gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『トマホーク ガンマンvs食人族』(2015)/食人族の無音の接近が怖すぎる。他の何にも似てない映画💀

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原題:Bone Tomahawk 監督:S・クレイグ・ザラー
製作国:アメリカ 上映時間:132分

 

 

面白いという噂を聞いたしカート・ラッセルも好きなので観てみたが、実際めちゃくちゃ面白かった。
タイトル通り西部劇+食人族ホラーという感じの映画。
前半の荒野探索が長く、ホラー部分は凄く短いのだが凄くインパクトある。
しかもあまり似てる映画が思いつかない。
無理やり何か他の映画に喩えて言うならイーライ・ロスが超低予算で西部劇版「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」をゴアシーンありで撮った、みたいな感じ?
あまりジャンル映画のお約束に沿って作られてないオンリーワンでオリジナルな感じが良かった。

 


STORY
アメリカの荒野にある小さな田舎町で、複数の住人が忽然と姿を消した。
さらに空き家の納屋で、惨殺された男性の遺体が発見される。
現場の遺留品や遺体の状態から、犯人は言葉を持たず「女は実の母親ですら犯して殺して喰う」という洞窟に住む恐ろしい食人族として恐れられている原住民であることが判明。

市長と同格以上の権限を持っている保安官フランクリンカート・ラッセル)は、片足を骨折している攫われた女医の夫アーサーパトリック・ウィルソン)、老いた副保安官南北戦争でインディアンを殺しまくった経験を持つ武装紳士ブルーダー‥それら4人組のチームを結成し、さらわれた者達を救うために荒野を進んで食人族の棲家である洞窟へと向かう。
そこで彼らを待っていたのは想像を絶する地獄の様に恐ろしい光景だった――

 
冒頭、夜盗の二人組が盗みを行ってると突然音もなく現れた食人族にブッ殺される。
夜ではなく真っ昼間、しかも真正面から出てくる。だが逆光で少年漫画に出てくる未知の敵キャラの様に「真っ黒いだけの人影」が出てきて夜盗を殺す様に、ワクワクが高まった。
次に登場人物達のキャラ紹介が始まり食人族達は当分出てこないが凄く面白い。
中盤、攫われた女医達を救うために4人組が捜索に出かける。
この小旅行でメインキャラ4人の考え方や人となりが更にわかって面白い。
夜、寝ていたら突然知らないメキシコ人2人が近寄って来る。
保安官たちは警戒して銃を向けて、メキシコ人たちの銃を捨てさせる
保安官「よーし、じゃあゆっくりとこっちに向かって歩い‥」バンバンバン!
「こいつらは夜盗」だと確信した武装紳士ブルーダーが勝手に撃ち殺してしまった。
揉める4人。。
次の人の夜、寝ているオドワイヤー氏が物音で目覚めると、、
‥ブルーダー紳士がいきなり野党にブスブスと刺されている!
馬鹿な!いきなり刺されているーっ
仲間は慌てて撃ち殺しブルーダーも軽傷で良かった。
しかし全員の馬は盗まれてしまった。。
最初の夜のメキシコ人たちは夜盗だったのか?それとも無実の者だったのか?
翌日に復讐しに来たやつは前日、無抵抗で殺されたメキシコ人の仲間が復讐に来たのか?それとも最初から夜盗だったのか?全然関係ない奴だったのか?
全てわからない。そこが面白い(まあ、夜盗だろうけど)

 

そして本作はこのように、何かに襲われる時は何の前触れもなくカットが変わると敵が音もなくこちらに猛ダッシュで近寄って来てたり(そいつと目を合うとめっちゃ怖い)あるいは気付いた時は既にブッ刺されてる最中だったりして、めちゃくちゃ怖い!
現実でも、誰かに襲われる時は高まったBGMが流れたりSEが鳴ったりカメラが襲撃者にズームしたりはしない。
その現実のように、本作の襲撃されシーンは何の前触れもなくて気づくと襲われており、臨場感がめちゃくちゃ高い。
後半は、食人族の洞窟に辿り着いて本当の闘いとなる。
ここからが本番でめちゃくちゃ面白いし衝撃的なんだが、まだ観てない人がこの感想で知ってしまうのは勿体ないので書かんとくわ。
「こいつは死ぬかな?」「こいつは生き残るのでは?」という予想も上手い事外されるし、脚本がかなり練られてる。
カート・ラッセルパトリック・ウィルソンのギャラに製作費をつぎ込んでしまったのか映画の前半は歩いたり寝てばかりの渋い映画だが、とにかく起きる出来事やら会話やらがリアルで飽きさせない(そういえば、せっかく持ってる事を強調してたダイナマイトも一回も使わなかった
でも終盤のゴアシーンは何も派手な事が起きない中盤を補って余りあるほど恐ろしい。

 

この映画に限らず、食人族って怖くて嫌いだわ~。
しかし悪人や殺人鬼と違って、食人族は彼らの常識だとされる食人をしてるだけなのでピュアな野蛮人ではあっても邪悪な人間ではない。
だけど文明人の仲間がまるで食材みたいに雑に引きちぎられたり食われたりするとムカ~ッとして「ぶっ殺してやる!野蛮人ども!」と思わせられる。
悪人やゾンビに対して思う感情とは違うムカつきが湧いてくる。
「我々の種が攻撃されてる!何とかしないと」的な本能から来る感情か?
よくわからない
そして次の瞬間に「いや彼らは彼らの常識に乗っ取って行動してるだけで‥」と自分の中の「原住民にも理解ありたい自分」が目を覚ます、そして次の瞬間に「知るか!ブッ殺してやる!なるべく銃器などの近代的な道具でな」と思ってしまう。
食人族系の映画は大体いつもそんな感じで思考が右往左往する。
だけど、この映画の食人族は同情や理解を示す必要がないほど邪悪な食人族として描かれてる感じだった。
〈そういう習慣の異文化の原住民〉なんていう生易しい原住民ではなく「こいつらは根絶やしにしとかないとダメだな。俺らが寝てる時にいつ食われるかわからん」と思ってしまうタイプの食人族。
興味あったら自分で観てほしいので面白い後半について殆ど書けなかった。
それにしても、この映画は怖かった。。
一切理解できない文化を持つ‥犯して殺して喰う以外のコミュニケーションを持たない食人族が、真顔かつ無音で猛ダッシュしてくるのは怖すぎる(裸足なので音がしない)
しかも、この監督はこれが処女作って凄いね。
中盤までは西部劇っぽくて、終盤は一気にジャンル映画っぽくなって、妙に骨太のアメリカ映画っぽく終わる。
とにかく観てほしい

 


そんな感じでした

〈S・クレイグ・ザラー監督作〉
『ブルータル・ジャスティス』(2018)/メル・ギブソン演じる絶滅危惧種の白人初老男性の今はもう誰にも求められてない、時代に取り残された暴力マッチョっぷりが今のジェームズ・ボンドみたいで儚いセクシーさを感じて良かったです🚛 - gock221B

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Bone Tomahawk (2015) - IMDb

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『ダークハウス』(2015)/悪魔の強さ=人間が連帯できないところ┃ジェームズ・ワン制作オカルトホラー映画8本総括👿

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原題:Demonic 監督:ウィル・キャノン
制作国:アメリカ/イギリス 上映時間:83分

 

ジェームズ・ワンが制作に関係したオカルトホラー映画を色々観てきたが、まだ観てないのがあったので観た。DVDスルー作品。
詳しい概要はよくわからないが「ライト/オフ」みたいな感じで、ジェームズ・ワンは映画製作自体にはあまり関わってないけど配給に力を貸してフックアップした感じの映画かな?

Story
幽霊屋敷と呼ばれている廃屋で、心霊現象を研究している数人の若者が惨殺された。
捜査を担当するルイス刑事は精神分析を得意とする恋人クライン博士(マリア・ベロ)を現場に呼び、唯一の生存者ジョンから事件の真相を聞き出そうとする。
ジョンはクライン博士に「皆、降霊会で呼び出された悪魔に殺された」と話し始めた。。

みたいな話。
大作に幾つも出てる様な有名な俳優はマリア・ベロくらいしか出てない。
多分すごく低予算映画なのだろう。
幽霊すら殆ど出てこず、心霊現象もモロに霊とかは出て来ずに見切れでチラッとだけ見えるような撮り方や、機器の不調とかで色々工夫していた。
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映画の冒頭で、降霊会をしていた若者たちの殆どは死んでしまっている。
唯一、生き残って保護されたジョン。
そして現場からはジョンの恋人ミシェル、そして彼女の元カレでジョンとは犬猿の仲である心霊研究会リーダーのブライアンの遺体が見つからない。
本当に憑りついた悪魔が殺したのか、それともジョン、ミシェル、ブライアンの誰かが犯人なのか?
という真相が、ジョンがクライン博士に語る回想シーン、屋敷のあちこちに設置してあったカメラやメンバーが手に持ってたカメラ等のPOV映像などで描かれていく。
ホラーというよりは殆どミステリーものみたいな感じ。
幽霊とか心霊現象などをバンバン描けない代わりに、現在進行形の捜査や尋問、回想やカメラ映像による過去の描写が巧みに入れ替わる。
この時制の入れ替わり方やタイミングが、かなり上手いので映画の中で殆ど面白い事は起きないにも関わらず興味が持続する。
‥という派手な事は起きないという前情報を知ってて、オカルトとミステリー両方が好きな人ならそこそこ楽しめる。

 

 


他人に説明できないものに対して我々が出来る事は何もない
やりくり上手っぽさ以外の映画的な面白さ的には、ラストが良かった。
この映画は刑事や警察や学者等の、この世で一番のリアリストたちが万物の理に乗っ取って合理的に捜査を進めていき、それによってどんどん真相が明らかになっていくのが面白かったわけだが、最後の最後で科学の枠を超えたものが出てきて終わる。
そこに至って主人公の刑事と学者のリアリストカップルが最後に言う
説明できない。無理だ」という台詞の絶望感が凄くて不思議なカタルシスがあった。
警察や学者などの人‥ひいては現実に生きる我々は、起きた出来事の証拠を見せたり他人に明確な説明が出来て初めて「それは起こった」という説明になるのであって「説明できない限り悪魔が出現しようが世界がもうすぐ終わろうとしていようが、誰も説得できないし滅亡の寸前まで我々は連帯できない」というラスト。ここに凄くしびれた

‥と書くと何となく面白そうに聞こえるかもしれんが、自分はいろいろ汲み取って観たからまあまあ面白かったが、どっちかというと面白くないと思う人の方が多いと思う

 


そんな感じでした

「死霊館 (2013)」Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良い - gock221B

「インシディアス(2010)」「インシディアス 第2章(2013)」2本続けて観た方が面白い。時空の流れに逆らって悪霊退治 - gock221B

「インシディアス 序章 (2015)」面白かった!監督が製作に回ったシリーズものや前日譚は大抵つまらないものだが本作は良かった - gock221B

「ライト/オフ(2016)」 それなりには面白かったが、短編と予告編で全てを出し切ってた印象 - gock221B

「アナベル 死霊館の人形(2014)」凄く良かった!決して悪魔を倒せない理由。隣の部屋と走ってくる幼女は怖い - gock221B

「死霊館 エンフィールド事件(2016)」何かもう横綱の相撲みたいな洗練されきった貫禄! - gock221B

「アナベル 死霊人形の誕生 (2017)」ジェームズ・ワン制作ホラー10本の中でダントツでつまらないノンアルコールビールの様な出来だった - gock221B

「インシディアス 最後の鍵 (2018)」凝ってて面白いがシリーズのファンじゃない人は楽しめないかも。〈彼方の世界〉のツインピークスっぽさ🔑 - gock221B

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「人魚姫 (2016)」チャウ・シンチー/中盤の子供みたいなデートが凄く良かったが、どの過去作にもあった終盤の爆発力はなかった🐟

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原題:美人魚 監督:チャウ・シンチー 製作国:中国/香港 上映時間:94分

 

ネタバレあり
強欲でイケメンの青年実業家リウ。

彼はリゾート開発に邪魔な、近隣の海辺にいるイルカなどの邪魔な海洋生物を追い払うために巨大なソナーを設置する(ソナーの近くに海洋生物がいたら音波で爆発四散してしまう強力なもの)。
そのせいで海辺にひっそり住んでいた人魚族は行き場を失い難破船に隠れ住んでいる。
リーダーのタコ兄はリウの暗殺を決意。人間に変装させた美しい人魚シャンシャンをリウのもとへと差し向けるが2人は恋に落ちてしまう。。
みたいな話

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前作の「西遊記」同様、チャウ・シンチーは出演していない。
この主演の人も良かったので問題はないのだが「まだ若いんだからこの主人公役はチャウシンチー本人でいいだろ」とか「イーストウッドは老人だから主演からの引退もわかるがチャウ・シンチーは普通に主演してよ」と、どうしても思ってしまう。
日本でも小林サッカーがヒットして、前作の西遊記までは公式サイトとか作って宣伝されてたが今回は何故か公式サイトすらなくて危機感ある。あまりに寡作で新規ファン層が連ならなかったのとチャウ・シンチー本人が出てないのも原因なのかもしれん。
ちなみに香港/中国ではとんでもない大ヒットしたから問題なし

チャウ・シンチー映画にいつも出てくる仲間の不細工なオッサンやオバハン軍団総登場。あと、貧乏、過剰な責め、美人に不細工な顔させる、一見ただの老人がめっちゃ強い、漫画やアニメのような演出やショボイCG‥などの得意技がふんだんに披露されていた。
チャウ・シンチー映画は毎回、ギャグ連発の序盤で始まって、すぐに異常に面白くなって惹きこまれて最終的には何だか凄い領域になって、序盤のしょうもないギャグがギャップとなって物凄く心に残る‥というのが毎回の恒例行事。
その感動の仕方や変移は個人的にタランティーノの「デスプルーフ」に似てると思う。
作風は全く似てないがチャウ・シンチータランティーノは何となく似た印象。
だけど本作の場合、過去作の様な終盤での爆発力は正直少なかったかもしれない。
その代わり中盤が凄くよかった。

序盤は鈴木則文っぽいノリの汚いギャグばかりで始まってだんだんシリアスになっていくいつものノリ。
ハゲでチビのオッサンのロケットパックが暴走するシーンで、ささきいさおが歌うゲッターロボ主題歌が流れて意表を突かれた。だけど他の本作のギャグはイマイチかな‥
人魚の娘が主人公リウをあの手この手で暗殺しようとして失敗しまくる。
ここで彼女が凄い顔でリアクションしまくってお得意の、不細工な顔を美人が披露するが「それが逆にカワイイ」みたいなシーンが連発される。かなり可愛い。
中盤で主人公二人はデートするが、強欲な主人公は幼い頃の思い出の鶏肉を喰って泣き出して、自然体のヒロインに対して徐々に心を開いていくという美味しんぼ展開。
鶏肉喰って号泣~歌合戦で付けヒゲが取れる(上っ面を剥がされる)~遊園地のアトラクションで子供の様にはしゃぐ2人~ロマンチックな感じで家まで送っていく
というデートシーンのくだりがめちゃくちゃよかった。
何がいいかっていうとストーリーは単純なんだけど、映像を見てるだけで主人公の心の移り変わりが一目瞭然で、演出などが「チャウ・シンチーって本当に映画好きだよな~このおじさん‥」という、チャウ・シンチーの映画愛への信頼度がハンパない。
そういったところに感動させられた。
具体的にどこがどうだからチャウ・シンチーの映画愛凄いというのは説明しにくいんだけど、それはまあ一目瞭然なので観てください。。
香港映画特有の「精神年齢は10~14歳くらいの男性主人公」の純粋さもジーンとした。
2人が遊園地で子供のようにはしゃぐシーンはギャグなんだけど物凄く感動する。
この映画は正直ここだけでいいかもしれん
2人の触れ合いは短いんだけど短時間で2人が恋に落ちた事を(強引に)納得させられた。
他の監督には無理な剛腕だと思った。

終盤は、主人公に惚れている強欲な金持ち女(ミラクル7号の美人教師役の人が演じている)の海洋生物研究チームが人魚族を狩ろうとしてクライマックスになる。
この映画は全体的に登場人物の考えや行動が、まるで絵本のキャラクターみたいに単純すぎるのが若干気になったが「まあ、この映画は御伽話みたいな寓話みたいなもんなんだろう」と思うと特に気にならなかった。
それにしても人魚族は下半身がサカナで人間味が少ないので多少、無茶しても大丈夫だろう、という「X-MEN フューチャー&パスト」的な感じで残虐趣味を爆発させていた。ヒロインがサカナ部分の下半身を巨大モリが貫通したり、人魚の面白オジサンが集団の人間達にカマでズタズタに斬り裂かれて大量出血と痙攣しながら絶命したり、か弱い人魚軍団も相当数、普通に銃殺されまくって「‥いや、そういう映画じゃないんじゃないの?」とギョッとしてしまった。魚だけに
全体的にはラブコメなのに、このクライマックスの人魚虐殺が残虐すぎるんだよね。
エヴァネルフ基地に自衛隊が突入してくるところを思い出した。
ちょっと、人間と人魚の関係が今後回復不可能なくらい人魚が殺される。
ババアがちょっと仕返しするがあまり意味はない(というか何でババアは最初から仲間を助けなかったの?)
こうなってくると違う意味が生まれてきて「‥二人の可愛らしい恋愛を単純に応援してていいのだろうか?」「人間と人魚の間に承服できないほどの溝が生まれてるじゃないか」という気持ちにもなってくる。
だから人魚狩りはもっとフンワリした「みんな捕まっちゃった~」程度にした方がよかった。
本当は台本には絶対、人魚弾圧のくだりへのフォローがたくさんあったはずだと思うが時間が足りないのとラブコメへ焦点が当たらなくなるから泣く泣くカットしたと見た。
主人公二人も殆ど致命傷に近いダメージを負ってるから、妙にお花畑なハッピーエンドを見せられても「これは2人とも死んで、本当はこうなりたかったという感じの二人が見た夢なんじゃないだろうか?」と不安にさせられた。
人魚弾圧はライトな感じにしといて、ラブコメに集中すべきだったんじゃないかな。
序盤~中盤のギャグシーンが多すぎる割には、主人公二人の恋愛パートの時間が足りなかった。というかギャグシーンは大して面白くないしあまり本編に絡んで来ないんだよね。。見世物小屋は全カットでいいだろう。
もしくは20分くらい上映時間長くして恋愛パートと主人公の奮闘と人魚弾圧のフォローを入れるべきだったんじゃないかな。

チャウ・シンチー監督作の中で順位付けするなら結構下の方だと思うが、それでも最後までぐわー!と目が離せない程度には面白かった。
とはいえ正直、失敗作の部類に入るかもね。失速して終わる「ミラクル7号」みたいな感じ
でも、こんな単純なストーリーとキャラクターでバトル描写もなくてCGもショボいのに(どういうわけか過去作よりショボかった)、最後まで絵本を読んでもらってる幼児の様に目が離せないのが凄い。何故なんだろう
やっぱ活劇の人、映画の人なんだろうね。
作品内容に偏りあるけど、この人はマジでスピルバーグクラスのパワーを秘めてる監督だと思うわ。。早く次回作が観たい

そんな感じでした

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鹿 🦌

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新年あけましておめでとうございます。
まあ、新年はどうでもいいんですが
北海道でアイヌについて調べているアイヌのお孫さんだという友達とアイヌの話をしていたら、マタギのおじさんが仕留めた鹿肉を先週送っていただきました。

シカ - Wikipedia

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で、冷凍していたそれを食ってみようと思い、それを冷蔵庫に移して一日かけて解凍した。
何で冷蔵庫で解凍したかというと実のところよく知らない。
常温よりこの方がいいらしいとどこかで聞いた。それより何となくカッコいいからだ。

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巻き付けてある紙を剥いてみると鹿肉はなかなか赤い‥。真っ赤だ
それは知っていたのだが片方は背中?っぽい肉だがもう片方はモロに脚だった。
解凍されて真っ赤でプルプルした、完全に「哺乳類の脚!」って感じの円柱状のその肉を切るために鷲掴みにすると「これが‥鹿の脚‥」と、鹿の全体像をリアルに思い浮かべて何だか恐ろしく思った。
普段、肉と言えばパックに入ってる牛豚鶏の何か‥よくわからない塊を食ってて動物の全体像を思い浮かべたりしないし、血に弱い俺は何かこう‥ビビらされるものがあった。
何か食の教育で、牧場に来た小学生のような事を思ってるなと思い赤面した。
またアメリカンホラー好きの俺は、手に持った鹿の真っ赤な脚を見て
「俺は別に鹿を仕留めてさばいて梱包しているところを観測したわけではない。この肉がもし人の肉だったりして」と妄想してみた。人肉の匂いも味も知らないのでわからない。。
勿論、ただの妄想だが真っ赤でプルプルした肉柱を手に持って、そんな事を考えていると気分が悪くなってきてフラッとしたので悪趣味な妄想はやめた。
ホラー映画は好きだが、現実の血は怖い。こけて血が滲んだだけでフラッとする
しかしもし仮に人肉だったとしても、俺は鹿だと聞いていただいたので気にせず全部食うけどね(デジタルな考え方)。俺は「オールドボーイ」観ても、終盤で主人公が苦悩するのを見ても「辛いだろうけど知らずにやったんだから仕方ないし忘れろよ」と思えてしまってオールドボーイを心底楽しめないタイプ。
この鹿の脚は何か、目で見たり手に持つと鹿の生命を感じすぎて怖えので先に食う事にした。

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送ってくれた子によると塩焼きがいいらしい。
5mm~1㎝くらいに輪切りにして、塩を揉み込んで強火で片面10秒焼いて裏返し、また10秒焼いて弱火にして血とか肉汁が出なくなるまで焼いた。
個人的にはは若干、中が赤っぽいのが好きなのだが「野生なのでよく焼いた方がいいです」と言われたので従ってよく焼いた。
鹿の味を確かめたいので香草とかかけず四切れだけ塩で焼いた。
一つだけあまり焼かれていない赤いやつを作った。
見た目が殺風景なので細かく切った玉ねぎとオリーブオイル微量をかけたが特に意味はない。

 

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関係ないけど年末から売ってるスターウォーズ珈琲のヨーダを食い物の横に置くと何となくうまそうに見える。ワサビに似ているからかもしれない。
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ちなみにSW珈琲はまだ売ってるので見つけたらストームトルーパーだけ買っている。トルーパーは何人いても構わないからな。
話がそれた。鹿の話だった。
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故意に中身をあまり焼かなかった一切れは何だかクジラっぽい味がした。
他のよく焼いた肉は、獣臭くもなく普通にうまかった。他の肉で喩えると牛肉の脂がないところに似ている?いや、よくわからない。あまり癖がないように感じた。
よく「鹿の肉は獣臭くてまずい!」みたいな話があるが、それは血抜きをあまりしていないものらしい。僕が送っていただいたやつは全く臭くなかった。だが肉自体は臭くないが、肉を焼いた後のコンロ周りは独特の肉の匂いがする(しかし嫌じゃない「お‥この一角、活気があるね」といった感じの臭い)
鹿本来の味は大体わかったので、香草とかワインかけたり醤油をかけたりした色んな味の鹿焼肉を数切れ焼いた。
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まあ、どれも悪くないが‥普通に塩焼きしたやつが一番よかった気がする。

謎の膨満感
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臭いも味もクセは強くなかったが、食った後も何故か鹿肉の存在感が凄かった。
モロに脚っぽい真っ赤な肉柱を鷲掴みにして切って鹿を感じたせいかもしれない。
まるで食育を受けている幼児の白い豆腐のような単純な感想だが、おそらく只の食い物としてだけではなく、プラス「何か」を感じて欲しがってくださったのではないかと思うので、それでいいのだろう。
しかしそういった心理的な要素だけでなく明らかに満腹感が凄い。
焼肉とか、「うまっ」と思ったらそのまま永遠におかわりしてしまうタイプだが、何だかごはんはもういいや‥と食事はすぐに終わった。
薄い8切れの鹿を食っただけなんだけど、腹の膨満感が凄い。
ネットで検索しても膨満感については語られてなかったが、一人だけ俺と同じように「鹿、満腹になりすぎる」「鹿を普通の量食っただけの同僚が腹いっぱいすぎてぶっ倒れた」みたいに言っている人がいた。一人だけ。
何故なのか?わからん‥。ひょっとして一切れだけあまり焼いてないやつ食ったせい?
それとも初めて鹿を食ったから胃袋が俺に対して「おい!なんだこれは!」とコンフューズしているのかもしれない。
食いすぎによる満腹と言う感じじゃなくて(そもそもちょっとしか食ってねーし)、何か腹の中にメタンガスっつーか空気が入っているかようなフワフワした感じなのが不思議だ。
とにかく、鹿食ったら腹がフワフワして変な感じ。何で?
これと似た満腹感になるものの話は誤解を招きそうだからやめておこう。
本州にはない成分があるのだろうか。よくわからない。不思議だ‥。
※後から「やはりレアな感じで食った一切れにあたったらしい」とわかった
とにかくちょっと食っただけですぐ腹いっぱいになって量食えないのでかなり長持ちしそう。
一カ月間くらい楽しめそうだ


そんな感じでした

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『ハドソン川の奇跡』(2016)/本作もさらっと凄い映画だった。久々にイーストウッド的ヒーローキャラが出た🛬

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原題:Sully 監督&制作:クリント・イーストウッド 原作:チェズレイ・“サリー”・サレンバーガ ー 製作会社:マルパソ・プロダクションほか 制作国:アメリカ 上映時間:96分

 

 

 

2009年1月15日ニューヨークのラガーディア空港を離陸した直後に鳥が突っ込んできてエンジンが壊れてコントロールを失った旅客機を、パイロットのサリー氏が卓越した判断力と操縦技術でニューヨークのハドソン川に不時着させ全乗客155人を救って世界的な英雄として報じられた。
その奇跡の生還劇の真実、その裏側を扱った実話を元にした映画。
イーストウッドはその抑えられない本人の特性で、暴力の虚しさを訴えるために作ったはずなのにただただ異常に強すぎるイーストウッドが風邪引いて体調悪いのに、ラスボスと取り巻きを数秒で皆殺しにする異常な強さばかり頭に残る傑作「許されざる者」みたいに、監督主演作はほぼ全部ヒーロー映画になってたが、一生懸命死ぬ努力してやっと死んだ「グラントリノ」を最後に監督主演ヒーローものから強引に卒業した。
そしたらヒーロー路線とは別に、実話ベースの映画(これは「バード(1988)」くらいから地味にやってきたライン)が増えてきた。そのラインの最新作。
地味そうだなと思ったが、イーストウッドの実話ベース映画の中でもかなり好きな部類に入るものだった。
イーストウッド映画に多い、低予算短期間でささっと早撮りした休日の父親料理っつーかジャズセッション的というか‥そういう感じながら、何か大作よりもすげえものを描いてしまったタイプの映画。
凄いけど「イーストウッドこの一本!」という話題の時には名前出ないタイプの映画。
というか僕は正直言ってイーストウッド映画にはヒーロー性を求めてる部分の方が多いのでそうじゃない映画は傑作でもピンとこない事が多いが、本作は久々にヒーロー度がめっちゃ高くて満足度が高かった。
主人公はチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー機長(トム・ハンクス)通称サリー。
そして副操縦士アーロン・エッカート)。主人公の妻(ローラ・リニー)‥このローラ・リニーイーストウッド過去作だと「目撃」「ミスティック・リバー」とかにも出てた。名前のあるメイン登場人物はこの数人だけで、あとは乗客たちや事故調査委員会の人とかくらい。

 


映画が始まっての前半、既にハドソン川への着水に成功した後。
事故直後の翌日とか数日しか経っていないっぽい。
副操縦士と共にNYのホテルに宿泊して連日、事故調査委員会からの事情聴取を受けている状態。寝てても墜落の夢を見て飛び起きてしまったりする。
TVではサリー機長を連日「英雄」だと褒め称えており歩いたりバーに入ったら「サリー機長じゃん!ヒーローやんけ!」と盛り上がられて戸惑うサリー機長。離れた実家の周囲も大勢のマスコミに囲まれて戸惑うサリーの妻。
事故当日、鳥の群れが2つのエンジンに突っ込んでエンジントラブル‥というか推進力が完全に無くなってしまい、管制塔からは「近くの2つの空港のどちらかに着陸せよ」って指示が出たが空港までは間に合わないと踏んだサリーは急遽ハドソン川に着水させて乗客155人、CA、パイロット二人‥全員無事だった。
しかし質疑応答をしている事故調査委員会は「サリーの決断は本当に正しかったのか?」と疑問を持ち、厳しい追及を行う。
要するに「あなた達は空港への着陸を選択せず、ハドソン川への危険な着水をして乗客たちを危険に晒した」と言いたいらしい。
更に「エンジンも壊れてなかったっぽい」とか言い出す。
この事故の事もよく知らんから、この時点ではサリー機長が本当に英雄なのか。それとも委員会が疑っているような「フライト」のデンゼル・ワシントンみたいに危険な機長なのかは判明していない。
‥と言いつつトム・ハンクス演じるこの機長は、英雄視されている事に喜んだりしないし、態度や受け答えが終始立派で英雄然としすぎているので次の中盤の回想を観なくても彼が本物のヒーローだというのは丸出しなのだが。。
中盤は、旅客機が空港を離陸したとこからハドソン川への着水までを細かく再現する。
この中盤は全部丸々回想。そしてやはり全てサリーが証言した通りだったね。
旅客機に鳥が突っ込んできてエンジンがぶっ壊れる。こんな事で壊れるって怖いな。
というか俺は人生で数回しか飛行機乗ったことなく、映画に飛行機出たら大抵墜落するから「飛行機=ほぼ落ちる」という認識になってしまったから飛行機怖い。
というか数少ない乗った時も隣の人に手を握ってもらわんとよう乗れんかった。
そんな事はどうでもいい。
サリーの話通りエンジンがぶっ壊れ、サリーと副操縦士は速やかにハドソン川着水へと備える。
CAのおばさん達は何が起きてるかわかってないが、とりあえず乗客に指示する。
乗客たちは皆怯えつつも指示に従う。。全員、ちゃんとして立派な様子が描かれる。
着水後、乗客を翼の上やボートに避難させて最後に脱出し、救護されても乗客155人の無事を確認するまで気が抜けないサリー。
「それはパイロットして当然」と言われたらそれはそうなのだが、それは置いといて立派な人物というのは疑いようがねえ
乗客が避難されても「誰か助かってねえ奴がいるんじゃないか?」と乗客を心配するサリーがアップになるが、仁王立ちで吹きすさぶ風に舞うネクタイがヒーローのマントにしか見えずカッコよすぎる
今までネクタイに対して何も思うことないし邪魔だな~としか思ってなかったが初めてネクタイいいかもしれんと思った。
ちなみにエンジンがぶっ壊れたり飛行機が墜落する悪夢などのCGは、今までのイーストウッド映画同様プレイステーション感満載でショボい。

この、映画自体は凄いのにCGだけは妙にショボいという様子を観ると、「この3年前のゲームみたいなCG‥イーストウッド映画を観てる気分になるな?」という気分になる。
前作「アメリカン・スナイパー」も映画は良いのにスナイプシーンはゲームみたいだった

 



後半、サリーと副操縦士を疑う事故調査委員会に召喚されての聴聞会。
「本当に2つある空港に着陸できなかったかどうか?」をフライトシュミレーター的なやつでシュミレーションしたりしながらクライマックスに行く。
モノホンの飛行機事故シーンを中盤でしかも回想であっさり済ませて、クライマックスは静かな聴聞会やシュミレーターで済まし、それなのにクソ面白いんだから本当に凄いと思った。
それにしても事故調査委員会は何故サリーをあそこまで疑っていたのだろうか?
航空会社という巨大なシステムは「人」を信じる事を忘れていた、という事だったのだと解釈した。
事故や着水じゃなくて、事故調査委員会との対決を映画のメインにしている辺りが、本作の肝なんだろう。原題も「ハドソン川の奇跡」じゃなくて「SULLY」だしね
この最後の対決が一番面白いところだった。
それにしても昔のカンフー映画みたいにスッ‥と終わるので「終わり!?そんなナチュラルに終わり!?」という心のざわめきが半端なかった。
そしてざわめきが収まらない間に、本物のサリー夫婦や副操縦士や乗客たちが出て来るスタッフロールが流れ始めるので、思わず「こういう終わりかた!?」と思いました。

とにかく頭からケツまでトム・ハンクス演じるサリー機長の震えてくるほどの立派な人ぶりが凄い。
全編、他人の心配だけしてて「あなたはスペシャルだ!」と賞賛されたら「全然違う。我々皆と乗客全員がベストな行動しただけだ」とわざわざ訂正してくる。もう、立派すぎるだろう。。あまりに立派過ぎて「サリーに比べて俺はつまらない男よ」などというしょうもない自己嫌悪も逆に浮かばず素直にサリーを賞賛したくなる凄さ。遺伝子を冷凍保存して未来へ残したい男だ。

 

 


そんな感じでした

『アメリカン・スナイパー』(2014)/時と共に増していく影が酸みたいに彼を侵す🔫 - gock221B
『グラン・トリノ』(2008)/久々に観たが面白すぎて15分間くらいに感じた。深い感動と牧歌的な間抜けさ🚙 - gock221B
『15時17分、パリ行き』(2018)/当事者達の素材の味を出しすぎて奇跡体験!アンビリーバボー化🚄 - gock221B
『運び屋』(2018)/今まで観た監督作+主演作全62本中で一番好きかもしれん。自分だけの面白さを掴み取ろう🚙 - gock221B
『リチャード・ジュエル』(2019) /正義を行った大柄まじめ系こどおじ一筆啓上、煉獄が見えた👮🏻‍♂️ - gock221B
『クライ・マッチョ』(2021)/本作のテーマには同意できるがそれを全部台詞で言っちゃうのはイーストウッドらしくなかったですわ🐓 - gock221B

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Sully (2016) - IMDb

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機長、究極の決断 (静山社文庫)

機長、究極の決断 (静山社文庫)

 
ハドソン川の奇跡

ハドソン川の奇跡

 

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