gock221B

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『デッドプール2』(2018)/面白かったし、メタなギャグはギャグのためのギャグではなく本編を円滑に進めるための整地なのが良かった❌

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原題:Deadpool 2
監督:デヴィッド・リーチ 制作&脚本&主演:ライアン・レイノルズ
製作国:アメリカ 上映時間:119分 配給会社:20世紀FOX
シリーズ:「デッドプール」シリーズ。FOX「X-MEN」シリーズのスピンオフ

 

 

 

前作「デッドプール (2016)」は、何年もデッドプールを制作したがっているライアン・レイノルズにNOと言い続けるアホのFOXを欺いて、原作イメージのままのデップーが大暴れする動画をYOUTUBEに匿名で流出させて大評判を得てFOXが渋々出した僅かな制作費&R指定というハンデを乗り越えてX-MENを超える大ヒット!‥という制作過程が素晴らしすぎて好きだった。それにしても博打などではなく原作通り作れば人気出るに決まってるデッドプールを作らせなかったFOXは本当にアホだ(本当なら2010年位くらいに作られてなきゃおかしい映画だった)
だが内容はというと、素晴らしいアバン→割と真面目なオリジンという感じだった。
そんな感じで一作目は「制作過程が感動もの+内容はなかなか面白い」程度の印象だった。

本作ではライアン・レイノルズと共に原作テイストのデッドプールを制作したティム・ミラー監督が離脱して、レイノルズが脚本を務めて引き続き舵を取り「ジョン・ウィック」シリーズや「アトミック・ブロンド (2017)」のデヴィッド・リーチが監督した。
撮影現場でバイクのスタントマンが事故死したり、公開直前の4月にデッドプールの友人ウィーゼル役のT・J・ミラーが鉄道内で騒いでいたら女性に怒られて口論になり「あの女は鉄道に爆弾をしかけた」と虚偽の密告をして大騒ぎになってFBIに身柄を拘束されたりと、トラブル続きでライアン・レイノルズが気の毒になる本作。
ネタバレ無し。‥だが一番最後‥ケーブルが銃構えてる画像の後にネタバレありの感想をちょっとだけ小さい字で書いとくので、未見の人は銃を構えたケーブルが出てきたら読むのをやめる事をおすすめします。まあ、好きにすればいい‥

 

 

Story
不死身ミュータントデッドプール/ウェイド・ウィルソンライアン・レイノルズ)は、裏社会の悪党専門の暗殺業をしながら恋人のヴァネッサモリーナ・バッカリン)と平穏な日々を送っていた。
とある事件が起きて自暴自棄になったデッドプールX-MEN見習いとなり、ミュータント孤児院で暮らす発火能力を持った少年ラッセと知り合う。
一方、半身が機械と融合したミュータント、ケーブルジョシュ・ブローリン)が未来から現代へとやって来る。彼の狙いは未来で極悪人になるラッセルの命だった。
デッドプールラッセルを護るため、募集して集まったドミノ(ザジー・ビーツ)を始めとするミュータント攻勢部隊Xフォースを結成するが――
 

 


日本公開がアメリカ本国から遅れ、更に日本公開から一週間して観に行ったためほぼ全てネタバレ喰らった状態だったが(ついでに「ハン・ソロ」のネタバレも既に喰らっている)かなり面白かったし好きな映画だった。まあネタバレ人が出来るのは「何が起きたか」って事象だけで「面白さ」まではネタバレできないからね。
FOXのMARVEL作品では勿論トップ!MCU大好きな僕が本作をMCUに混ぜたとしても‥結構上位に入るくらい良かった。
そしてX-MENシリーズよりも、こっちの方が何倍もX-MENしている。
多少、気になるところはあったがそれは最後にちょっとだけ書くとして、
具体的に良かったところ
一番いいと思ったところは、明確なアークヴィラン(宿敵)を作らず、時と共に敵や情勢がコロコロ変わっていくところ。おかげで飽きる時がなかった。
そしてデッドプールの割には少し真面目だった前作よりも、この全編の流れ自体がカオスさに溢れていた感じがデッドプールっぽくて凄くよかった。絶対に一作目よりも本作のほうがいい。
それでいて本作で扱っていた超アメコミヒーローっぽいテーマ「赤ん坊のヒトラーを殺せるか?」問題に立ち向かい、そして完全にクリアするデッドプール
そして彼が求めてやまなかったが叶わなかった「家族」だが、デッドプールが奔走して問題を解決した時に自然と出来ていたというラスト。
サプライズも第一、二、三幕全てに用意されていた
それでいてアクションは、この監督なので上手いもんだし‥。デッドプールの捨て身の戦法とドミノの幸運ピタゴラスイッチが特に楽しかった。
FOXの旧X-MEN班と違って時勢や映画のトレンドに目を配ってるレイノルズと監督によって、あらゆる人種やマイノリティを好意的に取り揃えていた(著しく常人と見た目が違うミュータント、バイセクシャルレズビアン、身体障碍者、老人、黒人、アジア人、カナダ人、大柄、虐げられし者達、何の特技もない中年男性‥etc)全てに優しい。そして「あなた、随分ポリコレに気を使ってらっしゃいますねぇw」みたいな意地悪なツッコミを先回りしてかデップーが、特に差別じゃない事を言った他人に対して「おいっ!それは差別だぞっ!」とわざとらしくポリコレ警察的な笑いにしてるのが、また本編のマジのポリコレを際立たせていて、その手腕がスムーズだった。
そしてデッドプール
X-MENという名前は女性もいる組織なのに男性優位な名称だ!」と、一切反論できない正論を言うので「そ、それもそうだな‥」と、こちらが思った瞬間に「だから俺のチームは『Xフォース』と名付ける!」と言われて、昔から「X-FORCEってダサい名前‥90年代だなぁ」という感じだったXフォースという名称が光を取り戻し、更にデップーが事ある度に仲間を鼓舞する時に「Xフォース!Xフォースだよ?!」とワカンダフォーエバーやワンダーウーマン防御ポーズをパクったXフォース・ポーズを見せられたら‥終盤には俺だって開いた瞳孔で「Xフォース!Xフォース!」と心の中で叫ばざるを得ない説得力があった。
MCUには出来ないR指定の本作だから出来る必然性がある暴力&性描写(戦闘による四肢欠損、獄中の子供が暴力を受ける、獄中の子供にキツいシモネタ、各種セクマイとかポリコレ)
公開前に「俺ちゃんによるメタなギャグや過去作オマージュが鬼やば!」みたいな「デッドプール観に行くのやめようかな‥」と思うくらい、うっとうしい宣伝に辟易していたが、いざ観てみると過去作オマージュは007のソウルバスをパクったOPから最後まで鬱陶しくない感じだったし、メタなギャグは懸念していた「ギャグのためのギャグ」ではなく本作を円滑に進めるための整地としてのメタなギャグだったのが凄く良かった。
たとえばケーブルが登場してデップー&大柄少年を追い詰める場面では「あぁ、きっと初めてケーブル見た子は『ウィンター・ソルジャーのパクリ』だと思うかもしれない。ケーブルのほうが先なのに‥」などと観客のこちらが思った瞬間にデッドプールが「ウィンター・ソルジャーが追いかけてくる!」などと言ってくれるので懸念が霧散して本編に集中することができた。「ターミネーターかよ」とか言わなかったのは古いからなのか、それともケーブルがガチでターミネーターをパクったキャラだったからなのかはわからない。
そういった小ネタは観ればわかるし列挙するのは趣味じゃないし既にそういう記事がいっぱいあるだろうしやめとくが、ウェイドとヴァネッサの子供の名前候補の中に、数年前に死んだデッドプールの大ファンの少年の名(コナー)と聞いたらグッときた。
それと終盤で灰を被って?原作X-FORCEの灰色コスっぽくなるのはよかった。
X-MENに相手にされていない」という下手に出るかたちでのX-MENいじりだが、ハッキリ言って興行成績も評価も人気も全てデッドプールの方が上なのだからギャグになってないと思った。X-MENシリーズではウロウロしてるウドの大木に過ぎなかったコロッサスやXXは本作で光り輝いてるし。隠しX-MENキャラは「関わらないで‥」という態度を取るギャグをやっていて、一作目なら通用するギャグかもしれんが本作に至っては、それはむしろデッドプールの台詞だろと思った。X-MENのストームやジーンなどのメジャーキャラよりも本作の殆どオリキャラとも言えるネガソニ&ユキオの人気の方が何倍も上だと思う。
地味にこのシリーズのサントラは好きで前作も買ったし本作も事前に買ってた。
アメコミ映画は好きだが欲しいサントラは少ないが他に持ってるのティム・バートン版「バットマン」2作と「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」2作と「ブラックパンサー」だけだわ。あと「マイティ・ソー:バトルロイヤル」のテーマ曲だけ買った。
前作にもあった「セクシ~マザ~ファッカ~♫」という気の抜けるコーラスがアホらしかった「Deadpool Rap」が今回も入ってた。前作では「デップ~♫」というコーラスだった部分が本作では「Xフォ~ス♫」になっている。
Deadpool Rap (X Force Remix) Movie Version TEAMHEADKICK - YouTube
デップー本人も本編で「ダブステップをバカにするな、ダブステップは最高だ」と言ってたが、実は僕もダブステップスクリレックスを「享楽的すぎる」と思って今までバカにしていた(そういえばジョジョの二部アニメでワムウが神砂嵐を繰り出す時に必ずダブステップ風音楽が流れるのが可笑しかった)。だけどサントラに入ってたから聴いたら実際良かった!違う方向に享楽的なミニマルテクノが好きなくせにダブステップを偏見の目で見てたのは我ながらオッサンっぽくて愚かだと思った。この曲↓
Skrillex - Bangarang (Ft. Sirah) [Official Audio] - YouTube
主題歌は今回のセリーヌ・ディオンより前作のジョージ・マイケルの方が断然好きだった

 

 

 

キャラクター
デッドプールの良いところは本編で十分に出切っていて誰が見ても同じ感想を抱くだろうし改めて書くことがない。ただ折れた腕でケーブルの首を締めるところは「餓狼伝で、巽が泣き虫サクラに極めた技だ!」と、めっちゃ興奮した。あれは絶対、監督のアイデアだと思う。そしてデッドプールが如何に家族を求めているかというのがぐっと来た。

ケーブルもちょっと小さいが文句なし。それに今年一番アメコミ界&大作エンタメ映画で強い顔(サノス)なので強さの説得力が半端なかった。ケーブルの出自や機械の身体やミュータント能力については説明してる時間がないのでカットしたのは英断だと思った。「サイクロップスの息子」とか言い出したら映画の三分の一くらい使わなきゃいけないしサイクも出さなきゃいけなくなる。
「辛い時にジョークばかり‥妻を思い出す」という口説き文句もよかったですね

終盤ダークサイド堕ちかけのラッセが能力使ってキレてるところは凄く良かった。あと大柄の子供キャラを久々に映画で見た。また虐待されたり、子供なのに数々のキツいシモネタ描写、アメリカでやって大丈夫なのかヒヤヒヤした。
パトカーに取り囲まれた学校のミュータント少年をX-MENが説得しに行くというのはX-MENによく出てくるシュチュエーション(悲劇になる場合が多い)
X-MENの世界ではミュータントの少年少女は大抵酷い目に遭う(新人X-MENも、人気が出なければテコ入れのために惨殺される)。それをラッセルは上手く体現していたね。かなりの良キャラだった。次も出て欲しい。

ラッセルの「新しい友だち」は本来は大人気キャラなのに、ケーブル同様X-MENシリーズでは全くまともに扱われなかったのでやっと良い出方をしてスッキリした。

ドミノがめちゃくちゃ良かった。セクシーだしアフロがこんなにカッコいいと思ったのも始めてだ。本当に好きだ。台詞は殆どなかったけど。そしてドミノの「幸運」という能力はデップー同様に微妙だと思ってた。俺が見たことないだけかもしれんが原作のドミノはただ銃を撃つだけの地味なキャラで「幸運」を面白く発現してるとこなど見たことなかった。
それがまさかピタゴラスイッチ的な効果を生むとは‥。運命率を操作する超能力なのか?めちゃくちゃ強い能力だな。だが、デップーが突っ込んでた通り恵まれた環境にいないので「幸運」というよりは「悪運」という能力なんだろう。

コロッサスは前作以上に目立っていた。前作ではデッドプールの引き立て役でしかなかったが今回はかなりコロッサス本来の味が出ていた。本当に現X-MENシリーズじゃなくてこっちのキャラになってよかったと思う。ラッセルの新しい友だちと対決する場面は凄くよかった!
ガチムチなのに「大らかな性格のセクシーキャラ」扱いなのが面白かった。もしコロッサスが女性キャラだったら「あらあら」系の巨乳キャラなんだろう。
だけど未だにファストボールスペシャル出さないので次こそデッドプール投げて欲しい

TwitterのTL見ると僅か数分しか出てないネガソニ&ユキオカップルが大人気になってて驚いた。大作アメコミ映画初の女性カップル。しかも周りのキャラもそれを普通に扱うというのが誠実感あった。だがデップーがユキオに対して「ユキオちゃ~ん♡」としか言わないのが若干人間扱いしてない空気だったし、ユキオがまるでネガソニのオプションみたいな雰囲気だったのが少し気になった。まあ知り合いに恋人を紹介された初日は挨拶くらいしかしないというのはよくあることだしいいか。ユキオが主体性を見せる場面がもう少しあればよかったのだがそんな時間ないからね
ネガソニは今回もX-MEN新人コス(黄+黒のやつ)を着てたが、あの服めっちゃX-MENっぽくて好き

ドミノ以外のXフォースキャラもネタバレ喰らったからな、食らってなきゃもっと楽しめたはずだが。。
この第一期XフォースはMCUのユニバース拡大や大人数化などをいじったギャグかな。ギャグの中ではこれが一番面白かったね。
デップー「○○いいぞ!いいぞ!あぁ‥だめか~」「よしXX、その調子だ!よし!そこで‥やっぱだめか~」これは可笑しかった。
特に昔から個人的に気に入らなかった○○○○○スターの扱いが酷すぎて笑った。何か美形キャラのはずなのにマイルドヤンキーっぽい奴に演じさせてるし

 

 


ここからネタバレありで。若干良くなかったかなと思ったところ
デッドプールが、ラッセルを虐待した職員を即効殺す場面は、コロッサス同様「えっ」と思った。
といっても「ヒーローたるもの裁判なしに‥」みたいなコロッサス的な理由じゃなくて、本作のレイノルズ版デッドプールはかなり常識人なので「このデップーが突然X-MENやTVカメラの前であんなことするかな~」と違和感を持ってしまった。殺すのは別にキャラに合ってるのでいいが、このデップーなら後から施設に侵入して殺すとか、あの職員がラッセルを虐待する場面を実際に見せてからデップーが殺すのなら違和感なかった。いくら弱きを助け強きをくじくデップーと言えど、会って数分の少年が「あいつがやった」と言ったからっていきなり殺すのは不自然だった。デップーを施設に入れたかったのだろうがもっと違う描写にして欲しかった。
まぁ自暴自棄になってた故の凶行って事でいいか。
映画が終了した後のタイムスリップ。デップーとヴァネッサが幸せになって欲しいのでそういう意味では嬉しかったが、良い内容だった映画本編が見事に終わってるのに‥スーパーマンENDしちゃうの?絶対反対というわけではないが微妙な気持ちになった。
デップー的には、ああいう無茶してもキャラに合ってるからそれはいいんだけど、あのタイムマシンは
「2回しか使えない→そして2回使い切った」という本作の映画内ルールに則って使用されて、映画もタイムマシーンのルールに則って良いラストを迎えた後なのに(一瞬あっちの世界に行って綺麗なライアン・レイノルズに戻って結局現世に戻るところはめっちゃ感動した)、何か「デッドプールっぽくて楽しいな」という気分と同時に何だか本編の感動が薄れた気がした。そして中年男性ピーターを救ったり他にも色々してたけど行って帰る度にネガソニが直して無限に使ってるの?
ネガソニがいじっただけで直せるレベルなんだからビーストとかなら量産できない?
そしてデップーが劇中言ってた通り「ヒトラー殺して戻って来て」‥を繰り返したら話も世界もめちゃくちゃになるじゃん。過去プールやランタンいじりは良かったけど、タイムマシーンは色んな疑念を生んでモヤモヤしたわ。
それとヴァネッサは死んだままの方がいい気がするんですよね。
本作のストーリーも締まるし、デッドプールとヴァネッサがイチャついてるシーンは、二人とも好きなので「良かったね」という気分にはなるものの映画としては、その間、話が停滞して面白くないんですよね。
こんな事言ってるけど僕はヴァネッサというキャラや演じてる女優さんは大好きなんですけどね。
ただ彼女が居ない方がデッドプールは面白いと思う。
★だけど「本作のギャグがめちゃくちゃ可笑しい」という事は一切なく、可笑しくないが嫌いでもないという無風状態でした。これで爆笑するような感覚はなく、いつものようにスーパーヒーロー映画として観てました。それでいて本作のギャグは「物語を円滑に進める」という点のみ好きでした
★グリーンランタンいじりは面白いし、映画「グリーン・ランタン」は本当につまらなかったしランタンの出来のせいでレイノルズは長年冷や飯を食ってきたし、気持ちもわかるのだが、グリーンランタン叩きをするたびに面白い原作「グリーン・ランタン」が下がっていくのが辛い。また特にアメコミ読んでないし今後も読むつもりもないような人に「グリーン・ランタンとかいう緑の奴はいくらバカにしてもいいらしいぞ」みたいな日本人特有の嫌な牧村家襲撃文化(byぶたおさん)が嫌かな

でもまあ、上記の批判点は「敢えて言うなら」程度のもので映画そのものは文句なく良かったです。
続編は「Xフォース」らしいが、デップーに夢中だったはずのレイノルズにいつ制作するのか訊いてもモゴモゴと歯に物が挟まった事しか言わない。
そして殆ど完成して今年公開するはずだったX-MENの新若手チームをホラー映画として撮った「ニューミュータンツ」(めっちゃ楽しみにしてる)も公開が一年後に延ばされた。これは全く原因不明。
MCUとの合流に向けて何か仕込みをしているのかもしれない。
「ケーブルの腕時計型タイムマシンを『アベンジャーズ4』撮影中のキャップが付けてた」という噂もあるし‥

よくわからないがデッドプールのシリーズはレイノルズ&ジョン・ウィック一派制作でR指定のまま行って欲しい(アベンジャーズなどのMCU映画にデップー出す時だけ暴力とシモネタを控えめにして出るのがベスト)

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com
「グリーン・ランタン (2011)」残念ながらネタにならないタイプのつまらなさ🔋 - gock221B 

 

「ファンタスティック・フォー (2015)」 駄作とか言う以前に、未完成の映画を公開した感じ④ - gock221B

「X-MEN: アポカリプス (2016)」昔のつまらないX-MENが帰ってきた❌ - gock221B

「LOGAN / ローガン (2017)」この地から銃は消えた❌ - gock221B

「X-MEN:ダーク・フェニックス (2019)」俳優陣が良いのと、ハードル下げて観たせいもあってかX-MEN2くらいは楽しめました❌ - gock221B

『ニュー・ミュータント』(2020)/良いところもあるけど全体的に凄く平凡。FOXのMARVEL作品が終わったのはめでたい❌ - gock221B

 

 

「ジョン・ウィック (2014)」現実的な銃撃戦と幻想的で不思議な漫画っぽい世界の融合🐶 - gock221B
「アトミック・ブロンド (2017)」誰も信じるなって事と、自分が触れることのできる現実感が大事👱🏻‍♀️ - gock221B
「ワイルド・スピード/スーパーコンボ (2019)」本編シリーズよりこっちを応援する気満々だったが思いのほか大味だったので分裂しない方が良かったかも‥👨🏼‍🦲👩🏻‍🦲👱🏻‍♀️ - gock221B
『ブレット・トレイン』(2022)/映画自体は面白かったし真田広之は活躍したけどホワイトウォッシュをごまかすための日本要素に複雑な気持ちになった🚝 - gock221B

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Deadpool 2 (2018) - IMDb

www.youtube.com

Deadpool 2 (Original Motion Picture Soundtrack) [Explicit]

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『アメコミ・ヒーロー大全』(2017) 全2話/小学生みたいな邦題から繰り出された神番組!アメリカ近代史とヒーロー80年📚

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原題:Superheroes Decoded 〈Part.1: American Legends, Part.2: American Rebels〉
放映局:ヒストリーチャンネル 放映時間:Part.1=81分、Part.2=83分

 

 

 

ヒストリーチャンネルで作られたドキュメンタリー番組。
Huluで配信されてたので少し再生したら凄く面白かったので引き込まれて全部観た。
凄く良かった。
今まで番組名を見て、あまりに、ざっくりした邦題だったので適当な情報を紹介して終わりかと思ってスルーしてた。
番組の時間は限られてるので「あの話題がない、アレもない」というのは勿論ある。だけどここは情報を厳選して、アメコミ知らない人が見ても一発でわかる内容にまとめた内容を評価したい。
1938年の「スーパーマン」誕生から始まり、2013年の「Ms.MARVEL(カマラ・カーン)」誕生まで、DCとMARVELの色んなヒーローをアメリカの社会情勢とどう結びついて誕生、没落、復活、活躍してきたかを、あらゆる関係する著名人の証言と共に語られる。
証言で出てくるのはコミック関係者(スタン・リー。クリス・クレアモントとジョー・カサーダ、グラント・モリソン。ジェフ・ジョンズ。トッド・マクファーレン。「Ms.MARVEL」原作者の中東系女性作家コンビほか)、アメコミ映画&ドラマ関係者(ルッソ兄弟パティ・ジェンキンスジョン・ファヴローリチャード・ドナーほか)、関連著作の著者やコメディアンや社会学者やアメコミ好き著名人(ゲーム・オブ・スローンズ原作者が何度も熱弁してくれる)‥など色んなアメコミ関係者&アメコミ好き著名人が語ってくれる。
ナレーションはバットマンの吹き替えをよく行っているケヴィン・コンロイ。
前・後編で合計2時間44分もあるが全く飽きずに観れた。
それぞれのヒーローの成り立ちやアメリカ社会との結びつきが、それぞれのヒーローのストーリーやキャラクター形成と如何に結びついているかがわかる。
アメコミに馴染みの薄い日本人からしてみれば「面白いかどうかと言われたら、まあ面白いけど、アメリカでは一体何でまたあんなに大ヒットしたんだ?」と思われやすいDC「ワンダーウーマン (2017)」やMCUブラックパンサー (2018)」が、何故あんなにアメリカ本国で大ヒットして尊敬されたのか、この番組を観れば理解できる。
面白すぎて、観ながらメモ書きしたものを推敲して張っただけで、感想というより観たまんまを書くかたちになってしまった。本編は編集などが凄く面白いので、うっかりこのページを読んでしまったとしても観て欲しい(Huluにこの動画がなかったとしても数ヶ月待てば多分また配信される)。
アメリカ近代史と結びついてるDCとMARVELのヒーロー」だけを取り扱ってるので「ピーナッツ(スヌーピー)」や新聞漫画や風刺漫画やオルタナティブ・コミック‥などの〈ヒーローじゃないコミック〉や、ヨーロッパのコミックやバーティゴや「スポーン」を始めとするイメージコミックス、アラン・ムーア作品‥などは一切出てこない。
とにかくこの番組で出てくるのはDCとMARVELだけなのを了承して見て欲しい。
ブログで太字を多用するのは好まないのだが読みやすくするため、今回は太字を多用させていただく。
DCについての話題を青字MARVELについての話題を赤字にした。
念の為書いておくが、これは僕がアメコミヒーローの歴史を述べているのではなく、僕がこの「アメコミ・ヒーロー大全 (2017)」という番組を書いてメモ書きしたり感想を言ってるだけなので凄く詳しい方に「そこ、違うぞ!」とか「何故もっとあのヒーローを取り上げない?」とか言われても困ります。

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パート1「誕生」
アメリカの歴史と、アメリカの神話たる正統派ヒーローを中心に語られる。
DCコミックのヒーロー‥主にスーパーマンバットマンワンダーウーマンのDC三人組が多く語られる。やはりこの3人は基本なのかな。
MARVELからはアメリカの歴史と密接に結びついたキャプテン・アメリカと、若者ヒーロー代表スパイダーマンの2人がDC三人組と同じかそれ以上に多く語られる。

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★1930年代、アメリカの失業率は過去最大の約25%に達し貧富の格差が広がっていた。
1938年ジェリー・シーゲルジョー・シャスターによって(後の)DCコミックからスーパーマン誕生。
有史以来、フィクションの英雄やヒーローは大勢いたが、一番最初に明確なスーパーパワーキャッチーな名前シンボリックなルックスを持った最初のヒーローが彼だ。細かい定義は知らんけど「明確なスーパーパワー」「キャッチーな名前」「シンボリックなルックス」を持ったキャラクターがスーパーヒーローという事になるらしい。
スーパーマンは悪どい官僚をこらしめた。彼の敵は「1%の富裕層」!私腹を肥やす豚どもだ。
移民が多く入って出来上がった国アメリカの国民にとって「違う惑星からの移民」であるスーパーマンは「自分たちの代表」ということなのか、80年近く経った今も、浮き沈みはあるもののアメリカのヒーロー代表といえばスーパーマンのままだ。
このスーパーマンのオリジン(誕生譚)が、まるでギリシャ神話のゼウスのように「若い国」アメリカの神話となった。
ラジオドラマ、フライシャー兄弟のアニメ映画、実写映画‥スーパーマンは絶対的な国民的ヒーローとなった。
スーパーマンに続け!とばかりに凄い数のスーパーヒーローが乱造され、そして彼らの多くは消えていった。

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続く1939年アメリカの都会の犯罪への恐怖を反映してDCコミックからビル・フィンガー&ボブ・ケインの手によって、恐怖でもって悪者を恐れさせる闇のヒーローバットマン誕生!
復讐のヒーロー、バットマンアメリカの理想を体現したスーパーマンの対極だった。スーパーパワーを持つスーパーマンとは違い、バットマンはただの人間だ。そしてバットマンの持つ武器は、知識、鍛え上げた技術、莫大な資金力、あらゆるガジェット。スーパーマン以降あらゆるヒーローが生まれては消えた中でバットマンが生き残ったのはバットマンのキャラクター性がスーパーマンと違いすぎるからだろう。
スーパーマン同様、浮き沈みはあるものの「最もクールなスーパーヒ-ロー」といえばバットマンで決まりだろう。
「この2人のヒーローはアメリカの分裂を表している」と番組は語る。

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★現実世界ではコミックを超える本物の巨悪が誕生してしまう。ドイツではホロコーストナチスによるユダヤ人大量虐殺)が起こってしまう。
NYのイムリーコミックス(今のMARVELコミックジョー・サイモンジャック・カービーキャプテン・アメリカ誕生させる。
超人兵士キャプテン・アメリカは、サイモンとカービーの「アメリカを戦争に参加させてヒトラーを倒したい!」という政治的な想いから生まれた。そして現実のアメリカもその願いどおり戦争に突入。
ヒトラーナチスをぶん殴る「キャプテン・アメリカ」は米軍兵士に好んで読まれた。

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★キャップの成功により、似たような戦意高揚ヒーローが生まれては消えていた。
1941年ナチスの銃弾をも跳ね返す史上最強の女性ヒーローワンダーウーマン誕生。
強くてセクシー、だが何者にも媚びず闘い続けるワンダーウーマン
男が戦争に行っている間、アメリカの女性たちは各工場で人手不足を補い「女性には仕事なんか出来ない」という風潮を跳ね返した。ワンダーウーマンは、そんな女性たちの権利獲得の象徴となった(その後の彼女については後述のパート2で)

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彼らヒーロー達に強い影響力がある事を悟った政府は、彼らを政治利用し戦意高揚のために利用する。
※ 「キャプテン・アメリカ:ファーストアベンジャー (2015)」の前半は、そんな様子が丸ごとフィクション化されていて素晴らしい。
かくして第二次世界大戦でスーパーヒーローはアメリカの神話となった。
しかし大戦が終わり、国内に目が向くとヒーロー達の人気は衰える。
MARVELチーフエディター「ナチスをぶん殴っていたキャップが銀行強盗をぶん殴ったところで、かつての興奮は帰ってこなかった」
彼らの人気はしばらく衰えた。しかしヒーローは時代と共に浮き沈みするものなのだ。

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終戦後、平和なアメリカでスーパーヒーロー達は暗黒期に入った。
精神科医フレデリック・ワーサムによるコミック弾圧が行われる。
ワーサム「バットマンロビンとずっ~と一緒に居て一緒に住んで同じベッドで寝て池で同じボートに乗って月見たりして‥こいつらホモやろ!いやらしい!汚らわしい!ホモが!アメリカ全土の子供達がバットマン読んでホモになったらどうするんや?!アメリカ全国ホモ禁止!」と、思わず「じゃあ、お前がホモだろ?」と訊きたくなる勢いでギャーギャー騒ぎたてたワーサム。
このガイキチが発端となり、子供向けじゃない(とされた)コミックは弾圧された。
各出版社は生き残りのため業界による自主的な行動模範コミックス・コードを定める。
「ゲイを思わせる描写禁止!」「表紙に『犯罪』の文字禁止!」「流血禁止!」「政治家を疑う展開は禁止(なんじゃそりゃ)」
これによってバットマンの相棒ロビン、キャップの相棒バッキーなどのサイドキック(スーパーヒーローの助手のヒーローのこと)が消えた。
そもそもこの「ゲイを思わせる描写」という項目、男同士がモロに削岩機のようにファックしあってる描写なら規制されても仕方ないが「男が少年と一緒に闘う」「大人の男が少年と一緒にご飯を食べる」ってだけの描写を見て「おい!大人の男が少年と食事してるぞ!ホモ発見!許せん!」と騒ぐワーサムの方がどうかしてるのだが、どういうわけか、この時期のアメリカ全体は保守的だったようでワーサムに同調。
スーパーヒーローコミック最大のピンチが訪れた!☆
以前は反体制だったスーパーマンバットマンも保守的でダサいキャラに改悪!
バットマンやスーパーマンが孤独じゃなくされ、ロビンなどの少年キャラが消され、女性や犬や猫や馬や猿などの動物の仲間が追加され「明るい大家族を持つ健全なヒーロー」に改悪される。
かっこよかった反体制スーパーマン、闇の騎士バットマンはもういない。
ワンダーウーマンも「こんな、強くて自立した女なんてけしからん!」と、結婚やファッションにしか興味がなく、すぐにメソメソと泣く「どこにでもいる女」って感じのキャラに改悪された。強くて何者にも媚びない素晴らしい女性ヒーロー、ワンダーウーマンは消えた‥。
こうしてヒーローコミックは自主規制を余儀なくされ、保守的でクソつまらないヒーローコミックばかりとなる(スーパーマンがピクニック行ってスーパーパワーでソーセージを焼いたりジュースを冷やしたりする地獄絵図が繰り広げられた)。
「ダサくされる」って、ヒーローにとって最もキツい状態かもね。

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MARVELコミックスタン・リー、上司からチームもののコミックを描くよう言われてファンタスティック・フォー誕生(以降FF)。他にも色んなヒーローが生まれる(ハルク、アイアンマン、X-MEN‥これらは後編で語られる)
カウンターカルチャーの盛り上がり。
それまでスーパーヒーローといえば憧れの存在でしかなかった時代に「等身大の悩みを持った10代の少年」という今までになかった画期的なヤング・ヒーロー「あなたの親愛なる隣人」スパイダーマン誕生。
強敵との闘いよりも恋愛や私生活に悩むスパイダーマンは少年読者や若者のリアルな共感を得る事に成功した。

60年代、コミカルでキッチュでビザールなTVドラマ「バットマン (1966~1968)」が始める。
ダークなバットマンが好きだった古参ヲタは嫌がるが、子供や一般大衆は大喜び。

ベトナム戦争公民権運動。揺れるアメリカ。
ブラックパンサーやファルコンなどの黒人ヒーローが誕生し、ワンダーウーマンが女性運動の象徴となる(これらについては後述のパート2で語られる)

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1972年、ウォーターゲート事件。国民のアメリカや政府への信頼が揺らいだ。
その時のキャプテン・アメリカのライター、S・エングルハートはそれまで政治的なストーリーを書いていなかったが「この件を無視して今後キャプテン・アメリカを書くことはできない」と判断し、ウォーターゲート事件にキャップを挑ませた。
「Captain America #175 (1974)」で「キャプテン・アメリカはシークレット・エンパイア(秘密の帝国)という悪の組織と闘い、黒幕を追い詰めて覆面を剥がすと‥何と、悪の黒幕はアメリカ合衆国の大統領だった(顔は描かれていないが明らかにニクソンを思わせるキャラクター)」‥というストーリー。
現実のアメリカ国民同様、キャプテン・アメリカアメリカに失望し自我が崩壊
キャプテン・アメリカ」の名前と星条旗コスチュームを捨て、彼は数十年もの長期間、「ノーマッド(国を持たない男)」を名乗る。
アメリカに失望するあまり大人気キャラがトレードマークの名前とルックスを捨てるという前代未聞の出来事。
日本でいうと「仮面ライダーが最終回でラスボスを倒すと正体は安倍総理だった」みたいな感じか。
※この「アメリカそのものの内部に敵が入り込んでいた」というストーリーラインはMCUの傑作キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー (2014)」のモデルとなる。

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リチャード・ドナー監督による映画「スーパーマン (1978)」が作られて大ヒット。
カウンターカルチャーに乗り遅れていたスーパーマンの人気も復活。
国民が政府を信用できなくなっていたこの時代、人々はクリストファー・リーブ演じるスーパーマンの「世界一誠実そうで信頼できる雰囲気」に安心感を得た。
スーパーマンの生みの親ジェリー・シーゲルジョー・シャスターは、スーパーマンの権利を昔、二束三文で売ってしまっていたので「スーパーマン」のコミックや映画が大ヒットしているにも関わらず貧窮していた(富野みたい)。色々な人の働きかけでスーパーマン全ての関連作にクレジットされ、懐も名誉も潤って2人に笑顔が戻った。

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80年代レーガン大統領。アメリカは再び楽観主義の時代に入る。
冷戦の再燃で新たな愛国心が生まれた。
久しぶりにスティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカに戻る
派手で魅惑的な欲望の時代。貧富の差が広がり貧困や犯罪、暴力が増えた。
フランク・ミラーの傑作バットマンダークナイト・リターンズ (1986)が発表され、業界に衝撃走る。ダークナイト・リターンズはバットマンのみならずスーパーヒーローのコミック自体を更新した。
老年に達したブルース・ウェインが再びバットマンになり、ジョーカー等の宿敵との最後の闘い。新世代の悪党との闘い。そして体制側のスーパーマンとも闘う。街を奪還するために。
そして、そんな「ダークナイト・リターンズ」のダークさを反映したティム・バートン映画「バットマン (1989)」も大ヒット。
※注:「ダークナイト・リターンズ」とよく並んで語られるアラン・ムーアウォッチメン (1986-1987)」もこの頃。この番組は、DCとMARVELの「キャラクター性の強いヒーロー」をメインに扱う番組のようなので「ウォッチメン」などは扱わなかったのだろう。
また天才アニメーター、ブルース・ティムが「ダークナイト・リターンズ」のようにダークで、モダンでミニマルな傑作アニメバットマン (1992-1995)」を制作、続けて「スーパーマン (1996-2000)」「ジャスティス・リーグ (2001-2004)」「ジャスティス・リーグ・アンリミテッド (2004-2006)」なども制作して現在まで続くDCアニメの礎となった。‥と、ブルース・ティムもこの章で語って欲しかった。

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楽観的で安心感ありすぎる感じが時代にそぐわなくなっていたスーパーマン
そんなスーパーマンの死を描いたコミックザ・デス・オブ・スーパーマン (1993)が発売。
スーパーマンの死はアメリカ全土に衝撃を与え、彼の死は現実世界のニュース番組で報道された(当時、日本でもニュースで報じられてたわ)。
‥といってもスーパーマンが生き返る事を確信してない者はいなかったと思うが‥、それでも彼が「一度でも死ぬ」ということ展開自体が衝撃だったらしい。
スーパーマンに訪れた「」は、今まで品行方正で強すぎて緊張感がなくなっていたスーパーマンの存在自体に揺さぶりをかけ、彼の事を忘れかけていた人たちの視線を再び集めた。

かくして時代遅れになりかかっていた古典的ヒーロー、スーパーマンバットマン両巨頭は、80年代後半~90年代にかけて見事に「クールなヒーロー」として復活を果たし、現在まで人気が落ちることはない。

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“9.11”アメリカ同時多発テロ事件が発生、アメリカに激震走る。
キャップはコミックの中でテロリストと戦う。
テロの恐怖に怯える中、テロが行われたNYを舞台で9.11直後の時期、サム・ライミ監督の映画「スパイダーマン (2002)」公開、大ヒットする。
NYを拠点とするスパイダーマンの映画が作られたのも、9.11直後に公開されたのも、NY市民同様に傷つき悩み人助けするスパイダーマンが映画されたのも全て偶然だったが、映画「スパイダーマン」はこの時に世界中の人々が観たいものを「偶然」全て兼ね備えていた。
テロリストへの恐怖を反映したかのようなクリストファー・ノーランダークナイト三部作 (2005~2012)が公開され大ヒットする。
恐怖混沌を操るジョーカーを始めとする悪役に対し、バットマン暴力で対処しても事態は全く好転しない様が描かれた。
21世紀になり善悪は以前のように単純ではなくなり、スーパーヒーローたちは複雑化した事態に臨機応変に挑んでいくことになる。

スーパーマン原作者の一人ジェリーは17歳の時、強盗に父を殺された事がわかる。
彼は何故かその事をずっと黙っていた。スーパーマンを生んだのはアメリカではなくジェリーが父を失った個人的な悲しみからだった事がわかり、パート1は終わる‥。
そんな感じのパート1だった。スーパーマンバットマンワンダーウーマンが多く出てくるのは想像つくが、キャプテン・アメリカへの言及がDC三人組と同じかそれ以上に多かったのが意外かつ嬉しかった(製作者にキャプヲタがいるのかもしれない)

 

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パート2「反逆」
この後編では、権威や差別に服従せず、反逆精神が強いマイノリティのヒーローについて語られる。いわばDCヒーローが多く取り上げられたパート1が表、MARVEL中心のこのパート2が裏だ。
この後編ではワンダーウーマンを除いて、あとは全てMARVELヒーローの話題。
MARVELヒーローが如何にアメリカの社会や流行を敏感に作風に反映してきたか、マイノリティーのヒーローや権威に抗うヒーローが如何に多いかがよくわかる。

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学校や社会で目立たない日陰者が共感できる除け者ヒーローたち。
ヒーローと言うよりも「フランケンシュタインの怪物」などのモンスターにしか見えないハルクや「ファンタスティック・フォー」のザ・シングなど、心優しいが怪物のような異形ヒーロー。
異形ではないが「科学オタクでコミュ障で目立たない少年」スパイダーマン
彼らに感情移入して静かに熱狂するアメリカ中の目立たないオタクや陰キャの少年達。
氷と炎の歌ゲーム・オブ・スローンズの原作)」の著者ジョージ・R・R・マーティン、彼は子供の頃「ファンタスティック・フォー」に感動して「面白すぎる!この面白さが半分だけだったとしても世界一面白い!」と励ましのお便りを出したら掲載され、スタン・リーから「ありがとうジョージ、これからも最高でいるよ」と誌面で返事を貰った。それがジョージ・R・R・マーティン初の印刷された文章になった。

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生まれつきスーパーパワーを持った新人類ミュータントチームX-MENの誕生。
X-MENは、ミュータント差別や、人類を滅ぼさんとする武闘派ミュータントと闘う。
劇中でミュータントは「自分たちに取って代わられる」と新人類を危惧する人類から激しい差別を受ける。
様々な国の人種が集ったヒーローチーム、X-MEN人種差別多様性を描き、アラバマでの公民権運動が起きていた当時のアメリカに適合していた。
「平和主義者プロフェッサーX率いるX-MEN vs.武闘派マグニートー」の対立は、キング牧師 vs.マルコムX」の考え方の相違に似ていると指摘される。

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初の黒人コミック「オール・ニグロ・コミック」は、オール黒人スタッフ、オール黒人キャラクターという画期的な黒人コミック誌で創刊号は好評だったが「黒人が新しい文化を生み出して力を持ったらヤバい!」と危惧した差別主義者の白人たちによって印刷する紙を回して貰えず、第2号の内容は完成していたにも関わらず創刊号だけで廃刊となった。ひどない?!
それまでコミックには黒人が殆ど出てきていなかったが、スタン・リーによってMARVELコミックの脇役や背景のモブに黒人が登場し始めた。
今からすると考えられない話だが当時の黒人読者は、ただそれだけの事で「やった!台詞ないけどMARVELコミックの背景に俺たちと同じ黒人がいる!」と喜んだらしい。
そんな話を聞くと「ブラックパンサー!早く来てくれ~」と思わざるを得ない。
そんなMARVELに満を持して初の黒人ヒーロー、ブラックパンサー誕生。
アフリカの超文明国家ワカンダの王。頭脳は世界有数レベルで、たった一人で大人気白人ヒーローチームのファンタスティック・フォーの4人と互角に闘う。ワカンダという隠された超科学国家の王。何から何までクールすぎる。
彼一人が登場しただけでコミック界に多様性が生まれた。
黒人読者は「遂にコミックのヒーローに自分と似た顔を発見できた!」と熱狂。
同時期に起きた黒人民族主義運動・黒人解放闘争の団体〈ブラックパンサー党〉と混同されるのを嫌ったスタン・リーは一時期ブラック・パンサーの名称を「ブラック・レオパード」に変更するが、読者からクレームが殺到してすぐ元に戻した。
ブラックパンサーは人気を博して定着もしたが、アメリカの黒人にとって「アフリカ超国家の王様」というのは偉すぎて少し距離があった。
そこでキャプテン・アメリカのサイドキック(相棒)としてアメリカの等身大の黒人ヒーロー、ファルコン誕生。
ファルコンはほぼ毎号、表紙とストーリーに登場。サイドキックとはいえファルコンは自分の意思で行動し、キャップとは対等の立場だった。
これには黒人読者も「キャプテン・アメリカの相棒がアメリカ黒人ヒーロー!マジで最高の気分!」と大盛り上がり。
キャップとファルコンが協力しあって悪と戦う様は「黒人と白人が協力しあえる社会」という明るい未来を感じさせた。

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泥沼のベトナム戦争に突入。アメリカの前途ある若者が毎週300人単位で死亡。
そのベトナム戦争への反発として「兵器会社の社長だったが戦争を目の当たりにして心変わり」する戦争を否定するヒーロー、アイアンマン誕生。
言わば戦争を否定するスーパーヒーローの誕生。ベトナム戦争中にこんなキャラを出すことにどれだけ勇気がいるか、想像に難くない。

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ワンダーウーマンの歴史が語られる。
原作者は、変人揃いのアメコミ原作者の中でもかなり変わった人物の一人ウィリアム・マーストンハーバード大学で心理学と法学を学び、ウソ発見器を発明した天才だった(そういえばWWも嘘がつけなくなる真実の投げ縄が武器ですね)。SMが好きで家には妻と愛人を同時に住まわせ二人同時に子供を産ませた。また、彼はフェミニストで男女平等を訴えており、彼はコミックに可能性を感じ、女性の共感を得るため第二次世界大戦中にワンダーウーマンを誕生させる(WWは紆余曲折ありつつも女性の強さのシンボルになり続けてるので彼の目的は成功した)
強く賢く勇気もあって優しいWWは人気を博し、戦意高揚にも利用されたが
終戦後に暗黒期に入る。
★現実世界でも工場などに駆り出されていたアメリカの女性たちも「女は家にいろ!」と家庭に戻され、保守的な50年代に突入。
原作者マーストンもこの世を去っていた事もあり、現実社会とシンクロするかのようにワンダーウーマンも保守的なキャラに改悪された。
ワンダーウーマンは急に恋愛や結婚に夢中になりオシャレにうつつを抜かすようになる。更に以前は強かったのにすぐ泣くような「女らしい」キャラに変更され、特徴的なコスチュームやアマゾン族の闘い方も捨てて流行りのカンフーアクションで闘う‥という魅力が減ったクソキャラにされた‥というか、もはや全く別人のクソキャラ化した。
1960年の女性解放運動の時もWWは何もせず傍観者のまま‥。
そのままワンダーウーマンは10年以上の暗黒期を過ごす。。
★一方、現実世界。勢いを増した女性解放運動のリーダーグロリア・スタイネム
グロリアはDCコミックを説得し、自分が子供時代に好きだった時の強いワンダーウーマンに戻す事に成功。更に1972年、女性の力を想起させようと自ら創刊したフェミニスト雑誌「ミズ」の表紙にワンダーウーマンを起用。
グロリアは、自分が影響を受けた初期の強いワンダーウーマンのコミックを女児向けに再編集して発刊。未来のために30年前の自分のような少女読者を増やした。
※そして、その40数年後、映画「ワンダーウーマン (2017)」が公開され更に新たな少女のファンを増やした。そうして世代が繋がっていく‥
史上最強の女性ワンダーウーマンは完全に復活
そういった経緯により、ワンダーウーマンはただの人気キャラと言うだけではなく、強い女性の象徴、フェミニズムの象徴、「男性抜きで私達は世界を変えられる」という女性たちの自信の象徴となった。
リンダ・カーター主演TVドラマワンダーウーマン (1975-1979)」が大ヒット
ワンダーウーマンもまたスーパーマンバットマンのように時代と共に浮き沈みを繰り返してアメリカと共に生きる。まるで現代アメリカの精霊のようだ。

1964年にNYで初めて開催されたコミコン(日本で言うコミケのようなイベント)
そこからファンイベントが各地で開かれるようになりネットワークが広がる。

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★60年代に人気を博したが何年か中断していたチームが1975年に復活した。
クリス・クレアモント第2期X-MEN、プロフェッサーXやファーストファイブ等の旧キャラに加えて世界各国の様々な人種のミュータントが加入、人気を博す。
時代の怒りと混沌を表す新時代のアンチヒーロー、凶暴なチビのカナダ人ウルヴァリン誕生。これほど「ワル」のヒーローは今までになかったため彼はすぐ人気者となる。過去のトラウマに苦しむウルヴァリンベトナム帰還兵の心情も表現していたという。
クリント・イーストウッドの「ダーティ・ハリー」が公開された頃だし、こういう不良ヒーローの先駆けだったのかも。
X-MEN初の女性リーダー、初の黒人メンバーにもなるストーム誕生。
女性であるだけでなく黒人でもある彼女は新たなフェミニズムアイコンとなる。
また「天候を操る」という強すぎる能力がクールなため、子どもたちがX-MENごっこをして遊ぶ時にもストーム役をする女の子が仲間はずれにされることがなかった。
第一期からいたX-MENファースト・ファイブの一人ジーン・グレイ
ジーンは優等生すぎて面白みに欠ける」と思ったクレアモントはジーンを、宇宙規模のパワーを持つMARVEL最強キャラの一人フェニックスへと変貌させた。

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混沌の70年代、品行方正なスーパーヒーローは時代遅れとなり、権力への不信感を象徴するスーパーヒーローが増える。
MARVELから再び黒人ヒーローのルーク・ケイジが誕生する。
彼は防弾の肌を持っており銃弾が効かないスーパーヒーロー。
黒人のために闘ったが凶弾に倒れたキング牧師マルコムXなどの黒人指導者、そして治安の悪い街中でも撃たれて死ぬ黒人が多かった。
そのため、ルークは当時のアメリカ黒人たちの夢‥、
撃たれても死なない黒人」として誕生した。
今から見ると「なんじゃこりゃ」だが、ルークのアフロヘア&ヘアバンド&腰にデカい鎖などのファッションはクールだった(らしい)。そしてルークの決め台詞「スウィート・クリスマス」も「意味わからん!かっけー!」と好評だった(らしい)

街の治安はどんどん悪くなっていった。
映画では「ダーティハリー」や「狼よさらば」など悪人を容赦なく殺す映画がヒット。
そんな中、MARVELから悪人を捕まえるだけでなく自分自身の手で普通にブッ殺してしまうアンチヒーローパニッシャーが誕生。
市民の、犯罪を憎む気持ちと警察には任せておけない気分と合致して人気を博した。

80年代レーガンが大統領に。映画界ではシルベスター・スタローンアーノルド・シュワルツェネッガーなど筋肉俳優によるド派手アクションが人気に。
明るくバブリーなこの時代、国への信頼が戻り「アメリカ最強!」という脳筋時代へ突入すると、前述の色々な反体制ヒーローの人気は失速ブラックパンサーも、しばらくの間「アベンジャーズの脇役」となる。
だがスーパーマンバットマンワンダーウーマン達のように人気の浮き沈みはある。
もし仮に「アイアンマンだせえw」と言っていた、この時代にタイムスリップして「約30年後にアイアンマンが一番人気になるよ」と言って信じる奴はいるだろうか?だから一時の感情でものごとの良し悪しを決めるのはやめよう。

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90年代初頭、皮肉屋で物事を斜めに見るジェネレーションXと呼ばれる世代が登場。
皮肉やジョークを飛ばし漫画のルールも破り殺人にも躊躇のないアンチヒーロー
デッドプールが登場。
※僕が高校~20歳くらいの時。番組後半になってやっと僕の世代が出てきた。
日本では2回目?のアメコミブームが到来。「X-MEN」の邦訳やTVアニメや格ゲー、「スポーン」やそのアクションフィギュアが流行。本格的にアメコミの翻訳が始まり、それは現在まで続いている。

90年代は、X-MENやスポーンやアクションフィギュアやイメージコミックが流行し、グリム&グリッティ的な展開(やたらと陰鬱で残虐でそれでいて大して内容がない露悪的なストーリー展開)が流行った。
私見だが、それらは一過性の強い内容のない飛び道具みたいなものなので、こういったアメコミの歴史ものでは飛ばされることが多い。僕が大好きだったクリス・バチャロ画のそのものズバリなタイトルのX-MEN「ジェネレーションX」もスルーされて悲しい。だがスルーされても仕方ないくらい薄い年代だったのかもしれない。
この番組で扱った90年代は「スーパーマンバットマンがクールに復活」「デッドプールなどのジェネレーションX」だけ一瞬出てきただけだった。確かに薄い時代だったのかもしれないがブルース・ティムのDCアニメなども含めてほしかった。

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2000年代インターネットの普及でファン同士の交流や情報交換が進んだ。
X-MEN (2000)」映画化。監督のブライアン・シンガーはゲイだったために、ミュータント差別をゲイ差別のように描いた。
アイスマンが勇気を出して両親に自分がミュータントである事をカミングアウトする場面では、母親が「ミュータントをやめられないの?」とアホな事を言い出す。これはゲイであることをカミングアウトしたら「‥ゲイってやめられないの?」と言い出すアホの親そのままだ。
「アイアンマン (2008)」映画化。そこから始まったMCUは「現在進行系の覇権コンテンツなので描かなくても知ってるだろ?」とばかりにサラッと話題は次に行く。

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現代。“9.11”アメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカ国内の中東系の人々やイスラム教徒への風あたりが強かった。
MARVELのイスラムアメリカ人の担当編集者サナ・アマナットイスラム教に改宗した米国人女性コミックライターのG・ウィロー・ウィルソン2013年アメリカに住むイスラム教徒の女子高生ヒーロー、ミズ・マーベル(カマラ・カーン)が誕生。
MARVELはまたマイノリティ出身ヒーローを誕生させた。
イスラム教徒のヒーローはDCやMARVELにもいたがそれはサブキャラだったりチームの一員だった。個人でタイトルを持ったのはカマラが始めてだ。
作者はヘイトメールが山ほど届くのを恐れたが、カマラ・カーンは歓迎されベストセラーとなった。
※「今後MCUで作られそうなヒーロー最有力」のカマラは僕も大好きなので、未来を感じさせる彼女で番組が終わったのが最高だった。
かくしてアメリカ現代史とアメコミヒーローが如何に結びついていたか、を語ったアメコミヒーロー史約80年について語った番組はここで終わる。

 

 

‥という感じで面白すぎて、番組で語られてた事をそのまま書いてしまった。
これは感想じゃないですね‥紹介?
何か色々書いてしまったがこれは目次みたいなもんで、このページを読んでしまっても番組を観た方が何十倍も面白いので観た方がいい。
様々な映画やコミックやインタビューをテンポよく編集された映像は、内容を知ってる知ってないに関わらず面白いので。
スーパーマンバットマンワンダーウーマンキャプテンアメリカスパイダーマン、アイアンマン、ブラックパンサーなどの黒人ヒーロー、現代のミズ・マーベル‥‥それぞれの章が、彼ら彼女らの歴史そのまま。映画一本分にあたる情報量が十数個一気に叩き込まれるので面白いに決まっている。
昔からよく言われてたけど、アメコミのヒーローは、近代アメリカの神話なんだな‥とつくづく思った。
「スーパーマンで始まってカマラちゃんで終わる‥」という構成もいかしていたし。
アラン・ムーアが完全無視なのが気になるが、ムーアの場合ヒーローそのものに従事するよりフィクションそのものに従事していた印象が強いので省かれたのかもしれない。
Huluに入会してパッと見て退会すれば無料で観れるし興味持った方は観てください。
情報云々だけでなく、番組の編集自体が面白いので(僕もまた何度か観たい)

 

 

そんな感じでした

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Superheroes Decoded (TV Series 2017) - IMDb

www.youtube.com

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)/誰もが欲しがる強大なパワーを自ら棄て去るスターロードのカッコよさ🦝


原題:Guardians of the Galaxy Vol.2 監督&脚本:ジェームズ・ガン 製作:ケヴィン・ファイギ 原作:ダン・アブネット、アンディ・ランニング 『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』 製作会社 マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:136分 シリーズ:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズ第2作目。マーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

ガーディアンズ二作をここ一ヶ月ずっと観てるうちに凄く好きになれたので(2ヶ月前まではあまり好きじゃなかった)一作目の感想を先日書き直したので自然とVol.2も書き直した。だが、この映画のブログ記事は3回目‥と最も書き直した回数が多い(というか普通はブログの記事、書き直さないだろ。いい加減にしたい)
如何に、好きになりたかったが好きになるのに苦労して少しづつ好きなったかが伺える。一作目は尋常じゃないくらい大好きになれた、Vol.2もかなり好きにはなれたのだが乗り切れない部分が少しはある。だから1の方が圧倒的に良いが本作も好きなことは好きよ
ネタバレあり

 

 

Story
たまたま出会って銀河を護った宇宙のはみ出し者たち、スターロード/ピーター・クイルクリス・プラット)、ガモーラゾーイ・サルダナ)、ドラックスデイヴ・バウティスタ)、ロケットグルートらによるチーム〈ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー〉。
彼らは、ロケットの悪戯がきっかけで黄金の惑星ソヴリンの艦隊から総攻撃を受ける。
間一髪、彼らを救ったのは「ピーターの実の父親」を名乗る男エゴカート・ラッセル)と、他人の精神に働きかける能力を持つマンティスポム・クレメンティエフ)だった。

一方、ピーターの育ての親、宇宙の盗賊ラヴェジャーズヨンドゥマイケル・ルーカー)は部下のラヴェジャーズ達の反乱に遭い、処刑されようとしていた。
銀河を脅かすエゴの秘密、そしてピーターの出生に隠された真実とは――

本作は続編にありがちな「もうこいつらの事は知ってるだろうから飛ばしていくぜ」感が強い。
一作目はスターロードと彼の死んだ母の思い出がベースになって、銀河を護った。
本作ではスターロードと実の父エゴ、と育ての父ヨンドゥ‥という「スターロードと2人の父」が話の軸になっている。
あとは「素直になれないロケット」「ヨンドゥとラヴェジャーズ本隊との確執」「ヨンドゥ&ロケット&グルート vs.ヨンドゥの部下だったラヴェジャーズ」「ガモーラとネビュラ姉妹喧嘩」「ドラックスとマンティスの触れ合い」「前作のノバ軍みたいなやられ役ソヴリン軍」といったちょっとしたサブプロットがくっ付いている。
こうしてみると、どれも面白いし。どのキャラも立ってました。
そんな感じで本作は色んな大勢のキャラの小さいドラマが、スターロードに巻き付いて連なってVol.2という大木になっていく様が良かったと言える。
そういえば一作目の記事でキャラクターのこと書くの忘れてたので、今回は映画全体の話はこの辺にしといてキャラ中心に書くことにします。

 

 

スターロード
ストーリーの核となる「スターロードと2人の父」の部分は凄く良かった。
「実の親父が助けてくれたし凄い人らしい」という感じが前半‥母をめぐって激しい言い合いをする事によって「ひょっとして良い人?」と思わせようともしている。
一方、育ての父ヨンドゥはラヴェジャーズに裏切られるがロケットと脱出し、ロケットの心を溶かしつつエゴの惑星に向かう。
スターロードは母に起きたことを知りエゴに1秒でキレて攻撃、ロケット&グルートはエゴの心臓を爆破しようとし、それを止めようとするエゴをスターロードがセレスティアルズ(天界人)のパワーを目覚めさせて足止めする。
互角のパワーらしく、スターロードを倒して爆弾を止めに行くことができないエゴはスターロードを説得しようとする。
エゴは「聞け!お前は神なんだ! 私が死ねば、お前も普通の奴らと同じになる!」
スターロード「それのどこがいけないんだ?
と、いうこの台詞がめちゃくちゃ良かった!MCうの台詞で一番好きかもしれん。
本作はこの場面が僕のMAX(1のMAXはガモーラと母の幻が被ったところ)
きまったぁ!という感じ
この台詞は、デビルマンが「俺を殺せば、お前の親戚の女の子も死ぬぞ!」と命乞いをするジンメンに対して言う「でも、お前も死ぬんだろ?」と同じくらい何も言い返せないほどパワーがある。
色んなヒーローものや日本の少年漫画などバトルものでは、如何に主人公をすげー奴にしたてるか工夫を凝らしていく過程で最終的には「主人公は凄い人の血を引いてた。だから主人公は凄くて強いんでーす」という血統主義に堕してしまうのに対し、スターロードは死んだ母や仲間を取って圧倒的なパワーと可能性を自ら捨てる。スターロードにとっては不老不死や無限のパワーなんかよりガーディアンズの方が大事なんだ。これは最高。ガーディアンズはどれだけ嬉しかっただろう。悠久の時を生きて全てを持っていたはずのエゴが持っておらず今後も持てなかったであろうものをスター・ロードは持っていた。
だからエゴは滅びた。。
スターロードを生んだのも、スターロードの母に腫瘍を植えたのも、スターロードを連れてくるのをヨンドゥに頼んだのも、→その結果ガーディアンズが誕生したのも、スターロードを迎えに行ったのも全て自分、そして彼に母の話をしてしまったのも‥、エゴは知らず知らずのうちに26年間かけて自分を確実に滅ぼすスターロードを作り上げていた。
ジェームズ・ガンはいつも終盤にズシンと来る場面を持ってきますね。
本作の場合ヨンドゥの死が人の涙を誘ったようだけど(日本人が好きそうな死に方だし)、僕は断然こっちの「スターロードがセレスティアルズ(天界人)としての無限パワーや可能性を全部捨てる」この場面が好き。
エゴを殺すことに1秒しかかからなかったのと同様、全ての人が欲しがるものを捨てる事に一切の躊躇がない。
ジョン・カーペンター映画のラストにありそうな熱さでもある。
そんな感じでスターロードはいつも凄く良い場面を決めるので「やる時はやる奴」というイメージが凄く高いです。
そしてスターロードはキレる時たいてい吐息みたいな囁き声になるんですが、それが凄くカッコいい。いつも子供っぽさを出しているので余計に怒りが表現できてる。
そしてエゴが母にした事を聞いた時の「‥なんだって‥?」と言う顔が
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「これ本当にクリス・プラットの顔面?」ってくらい凄い顔になる。
宇宙が映っていた瞳に白目がぐーっと増えていき、そこには三白眼のクリプラが立っている。「クリプラ氏、いつもキラキラした目の優しそうな印象の顔なのに‥怒ったらこんな顔になるのか!」とインパクトでかかった。
それと僕は最近よくMCUを吹き替えで観てたんですが、山ちゃん(山寺宏一)のスターロード吹き替え演技はめちゃくちゃ良かったです。
吐息みたいな声で「‥なかまたちは‥?」とか、母のことを聞いて「‥なんだって?」とか「母さんを殺した上、ウォークマンまで壊すなんて!」とか「もう、いいんだよ‥」とか、どれも良い。
ヨンドゥが自分を助けて命を落とすところでは焦った末に最後だけ「そんなぁ‥!いやだぁぁ‥」と、子供のような喋り方に戻る演技も良かったです。
普段あまり特定の声優に注意してないけど山ちゃんはやっぱ凄いなと思った。
ジュラシック・ワールド」とかも全部山ちゃんで撮り直して欲しくなる。

 

 

 

ドラックス(とロケット、マンティス)
スターロード以外でガーディアンズで好きなキャラクターと言えば‥一番好きなのはドラックスかな?MCUキャラ全員の中でもトップ3に入るくらい好きだ。
ロケットも勿論、大好きなんですが、彼は物理的な活躍以外にも「友情を前にして心を揺さぶられる」「その結果、感情を顕にして泣き顔を見せる」という役割を持っていて、それ自体は結構なんですが僕は、そういった感情をあまり表に出さないキャラの方が好きなので、出来るならロケットを毎回ドアップで泣かすのはやめてほしい派です(ロケット本人もきっと泣き顔を他人に見られたくはないはず)。そういう理由で、僅差でロケットよりドラックスかな。
ドラックスは、一作目で「比喩」や冗談を覚えて今回コメディリリーフの面白超人としてギャグを言う役割になった。
演じてるデイヴ・バウティスタ氏はWWEのスーパースター(WWE所属レスラーのこと)だった時の「バティスタ」も結構好きだった。リック・フレアーのフォー・ホースメンの一人として活躍した。プロレスラー時代めちゃくちゃカッコいい身体だがあまり演技が上手くないって印象だったのに今では超有名俳優になってるんだから不思議だね(ロック様=ドウェイン・ジョンソンは昔から演技上手かった)。
まあともかくバティスタもドラックスもそこそこ好きだったので、もっと普通に強いところを見せて活躍して欲しいんですが、1では失敗して友情に目覚める役、2ではコメディリリーフにされて最初はムカついてました。だけど「アベンジャーズ:インフィニティウォー(以降IW)」でも相変わらずコメディリリーフで、だけど凄く可笑しかったので、もうこれからはあるがままのドラックスを遡って応援することにしました。
Vol.2では「乳首がこすれるからジェットパック付けたくない」というギャグは面白くなかったが、彼の空気読めない系のシモネタやデリカシーなし発言や「マンティスを醜いと言い過ぎる」ギャグは凄く好きでした。
ドラックスのキャラとマンティス役の人が美しい事で初めて成立するギャグですな。
最初はドラックスがギャグキャラにされてムカついてたが、まあ乳首のネタ以外は面白いのでまあOKです。
でもVol.3では出来る事なら物理的に普通に強いところもっと出してほしいが‥
まぁジェームズ・ガン的には「物理的に普通に強いところを出すキャラ」はヨンドゥとガモーラだったっぽいですよね。ヨンドゥが退場したからドラックスの活躍が増えるかも‥と思ったが、スタローン達率いるラヴェジャーズ本隊がヨンドゥの代わりに活躍しだしたらガクッとなる(ヨンドゥや、ラヴェジャーズ本隊にも魅力を感じてるが、ガーディアンズの出番が減るという意味であまり好きじゃありません)
また、ドラックスは色んな空気読めないギャグやデリカシーなし発言をぶちかましてくる割に、本作では死んだ妻子の事を一切口にしなかったのが凄く良かったです。
またマンティスとのコンビが、ボケとボケというのも良い感じです。
マンティスと言えば、IWでサノスに肩車して動きを止めてたのがカッコよかったですね
本作でもエゴを止めてたし最強のサポートキャラかもしれん

 

 

 

ガモーラ
ガモーラは、ネビュラと姉妹喧嘩を続けて最終的にネビュラに「私が欲しかったのは姉さんよ!」と打ち明けられてお互い心を開くエモいシーンが良かったです。
あとは理想の父親エゴにうつつを抜かすスターロードに「わたし達は家族じゃなかったの?」と訴える場面か。
ヨンドゥやロケットのエモいシーンはあまり好きじゃないのに、ガモーラやネビュラのエモいシーンは何で受け入れられたんだろ?自分でもよくわからない。
そしてガモーラとネビュラ、ガモーラとスターロードのドラマはIWへ続く。。
スターロードと喧嘩した後、ネビュラに強襲される前のガモーラが物憂げに原っぱで一人でいるシーンが妙に好き。劇中、色んなやつが騒々しいのでここだけ静かすぎて印象に残った。
本作でのガモーラの良かったところはそんな感じか。
1の終盤で「パワーストーンの重負荷に苦しむスターロードを助けるため手を伸ばす、スターロードはそんなガモーラと、自分が手を握れないまま死なせてしまった母の姿が重なる。そして今度は母(ガモーラ)の手を握れたことで母のトラウマを乗り換えて仲間たちと勝利する‥」という最高に良い場面があった。
ここは一番好きな場面だったのだが、これによって「ガモーラ=母」イメージが完全に固まってしまったせいか本作での彼女はガーディアンズメンバーをガミガミ怒ったり、ベイビーグルートにニコニコしたりと、母性‥を通り越してオカンキャラになりすぎてしまった。
ゾーイ・サルダナも本作のプレスツアーで「ガモーラはママだから笑」と自覚しとった
それはそれで人生のある局面として見れば良いことなのでオカンを否定する気はないのだが、オカンキャラになってしまうともう元には戻れにくくなるのでキャラの面白みが目減りした印象があった。
アベンジャーズで言うと、一人成熟しきってるがためにブラックウィドウがツッコミ役に徹してしまい自己の面白さを発揮しづらくなるのと似ている。ウィドウの場合その度、彼女の近くで色んなトピックが起こったり、あっちについたりこっちに着いたりして動きのないツッコミオカンキャラにならないよう工夫されている。
ガモーラもオカンにならない手段が取られている。
それはIWでヒロイン役になって養父サノスとの絡みという大役をこなした。
このサノスとのドラマは今も継続中。続きは「アベンジャーズ4(仮)」で、ガモーラがどうなるのか注視したい。
そういえば「全員好きなキャラ」と言ったがベイビーグルートはあまり好きじゃないかも‥。幾ら何でもあざとすぎるしディズニーサイドが「今回のグルートは是非赤ちゃんで‥」と進言する様子が目に浮かぶわ。
ロケットは「可愛いけど、口が悪く背中が汚いし中身おっさん」というクッションがあるから安心して可愛がれる(真の可愛さには「スイカに塩」といったような相反するネガティブ要素があってこそ真の可愛さに繋がるというのが僕の持論だ)。一作目のグルートはジジイっぽかったし人殺しまくってた。本作ラストで成長したヤング・グルートは思春期だから養われてるくせに大人をバカにするダサい性格だし変声期で声も汚くなった。思春期って事は陰でシコってるだろうし(だけどIWでは最高だった)
それらに比べて本作のベイビー・グルートは可愛い要素だけで出来ている。
そんなキャラは可愛がれない。「最後のジェダイ」の鳥みたいに

 

 

ヨンドゥ
逆に良くないところは、キャラがエモーショナルに感情を顕にしすぎるところや、1の時から思ってたがジェームズ・ガン監督がヨンドゥやラヴェジャーズに割く割合が大きすぎるところが乗り切れないところでした。
何故それが乗り切れないのかは自分でもよくわからない。ガーディアンズの活躍が減るからかもしれないし。ヨンドゥ役のマイケル・ル-カーが監督の親友で、クラグリンが監督の弟だから、何となく仲間内で回してる感じがあまり好きではないのかもしれない(だけどそういう仕事の流れが好きじゃないだけで彼ら自身は好きよ)
ヨンドゥもいいキャラだしね。
本作でのスターロードとの触れ合いも感動的でうるっとした。
彼とロケットのvs.ラベジャーズ戦も面白かったし、スタローン率いるラヴェジャーズ本隊との絡みも興味深かった。あと碇ゲンドウの人の吹き替えが合いすぎている(がなりたててる時に歯がギザギザになってるイメージ)。スターロードにパワーの使い方を教える時「俺が矢を飛ばす時、頭で考えてると思うか!?」と言うのも良い。「Don’t think. feel」ブルース・リーと同じこと言ってる。「月を指さしても栄光は掴めない、指に拘らずに月そのものを見ろ」ってことか。だから師匠キャラとしても良い。
そんな感じで概ね良キャラだと認めてはいるんですが、自分が思ってることを大声で口で言ってしまう場面が邦画っぽいウェットさで苦手なのかもしれない。
ヨンドゥの良いところに比べて、イマイチ乗り切れない部分は少しだし、この一ヶ月何度も観てるうちに正直気にならなくなった。
だけど、このVol.2が1よりも大好きだという人は、絶対にヨンドゥ大好き人間だろうしヨンドゥが死ぬ場面で号泣してこその本作という気がする。
僕はというと「いい最期だな」とは思いつつも、やはり1の母のくだりみたいに観る度に泣いてしまうという事がない。だからVol.2が大好き人間とは言い難い。
ヨンドゥの死の直前に、ロケットが「これ、宇宙服と飛行装置だけど‥一個づつしか残ってない」と言ってそれらを渡すのだが、この台詞聞くと、何だか監督とこの映画世界そのものがヨンドゥを絶対殺すマンになってる!と可笑しくなって一歩引いて客観視してしまう。だからVol.2大好き人間のように号泣できないのかもしれない。
この感覚はもう今後も変わらないと思う。
そしてスタローンやミシェール・ヨーやヴィング・レイムスなど大御所俳優演じるラヴェジャーズ本隊の登場。
演じる彼らは僕だって大好きだし、キャラとしても由緒正しいキャラらしいし大変興味深いが、もしVol.3でヨンドゥみたいにメインキャラとして出張ってきたらガーディアンズの活躍まためっちゃ減るやん‥と心配にもなった。
だから出てきたとしてもチョイ役でお願いしたい(クラグリンの再登場も数十秒くらいでいいぞ)。
どうしても彼らをめっちゃ活躍させたいんだったら「ラヴェジャーズ」ってスピンオフ作ってそっちでやって欲しい。
サントラだと、vs.ソヴリン艦隊戦のこの曲が最高でした。

そんな感じで、かなり好きだが死ぬほど好きとまではいかない本作。
だけど二ヶ月前までは本作のことを「微妙な映画」だと思ってたので大きな違いだ。
三回も書き直した感想初めてだわ。自分の感じ方を変えたかったんだよね。
それにしても何で2ヶ月前まであんなに好きじゃなかったのか不思議だ。思い出せない
そういえば監督が身内や友達をたくさん出したり(1も2も)、自分の好きだった懐かし文化をたくさん盛り込んだところがあまり好きじゃなかった気がする。
だからといって、監督の身内が演じるキャラや、監督の好きだった文化や音楽が直接悪いわけじゃないんですよ。むしろ結構いいんですよ(長くなるので噛み砕かないので僕の言いたがっている微妙なニュアンスを汲み取ってください)
それと映画自体はしっかりした作りなのでいいちゃいいのだが映画から全体的に感じる浮かれたような雰囲気。そしてそれでいて妙にエモくて泣いたり喚いたりする場面の多さ、それらが渾然一体となって放つ、大学生が騒いでるかのようなムード‥そういう「何となく」が苦手だった気がする
あと、オマケ映像は2個くらいまでは嬉しかったけど何だか4個くらいあって「‥いや何回やんねん!はよ終われや」とちょっと思った
つまり映画本編は名作だったんだけど、監督が映画にコーティングした装飾や「我が世の春がきた~」って感じの浮かれ方の匂いが苦手だったってことね。誰しも浮かれるとは思うけど‥それは私生活のパーティとかでやって。。
まあ、とにかく「アベンジャーズ(仮) (2019)」、そして「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3 (2020?)」が楽しみだね

 

 

そんな感じでした

MCUガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー関連作〉

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MCU以外のジェームズ・ガン監督作〉
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)/前作とハーレイ単独作で上手くやれなかった部分を全部こなすガン監督。そして本作そのものより魅力的なピースメイカー⭐ - gock221B
『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022) 全8話/「過ちを犯したクソ野郎にも更生の余地はあるのでは?」とジェームズ・ガンが問いかける傑作ドラマ🚽 - gock221B

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Guardians of the Galaxy Vol. 2 (2017) - IMDb

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)/この一ヶ月くらい何度も観てるうち物凄い好きになった🦝


原題:Guardians of the Galaxy 監督&脚本:ジェームズ・ガン 製作:ケヴィン・ファイギ
原作:ダン・アブネット、アンディ・ランニング 『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』
製作会社:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:121分

シリーズ:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

 

MCUは2008年に始まった時「『ダークナイト』シリーズはどうも好きになれないし俺はこのMARVELスタジオが最近始めた『アイアンマン』や『インクレディブル・ハルク』のラインを応援するぜ」と思い、はや10年。。
楽しみに全作観てきてはいたが、アメコミ以前に映画の方が好きな自分としては「映画ファンとして、たまたまMCUを全作観てるだけ」という一歩引いたスタンスで観てたのだが、ほぼ全キャラ(アントマン以外)が一堂に会する「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」を観たら、今まで「たまたま無数の点を全部観てるだけ」という感じだった視点が、点が線になりそれらが相互に屈折、反射を繰り返し干渉しあって気づいたら10年めにして決定的にMCUそのもののファンになってしまい、この一ヶ月くらいMCU映画を色々と観返していた。
その過程で気付いたらガーディアンズ二作を吹き替えでほぼ毎晩観てる間に「何か全然飽きないな。普遍性があるのかな」と思い始め、つい一ヶ月くらい前より数倍くらい好きになっていた。以前は「面白いけどそこまで好きじゃないな」と思ってたので19作品中11位くらいだったのだが、一ヶ月後の今は最早1位か2位かってくらいに大幅ランクアップした。以前は「ベタな曲ばっかりやんけ」と思っていたサントラも気付いたら2枚とも買っていたし。。
以前そこまで乗り切れなかった理由はジェームズ・ガンの「スーパー!」が好きすぎたとか他にも細かい理由が色々あったのだが、自分の中でそれらは気にならなくなった。
「インフィニティ・ウォー」観る数日前に書いた「まあ、なかなか良いよ」って感じの本作の感想と、一ヶ月後の今ではすっかり内容への印象が変わってしまったので書き直す事にした。
ネタバレ有り

 

 


ヒーロー系のアメコミ映画は楽しいが、オリジン(誕生譚)である一作目には「ヒーロー誕生までの時間」が一時間くらい必要という短所があった。
そのように序盤でパワーを経てガンガン活躍し、中盤で主人公ヒーローの暗黒版みたいなヴィラン(悪役)に出会って敗北し、後半で再び立ち上がって勝利してこれからも護っていく自分の街をビルの上から眺めながらダニー・エルフマン風のBGMと共に終わる‥殆どのヒーローもの一作目はこれが定番。
オリジンの描写がヒーローになった後半よりも楽しかったアイアンマンとキャプテンアメリカ。「何度か映画化してるから改めて言わなくても知ってるよね?」という感じでオリジンを省略したのがMCU版ハルクとスパイダーマン。そのような工夫が観られる昨今。
本作の場合、各ガーディアンのうち主人公格のスターロード(以降クイル)の生い立ちをアバン(OPまでの冒頭)でちらっと見せて、他のガーディアンは台詞で語られるだけ、後は想像してくれという形だ。
だから本作は他のヒーローものの二作目のように最初から楽しい展開が続く。
そしてガーディアンズはキルン刑務所からの脱獄のため、映画開始から僅か30分で結集する。だがこの時点では、まだ只の犯罪者だ。
他のチーム‥たとえばアベンジャーズは既にそれぞれが自立しているヒーローが後から集まった形だが、このガーディアンズは逆に、宇宙の犯罪者が集まってアウトロー集団を形成する。そしてコレクターの館でインフィニティ・ストーンの恐ろしさを知ったガモーラが自分たちの利益より宇宙全体の安全を考え始め、次にクイルが自分の命を投げ出してガモーラを救出し、自分の欲を優先させて敗北したドラックスやロケット&グルートも後に続き、5人はパワーストーンを取り戻して銀河を救うため力を合わせる。
このようにガーディアンズは、最初はヨンドゥのラベジャーズ同様ただの犯罪者集団だったのだが、ガモーラの利他的精神を起点にしてヨンドゥの艦で赤い服に着替えた頃には5人全員が銀河の守護者として生まれ変わる。
アベンジャーズのように、各人をヒーローに目覚めさせて結集させていたら時間かかるので、まず先に結集させて後からヒーローにしたと言える。
本作は「いきなりヒーローチーム」の最初のモデルケースだと言える。

 


冒頭とラストで、クイルの死んだママが描かれ、本作は母の要素で挟まれていたことがわかる。
幼い頃、クイルは末期癌患者の母による「ピーター、私の手を取って」と言われるが生まれて初めて目の辺りにした死の香りに怖じけてしまい、クイルは母の最期の願いを叶えてあげられないまま、宇宙に旅立ち大人になった。
戦闘力の高い盗賊をして色んな異星人の女と寝てはいるが、人間的には子供がそのまま大人になったかのようなキャラクターになっているように見える。母に貰ったMIXテープを常に肌身離さず持って聴いているし。そのテープが奪われると自分の命を危険にさらしてまで取り返しに行き(キルン刑務所)、破壊されたら当然激怒する(Vol.2)。
要するにクイルは最期に母の手を取ってあげられなかった事を後悔しており、彼の時間は幼少期でストップしている、という事が説明なしに描かれている。
グルートが命を犠牲にして仲間を救った後、ロナンとのラストバトルが行われる。
クイルは「これが自分だ」とでも言うようにダンスでロナンの気を逸らす。その間ロケットが即席で作った兵器をドラックスが撃ってロナンのコズミックハンマーを破壊、宙に投げ出されたパワーストーンをクイルが手にする。
どうでもいいけどクイルとストーンを取り合うロナンは実に良い顔していた。
本作では「ガーディアンズの各キャラ紹介とチームとしてのオリジン」「コズミック系の色んな設定紹介」などやる事が多すぎたので、本作のヴィランであるロナンは「ただのすげえ悪いやつ」でしかなかった。だがクイルが踊りだして困惑するところと、この石の取り合いの時だけは輝いてたね。
中盤のコレクターのくだりで「只の人間が手にすると破壊される」という前フリもあってクイルはパワーストーンのエネルギーが自身に流れ込み、その重負荷に苦しむ。この時クリス・プラットが凄く不細工な顔になるのが良い(ついでに言うとノーウェアでコレクターの助手がストーンを掴んだら甲高い叫びをあげて爆発四散する前フリも凄く良い)。
ガモーラはクイルの負担を減らすために手を伸ばし「ピーター、手を取って!」と、奇しくもクイルが幼い頃、手を握れず死んでしまったママと同じことを言う。
ピーターはガモーラをゆっくり向いて彼女を見る(ここのエネルギーの重負荷を負ったクイルの顔が凄くカッコいい)クイルはガモーラが死ぬ寸前の母に見える。
この、ママが手を伸ばしてるカットは何回観ても涙が出る。
「スーパー!」でも、「コマとコマの間」とか、ラストで兎を抱いて思い出の絵日記を見る主人公の画を、何回観ても泣いてしまうようにジェームズ・ガンはカット一発でわからせて泣かせるのが上手いなぁと思った。
とにかくガモーラの手を取ったクイルは母が目の前で死んだトラウマを克服、続いてドラックスやロケットもクイルに触れて重負荷を受け持つ。
こうしてガーディアンズパワーストーンのエネルギーの奔流に耐えてロナンを倒すことができた。
実は、クイルは父親が天界人セレスティアルズだった事が最後にわかる。セレスティアズのDNAを持っていたために耐えることができたのでガモーラたちの協力は物理的には役に立っていない。
だが心に穴が空いたままのクイルはパワーストーンに耐えられそうになかった。
そこを助けてくれたのは母の姿が重なったガモーラにトラウマを刷新して克服、そしてドラックス、ロケットとの仲間意識で心強さを得てこそ耐えられたっぽいので、やはり必要だったのだ。ただ特殊技能を持った者が集まっただけでは充分ではなく「ガーディアンズじゃなきゃ銀河を護れなかった」という説得力があった。
こうしてクイルは母のトラウマを克服する。そしてVol.2では父なし子の部分を克服するのでこのシリーズはクイルの(精神的な)自立を描いたものなのかもしれん。そうなると両親のトラウマを克服してインフィニティ・ウォーを経験した後のVol.3がどうなるのか気になるな(子供にまつわる話か?アダムは金ピカ女王の子供だし‥)

 

 

本作はジェームズ・ガンが持ち込んだ楽しいノリによって「アイアンマン」一作目、「アベンジャーズ」一作目、「キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー」などとように以降に続く作品群に影響を与えるMCU重要作の一つになった(既に真面目な映画が出来上がってたらしいのに、切り刻んで本作のノリを表面的になぞって大失敗したのが「スーサイド・スクワッド」)
ガーディアンズ?知らない人たちですね‥
あと超マイナーだったMARVELヒーローを本作一発で大人気キャラに仕立てた。
アイアンマンの時は「スパイダーマンX-MENの版権がMARVELスタジオに残ってないから‥仕方ない、俺たちはアイアンマンでいく」という感じだったが、ガーディアンズに至ってはMARVELコミックを毎月大量に買ってるおじさんじゃなければ知らないようなキャラだった。「大スターを主役にしなくてもヒットできる。というかスターは揉めるから脇役にしか使わん」に続いて「人気キャラじゃなくてもヒットさせれるぞ」を可能にした。
セレスティアルズのこと天界人と呼ばないで‥

劇中では「天界人」というダサいダサい呼び名で呼ばれる。セレスティアルズは今後も本シリーズや「エターナルズ」などコズミック系で出続けそうな感じなので一刻も早くこの「ONEPIECE」みたいな呼び方はやめて欲しい。
本作(またインフィニティ・ウォー)でノーウェアという衛星のような場所が出てくる。これはセレスティアルズの頭蓋骨だったという。凄くハッタリが効いていて良い感じだ。
また中盤、コレクターがインフィニティ・ストーンの成り立ちを説明したり、原作のセレスティアルズっぽい巨人の姿が見れたり、色々とワクワクした。
★ノヴァの事、ノバって言うな
あとNOVAの事を「ノバ」と、駅前留学っぽく表記するのも止めて欲しい!
ノバ軍はインフィニティ・ウォー開始前に壊滅したらしい。どう考えてもノヴァ軍が再編されMARVELヒーローのノヴァが誕生しそうな流れ。
ガーディアンズが終わった後に単体作「ノヴァ」が作られるのか、はたまたガーディアンズ的なコズミックチームに一員として入るのか、それとも地球に来て映画製作が噂されるカマラちゃん(Ms.MARVEL)や今いるスパイダーマン、もしくは黒人スパイダーマンのモラレス君(彼の叔父が「スパイダーマン:ホームカミング」に登場した)などが若者チーム、チャンピオンズを結成するのか‥色んな予想ができるが、その際に「ノバ」では嫌だ。まるで駅前留学で英語を教えるオバサンみたいな響きだ。一体誰が「ノバ」と書くことにしたのか‥一体どんな育ち方したらそんな表記にしようと思えるのか‥ろくなもんじゃないよ。
ノバ軍はラストバトルで8万人くらい死んだらしい。ちょっと被害がデカすぎて引いてしまうが。。ノバ軍のノバマーク型のビルや宇宙戦闘機はカラフルでカッコよかった
MCU世界拡張

そんな感じで本作はMARVEL映画初のコズミック系ヒーローとして、ノリの良さだけでなく、MCUの世界観を広げる事も映画の目的の一つだった。
コズミック的には「インフィニティー・ストーン」「天界人セレスティアルズ)」「ラスボス的な匂いだけさせているサノス」「宇宙三大帝国の一つクリー人」「ザンダー星のノバ軍は宇宙警察(やられ役)」そんな感じで「MCU宇宙には色んなもんがあるんだなぁ」と思わせる。コレクターの屋敷にもダークエルフや宇宙犬コスモなどが居るのもいいね。
その後「アントマン」で、時間や空間の影響を受けない量子の世界〈マイクロバース〉。「ドクター・ストレンジ」で魔術系ヒーロー、多次元世界〈マルチバース〉の存在が提示され、暗黒次元〈ダークディメンジョン〉、鏡の世界〈ミラーディメンジョン〉、霊体だけ存在できる〈アストラル次元〉など色々な方面にMCU世界を広げている(そしてストレンジでのマルチバース横断や、GotG2のジャンプ中にアントマンのマイクロバースと囚われたままのワスプが一瞬映ったりしている)
ハワード・ザ・ダック
そういえば本作のエンドクレジットでハワード・ザ・ダックが登場するので僕は「ハワード・ザ・ダックだ!最高や!」とMCUエンドクレジット史上最高に盛り上がれたはずだったのだが本作の公開数日後に映画評論家の町山智浩氏がハワード・ザ・ダックの画像付きでダックが出ることをツイートするという回避不能のネタバレして「ハワードザダックなんか誰も知らないから大丈夫」とか言っててかなりムカついた覚えがある。最近もIWでフューリーがマザーファック言う前に消えることを言ってたがMCUエンドクレジットの事を書いたらアカンと思う(それを指摘したらそれこそネタバレになるので指摘も出来ないし)。MCUエンドクレジットだけは絶対にネタバレされたくない。実際に映画のネタバレされても実はそんなに困ることは少ないのだが、そういった配慮をする気のない人の雑な性根が自分の中に入ってきて嫌な気分になるからだ。
★吹き替え
今回、Vol.1&2を吹き替えで何度も観ていた。
最初は「山ちゃん好きだがクリス・プラットと合うかなぁ」と思ってたがめちゃくちゃ合ってた。。今まで山ちゃん吹き替えで一番好きだったの「ファイトクラブ」のブラピだったが、それを超えてきた僕の中で。。
「普通の奴は人間を食ったりしない!それを良い事みたいに言うなよ!」と他人に正論で突っ込んだり、キレた時に静かに喋るというヤバい怒り方をする時の喋り方や「銀河の守護者だからだ‥」とボソボソキメ台詞を言う時がめちゃくちゃカッコいい。正直、クリス・プラットはもうスタローン、シュワ氏、ジャッキー・チェンジョージ・クルーニーなどと同様に山ちゃんの吹き替えでしか観たくないとすら思えてきた。。やっぱり山ちゃんはすごい
あとの全員よかった。加藤浩次のロケットも頭の中で想像すると、どう考えても合ってないと思われたがいざ観てみると凄く良かった。ただ「うおお~~!」みたいな絶叫すると声が割れてSEと被って聞き取りにくくなる。それと泣く時など感情を顕にする時に少し照れを感じた(ような気がする)それ以外は良かった。いや‥大好きだと言ってもいい。
そんな感じで公開当時「まあまあかな」→IWの前「好きになってきたかな?」→という状態から凄く好きになった。
何か旧「スター・ウォーズ」や黒澤明時代劇のような普遍性すら感じて何回観ても飽きない気すらする。そして尋常じゃないほど好きだった本作の監督ジェームズ・ガンの「スーパー!」より本作の方が好きになってきた。
逆に言うと何で公開時や、その後何度か観た時にピンと来なかったのか今となっては何が気に入らなかったのかよくわからない(思い出せない)。
それとも今回、IWでMCUそのものが好きになってポジティブに観たせいか?
当時これ観た時に「ガーディアンズの苦戦が足りない」と思ったような記憶があるので、IWでガーディアンズが大変な苦難に遭うので遡った本作をもっと素直に観れたのかもしれない。
しいて言うなら戦闘機等に乗った時の、各人の位置関係がわかりにくいくらいか。
IW観るまでは何か悪い意味で、大学生が飲み会で盛り上がってるような雰囲気を感じてた気がする。そんなネガティブな視線がIWのガーディアンズ苦戦によって外れて、くもりなきまなこで観れたのかもしれないきっと‥
本当はもっと好きになりたかったので、そうなれてよかった。
もっと色んなものに対してそう思えるようになりたいものです。。

 

 

 

そんな感じでした

MCUガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー関連作〉

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MCU以外のジェーム・ガン監督作品〉
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)/前作とハーレイ単独作で上手くやれなかった部分を全部こなすガン監督。そして本作そのものより魅力的なピースメイカー⭐ - gock221B
『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022) 全8話/「過ちを犯したクソ野郎にも更生の余地はあるのでは?」とジェームズ・ガンが問いかける傑作ドラマ🚽 - gock221B

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Guardians of the Galaxy (2014) - IMDb

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『アイアンマン』(2008)、『アイアンマン2』(2010)、『アイアンマン3』(2013)/MCUの中で一番偉い1、珍作の2、映画としてなら良い3🔨

『アイアンマン』 (2008)


原題:Iron Man 制作スタジオ:マーベル・スタジオ 製作:ケヴィン・ファイギ 監督&製作総指揮&出演:ジョン・ファヴロー 原作:スタン・リー、ラリー・リーバー ドン・ヘック、ジャック・カービー
製作国:アメリカ 上映時間:125分 シリーズ:「アイアンマン」トリロジーマーベル・シネマティック・ユニバース

 

 


🔨2年位前にこの映画感想ブログを始めたが、MCU作品の感想が無いものの方が少ないので、ついでに過去作も再見して書いとこうと思い久々に観た。
MCU1作目。あこれが大ヒットかつ高評価だったために勢いがついて6作目の「アベンジャーズ (2012)」まで繋げることが出来た。
まるで原作のアメコミのクロスオーバーのように「別個の長編映画作品が、それぞれのノリを保ったまま合流を果たす」という過去にない大規模なシネマティック・ユニバースを可能にした。
このフェイズ1の時点では、ほぼほぼ全てがアイアンマンのお陰と言える。
また「明るい作風。原作要素や繋がりを大事に扱う。ヒーローの陰としての薄いヴィラン。社会情勢を上手く取り入れる」などのMCU要素が全てここで出ている(そして本作はMCUオリジンの雛形にもなっている)。
MCUの中で一番面白いのは?」というのは人によって好みが違うと思うが「MCUで一番偉い作品は?」と訊かれたら、このアイアンマン一作目と答えざるを得ない。
ちなみにメタ的な意味だけではなく劇中のMCU世界(Earth-199999)の中でも、一作目ラストでトニーが「私がアイアンマンだ」と言った瞬間がこの世界の特異点とされており、現時点でのMCU世界の主人公と言える存在は未だアイアンマンだ。それは完全にキャップ派の僕でも認めざるを得ない
🔨ちなみにアイアンマンはこのトリロジー(三部作)が終わった現在も活き活きと活動している。トニーの軌跡は「★アイアンマン」→「★アイアンマン2」→「アベンジャーズ」→「★アイアンマン3」→「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」→「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」→「スパイダーマン・ホームカミング」→「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」→「アベンジャーズ4 仮(2019)」という感じ。。やらかしが多かったのとキャップ派との派閥争いによって叩かれる事もあったが、シビルウォーで酷い目にあってスパイダーマンでピーターのサポートをする様になってからは、トニー否定派もトニーを好きになっていった印象。だが次のアベンジャーズ4あたり危ない感じです

 

 

Story
米国政府と契約を結ぶ巨大軍事企業スターク・インダストリーズ社長発明家としての顔も持つトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)。
彼はある日、自社新型兵器デモ実験のためアフガニスタンへ赴くが、テロリスト集団テン・リングスの襲撃に遭い、胸に深い傷を負い囚われの身になる。
トニーが目覚めたのはテン・リングス本拠地である洞窟だった。トニーの心臓付近にはミサイルの破片が数多く刺さり死亡寸前であったが、同じく囚われていたインセン博士によって、胸に埋め込んだ電磁石で引き止める事によりトニーは生き長らえた。
テン・リングスのために兵器の開発を強制されるトニーとインセン博士。
トニーとインセン博士は一味の目を盗んで、トニーの胸で生命活動を維持させると同時に高エネルギーを生み出す熱プラズマ反応炉アーク・リアクター小型版を開発。また、そのアーク・リアクターは、同時に開発した飛行可能な武装パワードスーツ「マーク1」と連動し鋼鉄の男となる事を可能にした。
トニーは、インセン博士の自己犠牲的活躍のおかげもあって脱出し生還を果たす。
そしてトニーは自社兵器がテロ組織に利用されているのを目の当たりにした事によりショックを受け、会社として武器製造を中止する一方、テロ撲滅を誓い、秘かにパワードスーツの改良に着手。
こうして武装飛行パワードスーツを着た、利他的精神を持ったトニー「アイアンマン」が誕生した。

 

🔨これは物凄く久々に観たがやっぱり凄く面白いなと思った一作目。
と言っても大勢が観てるし、観た人が良いと思う部分は誰が観ても共通してる。
具体的には「今までになかった主人公トニー」「何度かあるアーマー作りシーンの楽しさ」「オモチャ感覚でガシャガシャと装着されるアーマーの楽しさ」「同時期のダークナイトとは相反して悩むより行動が早い明るい内容」「可愛すぎるペッパー」「いい感じの大柄ハッピー」「立派な人物インセン博士」‥等、誰でも思いつくことしか思い浮かばない。そんな事を今更書いても仕方ない。
本当に、めちゃくちゃ面白かった内容に反比例して、改めて書くことがない。
これがMCU一作目なのだが日本では何故かハルクを先に公開したので、ハルクのポストクレジットでトニーが初登場するという不思議な感じになった。
トニーの日常から映画が始まると反感を持たれるため、トニーが致命傷を負うところから映画が始まる。
人気キャラのスパイダーマンX-MENの映画化版権をソニーピクチャーやFOXに売ってしまっていたので仕方なくアイアンマンを映画化した事や、ドラッグ関連で落ち目だった演技派中年俳優ロバート・ダウニーJr起用を配給会社にめちゃくちゃ反対されたが監督が押し切った‥そして全ての賭けに勝って今がある‥みたいな事はWikipediaとかに書いてあるからわざわざ書いても仕方ない。
🔨アイアンマンに対して思い入れもないし‥、初めて知ったのはカプコン格闘ゲームマーヴル・スーパーヒーローズ (1995)」だった。これは先日公開された「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」の原作「インフィニティーガントレット」を元にした格ゲーで、アイアンマンもプレイアブルキャラとして出て、それで初めて知ったアメコミに詳しくない一般の40代男性は多い。ちなみにその時はアメコミと言えばX-MENという時期だったので「鉄の装甲の中に汗まみれの髭のオッサンがいるとか暑苦しすぎる‥」という感じで地味なヒーローって感じだった。原作ではクロスオーバー作品にたまに出てきたのを見かけたり「アイアンマン3」の元になった「アイアンマン:エクストリミス」原書を無理して読んだくらいか。まあ‥全然知らないに等しい。
🔨本作公開時はクリストファー・ノーランの「ダークナイト」公開の直後、僕は話が長くなるから割愛するがダークナイトシリーズが苦手だったので断然アイアンマンそしてMARVELスタジオのこの明るいMARVEL映画を応援しようと思った。ダークナイトに比べると本作はあっけらかんとして見えるので当時「俺はダークナイトより断然アイアンマンの方が良い」と言うと「確かにアイアンマンは楽しいけど‥それ本気で言ってるの?w」と嘲笑される風潮だった。それが10年後も続いてこうなるとは誰も思わなかった(というか「アベンジャーズ」実現さえも絶対に無理だろうと思いながら応援していた)
‥というように「久々に観たがめちゃくちゃ面白い!」という事とMCUとしてもアメコミ映画としても偉いということ、そしてWikipedia見れば一発でわかる事を改めて書くしかなかった。あとの感想は多分全部君と同じだ‥。
今初めて観たのならともかく何度も観たし他人の感想も何度も聞いた本作の感想を新たに書くこととか他にないわ。

🔨ギャラで揉めて続編以降はドン・チードルに代えられてしまったテレンス・ハワード演じる後のウォーマシーン‥ローディが、銀色のアイアンマン・アーマー(Mk-II)を見て「お楽しみは次だ‥」とか言って「続編では俺がウォーマシーンだ」という予告宣言をドヤ顔でする。
ご存知の通りテレンス氏はギャラで揉めてドン・チードルに代えられてしまうので、ここを観る度に何とも言えない気分になる。
初代ハルク役のエドワード・ノートンと、このテレンス・ハワードの2名によってMARVELは「ギャラ揉め大物俳優あしらい」の技術が飛躍的に向上した。
今のMCUがあるのも彼ら2人(そしてウォリアーズスリーのファンドラル)のおかげ‥もあるかもしれない。
それにしても、この「アイアンマン」は、チェックが厳しくて地上波で滅多に放送しないディズニー配給MCU作品と違って、緩い本作は地上波でも繰り返し放送されている。それ以前にわかりやすい名作だし今後も最も観られ続けていくMCU作品だろう。
その度にテレンス・ハワードが「お楽しみは次だ‥」と言う場面が来る度に「お楽しみは来ねーよ!」「知らないおじさん出てきた」「偽ローディ出てきた」「ドン・チードルを返せ」「ギャラ揉めシンプル・クビおじさんや」と世界中で思われると思うと可笑しい。
そう考えると、ここ数年「期待に満ちたローディの笑顔を観るのが辛い」と思って本作を観てなかったが今後はそんな感じで、永遠にウォー・マシーンになることが叶わないテレンス氏の勇姿を堪能するとしよう。
それにしてもテレンス・ハワードの顔自体がウォーマシーンのマスクに似ている。
スーツを着なくても最初からウォー・マシーンみたいなもんだ(だから着る必要すらなかった‥?)
全然関係ないけどアイアンマンとウォーマシーンに一番似ているのは成田三樹夫
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ダウニーJrがアーマーを装着すると成田三樹夫になる。
そんな世界も悪くはない。一度きりで終わるなら‥

🔨どうでもいいが、オバディアがカジュアルに使う麻痺音波装置が強すぎて笑った。この道具はウィンター・ソルジャーに出てくるSHIELDライトセーバーやハンク・ピムの拡大縮小アイテムと同じくらい強すぎる。これを持つだけでそこらのヒーローより物理的に強くなりそうだから恐ろしい。
そしてオバディアが終盤、装着した悪のアーマー、アイアンモンガーが登場してペッパーを追いかけ回すシーン。
このシーンが大昔の怪奇映画みたいなノリだったのが凄く良いなと思った(面白い古臭い場面があると映画が格調高く見えますよね)
またアイアンモンガーも、マークIをマッチョ化したかのようなクラシックな出で立ちが凄く良い。だがこのオバディアとの闘いはサラッと始まってサラッと終わってしまうので終盤は少し物足りないかもしれない。
序盤~マークII以降を作成してる時が本作のピークだろう。その辺の、前半のオリジン部分に面白いことが集中して後半サラッと終わってしまう感じは「キャプテンアメリカ:ファーストアベンジャー」に少し似ている。
だけど本作は最後に「私がアイアンマンだ」がある。
これで記者たち騒然!のまま画面がストップしてブラック・サバスが流れるエンディングへの入りがめちゃくちゃカッコいい。
これがあるのと無いのとでは全然違う。これが無ければ「スーツ作ってるシーンは楽しかったよね‥」程度の控えめな印象の映画だったかもしれない。
映画って中盤が結構退屈だったりしても最高の終わり方したら印象が最高になって「ひょっとして中盤の退屈な時間はわざとだったのかも‥」とか振り返って良く捉えたりするからね。
🔨今検索したらこのアイアンマン一作目の時のダウニーJrと今現在の自分が同い年だという事を今知ってビビった。とうとう「私がアイアンマンだ」の年齢になってしまったとは‥。まあビビっても小銭が貰えるわけでもないので気を取り直して普通に生きていく事にしよう。
何の感想も書くこと無かった割にはウォーマシーンだけで結構な行数が稼げたぞ

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アイアンマン2』 (2010)

原題:Iron Man 2 制作スタジオ:マーベル・スタジオ
製作:ケヴィン・ファイギ 監督&製作総指揮&出演:ジョン・ファヴロー
原作:スタン・リー、ラリー・リーバー ドン・ヘック、ジャック・カービー

製作国:アメリカ 上映時間:124分
シリーズ:「アイアンマン」トリロジーマーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

 

本作を作ってる間にパラマウントやMARVELやファンからの注文が多すぎて?大作を作る大変さに嫌気がさしたジョン・ファヴローが「アイアンマン3は俺もうやりたくない!」と降りてしまった本作。
恐らく前例のないシネマティック・ユニバース構築の流れを作るのと同時に本作そのものもヒットさせなきゃいけなかったので当時の監督本人にしかわからない大変な作業があったと思われる。‥が、そんな苦労は我々にはわからないし本作も只のつまらない映画と受け止めた。
本作を作って病んだファヴロー監督はリハビリ代わりに「シェフ 三ツ星フードトラック始めました (2014)」を作って(これはこれでヤバい映画だ)今では元気を取り戻し、ディズニーで元気に仕事するファブローの姿が‥!それに監督を辞めたと言っても俳優としてはトニーの運転手ハッピー役はずっと続けてるからね

 

Story
トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)が、自分がアイアンマンである事を公表して半年後。
アイアンマンは世界各地で起こる紛争を鎮圧して世界平和のため貢献していた。

政府はアイアンマン・アーマーを指して「個人が兵器を所有して使用している」と問題視し、アーマーを引き渡す事を要求したがトニーは断固として拒否。
一方、トニーのアーク・リアクター動力源パラジウムは彼の身体を蝕み、死期を悟ったトニーは社長の座を信頼する秘書ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロワ)に譲り、後世に自身のテクノロジーを伝える博覧会スターク・エキスポを開催する。
そんな時、スターク家を逆恨みするイワン・ヴァンコミッキー・ローク)は自らアーク・リアクターを開発し、スタークをライバル視するジャスティン・ハマーサム・ロックウェル)はイワンと手を組み、アイアンマンに対抗できるアーマーを作らせようとする。

🔨「MCUの好きな作品ランキング」を考えるとかなり下の方になってしまう事が多く、酷い時には「MCUのポストクレジットシーン‥エンドクレジット後の数十秒のおまけ映像を二時間に伸ばしたような映画」とか言われがちな本作。僕の中では‥MCU19作品中17~19位くらいか‥。
だけど死ぬほど腹立ったりするほどじゃない。最後まで楽しむことはできる。
観てる間や、場面場面はそこそこ面白かったりするが観終わると「まあ、この話丸ごと全部無くても全く困らないな」という感想になってしまう本作。ブログ書きたさにまた観てしまったが今回もまたそんな印象だった。
🔨本作に起きるトピックは「死期が近づいたトニー、父が自分宛に残した物から解決法を見つける」「ウォー・マシーンやブラック・ウィドウのデビュー」「トニーとペッパーの夫婦喧嘩的な触れ合い」「フューリーやSHIELDが進めるアベンジャーズ計画」「いつもの悪のトニーとの闘い」そんな感じ。どれも薄い。薄さでいうと本作とハルクとダーク・ワールドはマジで無くても問題ないトップ3だろう。
「ある長編映画とその続編の間で起きた出来事、映画にするほどの話でもないので短編のコミックやゲームアプリにしてみました」程度の話を無理やり長編映画にしたような感じだ。


🔨ヴィランだが、毎度お馴染みのヒーローのダークサイド版、悪のアイアンマン「ウィップラッシュ(ミッキーローク)」と、正義に目覚めなかった駄目なトニー「ジャスティン・ハマー」という組み合わせ。
まあ敵は別にこんなものでいいのだが、アイアンマンを2人に分けた上に二人ともトニーもしくはアイアンマンより圧倒的に性能が劣るために強敵という印象が全く無いのがキツい。MCUで一番キャラが弱いヴィランかもしれない。
まず一回目のミッキー・ロークの襲撃。ここで彼はハッピーが運転する車に轢かれて普通にダメージを負ったり、リパルサー発射しか武装がない簡易型アタッシュケース型アイアンマンアーマーにあっさり完敗してしまう。
既にフルパワーじゃないアイアンマンに負けたミッキー・ロークは、既に裁判でトニーに完敗したハマーと手を組んでリベンジしてくるのだが、アイアンマン&ウォーマシーンコンビを特に苦戦させる事もなく普通に負ける。
本作のトニーを苦しめた敵は身体を蝕むパラジウムや終始イラついているペッパーの機嫌であって、ミッキー・ロークとハマーは敵ではないということなのか。。
やはりミッキー・ロークによるレース場での強襲では、アクション映画的にもヒーローものとしても「アイアンマンより圧倒的にパワーが上のアーマーを着たミッキー・ロークの前に、フルパワーのトニーは完敗!」しなきゃ駄目だろう。そこをSHIELDでも何でも良いけど一旦助けてもらって、アーク・リアクターを直す事でパワーが数倍に上がって、一人で何でも抱え込みがちなトニーがウォーマシーンと協力することでミッキーロークに何とか辛勝!協調性を学んでアベンジャーズ結成に一歩近づく‥的な感じにして欲しかった。
そして暗躍するハマーの卑怯な手にも苦しめられて欲しかった。
またハマーに協力を求められたミッキー・ローク演じるイワンが「鳥をくれ‥」「俺の鳥だ‥」「鳥を‥」と、うわ言のように白い鳥を欲しがるくだりが訳わからなさすぎる。
どうやらロシアで飼ってた自分のオウムを持ってきて欲しがってるようなのだが、ハマーは面倒くさいので似た鳥を買ってくる。
イワン「ふふふ‥俺の鳥じゃない‥」
ハマー「い、いや、これは君の鳥だよ♫」
イワン「‥俺の鳥じゃない、ふふふ‥」
てっきりイワンが怒ってニセの鳥を殺したりハマーの部下を殺したりするのか‥と思ってカットが変わるとニセのオウムを普通に可愛がりまくっている。
自分の鳥じゃないと駄目なんじゃないんかい!
というか、最初からハマーが本物の鳥を持ってきたって設定で良かったんじゃないのか。
ミッキー・ロークは全体的に不敵な笑みを浮かべて、鳥を欲しがる得体の知れないキャラだった。
アイアンマンに敗れて収監されても不敵な笑みを浮かべている‥大物なのか?
違う。何の手立てもないのだがとりあえず不敵に笑ってるだけだった。
「エクスペンダブルズ」で、ヨダレ垂らしながら訳のわからんたわ言をブツブツ言うキャラをやってたが基本的にあのキャラと同じだ。
俺の想像だがミッキー・ロークはエクスペンダブルズでも本作でもアドリブで喋ってるのではないか?鳥のくだりとかも。で、何か怖いからNG出せないまま素材を使って訳のわからんシーンが出来上がったのでは?
こんだけ不敵な笑みを常に浮かべてるキャラなんだから、めちゃくちゃ強くないと割に合わないんだけど、さっきも言ったようにめちゃくちゃ弱いので「‥なんなんだよ!」という気持ちが爆発しそうになり段々、可笑しくなってくる。
終始、不敵なキャラのまま暗躍し、普通にフルパワーじゃないトニーに敗れ、ハマーと手を組み不敵な笑みでわかりもしないマイコンのキーボードを適当にガチャガチャやってパワーアップし‥そして普通に負けて不敵なまま即死した。
いや、何なんコイツ!
対するサム・ロックウェル演じるハマーはかなり良かった。
うさんくさいイノベーション好きの社長っぽい物言いが凄く面白かった、やっぱりミッキー・ロークのキャラが普通に強ければ面白くなった気もするが‥もう今となってはミッキー・ロークが弱すぎることが逆に面白くなってきたのでどうでもいい。

🔨本作中盤のトニーは荒れており、アーマーを着たまま泥酔し、パーティ客の前でリパルサーで遊んだり(危ない!)アーマー着たままオシッコしたり、ウォーマシーンと喧嘩したりという何だか、法事で親戚のおじさんが酔っ払って醜態を晒しているかのような残念な感じで荒れている。
きっと、トニーに寄り添って考えれば、死が近づいてるのに世論にも叩かれて泥酔してヤケになっただけなのだろうが感じ悪いことには変わりはない。
あとペッパーの機嫌を取ろうと優しい八百屋さんから苺を買うのだが「手渡しは嫌いだから助手席に置いてくれ」と言う(この台詞も意味がわからない)ペッパーは「私、苺アレルギーなんだけど」と言う。トニーは、ペッパーが出ていった後、不発だった苺をゴミ箱にドカーッ!と捨ててしまう。貧困な僕は「ああっ高価な苺が!」と思った。正直めちゃくちゃ感じ悪い。
前述のミッキーロークのくだりとか、不必要なトニー感じ悪描写とかもそうだが、本作の制作に疲れ切ったファブロー監督の迷走が全部そのままフィルムに焼き付いてしまったかのように思える。

🔨最後のフューリーによるアベンジャーズ加入試験の結果「『アイアンマン』は合格。しかし『トニー・スターク』は性格に難ありで不合格」と言われてしまう。
何だか「もう僕はこのシリーズ疲れたよ」というジョン・ファヴローの心とリンクしたかのような結末だ。
初お披露目のブラックウィドウの各種シーンもMARVELに「入れてくれ」と言われて無理やり入れた感がめちゃくちゃ強かった(というかトニーの体調を見に来るだけならナターシャじゃなく、もっと普通のSHIELD隊員でいいだろ)
トニーが全編「何をどうしたらいいのかわからない」といった感じのゼロの無表情で右往左往しながら自分個人の問題(病気)を解決し、めちゃくちゃ弱い敵を倒してアベンジャーズ試験に普通に落ちるという印象の映画だった。しかし思いのほか楽しめてしまったのも事実だ
トニーが途中でエキスポに来てたアイアンマンマスクを被ってた少年を助けるのだが、これがMCUスパイダーマン/ピーター・パーカーじゃないか?という後付けファンミームがあって、ケビン・ファイギもリップサービス的に「そうだよw」とか言ってたが世界が狭く感じるのでそういうのはあまり賛成しない派です。
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました (2014)」 今さら観て面白かった。主人公が明らかにキレすぎた場面の魅力 - gock221B

 

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アイアンマン3』 (2013)

原題:Iron Man 3 制作スタジオ:マーベル・スタジオ 製作:ケヴィン・ファイギ  監督&脚本:シェーン・ブラック 原作:スタン・リー、ラリー・リーバー ドン・ヘック、ジャック・カービー
製作国:アメリカ 上映時間:133分 シリーズ:「アイアンマン」トリロジーマーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

「アイアンマン」トリロジー完結作。MCU7作目。フェイズ2の一発目。
アイアンマン2」を作って疲弊しきったファブロー監督が抜け、代わりにシェーン・ブラックが監督した二本目の映画となる本作は大ヒットした。
シェーン・ブラックのデビュー作「キスキスバンバン」ではダウニーJrが主演しているし既に息もあっていたのだろう。
フェイズ2は、単純明快だったフェイズ1とは少しノリが変わってMCU世界そのものを揺り動かすような話が多く、また各作品自体も色んな方法を試して試行錯誤していた印象がある(ちなみに僕はこのフェイズ2の間、完全にMCU疲れを起こして惰性で観ていたがフェイズ2最終作「アントマン」で元気になった)

 

Story
1999年トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)はスイスの晦日パーティで、遺伝子の未使用領域を活用して能力を向上させる新技術エクストリミスを開発中の植物学者マヤ・ハンセンレベッカ・ホール)と一夜を共にして、同時刻にA.I.M.の創設者アルドリッチ・キリアンガイ・ピアース)の熱烈な交渉を受けるがうっとうしかったので彼を寒い屋上に待ちぼうけさせ屈辱を与える。
トニーはこの時、自らの人格によって悪魔を誕生させた。
2012年、「アベンジャーズ (2012)」でのNY決戦の勝利から1年…トニーは人知を超えた見えざる敵の脅威に怯えて心身共に疲弊しており、一心不乱に新型パワードスーツの開発をしてしまうアーマー依存症とでもいうべき状態になっておりパニック障害不眠症も患い、恋人兼共同経営者のペッパー・ポッツグウィネス・パルトロウ)を心配させる。
かつてトニーに酷い扱いを受けたキリアンはマヤ・ハンセンのエクストリミスの研究を続けておりペッパーに共同開発を持ちかけるが、軍事利用を危惧したペッパーは拒絶する。
また、世間では連続爆破テロを行っていた凶悪テロリスト、マンダリンベン・キングズレー)から攻撃を受け、全てを奪われてしまうが…。

 


🔨この「アイアンマン3」が一番他のMCU映画と違うのは「MCUというのはとりあえず置いといて、一本の映画としての完成度を目指す」という方向に力を注いでいる‥様に見える事だろう。
シェーン・ブラックが「後に続く作品の事とか一切考えずに作った」と言ってた気がするが、確かにトニーがまるでアイアンマンを辞めちゃうかのようなラストでもある(勿論、全然辞めない)
「単なる映画好きの人には面白いが、原作ファンは盛り上がらない要素」が多い。
「原作にも存在するアイアンマンの強敵マンダリンが満を持して出てきたが、マンダリンは実在せず只の俳優が演じていただけ」「マンダリンは存在せず、ラスボスはオリジナルキャラ」「ラスボスにトドメを刺すのはアイアンマンではなく一時的にスーパーパワーを得た一般人ヒロイン(ペッパー)」「トニーがペッパーへの愛の証として生き残ったアイアンマンアーマーを全て花火のように爆発させるロマンチック演出」などがある。
どれも意外性があったり女性キャラが活躍する事を好むシェーン・ブラックっぽくて、映画として面白い。
‥面白いが「MCUという大きな流れの中の一本」「アメコミヒーロー映画」として考えると何だかパッとしない印象になる。
現にこのアイアンマン3に対しては大好き!という人と最悪!という両極端な評価が見られた。
僕はというと「SFアクション映画、シェーン・ブラック映画としてはかなり面白い」が、やはりMCU映画として考えるとパッとしない。自分の中で映画好きの自分とアメコミ好きの自分が分裂する感じだ。そういう人は他にもいると思う。
たとえば前述最後のアーマー花火なども「ロマンチックだな」と好意的に思う自分と「一体何億円もするアイアンマンを感情的に爆破して‥やっぱり苺をゴミ箱に捨てるような奴の心はわからんわ」と否定的に思う自分とに分裂してしまい分裂症になったような気分になる。

🔨と言っても丸っきりアメコミヒーロー要素やアイアンマン要素が薄いわけではなく、病んでしまったトニーが、かつての自分のような発明好き少年と触れ合って物づくりの楽しさを思い出して敵に立ち向かう。要素などはかなり「良いトニー」っぽさが出てた。
ダウニーJrが「トニーは、スーツがなけりゃ只の人」という弱点を何とかしたかったらしく、アーマー依存症になっていたトニーが少年との出会い以降は生身で闘う場面を多くしたんだっけ?正直そんな事しなくてもアーマー作った時点で超人なので気にしなくても良いと思うが、まあアーマーに頼るようになってた自分の弱い心を何とかしたかったんでしょうね。
アーマー依存症によって、トニーの繭と化していたアイアンマンスーツを脱皮して、新しいトニーになったと認識したトニーが最後に一作目オマージュで、浮かれた感じの一作目とは違い落ち着いたトーンで「私がアイアンマンだ」というラストも良いです。

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🔨ラスト、話が全部終わってトニーが、まとめの語りに入って「道を違えてしまった者も‥」という部分で、冒頭にもチラッと映ったトニーに遊ばれてめちゃくちゃ寂しそうな顔するマヤ・ハンセンと、本編では映らなかったがトニーから屈辱を受けたキリアンが自殺しようと下を観てるカットが一瞬映る。マヤもそうだが、キリアンの顔があまりにも哀しそうすぎて今回久々に観て泣きそうになった。
キリアンはトニーに恨みを持った、この直後からヴィラン化して無差別殺人とかする悪人になったのは悪だし本編でもムカつくので「やった!ペッパーがカスのキリアン殺した~」と彼の死を無邪気に喜んでたのだが最後のこの表情見たら、この瞬間だけはトニーと会話できるのを純粋に待ってたら騙されたことに気づき哀しみで自殺しようとしてる顔で、彼は屋上から下を観たら誰も自分を観ていないことから「じゃあ誰も俺を見れなくしてやる」と表に出ないテロ活動を思いつく。
そこからはヴィラン化してるので同情の余地はないが、その寸前のこのカットからは「トニーに騙された‥会ってくれるなんて全部嘘だったんだ‥😪」というキリアンの哀しみがドッと自分の中に入ってきてめちゃくちゃ悲しくなった。
結局我々の殆どはこの大晦日のキリアンと一緒で、望むものの殆どは一生手に入らず、誰かを誘えばこのように死ぬまで待たされる。そしてしばらくしてようやく「信じるなんて‥俺ってバカだった‥」と気づくのだ。真正面から約束を断るなんてことは望むべくもない(面と向かって断るのは面倒だからな)このトニーのように約束して放置するのが世の常だ。思いがけず大晦日キリアンに感情移入してしまった。
このカットを冒頭や本編じゃなく、既にマヤやキリアンが死んだ安心タイムに出してくるのがシェーン・ブラックっぽいなぁと思った。

🔨ポストクレジットでは、本編を語って聞かせていたという設定のトニーの話の前半でハルク/ブルース・バナー(マーク・ラファロ)が寝てしまっていたというオチ。
僕は初見の時マーク・ラファロだとわかったのだがわからなかった人も多かったという。
だが今回、再見してこのシーンのラファロはこれ以降のブルース役のもじゃもじゃヘアとは全然違うスタイルをしているので初見時にわかっていたのにも関わらず何度ももじゃもじゃブルース役を見慣れた今観るとラファロだとわかりにくかったのが面白かった。
‥これ言ってる意味わかる?説明しにくい‥
社長3はエンドクレジット映像がめっちゃカッコよくて好き

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🔨一作目=普通に名作。二作目=失敗作‥だったけど何度も観てるうちに珍妙な部分が楽しくてめっちゃ好きになってきた。三作目=一本の映画としては面白いがMCU作品の一本として観てはイマイチ。
という結論に達した。観る度に最初駄作としか思ってなかった2の評価が高まっていく。2の潜在能力が高い。

 

 

そんな感じでした

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Iron Man 3 (2013) - IMDb

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