gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「ターミネーター (1984)」子供の時以来久々に観たら80年代の舞台が全てSFに感じられて昔より面白かった💀

f:id:gock221B:20180710194728p:plain
原題:The Terminator 監督&脚本:ジェームズ・キャメロン
製作国:アメリカ 上映時間:108分 シリーズ:「ターミネーター」シリーズ

 

 

 

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」での「シュワルツェネッガー総選挙」
第1回シュワルツェネッガー総選挙。映画ファンが選んだ1位は【T2じゃなかった】
を聴いて「そういえば最近シュワ氏の映画みてないな」と思ってHuluでこれ観た。
(ちなみに僕は総選挙、「トータル・リコール」に投票した)
ターミネーターも「ターミネーター:新起動/ジェニシス」でガッカリしてどうでもよくなってたがキャメロンによる六作目もあるし再びスカイネットにアクセスするのも悪くないだろう

 

 

 

Story
2029年の近未来核戦争後の世界で反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍により人類反抗軍は絶滅の危機を迎えていた。
スカイネットは、未来の人類の指導者ジョン・コナーの存在を抹消すべく1984年5月12日木曜日ロサンゼルスへと人間と瓜二つの殺人マシーン、ターミネーターT-800型(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込んだ。
目的は、近い将来ジョンを産む事になる女学生サラ・コナーリンダ・ハミルトン)の抹殺。
だがジョン・コナーの命を受けた人類反抗軍のカイル・リース軍曹(マイケル・ビーン)も、ターミネーターからサラを護りに未来からやって来た――

 

 


と言っても今初めて観たのならまだしもターミネーター1作目の感想なんて「桃太郎」の感想を改めて書くようなものなので書くことがない。だが面白くない映画の感想とかも色々書いてるのに観て面白かったコレの感想を書かないのはおかしいので何とか絞り出して書いてみることにする。
この映画、そして「ターミネーター」シリーズって一体なんなのか?
というと、これはもう「何しても死なない無表情の奴に追いかけられて怖い」という一語に尽きる。ハイコンセプト。あとは「シュワ氏が出てくる」ってことくらい?
おれに言わせれば「イット・フォローズ」も「霊ターミネーター」に過ぎない。
さしずめゾンビ映画は「腐った死体ターミネーター」ということになる。
挟み撃ちのかたちになるな?
これ以外の要素は全部どうでもいい。この映画&シリーズの「ターミネーターが追いかけてくる」以外の要素(サラ・コナー、ジョン・コナー、カイル・リース、スカイネット、タイムスリップ、審判の日)‥等などは全部その「ターミネーターごっこ」をSFっぽく面白く成立させるための舞台装置に過ぎない。
コナー家の人間が重要視されてるが個人的にはサラもジョンも別に出てこなくてもいいと思ってる。
だから鬼ごっこよりも、それらの(本来なら本筋とは関係ないと個人的に僕が思ってる)SF要素を全面に出した「ターミネーター4」「ターミネーター:新起動/ジェニシス」などの印象は「ターミネーター感が薄い」というものだった。
「新起動/ジェニシス」はつまんなかったので別にどうでもいいとして「ターミネーター4」はそこそこ面白かった。だけど「4」は「ターミネーターの正シリーズ」というよりも「そこそこ面白いSF映画」という印象だった(というか正直ストーリーもう覚えてない)。これはターミネーターごっこよりもSF要素に重きを置きすぎた勘違いの結果だろう。
このターミネーター1作目、小中学生だった当時に初めてレンタルビデオで観た。
それ以降Blue-rayとかでも観たことなかったもんで、HD化されたこれを観たら「ターミネーター1作目なのに高画質‥?」と凄く不思議な気持ちになった。
そして画面の色味が全体的に80年代的ブルーで撮られていて凄くお洒落。
更に80年代ロサンゼルスの街並み‥人々のファッション‥音楽‥家具や小物‥に至るまで、ありとあらゆるものが当然のことながら80年代丸出し。
その当時は映画観たら(アメリカなので異国だが)「まぁ、現代だな」という何てことない感覚で観てたのに、数十年経った今観ると何もかも今ではなさすぎる風景なので「これはもう時代劇みたいなもんだな」と思った。言いたいことわかる?
だから、本作のSF要素にあたるのは当時だとターミネーターやSF設定の数々だけだったのだが、長い間観てなかった本作を最近急に観た結果「平凡な日常」として描いた80年代の街並みや物が今となっては全てSFに見えてしまうという‥そんな結果になったのが面白かった。
シュワ氏の悪の魅力は一目瞭然なので改めて書くことないが‥あ、思い出した。子供の時この映画観て一番ビックリしたのは警察署の人間を皆殺しにするシーンだった。アメリカ映画‥特にアメリカ万歳だった80年代アメリカ映画では、米軍の基地や警察署などは「聖域」ってイメージだったので、正かシュワ氏が壊滅させるとは夢にも思ってなかったので驚いた。今の映画でもあまりないと思う。
それでいて子供心に、警察官が皆殺しにされるのを観て何故か高揚感を覚えた事も思い出した。反社会的な反抗心からだろうか。
それと後半、顔面を損傷したターミネーターが目玉をくり抜いて処置してる場面では特殊メイクで作ったシュワ氏の頭部なのだが、この頭部が↓
何かあまりシュワ氏に似てない。というか肌の質感や色味があまりにも人間味なさすぎるっつーかこの場面だけ真っ白だし、その特殊メイク丸出し感が凄く怖い。
そして工場でのラストバトル。シュワ氏スキンが全部取れちゃってエンドスケルトンになる。このターミネーターのエンドスケルトンは大好きな映画キャラだ。
とにかくそのエンドスケルトン。昔なのでCGは無くストップモーションアニメで動く。ストップモーションアニメの動きというのは現実界ではありえない動きで凄く気持ちが悪い。
動きが遅いので一見何とかなりそうだが永遠に追いかけてくる‥という「超硬いゾンビ」みたいなキャラクター性が絶妙。「空も飛んでミサイル全弾発射」みたいな性能だったら、もう逃げたり対抗が全く出来ないので諦めてしまう。この一見「逃げ切れるかも‥?」という感じがこのターミネーターごっこというゲームには重要だ。
最近、昔の映画観てなかったので新鮮だったが、特殊メイクやストップモーションアニメって凄く禍々しく見えるなぁと再確認した。ホラーやSFはCGばかり使わずたまには実物を伴った特殊メイクをもっと使った方が禍々しくて良いなと思った。ノスタルジーではなくね?
中高生の頃はこれらの特殊メイクやストップモーションアニメを観て「何か古臭いなぁ」と思い「ターミネーター2」のT-1000のCG描写で「うわぁ!新しい!」と喜んだものだが今となってはT-1000は凄く古臭く思えて本作のローテク特撮の方が新鮮に見えるという逆転現象が起きた。
久々に観るとマイケル・ビーン演じるカイル・リース軍曹がめちゃくちゃいいね。同じくキャメロン「エイリアン2」のヒックス伍長にも通じる80年代的な爽やかMTV的コカコーラ的イケメン。ズボンにシャツinしてたり、クリーム色のジャケットを腕まくりしてたり部屋の窓にはブラインド、何か白い鉢植えに入った観葉植物が置いてそうな、でっかい犬を飼っていてデュランデュランを聴きながらビーフストロガノフを食ってそうなイケメンだ。これだけ言ってわからないのならもういい。
そんな話はどうでもいいが、彼は凄く真摯に真面目だし強い。
あと今回久々に観てみてMCUキャプテン・アメリカアベンジャーズに出てくるウィンターソルジャーの人によく似てるなと思った。
そんな彼は、ジョン・コナーに渡された「サラ・コナーの写真」だけが恋人で、丸っきり女性と付き合ったことがないとわかる。
この映画を観た少年が自分を重ねやすいキャラクターだ。女性と付き合ったことないというのも、何だか少年をそのまま身体でかくしただけって感じのキャラだ。あまり奥行きがないはずだけど妙に魅力がある。現実感があまりないんだけど「こんな奴いないよ」という感じでもない‥うまく言葉にできないからカイルの話はやめとこう。
とにかく誠実な80年代爽やかイケメン感が最高だった。イケメンとか戦闘部分はともかくとして今からでも良いからこんな風な真摯な男になりたいと思った。
このカイルに対しては「童貞」という言葉は似合わない。どっちかというと「たまたま女性と付き合ったことのない男」という感じだ。
死んじゃうのがかなり悲しくて「二人で勝利してもよくない?!」と一瞬思うのだが、次の瞬間に「ああ、それじゃ女戦士サラが誕生せず未来の指導者ジョン・コナーにつながらないのか‥」と思い直す。だからカイルは工場で死ぬしかない。上手く出来てるね。
カイル、儚い‥風のような男よ‥。もう一度きみに会いたい。そよ風のなかで‥
※追記:マイケル・ビーンショーン・ビーンが同一人物だと数十年思い込んでいた事に今気がついた(この記事にも「ショーン・ビーン」と書いてた)。「ターミネーター指輪物語の時で顔が違いすぎるな。。大病を患って顔面の皮膚が引き攣って人相が変わったのかな?」と無茶苦茶な納得の仕方をしていた。自分の思考が怖い

サラ・コナーは昔ずっと、髪型のせいもあるが「ずいぶん老けた顔してるなぁ」とずっと思ってたが今回観ると初めて少し可愛らしく思えた。
サラ・コナーと言えば2での筋張った女戦士イメージが定着してしまったが本作ではただの丸顔の女子大生だったんだなぁと改めて思った。「救世主を産むなんて無理よ‥!私は毎月のお小遣いのやりくりさえできないのにっ!」とか言って可愛い。
それでいてラストの工場~「嵐がくるわ」の下りでは女戦士感が芽生えてきて顔つきも急に変わるので大したもんだと思った。
サラはディスコの場面まではカイルのことをストーカーだと思っている。
そして演出も、実際にカイルが不審者であるかのように撮っている。
だが我々観客には、シュワ氏がストーカー(ターミネーター)で、カイルは騎士だとわかっている。だから、サラが警察に電話するのも含めてこのディスコのシーンは、ディスコに籠城してるだけなのに脚本のおかげで凄く立体的で面白い。
それにしてもサラが電話するたびに人が死ぬ!電話って怖いね。
ところでサラの、ウォークマン好きなルームメイト(彼氏とSEXする時までウォークマン聴いてる)と、テレフォンセックスを仕掛けてくるその彼氏、このカップルは実に良い味を出していた。
キャメロンのスラッシャーホラー演出が凄く上手いのもあって、このカップルが殺されるシーンがめちゃくちゃ良い。惜しいカップルを亡くしました‥
この時代のキャメロンがスラッシャーホラー撮ったのを観てみたい。
‥というかスラッシャーホラーとかも長い間、全然観てないから新鮮だっただけなのかもしれない。当時つまんなかった80年代スラッシャーホラーも今観ると面白いかも。
中盤にある未来世界の描写。「レジスタンス基地にターミネーターが乗り込んでくる」というカイルの記憶と夢がごっちゃになった場面。
この場面今まで観た記憶があんまりないのだが昔からあったっけ?まぁいいや
基地で少女がTVを観ている。「ディストピアでもTV観れるの?」と思ってると少女の後ろからのカメラに切り替わると、中身のないTVの中で焚き火してるだけだった‥というこのシーンがとてもお洒落だった。
ここもまた観た記憶ない。
忘れてるだけ?それともレンタルビデオじゃなくて日曜洋画劇場で放送されて録画したものしか観たことなかったのかもしれない。覚えてねーからわからないわ

💀今回観て新たに感じた事と、子供の時に思ったことだけ書いたら漠然とした感想になったが、それでも結構ページを埋められるもんだね。
1作目だしターミネーターシリーズの殆どの大事な要素を作ってるので、シリーズ中この1作目が一番偉いのは勿論だが、久々に観ても面白さは健在だった。
昔と違う新たな面白さは、時が経ってしまったせいで80年代の街並みや物やファッション、80年代的な行動や言動、特殊メイクやストップモーションアニメの禍々しさが全て珍しくなってるので画面内がずーーっと面白いことが新鮮だった。
あとカイルの爽やかさ。
この分だと、この映画は今後もずっと楽しめそうだな。
「子供の時や20代の時好きだったけど中年になるとつまらなくなってる」ものがあるじゃん、本とか音楽とか映画で‥。
だけどコレは嫌いになってなかった‥どうやら本作は自分は年と共に熟成してワインになると思いつつ酢になっていくようなヤツじゃなくてその逆の良いパターンだったようだ

 

 

 

アイルビーバック

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀

The Taminator (1984) - IMDb

www.youtube.com

f:id:gock221B:20180714002306g:plain

『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』〈シーズン2〉(2018) 全10話/今回も良かったしGLOW本放送がフルで流れる第8話も最高👩🏻👱🏻‍♀️

原題:Glow <Season.2> 企画&製作総指揮:リズ・フラハイヴ、カーリー・メンチ
放映局:Netflix 製作国:アメリ 各話:約30分

 

 

女性受刑者達の人間模様を描いたNetflixの大人気ドラマオレンジ・イズ・ニュー・ブラック(2013-)」のスタッフが制作(僕はそっちは未見)。どうやら30代女性の群像劇が得意な製作者なんだろう。
ちなみにこの「GLOW」は1986年~1990年まで本当に放送されてたらしい。
実在したGLOWの公式サイト
G.L.O.W (Original 1985 Pilot) - YouTube
本作はこの実在したGLOWをモデルにドラマにしたもので、別に実話をそのままドラマ化したわけではないので本作の登場人物やレスラーなどは創作(だけど老婆姉妹ギミックのレスラーなどの実在した似たレスラーも何人かいたらしい)

 

 

Story
1985年ロサンゼルス
シーズン1で、プロレスを学んでギミックやアングルを作り出し、何とか旗揚げできた新興女子プロレス団体「ゴージャス・レディ・オブ・レスリン」略して「GLOW
悪役レスラーを演じる主人公ルース・ワイルダーアリソン・ブリー)。ルースの元親友、シングルマザーのデビー・イーガン(ベティ・ギルピン)はGLOWの善玉トップレスラーとなる。

GLOWを制作するのは元B級映画監督のサムと、スポンサーリングアナなど一人で何役もこなすプロレスファンのイケメン御曹司バッシュそして色んなギミックの愉快なGLOWレスラー達。
TVカメラマンなどの新キャラも加わって「GLOW」のTV放送が始まり人気も出てきたが、番組は早くも打ち切りの危機に――

 

 

f:id:gock221B:20180702174645j:plain
前シーズンでは、半端者たちが集まって紆余曲折ありながらもプロレスを学び何とか旗揚げに成功したところで終わった。
この第2シーズンではGlOWの興行とTV放送が始まり、そこそこファンも増えるが番組は打ち切りの危機に陥り、各人は打ち切り回避のために奔走する‥。というのがざっくりしたあらすじ。
人間ドラマ部分は、主人公ルースとデビーの壊れた友情の回復が大きなトピックで、サム監督と娘、サム監督とルース、離婚して荒れているデビー、その他の細々とした人間関係が描かれる。
ルースとデビーとサム父娘とバッシュ。この5人に費やす時間が圧倒的に多いのだが、彼らの個々人の話というよりも、主な登場人物がGLOWという一つのキャラを形成して「今のこのパートはGLOWという生き物の頭(サム)の部分を見せるよ」といった感じ。群像劇と一言で言ったほうが早いか。
ストーリーの大まかな流れは大きな目で見ればシーズン1と同じ。
地上波TV放送されているとは言え、GLOWはキワモノ的な受け止められ方をされているようだしGLOW出演者たちも自覚している。その中でルースのように「自分が何万人もの人に表現できる場所!」と思っている者もいればバイト感覚で参加しているものもいる。

f:id:gock221B:20180702174801j:plain
第3話くらいまでは、せっかく旗揚げしたのにプロレスの試合は殆ど流れず、せせこましい人間関係やギスギスした喧嘩が描かれ、面白いのかどうかよくわからない不安な気持ちで観てたがシーズン1同様、第4話がめちゃくちゃ面白くて、そのまま最後までずっと面白いので徹夜で最後まで一気に観てしまった。。。
という流れはシーズン1と全く同じだった。
そしてGLOWのプロレス興行がガッツリ流れるのは第4話、第6話、第8話、第10話(最終話)の3回しかないが、この3回ある興行が本当にプロレス的で見事で、それでいて全く押し付けがましくなく、だからプロレスシーンが少ない事に文句はなかった。
💋第1話では演出もしたいルースが番組のOP映像を勝手に撮ってしまう。それは楽しいものだったのだがサム監督の自尊心を傷つけて、序盤のギスギス感を生んでしまう
💋第4話では色々あってメインイベントが白けきってしまう。
そこでプロレスセンスが非常に高いルースが咄嗟に幼女の客を使ってアングルを作り出し、このアングルは第8話まで(プロレス内での)ストーリーラインとなる。
💋第6話では何と、私生活がうまくいってないデビーがルースの脚を折ってしまう
この出来事をきっかけに様々なギクシャクしていた人間関係やプロレスの流れなど全てが良い方向に大きく変化していく。
💋第8話に至ってはプロレス番組「GLOW」が丸々一本流れるという画期的な回で、その本放送が面白いし試合も良かったし本当に素晴らしかった。
この回のGLOWは打ち切り濃厚になったので、サムが演出をやりたがっていたルースにアイデアを出させて番組を作ったというテイ。ルースは本当にプロレスやプロレス的なものが上手く(その代わり私生活はうまくいかない)番組は、馬鹿馬鹿しくも本当に面白かった。
ルースが作った番組は茶番コント7に対して試合2という割合で、今のWWEとかもそんな感じなのでこれはこれで時代を先取りしていて正しい。
💋最終話はTV放送していたGLOWの最終回。ビザ切れしていた選手ブリタニカをアメリカに住ませるためにアメリカ人のヲタと本当に生放送のリング場で結婚させ、それをアングルとして試合も組もうという最高の展開。あわよくば番組を買ってもらおうという心づもり。シーズン2は大団円を迎える
💄序盤は「プロレスの試合少なすぎない?」とか思ってたけど、最後まで観ると日常描写も全てプロレスの前振り‥というかドラマ全編がプロレスだったんだなと気付いたのでオールOKでした。

f:id:gock221B:20180702174711j:plain
💄プロレス的な流れは上記の通りで私生活パートの話としては、第六話で私生活が上手くいかずコカイン吸って試合に出たデビーが力入り過ぎてルースの脚を折ってしまう。
ルースを最後にお見舞いしたデビーとルース。
親友だった2人だが、ルースがデビーの夫と不倫SEXしてしまったがためにシーズン1の初回からずっと不仲だった(シーズン1最終話でやっと業務連絡くらいの会話はする程度に回復)この病室で2人きりになったのでお互い初めて本音でブチキレて罵り合う。
これは互いにプライマル・スクリーム(原初の叫びでトラウマを克服する療法)の効果があり、やっと仲直りする切っ掛けになった。
💄ルースの骨折で、演出に口出してくるプロレス上手いルースに対してずっと冷たかったサム監督も、自分の大人気なさに気付いて優しくなり、ルースの心を癒やした。
サムは、ルースに枕営業を持ちかけたTV局のお偉いさんへの怒りが爆発して罵りまくる。ルースはそこまではサムに冷たくされてたので、てっきり自分を非難すると思っていたサムはセクハラ上司に対して自分のためにキレる様を見つめるルースがどんどん柔和な笑顔になるシーンは感動的(更にサムはお偉いさんの高級車を破壊し、そしてそれを特に誰にも言わないのが更に良かった)
これ以降サムはルースに対してずっと優しくなる。そして自分と娘の関係をフォローしてくれたルースに対してサムは恋愛感情を抱くがルースはTVカメラマンに惚れていたしスルー。
今までのサムだったら逆ギレしてそうだが、大人になったサムはこのフラれも甘んじて受けとめて最終回でルースに更なるプレゼントをしてホンワカした雰囲気にさせた。
💄最終回の「リングでのガチ結婚式」というギミックの際に、突然バッシュは「前からブリタニカが好きだった」という展開になる。そんな素振りはマジで1秒たりとも無かったのでこれはさすがに前振りが必要だったと思った。というかバッシュは身内に不幸があった直後で精神が乱れていたし、GLOWを存続させたい一新だったのかもしれん。バッシュを好きなマチュ・ピチュも悲しい顔をしていたのでバッシュ絡みのアングルはS3で、という事なんだろう。「急に180度優しくなったサム」同様、この「急に結婚するバッシュ」とか妙な部分もあったが、第4話以降の圧倒的な面白さによって「そんな些細なことはどうでもいいわ」と気にならなかった。
些細なことが気になる、という状態はあくまでも本筋がつまらないものに対して「ここがおかしい、あそこもおかしい」と連鎖的に気になるものなのだ。
💋💄大体そんな感じで「第三話までは面白くないが第4話まで観たらもうめちゃくちゃ面白い」というシーズン1と同じ感想だった。
同じこと3回しても仕方ないので、シーズン3では何故か再び仲悪くなってて改善していく‥という流れはやめてくれよ。次はラスベガスか。。早く配信して欲しい
僕は映画は好きだけどドラマがかなり苦手で、大人気ドラマも全部すぐ切ってしまうのだが、こんなにちゃんと全部観て途中で切らないドラマはこれだけだわ(あとツインピークス)。
ドラマの感想もブログにあまり書かないのでドラマの感想のテンプレが出来てないので読みにくい文章になったが大体こんな感じで楽しかった。
各キャラとか細かい面白い出来事は全部省いて、ざっくりした感想だけ書いた
だがこれでまた一年くらい続きが観られないのだろうし仕方ないから、同じ製作者による「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」も観てみようかな

 


そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️👩🏻👱🏻‍♀️
GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング - Netflix
GLOW (TV Series 2017–2019) - IMDb
www.youtube.com
f:id:gock221B:20180703033457g:plain

「ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム (2017)」前作同様に大袈裟なストーリーより何気ない生活描写の方が何倍も感動した🚬

f:id:gock221B:20180621173538j:plain
原題:Life is Strange: Before the Storm 開発元:Deck Nine Games 製作国:フランス

 

「ライフ・イズ・ストレンジ (2015)」の前日譚。
発売から待つこと数ヶ月‥スクエニの親切な人が翻訳してくれてプレイできた
ゲームはPCが低スペックなので低スペックのゲームしかしてないし、映画と違ってゲームの感想のテンプレが出来上がってないので書くのが面倒であまり書いてない。書いてないが「ディスオナード」「ヒットマン:アブソリューション」に死ぬほどハマったのでそのうち感想書くかもしれない(どうやら自分はステルスアクションが一番好きみたいだとわかった)

「・(なかぐろ)」や「:(コロン)」を使わないせいで凄く締まりのないタイトル表記のこのゲームを、発売から9ヶ月経ってスクエニが日本語化してくれたのでやっとこのアドベンチャーゲームをプレイできた。
PC‥Steamで洋ゲーを日本企業(特にスクエニ)が販売する際にプレステへの忖度なのか「おま国」「おま値」が多いが、本作は何と日本語を付けてくれた。しかも無料!(同じスクエニがパブリッシャーだった「トゥームレイダー」は元々付いてた日本語字幕がゲーム内のプログラムに存在してたのに、わざわざその日本語データを削除してゲーム本編に匹敵する値段で売りつけてきた)
このライフイズストレンジを担当してる人はTwitterで熱心に要望を聞いたり告知したりしてかなり熱心な人物のようでリスペクト。


 

Story
f:id:gock221B:20180628230228j:plain
オレゴン州の港町アルカディア・ベイに住む16歳の不良少女クロエ・プライス
最愛の父親を事故で亡くし、引っ越した大親マックスにメールを出しても彼女からの返信は途絶えがち。
クロエは世の中の全てにすっかり嫌気がさしてしまい、かつての優等生はすっかりグレてしまい進学校をサボり飲酒、喫煙、ドラッグ‥など、すっかり破滅的で孤独な青春を送るようになってしまっていた。
ある日、山奥のライブハウスで、学園の人気者の優等生のお嬢様レイチェル・アンバーと会い、2人は意気投合し、お互いの心に空いた穴を埋め合うかのように求め合う。
その出会いはお互いの運命を大きく変えていく――

そんな話

 

 

f:id:gock221B:20180628094841j:plain
前作「ライフ・イズ・ストレンジ (2015) ※以下LiSと表記」の3年前の物語。
本作では前作「LiS」の主人公マックスの親友だったクロエを操作して、クロエとの友情を描いた。
そして本作ではマックスは出てこず「LiS」では行方不明になっていた優等生レイチェルが本作のヒロイン。だからマックスとクロエとレイチェルが勢揃いするシーンは未だに来ていない。
だからマックスは本編に出てこないが、クロエが「返事をくれないマックスに話しかける手紙」という悲しい設定の日記を書いている。あと後述する追加DLC「さよなら(Farewell)」では本作より更に2年前のマックスを操作して、マックスが引っ越す数日前をプレイできる。
マックスには時間巻き戻し能力や写真タイムリープ能力などの超能力があったが、クロエはそんな超能力持ってないので強気な会話の駆け引きで状況を打破する「バックトーク」という会話システムを持っている(早い話が普通のアドベンチャーゲームだ)
とはいえメインストーリーは前作同様に一本道なので細かい変化はあるものの大きくは変化しない。
ストーリーは凄くアメリカの繊細で傷つきやすい思春期感満載のギターポップがずっと流れていて、オレゴンの美しい田舎町で傷つきやすい少女たちの普通の生活‥そのすぐ近くに死の香りが強烈に匂い続けている‥というヤングアダルト小説(アメリカのラノベ)っぽいストーリーが展開される。
自分が中年なせいか、主人公クロエとレイチェルは精細過ぎる上に無茶し過ぎで「長生きできなさそう‥」とめっちゃ心配になる。やっぱり両親の愛情は人生に大きく影響するのかもしれない。
そして前作LiSの時も思ったが、本作の少女の生死の香りがするヤングアダルトっぽいドラマチックなストーリー展開にはそれほどピンと来なかった(多分おっさんのせいだろう)。前作のストーリーは良かったけど本作のレイチェルの家庭に関する最終話はめちゃくちゃ荒い雑な話だった。
まあ前日譚なので大きなストーリーをいじるわけにはいかなかったのだろうがそれにしても第3話は色々と荒かったわ。
その代わり、クロエとレイチェルが自由になろうともがく第1~2話は凄く良かった
直接的なネタバレはないが、読めば何となく内容がわかってしまうと思うので未プレイの人は注意

 

 

このシリーズの一番好きなところ
f:id:gock221B:20180628093837j:plain
その代り、主人公クロエを動かして、ライブハウスや学園寮や廃品置き場をブラついたり、そこら辺にある人物や物をクリックするとクロエが、如何にもクロエっぽい皮肉交じりの独り言を頭の中で喋ってくれる(前作ではマックスがサブカル女子的な呟きをしてた)
多くの人はメインストーリーに感動するらしいが、正直言って僕がこのゲームで一番好きなところはここだ。
マックスやクロエが、ただ普通に町の色んなところをクリックして独り言を言うだけのゲームでも構わないくらいだ。
前作でもそうだったがメインストーリーよりも何気ない日常要素や、そこら辺を歩いたり、ふとベンチや廃車に座ってクロエが物思いにふけったりする方がメインストーリーよりも何十倍も感動する。僕はアメリカの田舎への憧れがあるし。
前作でも「深夜のアメリカンスクールの校内やプール」「よくあるダイナー」などが俺のアメリカ憧れを満足させてくれたが、本作では「演劇サークルの楽屋とステージ場」「ヲタ友とTRPGをプレイ」などが特に良かった

 

 

主人公クロエとヒロインのレイチェル
f:id:gock221B:20180628233608j:plain
本作ヒロインのレイチェル。
前作LiSでは「成績優秀なお嬢様で芸術への造詣も深い学園の人気者‥だが本編には登場しない」という「ツインピークス」で言うところのローラ・パーマーみたいなキャラだった。
本作をやってみたところ、確かに魅力的だった(アメリカ的な感じで)
容姿も明らかに他のキャラより美人に造形されてるし、学校では上品なお嬢様だが荒くれ者が集うライブハウスに通ってたりジョークも得意でコミュ力高い。
学校をサボって突然列車に飛び乗って冒険させてくれたり、心理ゲームを仕掛けてきたり演劇の舞台に引っ張り上げて即興で芝居を仕掛けてきたりする。「中高生の頃に、こんな女の子と突然知り合って振り回されたかったわ~」という遠い記憶やアラサー時に仲良くしてた「今年はどんな冒険しようか」と色々と誘ってくれる美人の友人の記憶が蘇った。
あと、レイチェルはかなり激情家。
ブチギレてナイフを持ったチンピラに角材で殴りかかったり山火事を起こしたりと、とんでもないトラブルを起こしまくる(というかレイチェルも超能力を持ってる‥?)
自分はもう中年なのでレイチェルのトラブルメーカー要素に対して「面倒くさそうだなぁ」と思ったが、やはり10代後半~20代前半の頃はこういう危険な子と知り合いたくて仕方なかった。
他にも第3話でレイチェルの家で「好きな女子の両親の機嫌を取りつつ、良い子を装って家事を手伝う」「自分のベッドでふて寝した美少女を前に、元気づける方法はないかとあたふたと模索する」‥など、若い頃に好きな女子の実家でよく見た光景だわぁ‥と懐かしかった。
そんな感じで好感を持ったので「何故クロエは前作であんなにレイチェルを探してたのか?」という部分は補完できたのでよかった。恐らくこれが本作の意義だと思うので(それと2へのヒキ)ある程度、満足できたと言える。
前作のマックスとクロエは「友情!だけど同性愛‥に見えなくもない」という匂わせ程度の感じだったが、本作のクロエとレイチェルはもう殆ど「いや完全に付き合ってるよね?」という感じだった。プレイしてたらクロエがどんどん少年に見えてくるし。だけど女子中高生だった過去がないのでわからないが自分の穴を親友と埋めようとして一時期だけ同性愛っぽくなることは女子にはあるのかもしれない。恋人や友人の女性が「女友達と寝たわ」みたいな事が何度かあって「女子ってそういうものなのかな?」と思っていた。まあ実際のところはよくわからないし別に嫉妬もしないので好きにしてくれ。
第2話で、レイチェルが主演する演劇「テンペスト」に急遽、出演しなければならなくなるイベントが特に最高だった。「えぇと事前にチラ見した台本ではこういう台詞だったような‥」「ここで船のセットに登るんだっけ?」とか「ステージから客席見たら照明で何も見えないんだな」などの〈学生演劇シュミレーター〉感が最高だった。
また、廃品置き場は、クロエの父が事故死したぐちゃぐちゃの車まで捨ててあったりして、クロエの傷ついた心がそのまま物質化したかのような場所だ。本作はこういうのが凄く上手い。
廃品置き場のトラックを修理して乗れるようにする場面も、クロエが傷ついた自分自身を癒やしつつ未来への希望を作り出す行為なのが一目瞭然でエモい。「こうやって直すのか‥」とざっくり知れたりもした
そういえばクロエ役の声優Lynnさんの演技がめちゃくちゃ上手い。
ついでに、スケボー好きの同級生の声優も癖になる喋り方で凄く良い

 

 

ステフとマイキーとドリュー
f:id:gock221B:20180628232036j:plain
レイチェル以外のLiSには出てこない本作だけのクロエの友人キャラ。
イケてる感じも併せ持ったオタク少女ステフと、オタクのマイキー、最初はいがみ合うが後で和解するアメフト特待生のドリュー(オタクの弟マイキーを大切にしているジョックスの兄)。
ステフ&マイキーとTRPGに興じる場面は2回もあって「TRPGした気分」になれて楽しかった(TRPGの説明は面倒なのでググってくれ)。よくアメリカ映画でオタク少年たちが地下室でTRPGやってるの見て、やってみたかったんだ。
だから本作の一番いいところはTRPGをステフ&マイキー兄弟と興じる。「テンペスト」の演劇と、廃車の修理だね。

 

 

ヴィクトリア
f:id:gock221B:20180628233529j:plain
前作にも出たキャラのうち本作にも出てるキャラは多い。学校が同じだからね
写真が上手いが意地が悪いヴィクトリアは前作同様に本作でも活躍する。
演劇「テンペスト」が始まる前に、ヴィクトリアはレイチェルの飲み物に筋弛緩剤を入れて飲ませようとする(無茶苦茶するやん!こいつ)
僕が操作するクロエはそれを暴いて「変なもの入ってないって言うなら飲んでみろよ!」と追求したら、ヴィクトリアは「うぐぐ!」とか言って飲んで失神した。
「ああそうよ!私がやったよ!悪かったわ!これで満足?!」とか言えばいいのに本当に飲んで昏倒するとは‥可愛いなと思ってしまった(そして皆の前で失神したのに教師や同級生、誰もリアクションせずヴィクトリアは死体のように床に転がったままなので笑った)
また容姿も、ファッションや髪型のせいか前作より数倍カワイイ。

 


メインストーリーと製作者の強すぎる思想は若干ニガテ
f:id:gock221B:20180628234331j:plain
やっぱり暗い話だった
第2話まではかなり良いが、最終話は予想通りのバッドエンド。
まあ犯人が一切出てこないのは優しさなんだろうとは思った。
クロエもそうだが、レイチェルが特に無茶苦茶な行動や言動ばっかりするので最初は「激情家かつ思春期の少女だから‥」と汲み取ってたが、あまりにそれが多すぎたので「いや、これは生き残れないわ‥」と乗れなくなっていった。
ストーリーは、想像していた通りかなり暗い。クロエは「父が事故死」「親友は音信不通」「母はウザい男を連れ込む」「その男は良かれと思ってガミガミ干渉してくる」「退学になる」「チンピラに目をつけられる」「親友レイチェルと知り合い惹かれ合うが2人は‥」と、前作やったプレイヤーは2人の運命は知ってるわけだしね。
本作が発表された時「クロエとレイチェルの前日譚とか、どうするつもりだろ?」と思った。そして「こういうシーンで終わったら嫌だなぁ」と想像してた嫌なシーンで終わったので、めちゃくちゃ後味悪く終わったせいか印象が悪い。
自分が操作するゲームはフィクションより感情移入が深いせいか、最後までプレイした後「何でクロエはこんなに何から何まで不幸なんや?!」とだんだんムカついてきた。
最終話の「レイチェルの家庭の問題」が、ストーリーもゲームとしての展開もかなり荒くて乗れなかった。あとレイチェルが酷い目に遭ってるのがラストカットなのが嫌だなぁ
同じくJKの悲劇で終わる前日譚映画「ツインピークス ローラ・パ-マー最後の7日間」の場合、デヴィッド・リンチ的思想で天使に召されて終わるのでまだいいが本作の場合、レイチェルもクロエも悲劇で終わるからね。悲劇はいいが救いがなさすぎて暗い気持ちになる。
映画や漫画や小説などのフィクションは、客観的に楽しんでるせいか悲劇の方が物語が締まって良かったりするんだけど、ゲームの場合「プレイヤー=主人公」で感情移入が激しく主観的にプレイしてるせいか、バッドエンドだとかなり後味悪い(一年くらい気分悪い)
心の何処かで映画「イングロリアス・バスターズ」みたいに、史実と違うハッピーエンドめいたものもあるかな?と思ってたがそれはなかったね。
★超能力者たち。次回作ではどうなる?
本作には超能力は出てこないが、マックス以外の超能力者を匂わせる人物は2人くらい居た。
そして最近無料配信されたライフイズストレンジ2に繋がる短編ゲーム「The Awesome Adventures of Captain Spirit (2018)」、これもヒーローに憧れる幼児が超能力者を発揮する話っぽいし、近日発売予定の「ライフイズストレンジ2 (2018)」では、「スプリット」を経てのシャマランユニバースみたいな超能力ものになりそうな雰囲気がある。
何とか皆が幸せになる要素はないものか‥。インタビューとか読んでるとこのシリーズの製作者はそういう救済する気持ちはサラサラ無いっぽいので期待するのはやめといた方がいいかな。2ではマックスやクロエはもう出てこないんだっけ?(さすがに主人公じゃないにしても大人のフォトグラファーになったマックスは出てくるとは思うが)
現実がクソゲーなんだからゲームくらい幸せにしてくれや
それにしてもこのシリーズも製作者も好きだが「どっちを選んでも辛いラストになる究極の選択‥それを選んだのは君だ!」「時間を巻き戻すのにはリスクがあってシッペ返しがあるのだよ!」「今を全力で生きよう」という、製作者の思想が強すぎて若干「説教臭いなぁ」とも感じる。
「『楽しい出来事』なんてものは延々と続く辛い現実に一瞬挟み込まれたCMに過ぎない」というのは、もう僕らが過ごしているこのクソゲー(現実)が、そうなんだから作家性を抑えてゲームくらい幸せな結末にしてくれや!という気がしなくもない。
バイオショック:インフィニット (2013) 」のDLCの時も思ったが、不要なほどバッドエンドだとムカついてくる。
あと、やたらとプレイヤーに対して「ゲームプレイヤーとは無差別殺人者なのだ」的な問題提起してくるとアホらしくなる(これは反感を抱いてるだけじゃなくて論理的な理由があるのだが、話が逸れまくってしまうので別の機会に書こう)
子どもたちを助けて~
ぶっちゃけて言うと「何でも良いからマックスとクロエとレイチェルを幸せにしてくれや!」という気持ちも強いだけかもしれん。
まあ「本作では救済処置はなくレイチェルとの友情を見せて切なさを増やすだけだろう」と予想してたのでそれはまあいい。
でも「ライフイズストレンジ2 (2018)」では、生き返らせろとかは言わないがさすがに何らかの超常的な救済処置があると予想してる。それが無いばかりか新たな悲劇(キャプテンスピリットさえ死ぬとか)が生まれたらさすがにキレるぞ

 

DLC「さよなら(Farewell)」
f:id:gock221B:20180628102921j:plain
本作の2、3年前のとある一日の話。
数日後、遠くに引っ越してしまうマックス」を操作して「引っ越すことをクロエに言わなくちゃ‥だけど今の楽しい時間を台無しにしたくないし‥」と葛藤しながらクロエと共に海賊ごっこに興じる短編ゲーム。

これはかなり良かった。
最初にクロエの部屋の片付けを手伝うのだが、クロエは「要らなそうなものはどんどんこの箱に入れちゃって~」とか言うのだが、マックスがガラクタを箱に入れようとするとクロエは毎回「ちょっと!それは捨てちゃダメでしょ。あの日の思い出だろ~?w」とか言い、「要らないもの見かけたら捨ててね」とか言ってたくせに結果的にクロエは全ての思い出のガラクタを捨てさせない。ここがエモかった
そして「ビフォア~」本編でもクロエは「昔はマックスと海賊ごっこしてたな~ははは‥」と渇いた笑いをしてて可哀想になる(マックスもメールの返事くらいしてやれや!)

後でタイムカプセルも出てくるが、それよりこの片付けシーンが良かったね。
そう考えると「部屋を片付ける」という現実でも面倒くさい事をしてるのに感動させるのが、このゲームの凄いところかもしれん。
そして「クロエに、引っ越すことを告げる」という選択肢は何度も何度も出てくるのだが、ゲーム中のマックスに完全にシンクロして「せっかく海賊ごっこで盛り上がってるのに‥もうちょっと遊んで最後に言おう!」とズルズル引き伸ばしてしまう。

そして「もう、これ以上、引き延ばせない!」と思って引っ越しの事をクロエに告げた時のクロエのリアクション。クロエのパパ。そして「この日は何の日だったのか」が最後に明らかになるラストなど、全てがエモい。
エモの極みじゃ!
ビフォアストーム本編よりも、このおまけDLCの方が完成度高かったよ

 


★★★まとめと続編の日本語化への期待
f:id:gock221B:20180629043030j:plain
そんな感じで第1、2話とDLC「さよなら」は凄く良かったけど第3話(最終話)だけ微妙だったので、結果的に微妙な評価になった。
前作LiSはクリアしてすぐ2周目やって実績(トロフィー)を全部埋めたり、あちこちを念入りに調べたりするほど好きだったが本作は「1回クリアすればいいか‥」という程度だった。せめて第3話(最終話)の出来が良ければ‥。
スクエニの親切な担当者のツイートによると「The Awesome Adventures of Captain Spirit (2018)」と「ライフイズストレンジ2」の翻訳は未定らしい。
だけど本当に未定でいいと思ってるのならツイートせずスルーするはずなので
「翻訳して欲しい!と言う声をスクエニにメールしたりSNSに書け」ってことなんだろうと受け取ったので自分もそうしよう。この感想もその一環だ
とはいえ今までの経緯から推測すると、本国は9月に第1話が配信されるのだが、もし日本語化してくれるとしても第5話(最終話)の配信が終わって半年~1年くらい先になるのかな。気長に待つしかない

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬🚬

www.jp.square-enix.com

store.steampowered.com

store.steampowered.com

store.steampowered.com

store.steampowered.com

store.steampowered.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20180628102715g:plain

「オリエント急行殺人事件 (2017)」犯人を知らん僕が観て面白かったし感動したが、それはきっと全て原作のおかげだろうなと推測🚃

f:id:gock221B:20180618000007j:plain
原題:Murder on the Orient Express
原作:アガサ・クリスティオリエント急行の殺人」
監督&制作&主演:ケネス・ブラナー 
製作国:アメリカ 上映時間:114分

 

アガサ・クリスティの小説「オリエント急行の殺人 (1934)」の映画化。
ケネス・ブラナーが監督、制作、主演のポアロ役まで務めた。
僕は、この超有名作にも関わらず、原作も読んでないし過去のシドニー・ルメットによる実写映画も観たことない。
つまりよく冗談で言うような「『犯人はヤス』」に対して「ポートピアのネタバレすな!」と言えてしまう状態にいる男がこの俺よ。
だから最後にあっと驚くとよく言われている本作の真相を楽しむ事ができた。
最初に言っておくが、そういう感じだから原作と比べたりシドニー・ルメット版と比べたりはできない。そもそもポワロがどういう奴なのかもさっき初めて知ったし。
ネタバレ無し

 

 

Story
f:id:gock221B:20180618003321j:plain
エルサレムで事件を解決した名探偵エルキュール・ポアロケネス・ブラナー
彼は豪華寝台列車オリエント急行に乗車する。

アメリカ人富豪ラチェットジョニー・デップ)は前日、ポアロに「脅迫を受けている」と身辺警護を頼まれるが、ラチェットは悪人であるためポアロは断った。
その夜、雪崩で脱線し立ち往生した車内で、ラチェットが何者かに刺殺された。
鉄道会社から捜査を頼まれたポアロは、雪山で静止した列車内で11人の乗客たちに聞き込みを開始。やがて衝撃の真実が明らかになる――
みたいな話

 

 

f:id:gock221B:20180618010740j:plain
雪山で立ち往生している列車内で起きた密室殺人。
それをポワロ氏が10数人の乗客に一人ひとり尋問してアリバイを探る。そして終盤で真相が明らかになり、皆の前で謎解きしてジ・エンド‥という流れ。
ポワロは序盤で「白と黒、正義と悪とはきっちり別れている」という思想を持っていて、何事もバランスよく均等になってないと落ち着かない神経質者だという事が示される。「物事が白と黒の2つに別れてるわけ無いじゃん、、殆どの物事は灰色なのに‥」と、いきなりポワロに感情移入できなくなってしまったが、これはラストへ向けての物語的伏線だったと最後まで観るとわかった。
尋問される乗客たちを演じているのはスターが多い。
皆いい感じだが、やっぱりミシェル・ファイファーが良かった。もう初老くらいのお歳とお顔だと思うが、そういったものを超越した美しさを感じた。「バットマン・リターンズ」でキャットウーマンを演じた彼女はこの先老婆になったとしても僕の中では永遠に美女のままだろう(多分)
あとウィレム・デフォーが「はわわ‥」と焦る演技はいつ観ても良いなと思った。「ライフ・アクアティック」での彼を思い出す。
被害者役のジョニーデップも凄くいい。「そういえばジョニー・デップっていい役者だったよな‥」と数十年ぶりに思い出した。
一方、監督自ら演じた主人公ポワロ。ルックスとか演技とか特別に悪いところはないのだが、いまいち魅力が薄いように思えて「もっと適役の俳優がいたのでは?」と思った。ポワロがどんなキャラかよく知らないので具体的に指摘できないが、もっとのんびりした雰囲気のおじさんって感じの俳優の方が合っていたのでは?

f:id:gock221B:20180618012918j:plain
事件の真相だが、2、3人目を尋問してる時に「これはもしかして‥?」と気づいたので「最後に驚愕‥!」といったことはなかったが殺人事件が起きて以降はずっと面白いので真相で驚く驚かないは別にどっちでもいい(というか、そもそも謎解きとかどうでもいい)
「もしかして‥?」という自分の推測が当たらず「全ては偶然だった」というオチだったとしても、それはそれで悪魔的偶然に思えて面白がれた気もする。
容疑者達に対して「偶然にしては共通しすぎている!」と思い「早く真相が知りたい!」と思えた気持ちは一生に一度しかないので、その気持ちを大切にしながら観た。この時は永遠だ。今思えば、どうせなら本作より原作読んで知りたかった気もしてきたが、まあ済んでしまった事は仕方がない。
「最後の晩餐」のような構図で座った乗客たちの前でポワロが謎解き演説する場面は「自分がこのポワロの立場だったらさぞかし気持ちよさそうだな」と思った。監督は勃起してたに違いない。しかも銃まで持ってるんだよ?確実に勃起だ。
事件の真相を明かす殺人のモノクロ回想シーンが素晴らしかった。
そして全てを解決した後、犯人を乗せたオリエント急行は出発する。
雪山で静止したオリエント急行が犯人の、ある時点で静止してしまった人生を表していて、それが最後に動き出す。。めちゃくちゃ感動した。
最後のポワロの判断はそれでいいのか?という気が全くないわけではないが、まあポワロは警官ではなく謎を解くのが仕事の探偵なのでまあ良いだろう。Twitter民みたいなつまらない指摘をするのはやめだ。
それにポワ氏は「真相を知ってるのは神と、このポワロだけだ」みたいな事も言ってたし、この本編中のポワ氏は「神」みたいな存在だと考えてもいいだろうし。生かすも殺すもポワ氏の自由でいいだろう。
それにポワ氏の思想(善悪二元論とか嘘がつけないとか)を何度も印象づけた後での、ポワ氏のこの最後の決断‥というのも良かったね(どうせなら鉄道会社の人も銃を持ってない方が緊張感あって良かったのでは?)
「雪山で静止したオリエント急行」周辺も、色んな意味で現世から外れた現世とあの世の中間の世界みたいなこの世ならざる場だし、そういった状況設定とストーリー‥「雪山で静止したオリエント急行」内で「容疑者たちと被害者の関係」「そこに偶然居合わせたポワロという神」などの関係性が、頭くらくらするほど完璧でイカしてるなと感動した。

f:id:gock221B:20180618010640j:plain
だけど、それは「この映画というより、原作が良いから感動したんだろうな」と感じた。原作読んでないのに、こういうこと言うのはおかしいがそういう事ってあるでしょ。
元々、原作が名作で、あらすじ自体が素晴らしいので、まるでこの映画自体が素晴らしいように思えるが、映画自体は大したものじゃないなと思った。
原作を知らずに映画版の「ウォッチメン」や湯浅監督の「デビルマンCrybaby」やTVアニメ版「ゴールデンカムイ」などを観ると、どれも大したことない映像化なのだが原作知らない人が観たら、まるで名作のように感じるらしい。本当は原作の方が100倍くらい素晴らしくて、むしろ映像化された方は大したことないんだよね。それと同じ感じ。
むしろ、この映画そのものは世間での評価どおり60点くらいの感じに思われた。
殺人が起きるまでの序盤はかったるいし、たまにちょこっとあったアクションも要らない気がした。クライマックスやナイルに繋がる場面も感動したが「もっと優れた監督や俳優陣だったらもっと感動できたに違いない」と思った。「この飲み会は楽しいが、あの子も来てればなぁ」という気持ちに似ている。一言で言うと「どうせ犯人知らないなら原作読めばよかった」という感じ。
この監督のMCU作品「マイティ・ソー (2011)」も「まあまあ面白い‥かな?」と感じつつ「でももっと優れた監督だったらもっと良かったんだろうな」と感じたが、本作にもそんな印象を受けた。
まあ原作読んでないし推測だけで話すのはこれくらいにしとこう。
この映画しか観てないのに「面白かったし感動したが、この映画のおかげじゃないと強く思う」という不思議な感想になった。
本作は60点くらいのまあまあの評価と、まあまあの興行成績を収めて、続編「ナイルに死す」もこの監督&制作&主演でまたやるらしい。続編は‥あんまり興味ないかな。
その代わりアガサ・クリスティーの原作小説を読みたくなった。


そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃🚃

www.imdb.com

www.youtube.com

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

オリエント急行の殺人

オリエント急行の殺人

f:id:gock221B:20180618015919g:plain

『ニンジャバットマン』(2018)/ストーリーや論理的な積み上げ無しでキルラキル的過剰演出によって少年漫画的な根性パワーアップを延々と続ける‥というノリをバットマンに持ち込まないで欲しい🗾

f:id:gock221B:20180615235740j:plain
原題:Batman Ninja 制作会社:神風動画、YAMATOWORKS
監督:水崎淳平 脚本:中島かずき キャラクターデザイン:岡崎能士

配給:ワーナー・ブラザース 上映国:日本 上映時間:85分

 

 

 

アメリカではOVAとして発売されたが日本では劇場公開された。
監督はジョジョ1~3部アニメ‥のOP映像の監督による監督デビュー作らしい。
脚本が劇団☆新感線や「天元合体グレンラガン」や「キルラキル」の脚本家の人、アニメの制作はジョジョ1~3部アニメOPや「ポプテピピック (2018)」などの神風動画。
ジョジョのアニメを観てる時「この荒木タッチのままグリグリ動いてるOPのCGアニメのまま全編やったらいいのに‥」と思っていたが本作はちょうどそんな感じだった。
これはめちゃくちゃ面白そうなので去年、発表された時からずっと期待していた。
グレンラガンキルラキルも好きだったしね。

 

 

Story
ゴッサム・シティの闇の騎士バットマンブルース・ウェインは、ゴリラ・グロッドの発明した空震エンジンによって戦国時代の日本に飛ばされてしまった。
ジョーカーを始めとするゴッサムシティのヴィラン達やゴリラグロッドも一足先にタイムスリップして来ており、それぞれ戦国大名となって
日本統一を狙っていた。
このままでは日本や世界の歴史が変わってしまう。

バットマンは、同じようにタイムスリップして来ていたキャットウーマンバットマン・ファミリーと合流し、ヴィラン達を倒して元の時代に戻る方法を模索するが――

 

 

 

f:id:gock221B:20180606213221j:plain
とりあえずアニメの作画やアクションは最高だった。CGアニメはグリグリとアクションするし(ジョジョ1~3部アニメのOPがずっと続く感じ)、中盤「かぐや姫の物語」っぽい和風アートアニメみたいなのも織り交ぜてあって全編良い。
アクションもパースが効いた日本のアニメっぽくてケレン味あって良い。
そこは手放しで褒められるところ。
脚本の人のおかげか演出が凄くグレンラガンキルラキルっぽい。
キャラクターや新しいオブジェクトが出る度に、止め絵になって毛筆で書かれたデッカい字で「JOCKER!」とかバーン!と表示される、あの歌舞伎っぽいノリ。
他にも何かワーナー+DCが、日本アニメに求めたであろうありとあらゆる演出をバットマン世界にぶち込んだ闇鍋のようなアニメだった。
ニンジャ、サムライ、戦国大名、農民、忍術、力士、パワードスーツ、巨大ロボ、巨大合体ロボ、巨大特撮ヒーロー、和風アートアニメ表現、天守閣でのチャンバラ‥
きっと「和の要素を入れつつ、キルラキルっぽい感じでバットマンをニンジャにしてくれ」と頼まれたに違いない。きっと、そう発注されたのだと推測したとして、それはクリアしている。だけどそれだけだった
ストーリーは「戦国時代に全員タイムスリップしたので、バットマンは仲間と協力して敵をやっつけて元の時代に戻るぞ」というシンプルなもので、後はひたすら過剰な戦闘が繰り返されてるような感じで前半のバットモービル vs.アーカム城くらいまでは「このアニメ良いね!」と思ってたけど、中盤過ぎた頃くらいから殆どまともなストーリー進行せずにハッタリばかりの過剰なアニメ表現が繰り返されることに疲れてきてハイテンションの終盤では完全に飽きた。
本作の過剰なアニメ演出は、その派手さを見せつけるためのものでストーリー的にはあまり意味がないし。「ジョジョアニメのOPで全編作ったアニメが観たいな」と思っていてそれは叶ったわけだが「本当にジョジョアニメOPが一時間半ただ続いただけのアニメ」だとキツイものがある。
やたら過剰な演出だった今川泰宏アニメ(ミスター味っ子ジャイアントロボGガンダム真ゲッターロボ)が好きだった10代後半~20代前半の学生だった自分なら喜んでたかもしれん。
前半、自分一人で解決しようと焦るバットマンは即、バットモービルでジョーカー操る亜火無城(アーカム城)に突撃する!‥するが破壊され、バットモービルの中から飛び出したバットウイング‥も破壊され中から飛び出したバットポッド‥の前に立ちはだかった力士ベインに対抗するためにバイクが変形したものを装着してアーマード・バットマン!になって相撲でベインを倒す‥が、アーカム城に破壊される。
‥といった感じの、この脚本家っぽいエスカレートするマトリョーシカ戦闘が、何度も繰り返される。
色んな苦難を経てのラストバトルでこういう日本にしか出来ない戦闘をやってたら盛り上がるのだが最初から連発されるし、そういった過剰バトルで勝利する側は必ず根性と友情で謎のスーパーパワーを発揮したり「こんな事もあろうかと‥」と後出しで新兵器を出してくる。
映像は素晴らしいので一瞬面白いことが起きてる気になりかけるが、子供のごっこ遊びを綺麗な映像にしたかのように見えてきてアホらしくなった。
アメコミにあまり触れてない人にとってのアメコミは「BANG!!と殴ってHAHAHA!」というイメージらしいがそれは多分60年位前の話だ(多分‥)。アメコミでは敵を倒す決め手となるのは基本的にはトンチで倒すものが多く、少年ジャンプ漫画のキャラみたいに怒ったり友情を感じたりしてパワーアップしたりする事は少ないのだが、本作は強くなる理由が感情だったり後出しジャンケンなので真面目に観る気がなくなっていく。
また本作のジョーカーは何時ものように悪知恵も使うのでそれはいいが剣術や忍術を駆使してバットマンと互角レベルに強い。
そんな本作のジョーカーを見て「物理的に強いジョーカーって何の魅力もないな」と思った。
終盤はさっき言ったようにどんどんエスカレートしていって色々と巨大ロボがどんどん出てくる。現代のゴッサムでもロボなんて作れないのに蒸気機関だけでそんなものが作れるのかという問題はあるが、まあ巨大ロボ=ニンジュツの一環と思えばいいのでそれはまあいい。そして巨大ロボに対抗するためにバットマンも突然、超巨大なものを召喚して対抗する。今川アニメ的というかグレンラガン的というか、そういうエスカレート倍々ゲームバトルも悪くはないのだが「何でそんなことできるの?」という気がしてしまう。一応「ダミアンが猿と仲いい」とか「自然は偉大」などの取ってつけたような前置きはあったが。。
そして、そんな巨大ロボや巨大ヒーローは中身がなく派手さを出すためだけのものなので「こんなの意味ないな」と思ってると、その通り登場して数分で動かなくなってしまうし凄く虚しい。
キルラキル」とかは、色んなストーリーや演出が積み上げられた末に、そういったエスカーレート過剰表現が出てくるから楽しめたし感動できたが、本作はそういった積み上げや内容がないまま過剰な演出だけが延々と続くので非常に虚しいし疲れた。
あまりストーリーが売りじゃないゲームに、とりあえず付けられたかのようなムービーがあるでしょう。素晴らしいムービーじゃなくて「これ全部飛ばしても大丈夫だな」ってやつ。あれを繋げて見せられた感じ

f:id:gock221B:20180606213000j:plain
前述のストーリー(っていうか只のシュチュエーション)以外にはドラマはほぼ無いに等しい。一応「バットマンはいつものように一人で解決しようとするが何度やっても負けるので、仲間と団結したり郷に行っては郷に従え精神で和を学んでニンジャバットマンとなって闘う!」という少年ジャンプ的なテーマはある。あと「ジョーカーを許せないレッドフードと、記憶を失って弱々しい農民となるジョーカー」などのストーリーらしきものもあるが、あまり意味はない。そもそもジョーカーは何故あんな仕掛けをしたのか意味がわからない(ただ身を隠せばいいだけなので)。
また、これは本国のファン向けのOVAなので仕方ないのだが、レッドフードやジョーカーとの因縁などの説明がないので日本の一般客にはわからない(というかバットマンのファンじゃない限りレッドフード自体知らんだろう)
このアニメ、随分前から楽しみにしていて「4人のロビン勢揃い」とか色んなヴィラン勢揃いに期待してたが、はっきり言って時間がないので彼らを描いてる時間はなく殆どのキャラの活躍シーンはなかった。ナイトウィングは説明するだけだしレッドロビンはただ居るだけ。ヴィラン側は、ジョーカーとハーレイとゴリラグロッド以外のヴィラン達は派手に名乗りを上げたりたまに数秒間暴れる以外は全員、雑魚扱いでガッカリした。これなら最初から出ない方がよかった。
登場キャラのうち、バットマン、ジョーカー、ゴリラグロッド、ロビン(ダミアン)の4人だけ居れば話は成立するところを15人に無理矢理増やした印象。キャットウーマンとハーレイくらいは居てもいいか‥
‥今気づいたが、これだけいっぱい出てるのにバットガールだけ出てないのは何でだろう?まあどうでもいいが。。
たとえば脚本家の人はインタビューで「デスストロークは隻眼だから伊達政宗にした!」とか言っていて、そんなアイデア自体は面白いと思うけど、そんな独眼竜デスストロークも活躍する時間が合計60秒くらいしかないので、アイデアが全部活かされてないと思いました。
どのヴィランもただ「悪いぞ~」ってだけの童話に出てくるような自我のない悪者みたいで魅力なかったが、ゴリラ・グロッドだけが殆ど准主役ってレベルで大活躍してたのだけが好印象だった。
そもそも何故、バットマンヴィランじゃないフラッシュのヴィランであるグロッドがメインで出て誰よりも大活躍したんだろう?
スタッフの中に熱烈なゴリラグロッドファンがいたのかな?
そんな感じでゴリラグロッドは良かったし僕もグロッドは好きだが「だったらメインの敵であるジョーカーにこのグロッドの立派な役もやらせれば良かったのでは?」と思った。
というかストーリーも無ければ、ヒーローがトンチも使わないアメコミアニメって「俺は、いい歳して一体なにを観てるんだろう‥」という恥ずかしい気持ちにさせられるものなんだなと思った。アメコミの映画やアニメやゲームが好きだがそんな事思ったの初めてだ。
神風動画にはアニメ制作だけさせて監督はDC+ワーナーの人がすれば良かったのでは?というか脚本家の人はアメコミマニアとして今まで色んなメディアでアメコミを語っていたが何なんでしょうかこれは。。
同じバットマンのアニメなら「レゴ バットマン」や、ブルース・ティムの90年代バットマンカートゥーンや、「バットマン:アンダー・ザ・レッドフード」を始めとするバットマンOVA各種の方が何十倍も面白いと思った。
そんな感じで「やっぱり普通のバットマンアニメの方が良いな」と思った。
だけど最初に言ったように作画やアクションは見事だし演出も派手なので、そういう演出が観れれば後はどうでもいい人にはオススメできるかも。
一体何でこんな事になったのか?ワーナー+DCの実写映画は微妙なものの方がいいが、ワーナー+DCのアニメ部門作品は殆ど面白いのでこれはない。アメコミ好きの脚本・中島氏は連続アニメは面白いが映画は微妙。‥という事で中島氏と神風動画のせいではないか?と推測した。
せめて1クールくらいの連続アニメだったり、監督が神風動画の人じゃなくてDCアニメの人だったり今石洋之氏だったりしたら良いアニメだったと思う。
 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

gock221b.hatenablog.com

「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」2時間以上我慢して観ればカッコいいワンダーウーマンが数分間観れるのが良かった - gock221B
「スーサイド・スクワッド(2016)」面白そうすぎる予告編から繰り出された本作が『グリーンランタン(2011)』以下の駄作だった衝撃 - gock221B
「ジャスティス・リーグ (2017)」ニチアサ感が強いがまとまってた。だけどワンダーウーマンのケツとかスカートの中ばかり映すのやめろや - gock221B
「Batman: Arkham City - GOTY Edition (2012)」瘴気溢れる街全体と闘う統合失調症になった感覚になる傑作キャラゲー - gock221B
「Batman: Arkham Origins (2013)」面白すぎて爆弾抱えた肩が完全に死亡‥だけど目はまだ死んでないです - gock221B
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)/前作とハーレイ単独作で上手くやれなかった部分を全部こなすガン監督。そして本作そのものより魅力的なピースメーカー🚽 - gock221B

🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾🗾

www.imdb.com

www.youtube.com

www.youtube.comf:id:gock221B:20180615235047g:plain

#sidebar { font-size: 14px; }