gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

『モータルコンバット』(2021)/Get Over Here !!!! 🐲

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原題:Mortal Kombat 原作:ゲーム『Mortal Kombat』シリーズ
製作 ジェームズ・ワン 監督:サイモン・マッコイド 製作国:アメリカ 上映時間:110分

 

 

 

※ゴア描写が多いが世界一、軽薄な主題歌『Techno Syndrome』をSpotifyで流しながら読んでほしい。
チャンチャンチャンチャンチャンチャン チャンチャンチャンチャンチャンチャン チャンチャンチャンチャンチャンチャン チャッチャッチャッチャチャンッ 


モーヲタ!コッヴァアアーーーーッ!!(白目を剥いて絶叫して大理石の床に後ろ向きに卒倒。即死)
個人的には昔の原曲の方が軽薄さ、ダサさ、カッコよさが上だと思うので、どちらかというと下の原曲を聴きながらの方がいいかもしれん。

※下のこのブロックは原作となる格ゲーや古い映画化などのボンヤリした印象。かなりボンヤリしてるので本作の映画『モータルコンバット』(2021)の感想だけ読みたい人は改行の後まで飛ばしてOK。
🐲残虐なトドメ演出〈フェイタリティ〉で90年代から現在に至るまで(日本以外で)大人気の長寿格闘ゲーム『モータル・コンバット』シリーズ(1992-)。日本では最初の数作だけ上陸したけどゲームとしての出来はイマイチで、当時は実写取り込みキャラの珍妙さや当時〈究極神拳〉と訳されていたフェイタリティが面白いだけのネタゲームという印象だった。アメリカの少年たちは当時から現在までモーコンで大フィーバーしてたようだが、日本ではカプコンの『ストリート・ファイター』『ヴァンパイア』やMARVEL等のシリーズ、SNKの『KOF』『餓狼』『サムスピ』等のシリーズ、『バーチャファイター』『鉄拳』等の3D格ゲーなど……自国の格ゲーの出来や普及が爆発的すぎてモーコンは洋ゲー好きの変わり者しかプレイせず、日本でも最初の数本しかリリースされなかった。僕も最初の数作を何度かプレイしただけ。時が過ぎて近年「そういえばモーコンって面白いのかな?」とSteamなどで買おうとしても日本からでは購入する事ができない〈おま国〉扱いなのでプレイしたくても出来ない。かと言って物理的な輸入版ソフト買ってまでプレイしたいわけでもない。だから未だにどんなゲーム性なのかよくわからん。印象も「何か残酷でヘンテコな格ゲー」っていう20数年前の感じで止まっている。プレイ感覚はよくわからんものの個人的にはこういう「西洋人が勘違いしている東洋文化描写」……具体的に言うとアメコミやアメリカのエンタメ映画&ドラマに出てくる「変な日本」や忍者とか日本刀持ってるヤクザとか秋葉原とかは大好き(最近はエンドゲームにも出てきた雨に濡れた電光掲示板がいっぱいある裏路地がよく出てくる「変な日本」の代表格)。だからスコーピオンやサブゼロやキタナなど、モーコンの面白ニンジャは本気でカッコいいと思う。そして雷神ライデンは僕が一番好きな監督ジョン・カーペンター『ゴーストハンターズ』(1986)に出てくる嵐の三人組の一人〈雷鳴〉をあからさまにパクっている。男爵ディーノやスピードワゴンみたいな刃の付いた山高帽を被ったクン・ラオも『ゴーストハンターズ』的な雰囲気を出してるよね。好きだ。
最新作『Mortal Kombat 11 Ultimate』(2019)は、VGXアワード ベスト格闘ゲーム賞とか獲ったし、世界的な格ゲー大会でもいつも競技になってるし昔と違って結構バランス取れてるのかも?今やってる数少ない日本人の言によると「日本人は昔のクソゲーで印象止まってるけど、残虐演出とかだけじゃなくて格ゲーとしてよく出来てるよ」という話も聞くのでやりたくなってきた。次からは買えるようにしてね。
そんな感じで僕は今のモーコンのゲーム性について詳しく知りたい人は自分でプレイするとか詳しい記事とかゲームのプレイ動画とかを各自で探して観てください。

ハイスコア: ゲーム黄金時代 | Netflix (ネットフリックス) 公式 ※第五話でモーコン誕生について観れる

www.nicovideo.jp

🐲過去に映画化もされてて『モータル・コンバット』(1995)、『モータル・コンバット』(1997)と二作ほど映像化された。当時観たけど1秒も内容覚えてない。シンプルに面白くなかった気持ちだけ残ってる。だが前述の軽薄すぎる主題歌だけは最高なので、この名曲を産んだだけ良かったのかも。改めて観ようと思ったがサブスクにないし、わざわざ借りてまで観たくもなかったのでYOUTUBEで検索してみたが1&2共に予告編が面白そうすぎて最高だった。映画本編よりも絶対にこの予告編の方が数倍面白いと思う。
Mortal Kombat (1995) Official Trailer - HD
Mortal Kombat: Annihilation (1997) Official Trailer - HD

🐲本作は、そんなモーコンの再映画化。何度も言うように現行のゲームは全くプレイできてないもののスコーピオンなどのカッコいいキャラが実写で観れるし、制作は『インシディアス』シリーズや『死霊館』ユニバース、『アクアマン』『ワイスピ7』など、制作だけやっても監督作と同じくらい面白さを保証するジェームズ・ワンが手掛けている。ジェームズ・ワン制作映画はどれも一定以上の面白さを保証する……ただし超絶傑作映画はまだ無いという印象で「70~80点の映画を作り続ける映画人」というイメージ。食べ物屋で言うと……美味しいファミレスとか美味しいファストフードかな?僕のように「マクド最高!」という人には最高だが洗練されたシネフィルからしたら価値のない監督かもしれない。私は勿論、前者だ。ワン氏は『SAW』シリーズ制作もしてたから昔のボンヤリした感じの映画化とは違い、モーコンの究極神拳……フェイタリティもバッチリやってくれるに違いないと期待を高めていた。
そして本作には原作で最も人気があるらしいキャラクター、地獄の忍者スコーピオンを真田広之、雷神ライデンを浅野忠信が演じる。……と長年、世界進出に果敢に挑戦し続けている僕たちのひろゆきとただのぶが作中で一番人気ある2キャラを演じるから、これも凄く期待していた。特に世界進出して以降の真田広之は、アクションが凄すぎて白人主人公が映えないからカットされたり、無数の日本語監修や考証を無料でさせられたり『アベンジャーズ エンド・ゲーム』に出て凄く期待してたら、とんでもない雑魚だったという、そういうところはちゃんとしてるMARVELスタジオらしからぬ采配に驚きとガッカリを味合わされた(この謎は今後も調べていきたい)。そんな感じでアジア人俳優としては成功の部類に入るもののエンタメ系アクション俳優としては不遇のハリウッド人生を送っていた真田広之……いや、ひろゆき。演技派アジア人役はもっとジジイになってでも出来る、もっとアクションするひろゆきが観たいんや!そんなひろゆきが遂に大作の主役級アクションキャラ!という事で応援せざるを得ない。イケメンだからまだ若いと思ってた、ひろゆきももう60歳……ギリギリ間に合った。今アジア人の地位が向上し始めたところだから今後も期待できる。MCUはチョイ役だった俳優をメインキャラでキャスティングし直したりするし、是非シャン・チーとかのスーパーヴィラン役で出て欲しい。サンファイヤとかシルバー・サムライとかマツオ・ツラヤバ等のザ・ハンドのニンジャ役でもいいぞ。DCでもいい。ただのぶも応援してるが年齢的にひろゆきの方が時間少ないのでひろゆき多めに応援してみた!
とか書いてるうちに日本が舞台という噂の『ジョン・ウィック四作目』にも出演が決まった。同じく出演するレジェンド俳優のドニー・イェンはキアヌの味方っぽいから、ひろゆきはラスボスに違いない。パラベラムのハゲですらあの高待遇だったから、これは最も期待できる。

🐲それにしても前置きが長くなりすぎた。
かといってモーコンが大好きというわけでもない。大して触れてきてないし。モーコンそのものというよりモーコンが纏う90年代を引きずった胡散臭い低俗なムード……空気感が凄く好きというボンヤリした話。
その雰囲気を具体的に言うと、ジョン・カーペンタートビー・フーパーB級映画、最近だとブラムハウスやレジェンダリー制作のB級映画、深夜の洋画劇場とか午後ローでやるB級映画、ファストフードとか路地で食う汚いけど美味い屋台のジャンクな食い物、子供の頃の夕方に友達と遊んだ雰囲気、学生時代に友達の家に泊まって深夜に部屋を暗くして『マトリックス』とか観ながら寝たり、10歳くらいの小学生男子が大学ノートに殴り描きした妄想のアホみたいな世界……そんなムードを期待させる映画。
多様性に満ちた、世界を牽引する映画や洗練された作品も好きだが僕の好きな映画インナーマップをめくっていくと中心に居るのは、そういったアホみたいな世界。そんな僕みたいなそんな人には楽しめるだろう。グレタ・ガーウィグとかノア・バームバックみたいな映画だけが観たい人にはオススメできない(僕もそれらは好きだが)。
今回はいつにも増して完全にネタバレあり……だがこんな映画のネタバレ知ったからと言って何か困ることあるとは思えないが。

 

             \モータッコッヴァー!/

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何世紀か前、白井流忍者ハンゾウ・ハサシ真田広之)は、氷の中国系忍者ビ・ハン(ジョー・タスリム)に愛する妻子もろとも殺害される。
その何世紀か後、連敗中の地下格闘家コール・ヤング(ルイス・タン)。スランプ中の彼は試合で敗北してしまったが愛する妻子に囲まれた幸せな帰り道、謎の忍者サブゼロ(ジョー・タスリム)に命を狙われる。サブゼロはかつてハンゾウ一家を殺害したビ・ハンが魔界の力を得て数世紀経った姿だった。
冴えない格闘家コールは、実は〈魔界の格闘家〉と戦うため運命に選ばれた戦士の一人で、コールの身体にある〈龍のあざ〉はその印だった。
コールは、人間界を救うために〈龍の痣〉を持つ格闘家の調査を探していた米軍特殊部隊の兵士ジャックス少佐(メカッド・ブルックス)とソニア・ブレードジェシカ・マクナミー)にスカウトされ、彼らが捕まえた〈龍の痣〉を持った犯罪組織〈黒竜会〉の幹部カノウ(ジョシュ・ローソン)とも合流する。彼らは、ジャックスがサブゼロに破れたり外界からの刺客レプタイルを逆に返り討ちにしつつ、雷を操り人間界を守護する不死身のエルダー神、ライデン浅野忠信)の元で戦士たちが修行する〈寺院〉を訪れる。
太古より人間界と魔界で繰り広げられてきた武術大会〈モータル・コンバット〉。10連勝すれば人間界を手にする事ができるという、このモータル・コンバットでライデン率いる人間界チームは魔界の妖術師シャン・ツン(チン・ハン)率いる魔界チームに9連敗中、次に負けたら人間界は魔界に支配されてしまう。
しかし預言によれば人間たちに勝機があると言われているためシャン・ツンは警戒しており、モータルコンバットが開催されなければ敗北もないのでサブゼロなどの刺客を放って人間界の挑戦者達を暗殺して回っている。
ちなみに雷神ライデンは超強いらしいが、神はモータルコンバットへの介入が許されていないため、ライデンは直接戦ったりはせず大会で勝てるように〈龍の痣〉を持つ戦士を集めたり修行させたりしている。
コール達は、炎を操る中国拳法家リュウ・カン(ルディ・リン)と、刃の付いた山高帽を被った少林寺拳法クン・ラオ(マックス・ファン)ら、ライデンの最強の弟子二人のもとで、魔界の敵を倒しうる人知を超えた秘術を会得する修行を始める。
ちなみにこのリュウ・カンは原作だと一応、主人公ポジションのキャラらしい。本作の主人公コールは映画化に際して初めて登場したオリジナルキャラ。リュウ・カンとクン・ラオは恐らく前の大会に出て勝ったけど他の仲間が全員負けたとかなんだろうな。
そこにシャン・ツン率いる魔界の敵……四本腕の巨人ゴロー、口が避けたくノ一ミレーナ(シシィ・ストリンガー)、巨漢の将軍レイコ、女吸血鬼ニタラ黒龍会の元幹部カバルなどが、コールら〈挑戦者〉が修行中の寺院に攻めてきた。
……そんな話。
そもそも、あらすじをこんなに詳細に書く必要もなく「正義の格闘家が魔界の格闘家達をぶっ殺す話」とだけ書けば一行で終わるストーリーだが、小学四年生の頭の中のようなこのアホみたいなモーコン世界に長時間、浸っていたかったので出来るだけ長く書いてみた。40代半ばの自分が家で「龍のあざを持つ戦士」「雷神」「魔界の敵」などとタイプしてると何だか凄くヤバい感じもしてきたが、もう引き返すことは出来ないので、このまま最後まで続けさせてもらう。
真田広之がサブゼロに殺されるアバン、パッとしない主人公コールが魔界に狙われてソニア達と知り合いモータルコンバットへ身を投じる前半。修行しながら各キャラクターや物語の設定を知ることになる中盤。そして後半は戦闘に次ぐ戦闘……という構成になっている。もちろん前半や中盤の間にも戦闘はちょいちょい挟まれる。
そんな小学四年生にも楽しめる単純な話(と言っても15歳以下は観れないが)。

 

 

 

🐲メインストーリーは原作ゲームには登場しないオリジナルキャラクターである冴えない格闘家コールの視線や成長によって進んでいく。コールはスランプ中の格闘家であり他のキャラより劣る落ちこぼれキャラ。つまりコールは観客たちの分身として物語に入っていきやすい主人公キャラということ。
原作ゲームでの本来の主人公は既に達人の主人公リュウ・カンだが、徐々にモーコン知識や実力を高めていくオリジナルキャラを設定した方が、モーコン知らない人でも映画世界に入っていきやすいと思ったのだろう。だが例えばストIIの映画が作られたとして「このストII映画版の主人公はリュウじゃなくて、このオリジナルキャラ〈山田太郎〉です!」とか言ったら数十年来のファンに叩かれそうだし勇気がいったと思う。
だが「ライデン率いる挑戦者達が魔界の敵を倒す」というメインストーリーの裏にあり芯となっているのは、原作ゲームで屈指の人気キャラ対決である〈スコーピオン vs.サブゼロ〉。つまり本作の真の主人公はスコーピオンとサブゼロ。サブゼロは敵だから理解不能なミステリアス忍者で良いわけだが、正義サイドの真田広之演じるハンゾウスコーピオンは観客が感情移入できるヒーローである方が望ましい。しかしスコーピオンは最初から達人である上に「地獄の亡者」という人間ですらないという非常に感情移入が難しい存在。ジャックスやソニア達がスコーピオンを勧誘して「大会に出ようよ」と言って一緒に行動して飯食ったり修行したりしたらスコーピオンのミステリアスムードが台無しになってしまう。だから「ハンゾウの子孫として新しく作った主人公コールが成長したり懸命なる死闘によってスコーピオンを現世に召喚せしめる」という展開にしたのだろう。そして一番人気のスコーピオンを怪獣映画の怪獣のように温存してミステリアスさを保ち、ラストバトルにだけ出した。なかなか上手い構成だと思った。いわば新しく作ったオリキャラのコールもスコーピオンの一部とも言える。コールはハンゾウの子孫だしスコーピオンを召喚せしめる依代でもあるわけですしね。
ラストシーンで溜めに溜めて遂に登場したスコーピオンが現れサブゼロに縄鏢をブッ刺してキメ台詞「Get Over Here!!」と叫ぶ真田広之。ここはきっと長年のファンが非常に盛り上がったんだろう……と、プレイヤーじゃない自分は想像しか出来ないのが悔しい。ちなみに真田広之が「Get Over Here!!」と叫ぶシーンを撮影した撮影現場ではゲームのファンのスタッフや出演者たちが「本物のスコーピオンや!」と盛り上がったらしい。この気持ちを真に理解したかったなぁ。
この主人公コールと一番人気のスコーピオンvs.サブゼロをどう魅せるかという演出が、全ての映画を大ヒットさせ〈死霊館ユニバース〉というMCUの次に成功したシネマティック・ユニバースを作ったジェームズ・ワン制作の強さかもしれない。

 

 


ここでいつもの映画の感想スタイルはやめ。本作はエンタメ大作映画では滅多に観れない「格闘もの」なので劇中での対戦を一つづつ見ていこう。赤が人間界の光の格闘家、青が外界の格闘家、黒はどっちでもなし。

WIN!! ハンゾウ vs. 燐塊の忍者群 LOSE..
愛する妻子が殺され怒りのハンゾウ。妻が農具に使っていた自分のクナイに綱を括り付けた縄鏢を武器に中国忍者達を皆殺し!悪役ではない素顔の真田広之がNo.1ヒットのエンタメ大作の頂点で悪を倒す……ここまで18年かかった。またスコーピオンのメイン武器が「妻の形見」なのも良い演出。次は妻子の仇ビ・ハンだ。 BLUTALITY!!

 

LOSE.. ハンゾウ vs. ビ・ハン WIN!!
強力な忍者ハンゾウだがビ・ハンの実力は更に上回っており武器を奪われて敗北。ハンゾウは怨みを懐いたまま自ら集熱地獄へ堕ちる。ビ・ハンは能力をあまり使わず割と正々堂々とハンゾウを圧倒していた。この時点のハンゾウは達人とはいえ常人なのだがビ・ハンは既に凍結化能力を持ってるので個人的には「ハンゾウは勝てたかもしれなかったが秘術を持ってなかったのでビ・ハンの凍結化で卑怯にも動きを封じられ敗北した」という負け方にして欲しかった。その方が以降の「外界の敵に勝つには秘術を会得しないと勝てない」という秘術を得るために寺院で修行する重要性も、ビ・ハンへの憎さも増したのでは?ハンゾウの妻が床下に隠していた赤ん坊をライデンが保護する。この赤ん坊の子孫が主人公コール。 BLUTALITY!!

 

LOSE.. コール vs. 格闘家ラミレスさん WIN!!
龍の痣を持つオリジナル主人公コール。格闘技の王者だったが今はスランプに陥っているようで普通の格闘家ラミレスさんに関節技を決められギブアップ。何をしとるんや。美しい妻娘も応援に来ているため「ハングリーさに欠けているのかも」と思わせる。ちなみに試合後のラミレス選手はコールを称える良い人。 FRIENDSHIP

 

LOSE.. ジャックス vs.サブゼロ WIN!!
サブゼロに強襲されたコール一家を米軍特殊部隊ジャックス少佐が助ける。彼はコール一家を逃してサブゼロを迎え撃つ。「ジャックスがショットガンを撃つがサブゼロの凍結化能力によって運動エネルギーが殺され凍った散弾がゆっくり発射されて止まる」……という予告編にも使われたカッコいいシーンは本作の中でも最高にクール。サブゼロはジャックスの両腕を凍結させて粉砕するという古いモーコンで日本が勝手に「氷葬拳」と名付けてたフェイタリティを思わせる技でKO。 Finish Him!! ...FATALITY!!

 

WIN!! カノウソニアコール vs.レプタイル ×
まだ常人である三人は、透明化と酸の体液を吐く爬虫人類レプタイルに苦戦するが協力して何とか倒す。カノウは覚醒前ながら敵の胸に拳をブッ込み心臓を引っこ抜くという秘技を披露してトドメ。日本でも稼働していた古いモーコンで「魂奪臓破拳」と名付けられてたフェイタリティ(調べたが本国のモーコンには技名付いてないっぽい?)。なんとなく「多分ここも原作ファンが盛り上がったんだろうな」と思わせるシーン。 Finish Him!! ...FATALITY!!

 

LOSE.. ジャックス vs.レイコ将軍 WIN!!
ライデンの寺院で修行していた人間界の龍の痣を持つ戦士たち。そこにシャン・ツン率いる魔界の戦士がカノウの裏切りによって侵入して強襲してきた。修行の途中だが人間たちは応戦するしかなくなった。ジャックスはサブゼロによって欠損された両腕の代わりに機械の細い義手を移植してリハビリ中だったが、メンタル弱ったままのジャックスは普通にレイコのハンマーでふっ飛ばされ再び一撃で敗北。2連敗のジャックスはスランプに……。 KO!!

 

 ー  リュウ・カン vs.カバル  ー  ※勝負なし
中国拳法の達人リュウと、光学迷彩と高速移動を可能にするアーマーを着たカバルは互角の死闘を繰り広げるが中断。勝敗は持ち越し。カバルは一言でいうとプレデターをパクったキャラだね。

 

LOSE.. ソニア vs.ニタラ WIN!! 
〈龍の痣〉がないためモータルコンバット出場の権利がなく修行を除け者にされてたソニアも応戦するがニタラに普通に負けるが龍の痣がないため殺されずに済んだ。そこへ、ここまでの劇中でソニアにしてやられてた裏切り者カノウがやって来て彼女の傷口に指を突っ込んで責める。これは勿論、レイプのメタファー。この2キャラは原作でも因縁のある関係らしい。 KO!!

 

WIN!! クン・ラオ vs.ニタラ LOSE..
クン・ラオは刃の付いた山高帽を地面にブッ刺して電動丸ノコギリのように高速回転させる、そこへニタラを投げ飛ばし、哀れ彼女は頭からケツまで真っ二つ! Finish Her!! ...FATALITY!!

 

WIN!! コール vs.ゴロー LOSE..
ライデンにも「お前才能ないからもう帰れ」とまで言われて愛する妻子が待つ家に帰ってきた落ちこぼれ主人公コール。ところが『シュガー・ラッシュ』とか『レディ・プレイヤー1』にも出てた初期モーコンを代表する四本腕の中ボス・ゴローが強襲していた。ここまで良いところのなかったコールは妻子のピンチで覚醒し秘術で鎧とトンファーを生成。良い身体してるし鎧をわざわざ着て隠さなくて良い気もするが「鎧を生成する」という無茶苦茶さが昔のバカ洋ゲーっぽくて良い。ゴローの腹を裂いて内蔵をブチ撒けさせた上に顔面にトンファーをブチ込んで惨殺するという大金星。ゴローはオールCGキャラだけあって他のキャラより残酷度も容赦ない。それにしてもこれでは「ライデンはコールの才能を見抜けなかったが敵のシャン・ツンの方が人を見る目があったのでコールも襲った」って事にならない?「ライデンはこうなる事を見越してコールに戦力外通告したのだ」的なフォローが欲しかった。浅野忠信いまんとこ活躍すくないね。コールは「ハンゾウは魔界から妻子を護れなかったが子孫のコールは護れた」というテーマもあった闘い。 Finish Her!! ...FATALITY!!

 

LOSE.. クン・ラオ vs.シャン・ツン WIN!!
クン・ラオは突然割り込んできたシャンに魂を抜き取られて惨殺される。「Your Soul Is Mine!」。古いモーコンで日本が勝手に「吸胎邪魂拳」とか名付けてたフェイタリティ。シャン・ツンは、ライデン同様に介入を許されない監督ポジションだと思ってたのでサッカーの監督が突然マウンドに強行突破乱入してきて強引にゴールを決めたかのような雰囲気。逆にライデンが「何すんねん」とシャン・ツンをブッ殺しちゃダメなのか?今ひとつこの辺の細かいルールがよくわからんがまぁどうでもいい。人間界チームの中でも最強格の一人のクン・ラオがラスボスに突然やられてしまうという痛手。 Finish Him!! ...FATALITY!!

 

WIN!! ジャックス vs.レイコ将軍 LOSE..
サブゼロに両腕を粉砕された上にレイコ将軍に一撃KOされて落ち込んでいたジャックスだが、岩の下敷きになったソニアを助けるため覚醒。彼の覚醒は「機械製のほっそり義手がアップデートされてデカくて高性能になる」というもの。精神力によって、精神とは関係もないはずの機械が勝手に進化してシンギュラティ(技術的特異点)を迎える……というこのシーンは凄く90年代洋ゲーっぽいアホなシーンだが何だか懐かしい気分になってかなり良い。ジャックスの新しい腕は、レイコのハンマーを物ともせず彼の頭部をアップデートした両椀で挟撃して粉微塵にした。古いモーコンで日本が勝手に「スクラップ・アーム・ヘッド・クラッシュ」とか名付けてたフェイタリティだ。とにかく勝ち。やったぜ。 Finish Him!! ...FATALITY!!

 

WIN!! ソニア vs.カノウ LOSE.. 
全編いがみ合って争ってきた白人男女。ソニアはさっき傷口に指を入れられるというレイプのメタファーの様な攻撃されてるので「性的犠牲者の女性が加害者の男に復讐する」という構図を想起させるテーマもある。狭くて雑然としたトレーラーハウスで互いを壁や天井や便器にぶつけ合うという『キル・ビル Vol.2』での〈ユマ・サーマンvs.ダリル・ハンナ〉のオマージュだと思われる楽しい死闘シーン。カノウが覚醒で得た秘術は「右目からレーザー照射する」というものなのだが、ソニアはカノウの右目に水かけてショートさせてカノウの秘術を封じた(生身の眼のはずだが何故ショートするのかはわからん、覚醒して右目がメカになったのかも?)そんな一進一退の攻防を繰り返し、ソニアは庭でカノウの裸絞めを喰らう。完全に極まった裸締めは絶対に外すことはできない……だが前半カノウが唾を吐きかけた因縁のホビット人形を掴んだソニアはホビット人形を彼の顔面にブッ刺して惨殺!裏切り者カノウの〈龍の痣〉は相応しい戦士ソニアの身体に移りソニアも覚醒する。覚醒前の只の強い女性兵士であるソニアが覚醒済の「悪い男」を知恵と根性と泥臭いファイトでブッ殺すという本作中で一、二を争うベストバウトだった。 STAGE FATALITY!!

 

WIN!! リュウ・カン vs.カバル LOSE..
パワードスーツによる透明化と高速移動を繰り返すカバルに苦戦していたリュウはカバルを沼に落として動きを封じ、リュウは自身のオーラを炎の龍にして照射、炎の龍はカバルを噛んで焼き殺すというフェイタリティ。邪王炎殺黒龍波っぽくていいですね。モーコンのマークになってる龍を放つというのが(一応の)元主人公だけはある。古いモーコンでリュウ・カンが炎の龍に変身して敵を食い殺すフェイタリティに日本が勝手に「咬龍破惨撃」と名付けてたが、それに似てる変身じゃなく飛び道具に変えたのかな。ちなみに、このリュウ・カン役の俳優はルックスもアクションもめっちゃカッコいいので続編からは主人公に戻ってもいいくらい良かった。 Finish Him!! ...FATALITY!!

 

WIN!! ソニアコール vs.ミレーナ LOSE..
魔界の強襲によって覚醒したコールとソニアはミレーナと交戦。ソニアが得た秘術は両腕からブラストを発射するというもの。ソニアの秘術はミレーナの胴体に巨大な風穴を開け、だが背骨だけ残ったまま……という凄くモーコンっぽいトドメ。 Finish Her!! ...FATALITY!!

 

WIN!! スコーピオコール vs.サブゼロ LOSE..
覚醒したものの最強の刺客サブゼロに苦戦するコール。だがハンゾウの子孫であるコールの死闘が先祖であるハンゾウの魂を地獄の忍者スコーピオンとして現世に出現せしめた。地獄の業火を会得して登場したスコーピオンはキメ台詞「Get Over Here!!」の響きと共に数世紀ぶりに蘇った。ハンゾウは護れなかった愛する妻子をコールが護った事で蘇ったのか?覚醒したハンゾウであるスコーピオンと覚醒したコールのタッグによって、今まで最強キャラだったサブゼロは圧倒される。卑怯とは言うまいね。アバンからラストまで登場を引っ張った人気キャラのスコーピオンを演じる真田広之はカッコいい、声も超カッコいいし。スコーピオンは素顔が骸骨らしくて懸念してたが仮面を外すとひろゆきフェイスがちゃんとあって2、3回外して「俺、ひろゆきやで」と見せてくれる。苦節18年、ついに全米No.1エンタメ映画内で一番美味しいメインキャラとして活躍する真田広之を見れた(いや『ラッシュアワー3』もあったか)。しかしワガママ言うならコール君はゴロー打倒という美味しい役やったから、ここは真田広之ピンで戦ってほしかった気がしなくもない。サブゼロはスコーピオンとコール2人を同時に相手しながら、凍気を飛ばすフリーズショットでスコーピオン達を凍らせたり大気を凍らせて壁を作ってそこにスコーピオンを叩きつけたりと相変わらず強敵。スコーピオンは妻の形見の苦無が付いた鎖(縄鏢)でサブゼロを振り回しコールが投げ技をきめるなどハサシ一族ツープラトンも披露。スコーピオンはトドメとして仮面を外し地獄の業火を吐きかけるというフェイタリティで仇敵サブゼロを焼き殺した。「TOASTY!」。古いモーこンでは日本が勝手に「魔焼波」という名前を付けてたフェイタリティ。アメリカでは名前ついてないっぽくて「TOASTY!」と呼ばれてるっぽい。続編では今回のサブゼロと同じ俳優が双子の弟のサブゼロとして再登場するんだろうね。Finish Him!! ...FATALITY!!

 

 ー  ライデン vs.シャン・ツン  ー   ※勝負なし
外界の敵は全くルールを守らず武術大会〈モータルコンバット〉開催前に強襲してきたので映画タイトルなのにも関わらず武術大会モータルコンバットは遂に行われないまま映画は終わった。怒り心頭のライデンはモーコン不介入の禁を破ってシャンに雷撃を放つがワープして逃げられる。この2人の決着は続編に持ち越しか?敵キャラなら他にもいっぱい居るんだから、ここは素直にライデンがシャン・ツンをフェイタリティしてブッ殺して終わりでも良かったんじゃないか?浅野忠信のライデンは偉そうにしてるだけで美味しい場面なかったな、修行つけてくれるのはリュウとクンだったし、コールやソニアの実力やカノウの背信も見抜けなかったから戦士を見る目もイマイチだった。活躍といえば寺院に結界バリア張ったり、雷鳴を伴ったワープとかヴォイド虚無空間への移動など舞台装置としてしか活躍してない。いやハンゾウの子供を保護したのが最大の活躍か。まぁ次回で活躍してるだろう。原作で人気なのに唯一出てきていない初期キャラ、ハリウッドスター戦士ジョニー・ケイジ登場を予告して映画は終わる。

 

そんな感じで面白かった。もちろん本作を観たところで何の教訓も得られないしモテないままどころかIQが下がる気がしなくもないが、そんな事はどうでもいい。期待した通りのものが出てきて満足しました。今の自分が観ても楽しかったが中高生くらいの自分をタイムスリップで連れてきて観せてあげたい気持ちになった。ストIIとか鉄拳の映画化の際も是非ジェームズ・ワン制作でお願いしたい。そうなると「モーコン vs.ストリートファイター」みたいな事も可能になるし。本作は大ヒットしたので続編も必ず作られるだろう。楽しみだ。

 

             \モータッコッヴァー!/

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そんな感じでした Get Over Here!!

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映画『モータルコンバット』オフィシャルサイト | 絶賛上映中!
Mortal Kombat (2021) - IMDb
Mortal Kombat 11 Ultimate

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『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)/ザックと思えんほど各メンバーの役割分担が渋くて良いしサイボーグ最高✂️

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原題:Zack Snyder's Justice League 監督&原案: ザック・スナイダー 製作国:アメリカ 上映時間:241分 シリーズ:DC・エクステンデッド・ユニバース

 

 


DCコミックを映画化したシネマティック・ユニバース、通称「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」の5作目にして色んなヒーローのクロスオーバー作品『ジャスティス・リーグ』(2017)……を、途中まで監督していたが娘の死を受けてDCEUから離れたザック・スナイダーが「当初の構想通り」再編集したディレクターズ・カット版。
劇場用映画ではなくストリーミング・サービス「HBO Max」で配信され、日本では2ヶ月遅れでソフト発売やレンタルが始まった。
ちなみに感想を最初に言っとくと、このスナイダーカットは面白かったので僕は割と好きでした。
ネタバレあり。
それと過去作のタイトルいちいち書くの面倒なので次の略語を使います。

『マン・オブ・スティール』(2013) → 『MoS
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016) → 『BvS』
スーサイド・スクワッド』(2016) → 『スースク』
ワンダーウーマン』(2017) → 『WW』
ジャスティス・リーグ』(2017) → 『JL』
本作『ジャスティス・リーグザック・スナイダーカット』(2017) → 『スナイダーカット』

※本作までのDCEU一作目から四作目までのおさらい
ちょっと、5作目までのDCEUの流れを軽くおさらいしてみるが本作の感想だけ読みたい人は、このブロックを飛ばして三行空いた次の行から読めばそこ以降が感想です。だけど本作の場合、映画制作過程も作品の一部という一面が強いのでおさらいは必須という気もします。
ザック・スナイダーはDCEUの開始作品『マン・オブ・スティール』(2013)、第二作目『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)を監督し、第三作目の『スーサイド・スクワッド』(2016)や第四作目『ワンダーウーマン』(2017)の制作も行ってDCEU全体のダークな雰囲気も統一させていた(WWはダークじゃないけどダイアナのコスチュームデザインはザックからの流れだろう)。MCUで言うとケビン・ファイギが監督もやってた感じで正にDCEU全体を仕切っていた。
作品は全てヒットしたのだが、ザックが監督するDCEU映画の評価は一部に熱心なファンを生むものの賛否両論が多く、『スーサイド・スクワッド』に至っては酷評された。
僕はと言うと3作とも全部とても苦手だった。『MoS』『BvS』はまだ「アクションがカッコいい」とか良いところも僅かにあったが『スースク』はそれもないしめちゃくちゃ嫌い(しいて言うならマーゴット・ロビーのハーレイクイーンが誕生して今後も活躍が観れるとこくらいか)。
そういえば『BvS』は、ライバルのMCUのキャップ三作目は本来『キャプテン・アメリカ/サーペント・ソサエティ』だったのに、ヒーロー対決の『BvS』に潰しで『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)を作ってぶつけて『BvS』を破壊した。そしてちゃんとキャップ3としても面白くて評価もされ、ここまで同じくらいの人気だったがこれで完全にMCUが DCEUを大きく上回った。
ここまでの「ザック作品二作のどこが良くなかったのか」書いてみようとしたら、とんでもない長文になって『スナイダーカット』の感想記事どころじゃなくなったので全部消した。逆にザック作品の良いところはさっきも言ったが超人アクションや映像が凄くカッコいいところ。悪い部分はいっぱいあるのだが厨二病的で逆張り的で変奏曲のような自分の趣味を押し付けようとしすぎたところの気がする。アメコミは本来の世界や作風とは違った変奏曲の作品が多くあり、僕もザックが大好きで引用しまくってたフランク・ミラーのコミック『ダークナイト』シリーズも大好きだったし、やりたい事はわかる。だけどそういう変奏曲は、ちゃんと基本をやってからやらないと伝わらないと思う。まずは明るく強く正しいスーパーマンを描いて、それを人気者にしてから殺すなり悪堕ちするなりしなきゃいけないのにザックは第一作目からヴィランの首をへし折らせた。アメコミ好きな人なら「あぁ、このシリーズのスーパーマンやストーリーはそういうダークな面を前に出したスーパーマンでありシリーズなのね」と受け止める事も出来なくはないが、別にアメコミ詳しくない人からしたら「えっ?」となったんだと思う。その代わり極端なことを好むザック信者も生まれたが。MCUだって今後マルチバースを出す下ごしらえとして何作も何年もかけて色んなマルチバース情報をリークして記事にさせ、アメコミ好き以外の一般客に「マルチバース教育」を施してるじゃないですか?SWシリーズも『スターウォーズ 最後のジェダイ』で、基本を押さえてない変化球投手のライアンにいきなり応用問題やらせてとんでもない大惨事になっただろ。変わった事やるなら、ちゃんと段階を追ってやらないとダメなんだ。
とにかく評価が賛否両論で叩かれる事が多かったザックの二作だったが『スーサイド・スクワッド』はめちゃくちゃ酷評だったのでワーナーはこれを重く見た。バットマンを演じたベン・アフレックも、監督主演でバットマン映画を撮るはずだったが叩かれすぎて鬱になり監督からも主演からも降りた。
この辺りがDCEU崩壊の最高潮。この時の僕はと言うと、ここまでのDCEUが好きな人には悪いが凄く苦手だったので「さっさと完全に崩壊して、でもDC自体は好きだから一から立て直してくれ」と思っていた。
続く、DCEU4作目『ワンダーウーマン』(2017)は、今までとは違い明るいトーンでDCヒーローを描き大ヒットし「賛」の方が多い高評価だった。「女性ヒーロー単体映画で初の大ヒット」という偉業もでかいし、僕も『WW』はDCEUで初めて良いと思った。「これこれ、こういうのをスーパーマンでも最初にやった後でダークにしたけりゃすればよかったのに」と強く思った。
続く『ジャスティス・リーグ』はザックが監督する予定で途中まで監督してたが、ザックは「娘の死」を受けてDCEUから外れる。娘さんの死も原因の一つだったかもしれんが、どう見てもこれまでのダークな流れを断ち切りたいワーナーに切られたとしか思えなかった。ザックの代わりに『JL』を完成させたのはDCのライバル会社MARVELの大成功し続けてるシネマティック・ユニバース通称「MCU」で『JL』と同じクロスオーバー作品『アベンジャーズ』で世界の頂点に経った後、続く『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でMARVELスタジオに(多分)切られた監督ジョス・ウェドンが完成させた。ジョスは、恐らくワーナーの指示でザックが撮った分の「壮大でダークな素材」に加えて追加撮影した。本来前後編予定だった『JL』をさっさと片付けたいから一本に短縮し、大ヒット&高評価だった『WW』みたいに明るい映画にするため、JLメンバーが寒いジョークを言い合う場面を増やし、ザックが撮った凄くダークな画面を無理やり明るくした結果、異常にオレンジ色の画面になり、他の映画との兼ね合いでヒゲが剃れないスーパーマン役のヘンリー・カヴィルのヒゲを雑にCGで取り除いたら変な口元になって気高いワンダーウーマンのケツばっかりアオリでアップにする珍作が完成し光速で移動しながら面白くない事を言うフラッシュがウザい、この『JL』は「DCEU過去最低の興行収入」を記録した。僕の想像だがワーナーは恐らくジョスに「アベンジャーズにしてくれ。2回も撮ったからできるだろ?」と言ったと思う。残念ながらファイギじゃなくジョスだけ呼んでもアベンジャーズにはならなかったが。そしてジョスはザック同様、ワーナーに切られた。
ちなみに去年、ジョス・ウェドン監督は『JL』でサイボーグを演じたレイ・フィッシャーに「撮影現場でジョスに侮辱的な扱いを受けた」とパワハラ告発した。僕はこのニュースを読んだ時に「レイ氏の言う事は多分本当なんだろうな」と思った。何故かと言うと仲間のピンチにはすぐアッセンブルして擁護するアベンジャーズがただの一人もジョスの擁護をしなかったからだ。しかもジョスの『アベンジャーズ』一作目は一時期、世界興行収入一位の映画になったし高評価の作品の監督、そんな功労者なのにただの1人も加勢しない。加勢したのはワーナーの数人だけだ。更に今年、ワンダーウーマン役のガル・ガドットが「撮影現場で『望まぬ台詞だろうが俺の言うこと聞かなきゃお前の役を間抜けに見せて、お前のキャリアをめちゃくちゃにしてやる。嫌なら言うこと聞け』とジョスに撮影現場で脅された」とパワハラ告発してレイに加勢したのも決定的だった。僕はこの記事を読んでジョスの『JL』でワンダーウーマンのケツばっかアオリで撮ってたの観てムカついた気持ちは合ってたなと思った(ワンダーウーマンは元々セクシーなところもあるキャラだが、僕はワンダーウーマンというキャラに尊敬の気持ちを抱いてるので、そんな見せ方されたら嫌な気持ちになる。そういえばジョスは『ウルトロン』でもブルース・バナーが転倒してナターシャの胸に顔を埋める……という80年代映画みたいなエッチギャグもやってて、そこも嫌いだったと思い出した)。まぁ、真偽はまだ明らかになってないがジョスはかなり終わりかけている。世界の頂点に立って8~9年で干されるとは、ここ数年の映画界の流れは本当に早いね。
話を元に戻そう。
ワーナーはそれまでとは違う『WW』の「大ヒット&高評価」、そしてDCEU初期の流れが少し残った『JL』の「過去最低の興行収入」を受けて『今後のDCEUは、シネマティック・ユニバースとしての作品間の繋がりを重視するのはやめて、(一応、世界観は繋がってる設定のままだが)作品単体の完成度を重視する』という方針に変わった。そして実際、続く『アクアマン』(2018)は「過去最高の興行収入」を記録した。その後のDCEUは、単体路線でヒット&高評価を続けている。この時の僕はと言うと「これでいい。この調子で頑張って」と思った。
DCEUは息を吹き返したが話は『JL』に戻る。
ザックのファンは長年「ザックが編集した本来の『JL』が観たい!」という署名運動を巻き起こしていた。そしてファンだけでなく『JL』を取り上げられたザックや、JLメンバーを演じた俳優達も事あるごとに「『JL』のスナイダーカットを!」と声を上げていた。そうこうしてる間に世界はコロナに見舞われ映画館の多くは閉鎖……、ジョス版『JL』が完全に死亡した事とロックダウンが重なって本作『ジャスティス・リーグザック・スナイダーカット』(2021)がようやく作られる事になった。
僕はと言うと、ザックの作ったDCEU映画二本どっちも嫌いだし、現在のDCEUの流れの方がザック体制よりマシだと思ってるので正直どっちでもいいという感じだった。
それと先月、Netflixでザックが娘の死やDCEUクビから立ち直って久しぶりに撮った映画『アーミー・オブ・ザ・デッド』(2021)が公開された。観た結果、自分と死んだ娘をダブらせたであろう部分はさすがにグッときたものの、それ以外は割とまぁまぁな出来の長過ぎるゾンビ映画だった(だからこのブログに感想書くのも面倒なのでfilmarksで済ませた)。
そんな感じであまり気乗りせず本作を観たが最初に書いたように、想像してた数倍面白かった。




※ここから感想
映画の全体のメインストーリー自体は実は元の『JL』と対して変わらない。
前作『BvS』で最強のスーパーヒーロー、クラーク・ケントスーパーマンヘンリー・カヴィル)は戦死した。
3つ揃えるとすげぇ事できるインフィニティ・ストーン……じゃなかった〈マザー・ボックス〉を、宇宙から攻めてきた惑星アポコリプスの種族ニューゴッズの一員ステッペンウルフと、チタウリ……じゃなかったパラデーモン軍団。彼らはアマゾン族が護る隠された女性だけの島セミッシラアトランティスが護る海底の王国アトランティスに侵攻し、二箇所で守護されていたマザー・ボックスを2つ揃える。
アポコリプス軍は太古の地球にも侵攻してきたが、その時はアマゾン族、アトランティス人、地球人、グリーンランタン・コァ、神々による連合軍に追い返されていたのだ。その際、地球に残した3つのマザーボックスをGetし地球を制服するつもりらしい。
今の地球は勝利した太古とは違い、各軍勢はバラバラで勝ち目がない。
アポコリプス軍に対抗するため、ブルース・ウェインバットマンベン・アフレック)は前作で仲間になったアマゾン族の王女ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマンガル・ガドット)と共に、アトランティスの王子アーサー・カリー/アクアマンジェイソン・モモア)、光速のスピードスターのバレリー・アレン/フラッシュエズラ・ミラー)、機械の身体とコンピュータを自在に操るビクター・“ヴィク”・ストーン/サイボーグレイ・フィッシャー)らを集結させジャスティス・リーグを結成。
JLは地球人が守護して唯一、地球の陣営にあるマザーボックスを使ってスーパーマンを蘇生させ対アポコリプス軍への切り札とせんとするが、スーパーマンの記憶は混乱しており、JLを敵ろ判断して両者は激突。だが何やかんやで愛の力で何とかなる。
6人揃ったジャスティス・リーグ vs.アポコリプス軍の決戦!そんな感じだ。
……大体の大筋はつまんなかった劇場版『JL』と殆ど同じ。
違うところは、ステッペンウルフの上にはダークサイドがいてステッペンウルフは尖兵だという事が明かされる事(アベンジャーズで言えばステッペンウルフ=一作目で襲来したロキで、ダークサイド=サノス)。ダークサイドもちゃんと出てきて言葉の意味はよくわからんがとにかく凄い自信を持って「半生命方程式」を口にするし、無駄にしか思えないがカッコ良すぎる軌道を描くというアメコミには数少ない必殺技、世にもカッコいい追尾光線オメガビームを披露してくれる。
それとワンダーウーマンもおさらいされ、本作が本格的な初登場となるアクアマンやフラッシュの背景をちゃんと描き、ジョス・ウェドンが現場でいじめてたサイボーグに至ってはオリジンからキッチリと描かれる。いじめてただけあって『JL』でのサイボーグにはまるで興味なかったが本作ではサイボーグの魅力が伝わってきた。サイボーグの機械の身体のデザインもカッコいいしレイ・フィッシャーの顔もいい、更に武器となる身体以上にコンピューターに侵入する能力がカッコいい。昔と違いコンピュータに囲まれて生活する我々からしたらサイボーグは非常にリアルな「全能の力を使う魔術師」のように見えて実にかっこいい。更に唯一の白人以外のメンバーというのも強い。今まで興味なかったが「サイボーグの単体作観たいな」と思わされた。
そしてラストバトルが終わった後、次作以降で描かれる(予定の)長ーいエピローグが語られる。『JvS』で観る人をぽかんとさせたフラッシュ幻視のように、近未来の世界で意外なメンバーが旅する様子、そして悪堕ちスーパーマンを夢で見るブルース。そこに飛来する新たなジャスティス・リーグのメンバー。これは続きを作れる可能性が極めて低いため全部ぶち込んで、本作が成立したのと同じ様に続編希望の声を集めて続編を制作し、捲土重来を果たそうとせんザックの執念を感じた。個人的にはこのエピローグの夢は丸ごと要らない気もした(だけどザック的には作る予定だったJLの2や3を作れ無さそうだから観せたかったんだろうというのもわかる)。
だから映画自体も約4時間、と非常に長い。僕も、私生活が忙しかったせいもあるが一週間くらいかけて観た。
「映画全体があまりに長すぎる」というのは、最後かもしれんからザックがぶち込みたい要素を全部投入した、という仕方ない理由があるし、自由に作って観れる配信だしノーカン。

 

 

 

映画自体の面白さも…割と面白かった。
ただ悪いだけの魅力ないステッペンウルフはCGが足されてるだけで、悪が攻めてきて正義が返り討ち……という単純な只それだけの映画だったが、愛情豊かに描かれた(特にサイボーグに対して?)色んな描写や細部、何よりも全部ブチ込むぞというザックの執念を感じて、ザックのDC映画で初めて好感を持ったかも。当然、劇場版のニチアサ特撮より幼稚でつまんなかった『JL』より数倍面白かった(まぁ本作も単純っていったら単純だけど)。
つまんなかった過去2作のザックDC映画でも超人のアクションは良かったが、本作でも数人のヒロイックな格好したJLメンバーがポーズ決めて飛んだ瞬間スーパースローになっても恥ずかしい感じにならないというのはやっぱ上手いなと思った。
一番良かったのはジャスティス・リーグのメンバーの活躍の割り振りが「ほんとにザックか?」と思うくらい鬼滅の無限城での鬼殺隊や呪術の渋谷事変でのエアマスター+ハンターハンターみたいな面白さのように(つまり今の少年ジャンプ編集部くらい)各人の見せ方が上手かった事。
メインで暴れまわるのはダイアナとアクアマンという二匹のゴリラ。サポート役がサイボーグ。戦闘より別の目的を達成しようと走り回るフラッシュ(地球一周かっこよかった)。そしてスーパーマンが復活したら「全部ひとりで解決しちゃうんじゃ?」と思ってたら『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』でのソーみたいなパワー系ワンポイントだった、これが上手い。中でも一番良かったのはバットマンがニック・フューリーみたいに裏回しに徹してたところだった。というのもザックはどう考えてもバットマンが一番好きだろうに、こんな渋い役させるんだという大人っぽさに驚いた。
劇場版『JL』から4年も間が開いてるし、その間ほかのアメコミ映画……MCUとか『ザ・ボーイズ』とかも観て熟考したかもしれんし今までの二作のつまんなかったザック作品とは全然違った。このJLメンバーの使い方が本作で一番良かったとこでした。「ひょっとして過去2作やスースクやジョス版JLがつまんなかったのって全部ワーナーのせいでは?」と思った。結構あると思う。
それにしてもラストの悪夢での悪堕ちスーパーマンは如何にも厨二病のザックが好きそうな要素だよね。ザックのスーパーマンって1で首コキャ→2でバッツと喧嘩するし死亡→3怖いスーパーマン(本作)、予告で悪堕ち……と見事に捻ったスーパーマンばかりだったね。最後までやりきったからもう文句もないわ。
本作は面白かったけど、このシリーズはこれで満足したのでこれっきりで別にいい。だがもしこの続きが作られたら作られたで応援するけども。
これは、映画本編そのものよりも映画の背景やザックやJL俳優達の執念を感じて面白かったという印象。

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

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「スーサイド・スクワッド (2016)」めちゃくちゃ面白そうな予告編から繰り出された信じられないほど面白くない映画🤡 - gock221B
『ワンダーウーマン』(2017)/ダイアナの純粋さとスティーブの高潔さ。女性ヒーロー映画を最初に手掛けたのが偉い👸🏻 - gock221B
「アクアマン (2018)」明るくて中国の武侠ものっぽいヒーロー映画。シチリア島での地上戦と半魚人トレンチが好きでした🔱 - gock221B
『シャザム!』(2019)/一人の男は壁を見ていた、もう一人の男は鉄格子からのぞく星を見ていた。君はどっちだ? ⚡ - gock221B
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(2020)/ハーレイ一人でやる役割をバーズオブプレイと四等分した結果薄くなったと推測🥪 - gock221B
『ワンダーウーマン 1984』(2020)/凄く魔法少女アニメっぽい内容。正論のみのダイアナと聖人トレヴァーと捨て置かれるバーバラ👸🏻 - gock221B

 

アーミー・オブ・ザ・デッドのgockの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画

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ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット (2021) - IMDb

www.youtube.com

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『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』(2021)/回想の演出まで良かったのにラスト急にエイミー・アダムス復活ッッ!そして必殺の掌底!👱🏻‍♀️

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原題:The Woman in the Window 監督:ジョー・ライト 原作:A・J・フィン『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』 制作局:Netflix 製作国:アメリカ 配信時間:101分

 

 

 

Netflixエイミー・アダムス主演のミステリー小説が原作の映画が配信された。
ネタバレ少なめ。……いや下の方行ったらネタバレあるわ。三行の空白が来る前の、このブロックまでだけならネタバレないから自分で見たい人はこのブロックだけ読んでやめればOK。
精神分析医の女性アンナ・フォックス(エイミー・アダムス)は家から外に出れない広場恐怖症のため、愛する夫(アンソニー・マッキー)と娘とは別居中で、ニューヨークにて猫と古い映画と酒だけが慰めの引きこもり生活を送っていた。他人と会うのは、アンナの広場恐怖症を治そうと精神科医がたまにカウンセリングしに来るほか、地下に間借りさせているミュージシャンの青年デヴィッドだけ。怖がりのアンナがよく素性が知らん男を住まわせてるのは疑問が残るが原作ならきっとデヴィッドとの出会いとかも書かれてたんやろう、ここは考えないようにして先行こう。
新しく向かいに越してきたのはラッセル一家。息子、母(ジュリアン・ムーア)、父(ゲイリー・オールドマン)の順で、別々の用で訪ねてきて全員に会ったアンナ。
息子と妻に会った時、彼ら彼女らがラッセル父に怯えている事に気付く。
家族を束縛し強権的な、場合によってはDVしたりする父親なんだろうか?
ゲイリー・オールドマンは、どこにでもいる父親を演じているので『ダークナイト』トリロジーの時同様『シンプソンズ』のフランダースに似てた。
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そしてある夜、アンナが窓からラッセル家をふと見た時、なんとラッセル父が妻を刺殺するところを目撃してしまう。つい先日遊びに来て飲んだばかりのラッセル母が~!
アンナは、家に来た優しそうな黒人刑事(ブライアン・タイリー・ヘンリー)に自分が目撃した事を話す。同時にラッセル一家もアンナ宅を訪れたが、ラッセル家の母はアンナが前日会った女性とは全く別の女だった。
狐につままれたような気分で独自にラッセル家の調査をしたり、双眼鏡でラッセル家への覗きを続けて再度、刑事に訴えるが、精神が不安定で酒浸りのアンナの言うことは「幻覚でも見たんでしょう」「貴女の記憶は混濁してるのでは?」と、まるで信じてもらえない……。
みたいな話。
自由に出歩けない主人公が窓から向かいの建物の殺人を目撃して調査する『裏窓』的な話から始まるが、その『裏窓』展開をベースに、主人公の精神が不安定なので「主人公が観たもの=視聴者が観たもの」ですら本当に起きた事かどうかすらわからない、という「信頼できない語り手」ものでもあるサスペンス・ミステリー映画。
諦めきれないアンナがラッセル家をなおも探るが、ラッセル父が怒鳴り込んでくる。
ちょっと手厳しく言うってレベルじゃなくゲイリー・オールドマンエイミー・アダムスの顔にくっつきそうな程に接近して「うちを嗅ぎ回るんじゃない!皆迷惑してるんだ!この、酒と薬と猫しかない引きこもりの中年女がァァァーッ!」と怒鳴る……というか絶叫する。あまりに勢いが凄すぎて笑ってまう。
ラッセル父だけでなく、刑事の助手の女性刑事もアンナに態度が冷たすぎるし、この辺は「アンナの主観では彼ら彼女らはこんなに凄く酷い態度に見える」という主観の光景を反映させた描写なんだろう、と思った。
実際、アンナは精神科医に貰った薬をちゃんと飲まず止められていた飲酒も続けており、ただでさえ不安定なアンナの情緒や生活が更に不安定になっていく。
そしてアンナはしぶとく調査して再び刑事やラッセル一家が押しかけてきた時に、非常に、か細い証拠……最初に会ったラッセル母が描いた落描き……を突きつけるが、全員がアンナを疑ってる状況で、こんなアンナ自身が描いたかもしれない落描きなんて証拠にもならない物を「これが証拠よ!」と言って突きつけたもんだから皆がヤバい奴を見る目でアンナを見る。ジョジョ三部で死神13に襲われた花京院が夢の中で自分の腕をナイフで切った傷口を見せて皆に引かれるシーンと同じだ。今まで皆がアンナを見る目は疑いの眼差しだったが事ここにいたっては憐れみの眼差しになり、今までアンナを口汚くののしってたラッセル夫婦も完全に引いてしまい何も言わなくなる。
アンナ「ち、ちがう……私、本当のラッセル母を見たの!お願い信じて。何で信じてくれないの!そんな目で……私を見ないで……」
もともと情緒不安定だった脳が破壊され精神が錯乱したアンナは事件とは全く関係なく、デヴィッドの前科とか言い出して彼に八つ当たりして見てられない。
この場面の見てられなさやカット割りとか演技とかカメラワークとか諸々が見事。
そして。アンナの脳が破壊されきった時に、優しそうな刑事が申し訳無さそうにアンナが今まで必死に見ないようにしていた彼女の過去に起きた真実を話す。
そしてアンナは見て見ぬ振りできなくなり、心の奥に隠していた辛い過去に直面する。
そこで彼女の過去に何があったのかスムーズに回想が始まり、回想が終わるとアンナと皆が集合したアンナの家にカメラが戻ってくる。アンナが隣の部屋を観ると横転した車が……それを見るアンナ、車から這い出てくる過去のアンナ……。
曖昧で広場恐怖症の現在のアンナと辛い過去のアンナが一つになる場面だ。
この、衆人環視の中、アンナが過去の真実に直面する流れの映像はかなり見事!
名優エイミー・アダムスも鬼気迫る演技してたし、ここまでなら面白い映画だった。

 

 

 

アンナは「すみません、思い出しました。私はまだカウンセリングが必要で、幻覚でも見てたみたい。ラッセルさん皆さん、騒がせてしまい本当に私が悪かったわ……」と言い、皆は元の生活に戻った。
……かと思われたが勿論こういう話でよくあるパターン通り、アンナが見た殺人や出来事は全て事実で、犯人はさっきの中にちゃんといた。
アンナは自殺しようとするが偶然、今度こそちゃんとした証拠を見つけ、そこに犯人……っぽく見せたキャラが現れ、その後、真の犯人がアンナの家に現れる!
しかも凄くヒャッハー!的な古臭いサイコパス殺人鬼然とした姿で。邦画ならイケメンが喜々として演じて「さぁゲームの始まりですwww」とか言い出すような薄いキャラだ。
この古臭いサイコパス殺人鬼はかなり……何というか唐突で薄っぺらく嘘くさいキャラだった。原作の小説なら真犯人の背景とか心境とか台詞がたくさん書かれて納得できるのかもしれないが、この映画では凄く唐突に見える。ヒャッハー!的サイコパスが突然現れて訊かれてもないのに自分の動機をバンバン喋り始めるのでコントに見える。
そしてまたコイツは今までの劇中での姿とは違い、フードを被っている。何故かと言うとアメリカ映画では「フードを被ってる=後ろ暗いことがある奴」という記号なので、つまり「今からこのキャラは真犯人です、お前らみたいな者にもわかりやすいように真犯人を犯人っぽい格好にしたよ!」という事なのだろう。第二幕の最後でアンナの過去が明らかになる描写の丁寧さが消えた雑で粗い描き方だ。アンナの真実が描かれる流れが映画として良質だっただけに、すぐ後に描かれたこの解決編が物凄く陳腐に見える。
もうやる事ないのでアンナと真犯人のガチバトルが始まる!
「昔のアメリカ映画は色々ありつつも主人公と悪役が屋上とかトラックの屋根の上とかで殴り合って勝敗が決してたよな」とかよく冗談で言ってたが正に2021年にもなってそれをガチでしてる展開だ。日本のサスペンス劇場なら崖の上で犯人と語り合うクライマックスか。
第二幕まではエイミー・アダムスの演技もあって「人間ドラマも見せる繊細なサスペンスミステリーなのかな」と思って見てたのに突然「主人公と悪役が屋上で殴り合う」展開になった。
アンナは広場恐怖症なので屋上に逃げたら発作が起きる。
アンナ「ぐわああああ!頭が痛い!」
真犯人「ヒャッハー!逃げられはしないよ!」
悪役が振るう園芸道具がドアップのアンナの頬にグサッ!と刺さる!
アンナ「おッほおおォッ!」
「おッほおおォッ!」じゃないから。エイミー・アダムスに何させとんねん。
広場恐怖症で普通の生活すら送れずハロウィンで子供達が「お菓子おくれ」と訪ねてくるだけでブッ倒れてた中年女性アンナは、ただ屋上に居るだけで立ってられんほど苦しい!刺された顔も痛い。
アンナ「ひいいいい!救命阿 (じゅうみんあ)!」
苦しみながら屋上で真犯人とぶん殴りあう。さっきまでコンビニにすら行けなかったのに随分と元気だ。ひょっとしてこの殴り合いで治っていってるのかもしれない。凄いね人体。
そして真犯人は映画序盤で振っていた”古びた天窓”の上に倒れた!アンナはこの機を逃さず、両手の掌底による下段突きを天窓に喰らわせる。
アンナ「噴ッ(ふんッ)!喰らえェッ!」
古武道に伝わる完全なる眩惑(フェイント)に隠された必殺の両手掌底……、
アンナのダブル掌底で天窓にヒビが入り、天窓が割れる前にアンナは素早くローリング!
アンナ「おっと危ねェwww!」
真犯人「ぐわああああああ!」
真犯人だけが一階まで真っ逆さまに落ちていき……。
死亡!(ドァ~ン!)
アンナ「やれやれだわ」
解決!(バァ~ン!)
なんすかこれ。
刑事はアンナに謝罪!そしたらスッキリしたのか死闘を通じて凄いね人体でアンナの広場恐怖症も良くなったのか……アンナ全快!
復ッ……活ッ!
精神分析医アンナ・フォックス復活ッッ!アンナ・フォックス復活ッッ!アンナ・フォックス復活ッッ!アンナ・フォックス復活ッッ!アンナ・フォックス復活ッッ!アンナ・フォックス復活ッッ!
アンナ「してぇ……精神分析してェ~~~~~~~~(ニヤァ)」
アンナは過去のトラウマを乗り越え、ネコチャンを抱いて引っ越し。新しい人生を歩んでいくのだった……。
ですから、なんですかこれは。

 

 

 

特別につまらないわけでもなく、突然アンナがラストバトルして敵をブッ殺するのも別の面白さもあると思うが……、何というか後半は2000年代初頭くらいのアメリカ映画みたいでしたね。映画の3分の2……第二幕くらいまでの丁寧に、時には大胆に描いてた展開と、最後の粗い第三幕があまりに落差ありすぎる。20年前の映画でよくあった、プロデューサーとか制作会社に「曖昧な結末じゃなくてさ、こう最後に殴り合って勝利してハッピーエンドにしなきゃ!」と言われて監督はそうした……って感じの終盤だった。いや、原作もこういう展開なんだろうけど、もうちょっと見せ方あるだろう、と思った。やっぱ犯人の描き方が適当すぎるのと、普通の生活すら送れないアンナが突然闘い始めて真犯人を素手でブチ殺すのが悪かった気もする。
もっと開き直ってアンナが突然スーパーパワーを発揮して犯人を血祭りにあげるくらいの無茶苦茶やったら、まだ納得できたかもしれない。あまりに2000年的な「やってる間にこうなっちゃいました」って感じの古臭い展開でした。この監督作品で観たのはジェイソン・ステイサム主演の『ハミングバード』だけだけど、それは結構良かったんですけどね。か弱いと思ってた精神を病んだエイミー・アダムスが敵と敢然と戦い始める本作とは逆で、『ハミングバード』はめちゃくちゃ強いとしか思えない精神を病んだジェイソン・ステイサムがいつもほど強くないという映画だった、『ハミングバード』も脳が壊れたジェイソン・ステイサムが真実と向き合う様子が良かったし、この監督はそういう展開が描きたい人なのかもね。だからアンナのトラウマを描く第二幕で力尽きて倒れてしまい、第三幕は近所を歩いてた奴が監督して出来上がったのかもしれん。
これならアンナが真実を思い出して彼女の精神が完全に崩壊し、自殺はするが彼女がPCかネットに残した証拠によって事件が解決してアンナの魂は家族の元へ……って感じのバッドエンド風ビターエンドの方がまだマシだったかもしれん。
でもエイミー・アダムスの熱演もあったし終盤の展開も違う意味で面白かったので退屈せずに楽しめはしたけど。最後の展開も人によっては「これだから良いんだよ!自分はこれ好きだぞ!」って人もいると思う。
それに、この映画よりもこの感想書いてるうちにどんどん楽しくなってきたので、観てる間より観終わった後で楽しくなれる映画だと言えなくもない。ひょっとして良い映画だったのかもしれんね。

 

 

 

そんな感じでした

『ハミングバード』(2012)/イースタン・プロミス脚本家によるアクションよりドラマ中心のステイサム映画➕ - gock221B

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The Woman in the Window (2021) - IMDb

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『ラブ、デス&ロボット』Vol.2 (2021) 全8話/今回はRobert Valley作品とバラード原作とランズデール原作作品が良かった💓💀🤖

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原題:Love,Death + Robot (Season.2) 企画&製作総指揮:デヴィッド・フィンチャーティム・ミラー。他 総監督:ジェニファー・ユー・ネルソン 製作国:アメリカ 制作局:Netflix 配信時間:各話10数分、全8話、全長105分

 

 


ティム・ミラーデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮として制作するNetflixオリジナルのアニメシリーズ。
元は、カナダのSFアニメ映画『ヘビーメタル』(1981)のリブート作品として2008年に制作が始まったが製作者が代わりながら紆余曲折の末、映画じゃなくてTV作品、そして『ラブ、デス&ロボット』というタイトルのNetflix作品として2019年に全18話で公開された……というのは今、Wikipedia見て知った事をただ書き写してるだけなので恐縮ですが……僕は好きな映像作家やアーティストや原作者が関わってるし海外アニメ自体好きという事もあり『ラブ、デス&ロボット』のシーズン1が凄く好きだったんですが「映画『ヘビーメタル』(1981)のリブート作品を想定していた」というのは今、知って、それは自分が気に入ったわけだなと思いました。『ヘビーメタル』(1981)は、フランスのコミック誌”Métal Hurlant”の映画化で7つの短編、エロと暴力とホラーとロボットが詰まったオムニバスのアニメ映画で……一言でいうと自分より上の世代の海外のオタクが好きそうなものが詰まった感じの作品で、僕は20代の時に観て大好きだったので(多分、僕は一人っ子なので年上のオタクのお兄ちゃんと語りたかった欲求が解消されるから一世代上のオタクっぽいものが好きだったんだろう)、『ラブ、デス&ロボット』シーズン1を観て「なんかヘビーメタルみたいでいいな」と思ってたんですが、実質的に『ヘビーメタル』の現代版だと知って納得しました。『ヘビーメタル』の話はまた今度にするとして、ラブデス新シーズンが2年ぶりに来た。

 

 

💓💀🤖

 

 

第1話『自動カスタマーサービス 
老人たちはハイテクを駆使した福祉施設で生活を送っていたが、家電が狂って人間に反旗を翻して主人公の愛犬家の老婆が対抗する、……というディフォルメされた絵柄のコメディSF。特に文句があるわけではないが「ヨボヨボのおばあちゃんが家電とターミネーターみたいに死闘を繰り広げて何だか可笑しいね」って感じの妙に古臭い……30年前くらいのユーモアだと感じたし、そんなおばあちゃんの話が一発目というのはどうか、もっと派手な話を最初に持ってくるべきじゃないだろうか。原作はSF小説家のジョン・スコルジー……だそうだが僕は読んでないのでよく知らない。

 

 

第2話『氷』 ★★★★★
近未来、殆どの人類は自らの肉体を改造しており、改造してない人々は疎外感を抱えていた。主人公のアジア系青年もその一人。主人公は、身体改造している弟が参加しようとしている凍った海を走り抜けるレースに挑む。……という話。
主人公兄弟が参加するレースは、地域の不良たちが行っていて上手くやれば彼ら彼女らの仲間入りできる感じのイニシエーション(通過儀礼)的なもの。氷の上を全力疾走で走り抜けるだけだが氷の下に潜む電気をまとった巨大なクジラが氷をぶち破ってくるので速度が足りなかったり運が悪ければ絶命してしまう(というか死の恐怖がなければ、ただ走るだけなんて面白くないので当然とも言える)。レースを行う直前に恐怖を麻痺させるためにか何かスーパー大麻みたいなものを吸う、ドラッグもまた通過儀礼……。
身体改造していないため、このコロニーではマイノリティである主人公が、彼ら彼女ら不良たちに溶け込もうと奮闘し、レースを通じてあまり仲良くなかった弟とも打ち解けようとする話。なんか自分の10代とか20代前半にこういう通過儀礼的な事ってよくあったなと懐かしくなった。クリアしたから健在だが失敗すれば傷を負い部屋の隅で膝を抱えるしかない。だが不良との遊びに限らず現代社会は良くも悪くもこういうものではだよな。
……という物語は好きなものだしアニメもアクション主体で好みだが、やはり監督&アートを務める、いま世界で最もカッコいい絵柄を描くRobert Valleyのアートがカッコ良すぎる、というのが一番の売りだと思う。彼の描くアジア人はアジアンの特徴を残したままカッコよかった。いつもストーリーは割と普通なんだがビジュアルが鮮烈だし今回のシーズンでは貴重な2Dアニメでもある、不良少年がチキンレースして友情を深めるという爽やかさもあるので「何で、こっちを第1話にしなかったの」と激しく思った。
Robert Valleyは、二次元キャラによるバンド〈ゴリラズ〉のキャラデザを担当したり映画にもなったコミック『タンク・ガール』を描いたジェイミー・ヒューレットに影響を受けたらしい。そう言われたら絵柄そっくりだな。ジェイミーも好きだし。今回みたいに東洋人が出たらゴリラズのヌードルによく似てたしわかりやすい。
Robert Valley - IMDb Robert Valley - Vimeo

 

 

第3話『ポップ隊』 ★★
富裕層に資源が管理され、未登録の子供は国家に禁じられ処分される近未来……要は「子供が狩られる『ブレード・ランナー』」。貧困層ほど子供を産みやすいものなので、貧乏人ほど苦しめられ金持ちは贅沢し放題……という話。現実もこんな感じだ。

 

 

第4話『荒野のスノー』 ★★★
灼熱の惑星で"スノー"と呼ばれるアルビノ男性。彼は不死身であるため様々な賞金稼ぎに狙われていた。……要は『スター・ウォーズ』でハン・ソロが酒場でバウンティハンターを返り討ちにするくだりを一本の作品にしたようなもの。スノーとは違う理由で不死身である女性ヒラルドに命を救われ敵を全滅させハッピーエンド。企画の元になった『ヘビーメタル』で、よくありがちな、暴力&SEX&メカでカッコいい女性と結ばれてハッピーエンド……という実に『ヘビーメタル』的な物語。非常に都合が良くアラフォー以上の中年男性にとっては懐かしい感じのストーリー。短編だしたまにはいいだろう。……逆に言うと元の『ヘビーメタル』は勿論そうだったんだが『ラブ、デス&ロボット』も男のファンタジーが多すぎて女性のファンタジーが足りてないなと思った。まぁ最初から男性向け作品なのかもしれないが女性に向けたファンタジーが増えるのも悪くない気もする。酒場で出る酒のグラスも毒を盛られるのを防ぐためか店員が目の前でグラスの蓋の暗証番号を押して外すという細かい設定が良かった。昔、六本木のクラブで一服盛られて財布盗られた事があったし有名大学のサークルでも似た事件が多いから現実世界で採用してもいいかも。

 

 

第5話『草むらに潜むもの』 ★★★★
列車で旅していた旅行者が、人里離れた場所で列車が停まった時、草むらに入って顔のないバケモノに襲撃される……というスティーヴン・キングの『イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-』っぽい話。原作のジョー・R・ランズデールは、僕も20代の時に『ボトムズ』『ダークライン』やハップ&レナードシリーズなど、翻訳されてるもの殆ど読んで好きだった作家だったし本作も良かった。アメリカの草むらホラーは、人がすっぽり隠れる草むらが多いアメリカならではのホラーだね。慣れきった機関士が良い感じ。そのまま殺されるよりこのラストの方が印象深い。

 

 

第6話『聖夜の来客』 ★★★
クリスマスイブの夜。興奮で眠れずにいた2人の幼い姉弟。そこに現れたサンタクロース……だと思われるギーガー風のモンスター。くそビビりまくる姉弟はプレゼントを貰える良い子なのか?そもそも喰われないのか?という「サンタさん実はモンスターだった?」系のお話。ほのぼのした可愛らしい話だが「良い子じゃなければブッ殺されてたんだろうな多分」という想像の余地を残してるところが良い話。

 

 

第7話『避難シェルター』 ★★
荒れ果てた惑星に不時着した戦闘機パイロット(マイケル・B・ジョーダン)。シェルターを見つけた彼は、そこでやり過ごそうとするが狂ったシェルターの設備が襲いかかってくる……という、この話もまた、よくある「機械の反乱」もの。おばあちゃんが家電と闘う第1話を劇画タッチにした話というか、でも熱演するマイケル・B・ジョーダンはかなり痛い目に遭っててバイオレンス成分がある。『世界の中心で愛を叫んだけもの』でお馴染みのSF作家ハーラン・エリスン原作らしい。

 

 

第8話『おぼれた巨人』 ★★★★★
ティム・ミラーJ・G・バラードの短編小説を映像化したものらしい。
嵐の去った後の浜辺に巨大な鯨くらいデカい全裸の巨人男性の死体が打ち上げられる。人々は巨人を見ようと押し掛け、記念撮影したり上に登って遊んだりする。主人公の中年男性は巨人や集まる人々、そして人々が巨人に飽きる様子などを記録する、という淡々とした話。対象が巨人だという事以外は物凄く穏やかな話。主人公が、人々に対してとか巨人が腐敗していく様子など、何が起きても肯定的な感想を持って微笑んで眺めてる様子が静かに楽しい。最後にオチっぽい面白さで締めくくるが、淡々とした静かさが良かったのでどうせなら最後まで何もない方が良かった気がする。
短編である事やフォトリアル3DCGである事などが全てこの作品の後押しをしており、シーズン1&2合わせても1、2を争う完成度の高さ。

 

 

💓💀🤖

 

 

そんな感じだった。とりたてて「そう来たかぁ」と驚くような話はないし面白すぎる 話があるわけでもないが、しみじみとした良さがあった。元の『ヘビーメタルからしてそんな感じだしね、ただ現代版『ヘビーメタル』だと思うと、エロスが少ない気もするが時代の流れか。予告編を観て「こんな感じかな」と想像した通りの内容で、3DCGアニメの技術以外にこれといって優れたところはないので予告を観て「観たいかも」と思わない人や「日本のアニメだけ最高!洋物は苦手」って人は観ても面白くないと思う。僕は好きだけど。
一番良かったのはRobert Valley監督の第2話『氷』第8話『おぼれた巨人』の2つで、三位が第5話『草むらに潜むもの』かな。
作品的には『おぼれた巨人』がぶっちぎりなんだが、『氷』はやはりRobert Valleyのカッコ良すぎる絵と優れた構図と貴重な2Dアニメ枠という部分で俺ポイントを稼いだ。個人的な好みだとやはりRobert Valleyみたいに一発で描いた人が誰だかわかる特徴的なデザインの方が良い。
あまりに実写的な、フォトリアル3DCG作品が多かったが「別にそれが悪いわけじゃないが、ここまで実写みたいな3DCGなら、実写で撮った方が良くない?」と感じてしまう。そのフォトリアルな3DCGで普通っぽいSFアクションが展開されると「ゲームのカットシーンみたいだな」と感じて凡庸に感じてしまう。でも『おぼれた巨人』の場合、リアルであればあるだけ面白さに繋がる作品だったからフォトリアルでやった意義があったなと感じた。
シーズン1は全18話だったが今回はたったの8話だったので一気に全部観れた。全話一気に観ても長くない長編映画くらいしかないし。その代わり来年2022年には今回のシーズン2同様全8話からなるシーズン3の公開が予定されてるそうなので溜めて出すんじゃなく毎年コンスタントに出す流れになったようだ。シーズン1では2Dアニメや実写が混じった作品もあったのだが今回は殆ど3DCG作品だった。それとシーズン1では『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)でコンセプトアートを描いたアニメーターAlberto Mielgo氏の『目撃者』が一番好きだったのだが今回はAlberto氏が不参加で残念。また2Dアニメが無くフォトリアルな3DCGアニメが多すぎた。シーズン1から話数が半分になってるしバランス悪かった、制作陣が「シーズン5くらいまで余裕で続けられるよ」と言ってるので推測だが恐らく数十話くらい一気に制作GOして先にできた8話をとりま配信したんちゃうやろか?お昼の定食屋の様に……。似たような話が被ったりしてるし、ミュージシャンが熟考してアルバムの曲順を考えてる感じはしない。しかし全体的なディレクションを詰めるともっと間隔が空いてしまうのかもしれないし別にこれでいい気もする。また来年。

 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

ティム・ミラー
 「デッドプール (2016)」一切リアクションしない中学生男子みたいなヴィラン以外は好き❌ - gock221B

『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)/意外と良かった!新キャラ良かったのでシュワとサラ・コナーはむしろ居なくてよかった💀 - gock221B

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ラブ、デス&ロボット | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
Love, Death & Robots (TV Series 2019– ) - IMDb

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溺れた巨人 (創元SF文庫)

溺れた巨人 (創元SF文庫)

 

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『パペット・マスター』(2018)/ザラー脚本のおかげか冴えたシーンが多い優れたC級ホラー映画風のB級ホラー映画でした🧸

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原題:Puppet Master: The Littlest Reich 監督:トミー・ヴィクルンド。ソニー・ラグーナ
脚本:S・クレイグ・ザラー 製作国:イギリス/アメリカ 上映時間:90分
シリーズ:『パペット・マスター』シリーズ13作目

 

 

 

『パペット・マスター』シリーズの13作目だが、本作はリブート的な内容で過去作の知識は一切要らんらしいしNetflixで配信始まったので観た。最初に結論を言うとめっちゃ良かった。
Wikipediaで調べると『パペット・マスター』(1989)から始まる 『パペット・マスター』シリーズの13作目らしい、というか本作の後にスピンオフ的な14作目もひっそり作られて公開も既に終わってるみたい。1989年から、6年以上間が空いたことなくコンスタントに延々と作られてた事を今始めて知った。この『パペット・マスター』ってシリーズがあるのは知ってたけど実のところ一回も観てなかった。
同じく最近リメイクが作られた人形系ホラー『チャイルド・プレイ』(2019)も初めて観てとても面白かったの同様、本作も凄く良かった。どちらも80~90年代に有名で自分もホラー好きの少年だったが「うーん、人形かぁ……」と、”人形を軽んじる心”があって観てなかった。他に人形で有名なのだと『アナベル 死霊館の人形(2014)のシリーズがあって一作目だけ好きだが、これも正直「人形かぁ」と”人形を軽んじる心”によって長い間積んでた覚えがある。やっぱ人形は圧倒的に質量が小さいので「そんな人形なんかサッカーボールキックで壁に叩きつけてフラッシング・エルボーぶち込めば一撃で倒せるだろ!」という”人形を軽んじる傾向”があり怖さを感じないせいだったのかも。でも本作も『チャイルド・プレイ』(2019)も『アナベル』一作目も良かったから”人形を軽んじる心”は捨てよう。そういえば僕には”怪獣を軽んじる心”もあったのだが近年色々観てその偏見も消えてきた。
監督はよく知らんヨーロッパのホラー監督、脚本は映画好きの間で人気のS・クレイグ・ザラー、『トマホーク ガンマンvs食人族』(2015)しか観てないけど突発的かつリアルで意外な死や展開が多くて面白かった。他のも観たいのだがこの監督を好きな人はやたらと熱狂しててうるさいので、その臭みが取れたら観る。
ネタバレあり。とはいえ本作もネタバレがどうこうという内容でもない気がするが……。

 

 

 

80年代、ドイツからやってきた怪しい老人トゥーロンウド・キアー)。
彼はかつて不思議な力でパペットを操ってユダヤ人や同性愛者を虐殺していた元ナチスだった。アメリカでも気に入らない同性愛者を殺害していたが警官に踏み込まれる、カメラは建物の外から建物を映してるだけだがトゥーロンは警官隊に蜂の巣にされて絶命!ここでルッソ監督のMCU作品みたいにクソでか白フォントでタイトルが出る『Puppet Master: The Littlest Reich』バーン!かっけ!そしてOPでは音楽に乗せてトゥーロンが呪いのパペットを作って虐殺したりアメリカに逃亡したりというトゥーロンの半生が紙芝居のように語られる。いいじゃない。
「パペット・マスターぁ?まぁ観てみるか一応」……と舐めくさった態度で再生したけどB級っぽくてテンポ良く洗練されたアバンとOPで期待が一気に高まった。
トゥーロンは、旧シリーズでも殺人パペットを作ってた人形師の名前らしいがリブートらしいので別人だろう多分。あとパペットの数体も旧作……のジャケットとかで見たことあるけど観てないので以降、一切旧作要素の言及はしない、できんし。
時は流れて現代。
妻と別れて現在のテキサス州ダラスのコミックショップ。
接客している主人公の男性はコミック・ライター兼アーティストでもあって『マダム・ライトニング』という作品がヒットしたが、妻と別れた傷心でスランプになって二作目が描けないでいるらしい。が、映画開始して割とすぐ新しい恋人ができた。
口数の多いグラインドコア好きの店長は主人公の親友っぽい。
邪悪なナチス人形師トゥーロンをブッ殺した建物は今ではその事を記念したトゥーロン博物館になっており、そこで散逸してしまった数十体のトゥーロンのパペットを買い取るイベントがあるらしい。
主人公の弟もトゥーロン作のパペットを手に入れてすぐ謎の死を遂げたらしい。主人公は弟の形見であるトゥーロン製パペットを手に、新恋人と親友の店長と三人で出かける。
トゥーロン博物館ではトゥーロンを射殺した婦人警官がツアーコンダクターしていた。この婦人警官を演じるのはバーバラ・クランプトン。彼女は一作目の『パペット・マスター』(1989)に出てたらしい。あと『ZOMBIO/死霊のしたたり』(1985)とか『フロム・ビヨンド』(1986)での主演が有名なスクリーミング・クイーン。僕も子供の頃、姉に『ZOMBIO/死霊のしたたり』を観せられてバーバラ氏の全裸を観て興奮した覚えがある。そんな人が世界中にいるみたいで本作とか『喰らう家』(2015)とか最近のホラー映画にもちょいちょい出てくる。基本的に顔が若い時のまま殆ど変わってないタイプの人なので60歳過ぎてるのだが40歳くらいにしか見えない。
バーバラがパペット譲渡会に集まった人たちや我々観客にトゥーロンの事を説明する。改めて教えてくれなくてもOP紙芝居で大体わかってたけど、まぁいいや。射殺されたトゥーロンは近くの墓所に眠っおり、墓所には妙なアンテナが立っている……という新情報。
その後、恋人を作りたい主人公の親友がバーで美人のナンパに失敗するが趣味が合うオタク女性と知り合う。この辺は、くだりは後で死んだり助かったりする脇役の紹介になっている。
パペット譲渡会に集まった、パぺット所有者とトゥーロン製の殺人パペットは近所のホテルに泊まる。トゥーロン墓所にある謎めいたアンテナ……。
という事で準備は整った。殺人ショーの始まりだ。

 

 

トップ画像にした火炎放射器を持つパペットがいちゃつくカップルを焼き殺す。
トイレで小便してるおじさんの首を斬り落としおじさんの頭部は便器に落ちて自分で自分の顔に小便をかける事に……(おじさんの首があったとこから自分の男性器や便器を見下ろす主観視点なのだが、おじさんのチン先をノーカットだった。本物のチンコなのか作り物なのか謎だが、先っぽだけならカットしないんだね?たまにチンコを隠す映画隠さない映画があるが基準が謎だ)。
女性器から入っていって腹を突き破る、とか男性の胸に入っていき男性に成り代わるパペットもいる。
グロといえばグロ描写なんだろうが、80年代ホラー的な笑って欲しい感じのマンガっぽい残酷描写なので観て気分悪くなる人もいないと思う。それよりオッパイとかSEXシーンをガンガン映すってのが、もうアメリカエンタメ映画では無い事なので何だか懐かしい気分になった。
近所の警察官は、容疑者として生き残った客やホテル従業員などをロビーに集める。
だが停電が起こってパニックを起こした客が外に出る。それを待ち受けてたパペット達による大殺戮!これで三分の一くらいやられる。再びロビーに閉じこもる生き残り達。
殺人パペットだ!
知ってる知ってる!みんな見とったからな!
この辺は話が早くていい。昔から映画やアニメで「人形が襲ってきた!」→「またまた、こいつ頭イかれてるぜ笑」→襲われる!みたいなのって、イライラするし面白くなかったので端折ってくれて助かった。
パペットは一応、からくりで動くものの霊的なパワーで動いているため、そのパペット分の質量からは見合わないくらいのパワーを持っている。ヘリコプターみたいなパペットは二回斬るだけで大柄おじの首を撥ねる。だけど基本的には油断した相手を暗殺するための殺人パペットなので、人間がパペットをガシッと掴んで殴ったり床に叩きつけたら普通に壊れる。色んな種類あるけど人間の死体の中に入って操ることができるパペット”ミニ総統”が一番強い気がする。他の奴らは、パペットという立場を利用して暗殺するという利点を除いたら物理的には兵士やドローンの方が強いですよね。
そんな感じで破壊したり殺られたり……の攻防。
ホテルの黒人バーテンの通称”クマさん”もドリルパペットと格闘。殺されてしまう警察署長の部下の「僕は狙われます、だって……」と言った警官は理由がわからないまま殺されてしまうが、あれは彼は実はゲイだったって事だったのかな?
主人公と恋人、主人公のお調子者の親友と知り合ったオタク女性はホテルの一室に籠城する。近くから助けを求める女性の声がして助けに行きたいが死にたくないと葛藤する親友カップル。するとパペットに殺されかけてる女性はユダヤ人に伝わる言葉で祈りの言葉を唱え始めた。
「もう見て見ぬ振りはゴメンだ!」
お調子者の親友が打って出る。彼もユダヤ人で曽祖父はアウシュビッツに居たという、助けを求めてたユダヤ人女性はもう死んでるだろうけどナチをぶっ殺してやる!という……基本、皆がサバイブするというのが目的のホラー映画の中で、義憤にかられた人物が損得を超えた行動に出るという展開は熱い。『ホステル』『アフター・ショック』とか、イーライ・ロスのホラーでよくあるけど好きだわ。
当然、ユダヤ人女性は殺されていたがパペットを怒りで何体も破壊する親友。だがやがて親友もやられてしまう。
主人公たちは親友の「窓から飛び降りろ」という遺言を聞き
トゥーロンの墓地、あれ怪しかったよな?あれをぶっ壊そう!」と窓からゴミ捨て場に飛び降りる。
ただ、親友がナンパしたオタク女性、彼女だけが着地に失敗して顔面を強打して即死してしまう。この無駄な突然の死はS・クレイグ・ザラー味を感じた。ちょくちょくある、こういう良いシーンが本作を良くしてる、と思ったが、このシーン観ても「飛び降りに失敗してパペット関係なく死ぬシーンが何で良いの?」と訊いてくる感じの人にどう説明すれば良いのかはよくわからん。
主人公と恋人はトゥーロン墓所に突撃。最近蘇ったのか、又は焼死体のまま何十年も生きてたのかはわからんが焼けただれたトゥーロンが、怪しいアンテナを通して霊的エネルギーを放出してパペットを操ってたらしい。
トゥーロン墓所の中から80年代的な色付きのライトを背に浴びてヨタヨタ歩き出てくる。彼女に襲いかかったトゥーロンを、主人公は棒で殴ってひるませたのだが恋人に「大丈夫か!?」とか言ってる間にトゥーロンはヨタヨタと墓所に入ってナチの銃を取り出し、またヨタヨタ出てきて彼女は撃たれてしまう。そしてどこかへと夜の闇に消えるトゥーロン……。というか主人公は何しとんねん。最初に殴ってトゥーロンが怯んだ時にそのまま全身バラバラに出来たのにね。「敵を殴って、軽症を負った彼女に駆け寄って大丈夫かとか言ってる間にやられる」って、かなりしょうもない展開なんだが、ここまでずっと冴えた展開だったのに何でここだけこんな感じだったんだろう。
恋人の脳が飛び散るカットは良かったけどね。
まぁとにかく生き残った主人公はそれを二作目のコミックにしてヒットするというオチ。酷い目に遭ったが創作に活かせたという『ミッドナイト・クロス』『ミザリー』を思わせるオチ。何なら「ここまでの全編は全て漫画だった」という観方も出来なくもないイカしたラストだ。
そういえば主人公の一作目『マダム・ライトニング』は別れた妻をヒーロー化したコミックで、だから離婚したら漫画が描けなくなり、新恋人も『マダム・ライトニング』を読みたがらなかった……という事を新恋人が告白して2人の結びつきが強くなるシーンも人間味あって良かった。この辺もザラー感を感じたな。
そんな感じで何かC級ホラー映画の雰囲気のB級ホラー映画って感じだった。要所要所で褒めた展開など良いところも多くて、完全に舐めててハードル低かったのもあるが凄く楽しかったです。
それと「どうせ強くないから……」という俺の”人形を軽んじる心”だが、人形ホラーに限らずロメロの遅いゾンビもそうだけど、人を襲う時は皆「カメラのフレーム外からいきなり現れて首を切り裂いてくる」って感じでやってくるから実は人形だろうがトロいゾンビだろうが、演出さえ良ければバケモノはどんなもんでも面白いホラー映画は成立するんだよね、それを思い知った(まぁ「豆腐が襲ってくる」とかになると、さすがにホラーじゃなくなるだろうけど)

 

 

 

そんな感じでした

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Puppet Master: The Littlest Reich (2018) - IMDb

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