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『オビ=ワン・ケノービ』(2022) 全6話/せっかくユアンとヘイデンを使えたのに勿体ない…と思わせられるシークエルみたいなドラマ⭐


原題:Obi-Wan Kenobi 監督&製作総指揮:デボラ・チョウ 主演&&製作総指揮:ユアン・マクレガー 製作総指揮:キャスリーン・ケネディほか テーマ曲:ジョン・ウィリアムズ 原案:ジョージ・ルーカス 制作&配信:Disney+ 製作国:アメリカ 配信時間:36~53分、全6話 シリーズ:『スター・ウォーズ』のスピンオフドラマ

 

 

 

このオビワンのドラマは最初『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』(2016)から始まる「スター・ウォーズのスピンオフ映画」の一本としてボバ・フェット同様に企画されてたがスピンオフ2作目の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)がコケたので(『ハン・ソロ』だけのせいというよりもシークエルの不評もあってディズニー製SW全体の人気が下がったためだろう)。スピンオフシリーズは制作中止になり、シークエルは何だかどうしようもない感じで終わった。多くの人がSWへ何も期待しなくなってたが『マンダロリアン』〈シーズン1〉(2019) 全8話がまさかの大人気。多くのSWファンの傷を癒やした。そして本作は『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』全7話 (2021-2022)同様にディズニー+のドラマとして満を持して作られた。
『スター・ウォーズ ep3/シスの復讐』(2005)以来、17年ぶりにユアン・マクレガーがオビワンを演じ、ヘイデン・クリステンセンダース・ベイダーを演じるとあって世間の期待は高まった、僕も『スター・ウォーズ ep3/シスの復讐』(2005)は大好きなので(僕は旧三部作世代だけど下手したらEP3がSWで一番面白いかもと思ってます)面白ければいいな、と思ってたけど本作を制作するのはルーカス直径のマンダロリアン一派(デイヴ・フィローニ&ジョン・ファブロー)ではなく、シークエルやSWをめちゃくちゃにした(と言われている)現ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディの力が及んでそうな作品なので(メディアへの発表などで本作についてはキャスリーン・ケネディが必ず出てきてユアン・マクレガーと肩組んでたので、そうだろうなと思ってた)、あまり期待しないでいた。
だがデボラ・チョウはマンダロリアンで2話ほど監督している。ここに期待するか?
しかしキャスリーン・ケネディが関わると、個性的な監督とやたらと揉める。彼女が関わったディズニー製SW作品のうち、揉めて監督を追い出した作品……ローグワン、ハン・ソロ、EP9スカイウォーカーの夜明け……なんと5本中3人も追い出している、更に制作中だったSW映画でワンダーウーマンの監督と揉めて制作中止になった。デボラ・チョウのような若い監督がキャスリーンを圧倒できるわけない。だから多分パッとしない内容になるだろうなと思ったら本当にパッとしない内容だった。それと「キャスリーンの強権が及んでそうなSW作品」のセオリー通り、本作も異星人が全く活躍しないSW作品だったので「やはりキャスリーンにやられてるな」と思った。
なんか最初に結論言ってしまった感はあるが続けよう。
ネタバレあり

 

 

 

 

前作、『スター・ウォーズ ep3/シスの復讐』(2005)のオビワン中心のStory

強力なジェダイ・マスターだったオビ=ワン・ケノービユアン・マクレガー)。オビワンの最愛の友であり凄まじい才能を持っていたパダワン(ジェダイの弟子)だったアナキン・スカイウォーカーヘイデン・クリステンセン)が、邪悪なシスの暗黒卿ダース・シディアスの長年にも渡る奸計によってシスの暗黒卿ダース・ベイダー”へと堕とされてしまい、オビワンは仕方なく愛弟子だったアナキンに致命傷を負わせ火口に置き去りにして立ち去る。
25,000年に渡る銀河共和国の平和や、それを護ってきたジェダイの歴史は、パルパティーン銀河帝国皇帝/ダース・シディアスによって滅び、銀河帝国による恐怖の時代が始まった。
アナキンの妻パドメはアナキンの子を産み哀しみのあまり絶命。娘レイアはオルデラン王室の元老院議員ベイル・オーガナに引き取られ、息子ルークは タトゥイーンの農家ラーズ夫妻に引き取られる。
オビワンはルークを見守る砂漠の隠者となり世間から身を隠した――

本作のStory
それから10年後、
ジェダイ・マスターオビ=ワン・ケノービユアン・マクレガー)は、農家ラーズ夫婦に預けたアナキンの息子ルーク・スカイウォーカーを見守るためタトゥイーンで日雇い労働者として隠遁していたが、アナキンや仲間の全てを失った哀しみで心も身体も死んだような状態だった。
そんなある日、オルデランの名家オーガナ家の養女として育てられていたルークの妹……アナキンの娘、レイア・オーガナ(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)が誘拐されてしまう。
養父ベイル・オーガナはオビワンにレイア救出の依頼をするが――

そんな感じの話。
本作は、オビワンのショボい生活を通じて完全にオビワンの心が折れた様子を見せる。砂漠の隠者となってたのは知ってたが想像以上に心が折れてた。
だがオビワンは本作の数年後、アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』シーズン3(2017)で老ダース・モールと決闘したり、9年後にあたる『スター・ウォーズ ep4/新たなる希望』(1977)でルークやレイアを助ける時はシャキッとしてたから、本作は第1話の時点で「心が折れてた隠者オビワンがシャキッとした隠者オビワンになるまでの話なんだな」とわかった。
第1話でオビワンは、砂漠でマグロみたいな巨大生物の解体バイトしてるんだが「ぶつ切りにした肉を包んで持ち帰る」というシーンが2回も3回もドアップで撮ってるので「何なん?このオビワンの万引きシーン」と見てるとだんだん可笑しくなってきた。あまりに何回も見せるので「何かの伏線か?」と思ったが特に何もなかった。飼ってるラクダみたいな生き物に与えるため?いや、万引きした肉でルークに与えるオモチャを買うための金を作るためだったのかもしれん。だがルークの育ての親ラーズに「ジェダイの訓練とかしたらルークが見つかるから必要ないし、ウロチョロすんな!」と怒られて折角買ったオモチャも返されてしまいションボリするオビワン……。
なんか一理あるけど、ラーズのオビワンへの当たりがあまりに強すぎない?
オビワンも、普段からジェダイだと悟られないのを気にするあまり、ライトセーバーを砂漠に埋めてしまっているし、自分を見つけたジェダイの生き残りが審問官(シスの配下になった堕ちたジェダイ)に殺されても見殺しにする。それほど徹底している。
もはや「ルークを見守る隠れ住むジェダイ」ではなく「かつてジェダイ・マスターだった男の残骸が、する事ないからルークを遠くから見ているだけ」といった感じ。ただ生きているだけの幽霊のような中年男性になってしまっているオビワン。
レイアを誘拐するのはレッド・ホット・チリ・ペッパーの天才ベーシスト・フリーだった。フリーは映画に出る時っていつもチンピラの役してない?『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart.2』(1989)の時もチンピラ役だったし思い出せないけど他にもチンピラ役してた気がする。
誘拐犯フリーは、審問官サードシスターことリーヴァに雇われただけだった。
リーヴァはレイアを誘拐して、ベイダーが10年間探しても見つけられなかったオビワンを誘き出して献上するための誘拐だったのだ。
予告を観て「オビワンがタトゥイーンでルークを見守りながら敵と少し闘う……という話かな?退屈そうだな」と思ってたら「オビワンがタトゥイーンを出て、幼女レイアと冒険する話」だった。これは良い意味で意外だったので嬉しかったし、埃っぽいタトゥイーン外に飛び出してくれたので第2話を観終わった時は期待が高まった(マンダロリアンでもボバ・フェットでもタトゥイーンばかり出てくるのでもうタトゥイーンはもう見飽きていた)。
第一話冒頭でオーダー66の光景も観れたし、その場にリーヴァが居たから「助けてくれなかったオビワンを恨んでるのかな?」とか思わせられたし、オビワンの日雇いしょぼくれ生活も、「ルークじゃなくレイアと冒険するオビワン」も気に入ったので第1、2話あたりは今後の展開への期待が高まりました。
だがベイルに「レイア誘拐されたから連れ戻しておくれ!」と言われても「いや……他を当たってくれ……」とやる気ないのはビックリした。ここまで心が折れてたとはね。ベイルが押しかけてきてようやく腰を上げるオビワン。

 

 

 

第3話、オビワンとベイダーが出くわし『スター・ウォーズ ep4/新たなる希望』(1977)に先駆けて2人の対決が行われる。
2人の対決は数年前から喧伝していた本作のウリだったが割とションボリとした闘いで、オビワンはオタオタしてる間に惨敗する……。
「オビワン10年ぶりにアナキンと対決!」「オビワン10年ぶりのライトセーバー抜刀!」だった。しかし実際のところ、オビワンは10年間ライトセーバーもフォースも振るっておらずブランクがあった、レイアの名前を検問でうっかり言ってしまうという凡ミスもかますし。そして何よりも「自分が殺したと思ってた愛弟子アナキンが生き延びてダース・ベイダーになってしまっていた」という衝撃の事実をリーヴァから聞かされたばかりだったので異常に動揺していた。EP3でパルパティーンダース・ベイダー呼びしてたからてっきり皆知ってると思ってたがどうやら殆どの人は知らなかったみたい。色んなネガティブな要因が重なったオビワンの「10年ぶりのライトセーバー抜刀!」はジジイがションベン漏らしたような抜刀になり「10年ぶりのアナキンとの対決!」もオタオタしまくってる間に惨敗、致命傷を負わされてしまう……という情けないものだった。
だがオビワンが動揺して情けなくなってたのも、惨敗するのも別に良い。ちゃんと「オビワンはアカンくなってる」と積み上げてたし、ここは「敗北する中盤」であって「再起して最終話でまたちゃんとした対決するんだろう」と予想つくからね。
だから起きる出来事は別にこのままでいいんだけど、単純にベイダーが追ってきて対決してオビワン惨敗するまでの描写がずっとショボい、そこにガッカリした。
第3話でベイダーにボロ負けしたオビワン。リアタイでの僕はまだ第3話観ても「オビワンは弱ってたからこれでいい!描写がショボいのも、オビワンがダメダメなのがシーンにシンクロしてたのかも!?」とか強引に良いように思ってたが続く第4話、ベイダーにボコボコにされた上に全身大火傷を負ったオビワンだが、『ボバ・フェット』でもおなじみのベクタ・タンク……だっけ?あの回復するタンク。あれに入って全快していた(「歩くのがやっと」とか言ってたけど走り回って暴れまくってたので全快)。致命傷が一瞬で全快するし、レイアを救うためのSW恒例の帝国への潜入するのだが何だか凄くノンビリしたモタモタしたアクションや展開なので「第3話は擁護したけど、これはもうダメかもしれんね……」と思った(同じ曜日に配信されるMCUの『ミズ・マーベル』が凄く面白いので余計にそう思わされた)。
で、このまま最後までそんな中途半端な感じなんですよね。
「ストーリーや起こる出来事には文句はないけど観てて本当にショボい……」これが続く。アクションは全く迫力ないし、どこに行っても人が少なくてガラガラだしエイリアン少ないし、舞台も何だか異星感が少ない。ストームトルーパーも少ない気がする、ベイダーも頭悪そうだし。
オビワンを助けた後に死ぬためだけに誕生したターラも予定通り死ぬし。セーバー持ったオビワンを阻むのは紙同然のトルーパー数人だけなのに何故オビワンは蹴散らせないのか?それはターラがオビワンを逃がすために自分を犠牲に爆死するためだからなのだが、それするなら納得させて欲しいですよね。せめてオビワンが審問官を相手にしててターラを助けに行けないとかさ。ターラの相棒ドロイドが死ぬのも『ローグ・ワン』のドロイドでやった事を繰り返してただけだし。
EP2時代の若いオビワンとアナキンの回想をシンクロさせて現在の展開を観せる第5話は割と面白かったけど、後は最終話も似た感じでヘンテコでしたね。
第4話のオビワンは「タンクで回復した」って理由があったけど、第5話でベイダーにライトセーバーで胴体を完全に貫かれたリーヴァが最終話で全快して走り回ってるのは何故なのか?タンクに入ったのか?
というかベイダーに復讐したいリーヴァが、ベイダーとの再戦ではなく幼いルークをブチ殺しに行くのは何故なのか?「ベイダーは強くて勝てそうにない」からベイダーの幼い息子を殺しに行ったのか?簡単にブチ殺せるからね。「リーヴァ主人公のスピンオフ」を作るという噂もあるが、こんな奴を応援する奴いるのか?
長くなるのでイチイチ書かないけど、こういう感じでおかしなところが多い。
ストーリーの都合上、大したことが起きるとは最初から思ってないので、それは別に良い。せめて再起した後のオビワンのカッコいい活躍とか、決着がつかないのはわかってるけどオビワンとベイダーが最終回でカッコいい決闘するのを観たいだけだったのに、何で出来ないんだろ。
やっぱり、シークエルとかローグワンやハン・ソロの前半を思わせるつまらなさなんですよね。スイカの汁飲んでるみたいな。僕が最初から好印象持ってないってのもあるけど「やっぱりキャスリーンが強権持ってるシリーズはアカンかも……」という確信が高まっただけだったね。
「シークエルとかローグワンやハン・ソロの前半を思わせるつまらなさ」というのを具体的に言うと、オビワンが岩いっぱい浮かしたりエイリアン全然活躍しないとか行きあたりばったりな展開とか……そんな感じですね。
あと、ご丁寧にアナキンが子供を殺したり、ベイダーがオビワンを誘き出すために町の子供を殺すとしたりするシーンばかり念入りに見せるもんだから、アナキンやベイダーも改めて嫌いになってきた。オビワンにはEP3の時同様に「いいからベイダー殺せよ」と思っちゃいましたね。実際ラストでオビワンがベイダー見逃したせいで莫大な罪のない人達が死ぬことになっただろうしね。

 

 

良かったのはユアン・マクレガーの演技(最後の泣きの演技よかった)、あとヘイデン・クリステンセン。2人が出てオビワンとアナキンを演じたって事。
新人だと子役ヴィヴィアン・ライラ・ブレア氏が演じる幼レイア。彼女の演技も良かったし「大きくなったらレイアになりそう」って感じの絶妙なルックス。「幼レイアがオビワンと冒険する」というのはEP4でレイアがオビワンを頼りにする事にも繋がるし彼女のキャラも展開も本作で唯一良かったところと言える(ただ彼女のドロイドは何時壊れるんだろう?)、あと偽ジェダイのハジャを演じたクメイル・ナンジアニ、彼のキャラも良かったね。それくらいですかね。
シークエルに対する「こんな駄作許せんから全部なかったことにしろ」とまでの怒りはなく良いところもあるし何だかんだ言って最後まで退屈せずに観れる程度は楽しんでたんだけど、でもこのドラマが丸ごと無かった事になったとしても特に何も思わないですね。その程度の中途半端な感じの……10点満点で言うと4.5~5点くらいのドラマだった。『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』(2016)から「スカリフの空中戦」や「ベイダー無双」を抜いたようなドラマ、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)からミレニアム・ファルコンの戦闘やラストバトルを抜いたような感じの、水割りを更に薄めたようなドラマだった。本作があってもなくてもSWの歴史に全く影響ない作品だった。
だが貴重な食材(ユアンのオビワンやヘイデンのベイダー)を使ってるだけに「勿体ないなぁ!」と思わせる作品……そんなところもルークとレイアとハン・ソロアクバーとナイン・ナンを使い潰したシークエルに似てる。
ユアンのオビワンやヘイデンのベイダーが見れるだけで尊い!」またはオビワンとアナキンというカップリングの燃料を強力に待ち望んでた人……そんな人達にとっては楽しめたかもしれないが僕はイマイチでした。
僕もオビワンやベイダーは好きだが、ある程度面白くないと推せないものがある。
せめて他がダメでもアクションだけでも良ければそれでよかったのに。
良かったのは幼レイアと偽ジェダイのハジャ、あとユアンとヘイデンの演技くらいかな。

次のSW作品は……次もマンダロリアン一派じゃない人たち制作の『キャシアン・アンドー』でしたっけ。「『ローグ・ワン』のナンバー2の前日譚」という、あまりに興味なさすぎるもの……。だが何かが起きて面白いかもしれないから次も楽しみに観ます。モン・モスマさんもメインキャラで出るしね。キャシアン安藤以外を期待しよう。

 

 

 

 

そんな感じでした

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『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)/そのクソさ回顧。逮捕されたアナキン坊や⭐ - gock221B
『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)/前半のクソさと楽しい後半。長年何度も観てるうちに好きになってきた⭐ - gock221B
『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』(2016)/途中まで全く面白くないがラストバトルからはとても面白い⭐ - gock221B

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Obi-Wan Kenobi (TV Mini Series 2022) - IMDb

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