気分になれないので棚上げしておく。
タランティーノは、僕が高校卒業して実家出て初の一人暮らしを始めた時に「レザボア・ドッグス」が公開されたので最も共に生きた感のある監督で一番好きだった。
ちなみに全ての映画の中でここ10年間くらい一番好きだった映画は「デス・プルーフ」でした。
だが今となってはキルビルの次に観たら嫌な気分になる映画になってしまい自分の中で死んでしまった(これにより一番好きな映画はジョン・カーペンターの「ゴースト・オブ・マーズ」が繰り上がった)
そしてタランティーノ作品群でも特に好きだった「デス・プルーフ」「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」などの、虐げられた女性が悪に復讐するという、内容は今でも超最高なのにも関わらず今となっては「一体どういう気持ちで観ればいいの?」と思って観れない作品群とは違って「ヘイトフル・エイト」はクズ達のバトルロイヤルみたいな話なので比較的ダメージは少ない。本作を撮ってる時のタランティーノは既に反省した後らしいしね。だけど終盤の、善良な女性たちが虐殺される場面とか観たくないわ‥
だけどそれでも微妙な気分になるものがある(そもそも始まるときのWロゴでもう観る気失せる)
こういった問題には「時代の性格」というものが作用する。
恐らく2000年代だったら「監督の人格と作品は別!」と言って作品を見るぶんには影響なかっただろう(僕だけでなく多くの人がそうだったはずだ)
そしてもし90年代だったら「タランティーノはやっぱ映画狂だなぁ!」という感じで肯定されていた可能性が高い。若い人はピンと来ないだろうが絶対にそう(フリードキンやキューブリックなどが緊迫感を出すために俳優をビンタしたりショットガンぶっ放したり、わざとNG100回出して精神的に追い込んだりと無茶苦茶な演出して緊迫した表情を出させてたのが賞賛されてた時代)。でも今はアウト
本人はかなり前から反省しててユマ・サーマンも「彼を許してあげて」という感じになってる。だから、また楽しく観れる時が来る気もする。そう思えたらいいなぁと思う。だけど今は駄目だ。また、そういう時が来るのか来ないのか、来るならいつ来るのかなどは未来の僕以外はわからない。そして他人がタランティーノ作品のことをどう思おうが応援しようがそれは各員の自由なので何とも思わない。
近年公開のチャールズ・マンソン映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」も厳しいだろう(何て面白そうなタイトル‥。そして絶対面白いに決まっている)。劇中、マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートが史実通り惨殺されたら「げぇ‥」と思いそうだし、イングロなどの「映画で復讐シリーズ」みたいに史実に逆らってキレたシャロン・テートがマンソン一味を逆にぶっ殺すハッピーエンドになったとしても「これは凄く良い展開だけど、でも一体どういう気持ちで撮ったの?」という複雑な気持ちになりそうなので、どっちに転んでも厳しい。でも彼がどう乗り越えるのか楽しみな気もする。タランティーノ版「スタートレック」も出来れば楽しく観たいし
本当に普通に応援できる日が来て欲しいと、自分の脳に対してそう思う。他人は関係ない

以下「ワースト」ゾーンはアメコミ映画の活躍が目立った
バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)」

これは世界各国の「2016年のクソ映画」みたいなやつで数多くワースト1位に選ばれてた。僕も嫌いだしつまんないけど、ザックなのでカッコいい戦闘シーンとか怖いバットマンとかワンダーウーマンの登場とか、いい場面もたくさんあった。何だかんだ最後まで「面白い」という感覚を持ったまま観れるので、この上の「イマイチ」ゾーンの映画より実は面白い。だけど「バットマンvs.スーパーマン」という一回しかできない大ネタでこんなもん作ったという事で多くの人がこの年の駄作に選んだんだろうってこともわかる気がする。
X-MEN アポカリプス (2016)」
は、毎回「こいつの映画を作ればいいのに」と思わされるクイックシルバーのアクションや、僕の好きなオリヴィア・マン演じる僕が好きなサイロックのアクションなど数少ない楽しい場面を除いて本当にしょうもなかった。そして恥ずかしさも高い
よく覚えていないが本当は一番つまらなかった映画たち
ダメコミ映画だけじゃなく地味に「フィフス・ウェイブ」とか「ゾンビスクール」「ラザロエフェクト」などというよく覚えていないゴミもあり、シュワさんがゾンビになった娘を悲しい顔して看病する映画「マギー」では寝てしまい、夢の中とスクリーンの両方でシュワさんに会えた。「ラザロエフェクト」に至っては何一つ覚えてないので何も書くことがない。本当はこれらがスースクよりつまらなかった。だが、これらの映画の話をしても誰も観てないし、そもそも俺の記憶からも殆ど消えてて「『クソだった』。それだけは忘れずにいよう」という過去の自分の決意以外、内容を全く覚えていないので盛り上がらない。「ワーストの称号すらこいつらには勿体無い」という事かもしれない。やはりダメコミ映画の話をする方が楽しい。だから僕の2016年のダメ映画は「スーサイド・スクワッド」に決定。スーサイドスクワッドにはその価値がある。
ワースト1位「スーサイド・スクワッド (2016)」
X-MENアポカリプスのしょうもなさと恥ずかしさを更に倍増したアメコミ映画は「スーサイド・スクワッド」だった。もう「マーゴット・ロビーのハーレイのコスプレが可愛い」というところしか良いところがない(ちなみにこのハーレイは見た目以外はクソキャラ)
「グリーンランタン」よりつまらない。これより下は「ファンタスティック・フォー」とかくらいしか思い出せない。観る前から嫌な予感がしてたBvSやアポカリプスと違い、こっちは公開前に誰もが「面白そう!」「マーゴット・ロビーのハーレイ可愛い!」などと期待していた分、予告編に騙されて観に行ったアホの落胆も大きく(その中には僕の姿も)、大ヒットこそしたが決定的にDCワーナー映画の低評価が決定づけられた。BvS→スースクの失敗はボディブローのように効いて大本命の「ジャスティス・リーグ」でついに騙されたくない人達が出現してDCワーナー映画で初めて大幅に客足が遠のいた(ワンダーウーマンは除く)
そしてスクリーンの中のスースク一堂や、スクリーンの裏の製作者たちや俳優たち自身も大はしゃぎしてたのが余計に痛々しいものがあった。
撮った直後のデヴィッド・エアー監督は自信満々で、主演者全員がスーサイドスクワッドのタトゥーを彫ったり(エアー監督の現場では何が起きているのかわからないが毎回このような狂った状況が起きる)「スーサイドスクワッドのタトゥーは今も彼らの身体に残っているのだろうか?」と考えると怖くてとても検索して調べる気になれん。エアー監督が「Marvel映画なんかファック!www」と上映会で叫んで翌日に即効で謝ったり、つい最近も監督が「実はスーサイド・スクワッドがあんな感じになった事を本当に反省している。正直スマンかった‥」と謝っていた(失言も多いが謝るスピードが早い人だ)。そしてそれによって極わずかの応援してくれてた人達の立場もなくなり、後に残ったのはハロウィンにハーレイのコスプレする若い女の子だけになった。
だが監督に恨みはないしキャラクターや俳優たちには何の罪もない。
スーサイド・スクワッド2」は普通に面白い映画にしてほしいと本当に思っている。
そして何だかんだ言ってDCワーナー映画はその浮き沈みも含めて本当に面白い。
今後も絶対に必見だ。2016年のつまんない映画にDCワーナー映画を2本も選んだからと言って「こいつはDC+ワーナーのアンチか?MCU側の人間だな!?」とか思わないで欲しい。90年代の「バットマン」シリーズからアメコミ映画好きになって全部観てるし「ワンダーウーマン (2017)」は、めちゃくちゃ好きですし。
そしてこれらのBvSとかスースクとかX-MENアポカリプスの話をするのはめちゃくちゃ楽しい。これらの話ししてる方がベストに入れた映画観てるより楽しいんじゃないかと思うくらいだ。
今夜もまたこれらについて書いて久々に思い出していると、とても楽しかった。
ちょっとしつこいか。
フォローしている事がバレないうちに早めに話を終わらせた方がよかったかな。
今夜もまた間違いをおかしてしまった。これからも間違い続けるだろう。
そんな僕を君が見つめてくれると嬉しい

 

そんな感じでした

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2020年の日本公開映画&ドラマのBEST5を2年半過ぎてやっと決めることができた🎬 - gock221B
2021年の日本公開映画&ドラマのBEST5を10ヶ月過ぎてやっと決めた🎬 - gock221B
2022年の日本公開ドラマ&アニメのBEST5/というか殆どMCUドラマがつまらない理由を考えるページになった📺 - gock221B
2022年の日本公開映画のベスト5を今頃やっと考えました🎬 - gock221B

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『デアデビル』〈シーズン1-2〉(2015-2016) 全26話/ストーリーもワンカットアクションも全て傑作。シーズン2はダメ。ついでに『ディフェンダーズ』(2017) 全8話も😎


原題:Daredevil〈Season.1-2〉 原作:スタン・リー、ビル・エヴァレット
放映局:
Netflix Disney+ 制作国:アメリカ 放送時間:各話約50分
シリーズマーベル・シネマティック・ユニバースNetflix

 

 

Netflixオリジナルドラマ。映画の方のMCUと世界が繋がっている。
本作のNYは「アベンジャーズ」の闘いの直後、スラム街となったNYの架空の街ヘルズ・キッチンが舞台。
だけど映画のMCUキャラがこのNetflix版ドラマシリーズに出てくる事は永遠にないし、ドラマシリーズの方のキャラが映画の方に積極的に出ていくこともほぼない。こうなるとドラマ側は色々と、映画版と矛盾が出ないようにと足かせを付けられて作品制作しなきゃならなくなる。
また本作のデアデビルと、映画版の‥例えばブラックウィドウホークアイオコエなどは常人キャラなのだが、描写の迫力が桁違いなので(比べる必要はないが)ついつい比べてしまうと、映画MCUのキャラに比べるとデアデビルが凄く弱く見えてきたりする。やはり映画とドラマは分けた方が良かったように思う。
ちなみに同じシリーズ「ルーク・ケイジ」「ジェシカ・ジョーンズ」「アイアン・フィスト」「ディフェンダーズ」「パニッシャー」なども、一応観て感想も書いてたのだが、ドラマ自体も書いた感想もイマイチ面白くないし全然アクセスもされないので全部消してしまった。
だがこの「デアデビル」はS1が凄く面白かったので一応残しておくことにする。
 

 

Story
★昼間は弁護士として活動するマット・マードック
彼は9歳の時に事故から老人を助けた時に科学廃棄物を浴びて視力を失い盲目になったのと引き換えに超人的な聴力、臭覚、空間認識能力を得た。他人の心拍数や呼吸音を聴くことにより読心術も得た。

ボクサーの父がギャングに殺害された後、盲目の武術家スティックに感覚制御と武術を習った。
アベンジャーズ vs.ロキの闘い後にスラム街となったNYの〈ヘルズ・キッチン〉で、弁護士の相棒フォギー・ネルソン、秘書のカレン・ペイジと共にネルソン&マードック法律事務所の弁護士として働くマット。
夜はヴィジランテの〈デアデビル〉として数少ない味方と共に、ヘルズキッチンを影で牛耳る実業家ウィリアム・フィスクと闘う――

 

 


不正を告発しようとしたら命を狙われたカレン・ペイジがネルソン&マードック法律事務所に助けを求めた事から物語が始まる。
やがて「ヘルズ・キッチンのあらゆる犯罪の根源に実業家ウィルソン・フィスクが関与しているのでは?」と思った各人がフィスクの妨害に遭いながらも真実を突き止めてフィスクをブタ箱にブチ込もうとする様を、マットやフィスクを掘り下げながら進むのがシーズン1。
はっきり言ってめちゃくちゃ面白い。キャラや描写もいいし、シーズン1だけなら映画も含めたMCU作品の中でもベスト3に入るくらい好きだ。
映画のような莫大な予算はないので良く言えば渋い、悪く言えば地味。映画の方のルッソ兄弟作品や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズとか「マイティ・ソー バトルロイヤル」みたいなものしか観たくないという人がコレ観ても楽しめないかもしれない。
だけどヒーローものの肝というのは派手な描写や戦闘の規模ではなく、ヒーローの精神性によるものだと思うのでそういった選り好みはナンセンスだと思う。
地味な代わりにレイティングがないので、映画MCU では観れないバイオレンス描写や濡れ場をそのまま流せるのが強み。デアデビルの能力は、原作でレーダーセンスと呼ばれる空間把握能力や超聴力や嗅覚によって、常人よりも感覚が優れている。常人よりも劣る部分は色彩がわからない事だけ。色んな感覚によってマットが認識している世界を無理やり常人の視覚で映像化すると「炎に包まれた世界」だという説明映像が一回出てくる。
あとは暗殺者スティックに習った武術で闘うわけだが割と「強すぎる人間」レベル。
大勢の銃を持ったギャングを圧倒できるが、話の展開のよってはただのチンピラ一人に苦戦する事もあるファジーな強さ(アメコミのヒーローは大抵こういうファジーな強さ)
同じ世界、同じ人間レベルのヒーローのブラックウィドウなどに比べると、まるでデアデビルが弱く見えたりもしてくるが、もしこのデアデビルが映画の方のMCUに出たら彼ら以上に強く描写されるだろうし、逆にブラックウィドウなどがドラマ版に出たら本作のデアデビル程度の強さに描写されるだろうから、映像だけ見て強さを測ることは意味がない。
デアデビルがよくやるのが、大勢のギャングをぶちのめした後、最後の一人に胴回し回転蹴りでトドメを刺す事が多い。この蹴りがめちゃくちゃ重くていい。
おなじみの赤いスーツを着るのはシーズン1最終回のラスト。特殊な職人メルヴィンに作ってもらう(彼はその後もデアデビルのスーツや武器を作ってくれる)。それまでは「デアデビル:ウィズアウト・フィアー」っぽい黒装束。まるで強盗やレイプ犯みたいな姿だが、シーズン1は面白いしマットのアクションはカッコいいので、観てるうちにこの格好でもカッコよく見えてくる。
法で捌ききれない悪を、覆面してぶん殴る‥というのは法律家としてどうなんだという気がしなくもないし、カトリック教信者である彼はいつも同じ神父に「これからする事をお許しください」と懺悔した後で毎晩誓いを破って自警活動している。
かなり矛盾する要素を幾つも持ってるのがデアデビルの魅力なんだろうきっと。



 

第2話「カットマン」
シーズン1は全部いいが、第2話は特に良い。
後の体たらくや他のNetflix+MCU作品の微妙さ(つまらないわけではないが別に観なくても良かったかなという感触)を観ると「このデアデビルが映画ならよかったのに‥」と思えた。このドラマのシーズン1を長編映画にすればさぞかし傑作オリジンになっただろうに‥。まあそんな事言っても仕方ない。
この第2話は、黒装束のマットがチンピラと闘ってぶっ倒れ、夜間看護師クレアに拾われるところから始まる(ちなみに、このクレアというキャラは他のNetflix+MCUに全て出てきてディフェンダーズ全員と面識のあるキャラ)。
マットは幼児の人身売買組織を追っていた。彼はクレアに、自分の能力の事を話す。
そして幼い頃の回想シーンに入り、気高いが凄く強いわけではないプロボクサーだった父ジャック・マードックの話になる。
この回は、マットが攫われた子供を救いに行く現代パートと、父の闘いを描いた回想シーンとが並行して進行し「マットに不屈の魂を与えた父」が描かれ、そしてラストに「父の生き様を見て誕生したデアデビル」の闘いを見せる。デアデビルの真のオリジンとも言える。
回想の中のマット、既に盲目になってボクサーの父と一緒にいる。
ギャングがやってきて「お前をメインイベントに出したい。しかし金やるから八百長で負けろ」と交渉してくる。
まず八百長を持ちかけるギャングからして良かった。
ギャングは優しい口調でマシューの機嫌を取りながら八百長を持ちかける。
ギャング「息子の失明は気の毒だったなぁ可哀想に。なぁに、子供なんてまたすぐできるさ」と言い、ジャックはギャングを睨む。
静かなシーンだが穏やかに喋っているギャングのカスっぷりが一発でわかる。
ジャックは勿論、八百長したくないが貧困だしマットの将来など考えて渋々OKする。
ちなみに、既に超人的な五感を得ていたマットはその聴力で父とギャングの会話を全て聞いている。
恐らく「パパわざと負けちゃうの?」と思っただろうがマットは賢いので口にしない。
八百長の前日、マットは父の赤いガウンを手にして話す。
マット「赤い服は血が目立たなくていい
ジャック「ははは、俺はいつも敵にやられてばかりだって?」
マット「マードックはよく打たれる。だけど立ち上がる。いつも立ち上がるんだ」
ジャックではなくマードックと言ってるって事は「事故で目が見えなくなった自分と、試合でよく殴られがちで現在困った状況になっているパパ」という意味だろう。
ジャックの顔色が変わる。八百長を破る決心をした。
ジャックは知り合いに頼み、自分の有り金を全て自分の勝ちに賭けるよう言う。
そして別れた女房に電話して「おれは自分になりに行く。自分への声援をあの子に聞かせたいんだ。」と言いマットの世話を頼む。
この一連のシーンは、マジでかっこいい。
「俺、明日死ぬから」という事をさらっと言っている。
あとマットは盲目で試合が見れない(と父は思ってる)ので「自分への声援を聞かせたい」って言うのもやばい。
赤いガウンを着てジャックが試合に向かう。ドアの向こうは光に包まれていて、まるでジャックが天国に行くように見える。
家ではマットがTVで父の勝利する試合を観て‥というか音声を聴いて勇気を貰う。
物理的にボクシングで勝つだけではない、父が圧力や街の暴力装置や死の恐怖に勝つところを聴くマット。
ギャングのメンツを丸潰しにしたジャックは生きて会場を出ることはできない。
ロッカールームで、ジャックが後ろを振り返って一瞬驚いた後、穏やかな表情になり銃声が聞こえる。
ジャックを殺しに来た暗殺者の姿を一切、見せない事によって、まるでジャックが死神や死そのものを観てるかのような印象を受ける。

 

 

 

3分間の死闘
現代パート。ギャングから訊き出した子供が監禁されている雑居ビルに来たマット。
ここからラストまでワンカット風に撮られている。
まず監禁されている子供がいる部屋を映して、カメラが引いて右側のギャングたちがたむろしている部屋を映す、またカメラが1人のギャングに着いていってもう一部屋のギャング詰め所を映す。そして非常口へカメラが向く。マットが入ってくる。
これによって、子供とギャング詰め所がどこにあるか視聴者にわからせる。
僕は「ヒットマン」などのステルスゲームが好きなので「あの部屋になx人‥こちらにx人‥」と癖で覚えた。
そのままマットは一つの部屋に殴り込んで全員殴り倒し、もうひとつの詰め所から来るギャングも全員ボコボコにして、そのまま奥の部屋に入って子供を抱いて出てきてカメラの前から去る。その瞬間に第2話が終わる。
マジでめちゃくちゃ最高。シーズン2と同じドラマとは思えない。
マットのワンカット(もしくはワンカット風)格闘だが、一体どう撮ってるのかよくわからない。TVをギャングの頭にぶち当てたり、手斧をギャングに投擲したり‥はさすがにCGだと思うけど最終的に胴回し回転蹴りを喰らわせるところなどは本当にやってるのだろう。最後の方はマットもかなりフラフラになっている。

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どこに編集点があるのかとかわからなかったが、別に曲芸を観てるわけではないのでワンカットだろうがワンカット風だろうが面白ければどちらでもいい。
また、マットは反撃もされてるし疲労も怪我もあってフラフラ状態で敵を殴り倒す時、地味に背後の壁を蹴ったパンチを見舞うところが狂おしく好き。
ワンカット(ワンカット風)の何がいいかというと、シネフィルではないので華麗に定義を言うことはできないが「本当に起きてることのように見える」というのが良いところなんじゃないか?と思ってる。
個人的にこの雑居ビルのワンカット(ワンカット風)シーンはアベンジャーズなどMCU大作の超ド派手なCGシーンよりも凄く感じる。
そして、このワンカット格闘はただ暴れてるだけじゃなくて、自分のために死に向かって突っ走った父への回答がこの死闘なのだろう。
マットは今回、父の話を一言も口にしない。
回想描写と最後のアクションで語ってるから、台詞よりも感動する。
色んなシーンが共鳴して乱反射している。
ミッション終了と同時にドラマが終わるのもカッコいい。

 

 

 

他のキャラ
フォギー
弁護士としての相棒であり大学時代からの親友でもあるフォギーは、ぽっちゃりしたお調子者で弁護士としても優秀。大物にも果敢に立ち向かうしブレない。正直言って観てるうちにマットよりカッコよく見える。凄く豚っぽい顔立ちなのだがマジでイケメンに見えてくる(実際にフォギーはそこそこモテる設定)。
大学時代のマットとフォギーの回想シーンで2人はすぐに意気投合して、フォギーはマットの盲人であることをジョークにしまくる。本当に良い親友

カレン・ペイジ
彼女は守られるだけのヒロインではなく、独自にベン・ユーリックに働きかけて真相に迫っていく。めっちゃ「ノワール物に出てくる女」っぽい美しい体型や髪も綺麗すぎて魅力的。だが彼女がフィスクの右腕を射殺した事ってマットやフォギーに言ったっけ?ずっと言ってない気がする。
彼女はシーズン2でも独自にパニッシャーを調査したり会ったりするうちにベン・ユーリックの跡を継いでジャーナリストになっていく。

ベン・ユーリック
新聞記者。重病の妻の面倒を見ながらフィスクの不正に切り込んでいく。
知り合いの病院関係者に、妻の入院延長を無理を承知で頼んで院長が仕方なくOKした後で「ありがとう」と言って差し入れを渡す。知り合いが「頼み事の前に出せばよかったのに」と言うとユーリックは「頼み事する前に渡したら賄賂になるだろ?」と言う。めちゃくちゃカッコいい。フィスクに脅されても一歩も引かないし

ウィルソン・フィスク/キングピン
原作で言うキングピン。ドラマの中でキングピンとは誰も呼ばない。というかMCUやアメコミ映画では、いつもヴィランは通り名ではなく本名でしか呼ばれないのは何故だろう?子供っぽい印象を避けるため?
スタンリー・キューブリックフルメタル・ジャケット」の微笑みデブ役だった人がフィスクを演じている。
最初は「キングピンなのに身体、小さいな‥」と思うが、迫力あるので観てると小ささは気にならなくなる。
彼はマットと同じかそれ以上に丹念に、まるで主人公のように描かれる。
生い立ちや、最愛の女性、画家のヴァネッサとの出会いや恋愛など丁寧に描かれる。
朝起きて自分で朝食を作ったり、一人の人間として描いていく。
ヴァネッサとの馴れ初めは彼女が描いたキャンバスを白く塗りつぶしただけの現代絵画を気に入ったからで、それはフィスクが幼い頃に父が母を殴ってる間に見てろと命じられて見ていた壁、シーズン1のラストにぶち込まれる刑務所の壁など全てに通じている。フィスクの居場所は全てこの「彼がじっと見る、何もない白い壁」がある場所となっている。
彼が恋人ヴァネッサに向ける愛情は本物だし普段の態度は紳士そのもの。
そして実際に本気で街を良くしようとも思っている。
だが、その目的のためには手段を選ばず、罪のない人が死んでも一切心を痛めない。
自分は正義を行っている系のヴィランだ。
一度キレたら相手が死んで人体がグチャグチャに損壊するまで暴れる。

ウラジミール
シーズン1は全体的に面白いが前述の第2話、それと第6話が特に面白い。
マットは、ロシアンマフィアのウラジミールと共に警察やギャングに包囲された廃屋に籠城する。ウラジミールは只の極悪ギャングなのだが、過去の回想があったり、身動き一つ取れない重体なのにデアデビルにも敵にも死そのものに対しても、ジョン・カーペンターの映画の登場人物的な反抗心を持ち続けていたりと、ただのチンピラキャラにも関わらずデアデビルを凌駕するメンタルを持った熱いキャラだった。 

 

 

 

ついでに『デアデビル』〈シーズン2〉(2016) 全13
フィスク(キングピン)との闘いを通してマットが「ヘルズキッチンの悪魔」と呼ばれるようになり最終的にデアデビルになると同時にフィスクをブタ箱にブチ込んで終わるシーズン1はめちゃくちゃ面白かった。
シーズン2、パニッシャー編とも言える前半はまだ面白かった。
パニッシャーのキャラも面白いし、カレンがユーリックの後を継ぐかのようにジャーナリストになっていくのも面白かった。フォギーもナイスガイのままだ。
だがパニッシャーが一段落した後のエレクトラ編ともいうべきストーリーがかなりテンション下がった。肝心の主人公マットがどんどんアカンことになっていく。
マットの元恋人でありヤミノテの暗殺者であるエレクトラが出てきて、愛情が蘇ったマットは彼女にのめりこんでいくようになると、恋愛関係になりかけてた素晴らしいカレンのことも堅い友情で結ばれたファギー&カレンとの弁護士事務所の仕事もほっぽらかし事務所は潰れてしまうし、マットの生活がグダグダになっていくと同時にドラマ自体の魅力も下がっていった。
まるで真面目でナイスガイだったマットとフォギーとカレンの愉快なサークルに、エレクトラという招かれざるサークルクラッシャーが入ってきてめちゃくちゃになっていくかのような展開。
このエレクトラというキャラ、正直マットが全てを捨ててのめりこむ価値がある魅力的な女性には全く見えない(別に演じてる女優さんが悪いわけじゃない、脚本のせい)。
だからマットが愛に狂えば狂うほど痛いカップルにしか見えなくなってくる。
「忍者ごっこばかりしてないで仕事しろよ‥」という感じ。
エレクトラというキャラや彼女との恋愛は原作でも重要な要素だったし「愛に溺れるマット」を描こうとした事は別に良いのだが、我を失っているマットがアホにしか見えないし単純に面白くない。
シーズン1では好感持ててたマットの魅力がどんどん減っていった。
フォギーやカレンやパニッシャーなどのサブキャラは以前と同様に魅力あったので、このドラマが群像劇ならそれでいいのだが、本作はあくまでも「デアデビル」というマット中心の世界なので、マットが魅力なくなるとドラマ自体の面白さも失せてしまう。
そして中盤以降のメインの敵となるのは「アイアンフィスト」の敵でもあるニンジャ組織ヤミノテ。原作で言うところの〈ザ・ハンド〉なのだが、このヤミノテが何とも魅力がない‥。
「アイアンフィスト」同様、特殊な力を持つ老婆の幹部マダム・ガオが率いている。
マットは私生活をほっぽりだしてエレクトラをヤミノテの魔の手から自由にするため、エレクトラや師匠スティックらと共闘して立ち向かうのだが、このドラマとヤミノテというニンジャ組織が合ってない。
勿論、原作でもザ・ハンドのニンジャたちはデアデビルの敵としてよく出てくる集団なのだがMARVELコミックは色んな世界観が出てきても違和感のないディフォルメされた表現されているから気にならないのだがこのデアデビルは今までリアル寄りなドラマだったので、銃があるのに何故か日本刀でしか攻撃してこない珍妙なニンジャ集団に違和感がある。
そんな感じでシーズン1はパニッシャー編の時はまだよかったが、エレクトラ&ヤミノテ編は何とも最後まで魅力なかった。

 

 

ついでにディフェンダーズ』(2017) 全8話

更に話が続いている「ディフェンダーズ」。
これは、それぞれのドラマの主人公である三人のヴィジランテとチームを組み、またしてもヤミノテ幹部の四天王、そして洗脳されたエレクトラと闘う。早い話がドラマ版のアベンジャーズ
一応ここに至るまでの「ルーク・ケイジ〈シーズン1〉」「ジェシカ・ジョーンズ〈シーズン1〉」「アイアンフィスト〈シーズン1〉」などの各シーズン1も観たが、つまらなくはないがあまり魅力を感じなかった。
さすがに各ヒーローたちや各サブキャラたちの顔合わせは、アベンジャーズ的な楽しさがあったが、マットは相変わらずエレクトラにのぼせて狂ってるのアホのままであまり魅力がない。そして他の三人は私服なのに一人だけガッチリとヒーロースーツを着てるせいで「ハロウィーン飲み会に一人だけガチで仮装して来た人」みたいに見えてしまうのもキツい。ルーク&ジェシカは原作でも私服なので仕方ないが、せめてアイアンフィストはマスク被って来てやれよ。
そして敵もまたアホみたいなヤミノテ忍者軍団で、ディフェンダーズというヒーローチームは魅力あったが、面白さはそこそこだった。
何というか異能のニンジャ集団ヤミノテ(ザ・ハンド)は映画のMCU並に金とかCGがかかってないと見栄えがしない。制作費が少なくて特撮が殆ど使われないドラマ版だと、やはり「この忍者たちは何で銃を撃たずに刀で斬りかかってくるの?」というのが気になって仕方ない。
だけど「力を合わせて忍者たちをぶっ飛ばすぞ」というお祭りムードなので、本作はまぁこんなもんでも良かったかもしれない。しかし本作の視聴者数はめっちゃ少なかったらしい。デアデビルS2のヤミノテも不評だったし似たようなノリのアイアンフィストも不評だった。やっぱりNetflix視聴者が期待してるのはこういったニチアサ的なもんじゃなく、S1でのフィスクとの闘いみたいなノリなんだろう。僕もそうだ、そういうスペクタクルなら映画のMCUに勝てるわけないんだからNetflixMCUではレーティングが低い映画では不可能な大人っぽい犯罪や殺しを全面に出した方が得策だ。
シーズン3はフィスクも出所しそうだし、恐らく原作の傑作「デアデビル:ボーン・アゲイン」的な展開をやる気がする。また面白くなる事を期待します。

 

※追記 (2024.01)
前からDisney+のMCUドラマ『エコー』にデアデビルとキングピンが出たんですが、『ホークアイ』 (2021)『シーハルク:ザ・アトーニー』(2022)の時と違い、『エコー』予告や本編でNetflix版のことに触れたりして、それと同時にでMARVELスタジオ公式からも「Netflix制作のMARVEL作品もMCU正史作品」という事が正式にアナウンスされた。そういう感じで長いこと「最初はMCUの一部だと言われてたが徐々にMCUじゃない感じで扱われてたNetflix制作MARVEL作品もMCU正史の一部」という事になった。僕としてはこのデアデビルの方がMCU全体と同じか又はそれ以上に好きなので良いんじゃないかなと思った。それならNetflix版のスタッフやキャストももう少し呼び戻してほしい気もするが。

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

『ホークアイ』全6話 (2021)/大部分とても楽しく観てたが最後にガッカリして全てどうでもよくなるというワンダビジョンと同じパターン🏹 - gock221B
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)/盛り沢山なので面白い事は間違いないが突然こんなに曇らせる意味がよくわかんない🕷️ - gock221B
『シーハルク:ザ・アトーニー』(2022) 全9話/現実世界で女性を憎悪する匿名インセルを劇中でも敵にしたりファンの予想や”考察”をおちょくりMCUの自己批判まで行う最高の作品💚 - gock221B
『エコー』(2024) 全5話/あまりに地味だし既視感あるシーンも多いがMCUドラマの中では悪くなかったかも。今までのように長い映画を6分割しただけじゃなくTVドラマとして作ってる気がする🦻🦿🐦 - gock221B

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マーベル/デアデビルを視聴 | Disney+(ディズニープラス)
マーベル /ザ・ディフェンダーズを視聴 | Disney+(ディズニープラス)

Daredevil (TV Series 2015–2018) - IMDb
The Defenders (TV Mini Series 2017) - IMDbwww.youtube.com

デアデビル:マン・ウィズアウト・フィアー (MARVEL)

デアデビル:マン・ウィズアウト・フィアー (MARVEL)

 

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