gock221B

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「ツイン・ピークス The Return (2017)」第3章/クーパー、裕木奈江の助けで25年ぶりに現世に帰還

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原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 3) 通算第33話
監督:デヴィッド・リンチ 
脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ

 

 

 

前回までの「ツイン・ピークス」は‥
★ルース・ダヴェンポート殺しの容疑者ビルの妻フィリスが、クーパーの悪のドッペルゲンガーに殺害される。彼は連れ回していた女ダリヤも殺害しシャンタルという仲間の女に処分を頼む。
★ブラックロッジに囚われていた本物のクーパー捜査官は、ローラ・パーマーや片腕の男マイクや「腕(踊る小人が進化した存在)」たちの助力もあってブラックロッジを25年ぶりに脱出する

 

※ネタバレ全開です 

 

新しい異次元空間
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前回、ブラックロッジを脱出→宇宙っぽい空間→NYの「ガラス箱の部屋」‥を通過した本物のデイル・クーパーカイル・マクラクラン)は再び宇宙空間のような空間を落下中。
落下した先はブラックロッジとは違う新しい異次元空間。
建物があった。空は曇天で、建物の前には海が広がっている。
建物の中に入ると、暖炉とソファー、そして壁に設置されたイレイザーヘッドめいた謎の機械があった。
ここがどこかよくわからないので、今は外宇宙と呼ぼう。
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部屋には、喋ることができない日本人の目のない女性(裕木奈江)がいた。
クレジットで役名を見ると「naido(ナイドー)」とある。
※追記:裕木奈江さんのツイートによると「瞼を縫い閉じられた女性」という説明があったそうなので恐らくnaidoの瞼の下には普通に眼球があるのだろう。「naido」という重要な意味について裕木さんはリンチから「重要な意味があるけど絶対に他人に言ってはいけない」という条件で聞いたため今後も明らかにできない模様
インランド・エンパイア」に裕木奈江が出た時、彼女はテリー・クルーズのパートナーのホームレスみたいな役で訳の分からない事を言っていた。「フリークスや気が触れた者好きのリンチは、裕木奈江‥白人に比べて異常に若く見える日本人女性をフリークスとして捉えてるな」と思った。だから本作のキャストに裕木奈江がいると知った時も「裕木奈江はブラックロッジ住人の役とか、普通じゃない役に違いない」と思った。ブラックロッジ住人じゃなかったが普通の人間じゃないのは当たった。しかし目を覆っているので誰だかわからないのが残念だ。
裕木奈江はクーパーを先に進ませないようにしてたが、クーパーの意思が堅いと見るや協力しはじめクーパーを階上へ連れていく。
部屋から階上に出ると、四方八方を宇宙空間(のような空間)に囲まれており、今まで居た部屋は倉庫くらいの小さな箱の中になっている。建物の入り口に入る前と屋上から出た後は別の空間に繋がっている。
naidoはそこにある現代美術めいた醜い機械のレバーを引くと、彼女は感電して宇宙空間のような空間に落下していく。
そして宇宙空間に行方不明の(というかクーパーのドッペルゲンガーに殺された疑いのある)ガーランド・ブリッグス少佐の顔面が宇宙を漂い「青いバラ」とクーパーに告げる。
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青いバラとは劇場版にて動作だけでメッセージを告げるFBIの赤髪の女性が示していた符号だ。FBI内でゴードンなど一部の者だけが使っているが未だ謎
部屋に戻ったクーパー。そこには中年の白人女性がいた。
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※追記:後でクレジットを見てわかったが、彼女はローラ・パーマーが殺された時に一緒に居た援交女子高生ロネット・ポラスキーを演じていた女優だった。しかしこのキャラは役名が「アメリカ人女性」となってるのでロネット本人ではないらしい。同じ女優をわざわざ別人にしたのは意味ありそうだが今はわからない
ロネットっぽい顔の女はブラックロッジ住人のように逆回転喋りで喋る。
クーパーに「急いで先に進め」「私のママが来る」というような事を言う。
確かに、さっきから何者かが戸をノックしている。ママとは何者なのか。
真夜中の弥次さん喜多さん」でこんな場面あったな。
クーパーは靴を落としながら壁に設置されたイレイザーヘッドめいたコンセントのような謎の機械に吸い込まれていった。
 


サウスダコタ州バックホー / ネバダ州ラスベガス / ブラックロッジ
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サウスダコタ州のハイウェイ🚙
クルマを運転中のクーパーの悪のドッペルゲンガーは気分が悪くなり嘔吐して車は横転。
恐らく本物のクーパーがコンセントに吸い込まれて現世に還ろうとしている影響だろう。
ドッペルゲンガーのクルマの‥なんというか穴?クルマに付いてるライター的な穴にやたらカメラが寄ってたのは、こっから真クーパー出てくるかもよ~的なやつか。
横転した車の前にブラックロッジのカーテンが浮かんだり消えたりしている。
そのままドッペルゲンガーは失神して、警察に保護される。
ネバダ州ラスベガス:一軒家🏠
悪のドッペルゲンガーとはまた別の、少し太ったクーパーの容姿と同じ声を持つ第三のクーパーが登場。
娼婦らしき黒人女性、自称ジェイド様と楽しんだ後のようだ。
クーパーよりもロン毛で派手なスーツを着ておりフクロウの指輪を付けている。女好きでチャラチャラした男という印象。真面目な本物のクーパーの印象から遠い。
第一話のガラス箱の部屋で殺されたカップルの女もセクシーな裸を晒していたがジェイド様も裸だった。どちらも凄くエロくてカッコいい身体を意味なく晒していて、リンチの精力は未だ健在だなと思った。
この3人目のクーパーはダギー・ジョーンズカイル・マクラクラン)。
ダギーは、ジェイド様がシャワーを浴びている間に、悪のドッペルゲンガーと同じように黄色と黒の吐瀉物を吐いて昏倒。この世から消える。
ブラックロッジ
次の瞬間、ダギーはブラックロッジに居た。
片腕の男マイクはダギーに「お前は利用されるために作られた存在だ」と言う。
ダギーの左手が収縮していき、ブラックロッジの指輪を残してダギーは黒い炎となって焼失。
後には金の玉だけが残った。指輪と金玉を回収するマイク。
※追記:現在ドッペルゲンガーが使用しているクーパーのボディに本物のクーパーが戻ってきたら自分がブラックロッジに送り返されてしまう(たぶん)。
だからこのダギーとは、悪のドッペルゲンガーが用意した真クーパーが現世に戻ろうとした時に強制的にそっちに入る用のドッペルゲンガーだったんだろう。悪のドッペルゲンガーにとっての避雷針みたいなもんか。
そもそもツイン・ピークスの指輪って何のためにあるアイテムだったっけ‥。忘れた。いや、まだ謎だったような気もする

ネバダ州ラスベガス。さっきのダギーが消えた部屋🏠
コンセントの穴から本物のクーパーが出現。
本物のクーパーはダギーと入れ替わる事で25年ぶりに現世に帰還できた。
ダギーのほうが若干ふっくらしていた以外は顔がほぼ同じなのでジェイド様もクーパーをダギーとして接している。
通りではライフルでダギーの命を狙っている男たちがいた。ダギーも命を狙われるような人間だったらしい。
近所の家で「119!」を連呼する子連れのジャンキー女性もいる。

 

ワシントン州ツイン・ピークス🗻🗻
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ツインピークス保安官事務所👮
ローラ・パーマー事件の時の証拠品を広げて丸太おばさんの丸太のお告げに繋がるヒントを探すホーク保安官補長アンディ・ブレナン保安官補受付嬢ルーシー
25年前、ローラの部屋から押収されたチョコレートを食べてしまったとルーシーが嘆くギャグシーン。今回ハリーが出ないので、ホークが一人でツッコミ役と乗っかり役の2つをやってて大変そうだ。
デヴィッド・リンチがよくやってた、田舎者や善人過ぎる者や認知症の老人や気狂いやジャンキーやフリークスをいじる牧歌的なギャグシーン久しぶりに見た。このリンチだけにしか出来ない天然いじりはブコウスキーのそれに匹敵する上手さ。僕は2人の作家の天然いじりから多くの影響を受けた。
この場面は警察官が揃って「行方不明となったらしい誰だかよくわからない人物に繋がるらしい何だかよくわからないもの探している」という気が遠くなるようなシーンでもあった。
★森🌳
ローレンス・ジャコビー
が第一話で買った大量のスコップを金色に塗装している。
自作の「スコップ塗装マシーン」を使ってることから見て、よくやってるらしい。
ジャコビーの世界に全く入っていけないので、そろそろ何をしてるのか教えて欲しい。海外のネットでは「ジャコビーは最終回までシャベルを塗装してるだけでは‥」とネタにされていた

 

 

ネバダ州ラスベガス
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「シルバー・マスタング・カジノ」❼❼❼
ダギー(クーパー)をカジノに連れてきてくれたジェイド様は、ダギー(クーパー)に5ドル渡して去っていった。
クーパーは25年ぶりに現世に帰ってこれたが記憶喪失‥というか殆ど何も出来ないレベルのアホになっていた。
ダギー(クーパー)はジェイド様に貰った5ドルでスロットマシンをプレイしようとするが、クーパーには当たりが出るマシーンがわかる(当たりが出るマシーンの上にブラックロッジの幻が見える)
次々とジャックポットを当てるクーパー。当たる度に「ハーローォ!」と絶叫。
つられて近くにいた汚いババアも大当たり。良かったね。
本来のクーパーが好きなので早くこのアホ状態を脱して欲しい。いや、まずは現世に戻ってこれた事を喜びたい。第1話を観た時「ひょっとしてクーパーが最終回までブラックロッジにいる可能性もあるかもしれない」と恐れていた。それよりはマシだ

 

FBIフィラデルフィア支部ワシントン州ツインピークス🗻🗻
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★FBIフィラデルフィア支部🏢
FBIのゴードン・コール副所長デヴィッド・リンチ)、鑑識官かつアルバート・ローゼンフィールド捜査官ミゲル・フェラー)。
お気に入りのガムが新しくなってカムバックした。
ちなみにミゲル・フェラーは本作を撮影後亡くなったのでこれが遺作。
当時旧シリーズを見ていた僕の、クーパーに次ぐ好きなキャラはアルバートだったので、亡くなったのは残念だがギリギリ本作にアルバート役で出れたのは良かった。
そしてもう一人は新キャラ、タミー・プレストン捜査官(クリスタ・ベル)。
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この美人のタミー役を演じてるのはデヴィッド・リンチがプロデュースした歌手のクリスタ・ベル。いかにもリンチが好きそうなクラシックな絵画的美人だ。
彼らはNYの「ガラス箱の部屋」で見つかったカップルの惨殺死体の件を会議中。
カップルの惨殺死体は前回同様モノクロ処理されている。有料放送なのにわざわざ劣化した加工を施してるWOWOWは一体何なんだ?普段ホラー映画とかは普通に放送してるだろうに。。
ガラスの部屋の持ち主などは一切不明。指紋も残っていない。
部屋を撮影していたフィルムに一瞬、カップルを喰い殺したバケモノが写っていたが、それ以外は謎だ。
バケモノの写真など幾ら映っていても証拠にならないので証拠品とはいえない。
そこへ「サウダコタで25年前に行方不明になったクーパー捜査官が見つかった」という報告が入り、心底驚くゴードンとアルバート
もちろん車で横転した悪のドッペルゲンガーの事だ。
後日、三人は面会に行くことになった。
アルバートは「存在の不可思議な力ってやつは理解不能な謎だな。」と江原正士の良い声でつぶやく。
旧シリーズで好きだった非常にアルバートっぽい遠回しで大仰な言い回し。
なんだか嬉しくなった。
ゴードンの部屋には水爆実験カフカの大きな写真が飾られていた。
ツイン・ピークス:「ロードハウス」🎵
The Cactus Blossomsとかいうバンドのライブシーンで次回に続く
Twin Peaks - The Cactus Blossoms ("Mississippi") - YouTube



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そんな感じで、この回はクーパーが不思議な空間を抜けて25年ぶりに現世に帰還する様子が描かれる。
第1話、第2話同様に、説明のない異次元空間、超常現象、もしくは普通の人が普通の事をしていても一体何をしてるかわからないシーンばかりなので曖昧な印象が強かった。
といってもリンチファンなら何となく言いたいことの方向性はわかる。
裕木奈江も見れたし。
ブラックロッジに囚われた人間が現世に還ってくるには、こういう複雑な経路を通らなければ戻れないんだなという事がわかった。


そんな感じでした

★「ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
#1
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Ost: Twin Peaks

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Ost: Twin Peaks

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