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『ラ・ヨローナ ~泣く女~』(2019)/良作だが、もう何十回も繰り返さし観せられたテンプレに飽きてきた。霊より中年の男女のキャラが良かった👰

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原題:The Curse of La Llorona 監督: マイケル・チャベス 製作: ジェームズ・ワン。ゲイリー・ドーベルマン 制作会社:アトミック・モンスター・プロダクション 製作国:アメリカ 上映時間:93分 シリーズ:「死霊館」ユニバース

 

 

 

中南米に古くから伝わる怪談「ラ・ヨローナ(泣く女)」を扱ったらしい。
そのうち日本から来た日本人形とかも扱ってほしい。
ジェームズ・ワン制作の〈死霊館バース〉というMCU以外で唯一成功してるシネマティック・ユニバースの6作目。「インシディアス」とかも合わせると10本目くらいかな。
「これは新規タイトルかな?」と思ってたら「『アナベル 死霊館の人形 (2014)』に登場したペレス神父が2分くらい登場してるので死霊館バースの一つ」という強引な理由で死霊館バースだとわかった。舞台を70年代にしてペレス神父とか他の既存キャラを一瞬でも出せば死霊館バースに組み込めて信頼のブランド力により客足も伸びるという‥上手いこと考えはりましたね。
時系列としては「死霊館」の後、「死霊館 エンフィールド事件」の前くらいの出来事らしい。ふーん‥そうなんだ。
監督はこれがデビュー作らしいが、はっきり言って初めての人が監督しようが誰が監督しようが、どれもほぼ同じルックほぼ同じ一定以上の面白さなのであまり関係ない。ジェームズ・ワンが監督したらさすがに力入ってるなと感じる気がしないでもないが、ジェームズ・ワン以外の人が撮る時も恐らく、このジェームズ・ワンのホラー制作チームには「こういう時はこう撮る」みたいなマニュアルが行き届いていて誰が監督やろうと大体同じようなものになるんだと思う。「初めての監督」みたいな新人監督がジェームズ・ワン監督時と大差ない感じに仕上げてくるし、そんな感じでデビューでいきなりアナベル一作目みたいな傑作撮った新人監督がジェームズ・ワン組の外部でホラーじゃない二作目撮ったらめちゃくちゃつまらなかったりするのでそういうことやろなと気付いた。‥だけど逆に死霊館バースで一番つまらなかったアナベル二作目の監督は外部で「シャザム!」撮ったら面白かった。これはホラー撮るのが得意か不得意かって事なのか?よくわからない。ファミレスやファストフードの映画版みたいな感じ?完全に推測だが多分合ってると思う。

 

 

 

1963年。夫に浮気された妻が嫉妬に狂い、夫が最も愛するもの‥つまり夫と自分の間にできた子供2人を溺死させ、直後に後悔した女は泣きながら川に身を投げた。それ以降、女は白いドレスを着て泣く悪霊〈ラ・ヨローナ〉となって水辺に現れ、自分の泣き声を聞いた子供をどこかへ連れ去ってしまうという。
これが中南米に伝わる怪談「ラ・ヨローナ〈泣く女〉」。

時は過ぎて1973年‥、といっても劇中の様子は、はっきり言って40年以上前には全く見えず「これ現代の話だよ」と言われても、そのまま受け入れそうなほど「昔」感は無い。ナンバリングタイトルの死霊館シリーズは、アメリカに居る実在の有名霊能力者の若い頃を主人公にして実際にあったとされる心霊事件を扱ってるから70年代にせざるを得ないのはわかるが、完全に創作のスピンオフは「後で死霊館とクロスオーバーさせられるように70年代にはしとかないとな‥」といった感じで「スマホを出さない」とかそれくらいしか昔感はない。本作は更に現代と大差ない。正直、冒頭「1973年」というテロップを見逃したら昔の話だとは思わないだろう。
主人公はソーシャルワーカーのアンナ(リンダ・カーデリーニ)。警官だった夫を失ったばかりの女手一人で幼い男の子と女の子を育てているシングルマザー。
‥この妙にセクシーな感じの熟女「どっかで見たことあるな」と思ったら「アベンジャーズホークアイの奥さん役の人だった。MCUホークアイの子供も2、3人だし、本作の主人公アンナが「勇敢だった夫は居ないから私が守らなきゃ‥」って感じで頑張ってるもんだから「ホークアイが留守中、悪霊に襲われたので単身、撃退するホークアイの奥さん」という風に見えてくる。
アンナが自分の家の中に現れたラ・ヨローナと初遭遇した時。若い女だったら「きゃーー☆」とか黄色い声を出すところだが、アンナは「うぉっ‥?うおおぉあああああぁぁーーーーッ!」と本域の絶叫していて良かった。美人なのに「きゃー」じゃなくて、こんな風にオッサンみたいな人目を気にしない絶叫する方がリアルだし逆にセクシーだと思った。なぜだ?それは俺が、綺麗さを保つよりも荒い人間らしさを出すことの方がセクシーさだと思ってるからかもしれん(10代には共感されなさそうな感じ方)。そういえばラ・ヨローナに殺されるパトリシアの息子が施設で絶叫した時もめちゃくちゃ良い絶叫だった。この監督は絶叫に一家言ある絶叫好き監督なのかもしれん。
まぁとにかく、この未亡人アンナはソーシャルワーカーとして顔なじみだった、自分と同じくシングルマザーの南米系お母さんパトリシアのアパート家を尋ねる。子供2人が不登校を続けてるらしく「虐待の疑いがある」という事で、アンナは気が進まないながらも夫の部下だった警官と共に訪れる。
するとパトリシアは明らかに心神喪失気味で怯えており、子供たちを部屋に閉じ込めていた。そして子供たちの腕には火傷のような傷跡が‥。「子供たちを部屋から出したら殺されてしまう!」と喚くパトリシアは監禁虐待疑惑で逮捕され、同じく「あの『女』に連れて行かれる‥」と怯える子供たちは福祉施設に預けられる。
しかし、その夜、福祉施設に居たはずのパトリシアの2人の息子は川で溺死していた。
「隠してたのに、お前のせいで子供が死んだ!お前の子供たちも連れて逝かれるがいい!」と半狂乱で怒るパトリシアと困惑するアンナ。そしてアンナの息子は、泣いている白いドレスの女を目撃。勿論ラ・ヨローナだ。これでアンナの息子と娘はラ・ヨローナに目をつけられてしまった。
昨日までのパトリシア母子のように、今度はアンナ母子がラ・ヨローナを警戒する事になった。
ラ・ヨローナは、アンナの子供達の腕を掴んで火傷のような傷跡を付けた。恐らく目印のためにGPSのような効果があるのだろう。
しかし皮肉にも、自分がパトリシアにそうしたように今度はアンナ自身が「子供達を虐待してる?」などと、親切にしてくれていた夫の元同僚や自分の同僚たちからもDVを疑われる。
ラ・ヨローナによって、因縁をつける→社会との関わりを絶たれて孤立無援になる、といった感じでアンナ母子は知らない間にデス・スパイラルの渦の中に居た。北九州や尼崎の監禁洗脳拷問の順序と同じだ。逆に言うと、こういった困り事に巻き込まれないようにするには(因縁をつけられる→弱みを見せない、危険な局面に居合わせない)(社会との関係を絶たれる→外部との繋がりを持っておく、法的機関に提出できる証拠を残しておく)といった対策が必要なんだろうね。
だがアンナ母子が目を付けられたのは、そんな現実的な手段が通用しない数世紀もの間生きている不老不死の悪霊だ、そうなれば娑婆のやり方では対抗できない。
ラ・ヨローナに襲われる日々に憔悴したアンナは、パトリシアの子供達の葬式で知り合ったペレス神父を尋ねる。「アナベル 死霊館の人形 (2014)」にて呪いの人形アナベルに殺されかけた事によってペレス神父はアンナの話をすんなり信用する。‥話が早くていいですね、クロスオーバーの利点か。しかしエクソシズムを行う承認をバチカン本部に乞うて許可を得るまでには数週間かかる。その間にアンナ母子は殺されてしまう。そこでペレス神父は南米系の中年男性、ラファエルという民間療法師を紹介する。
果たしてアンナと子供達は滅びずにいられるのか―― そんな話。

 

 


そういう感じの、殆どのジェームズ・ワン制作ホラーのテンプレ通り、前半はじわじわと悪霊が忍び寄ってきたり色々なビックリ要素で脅かせられ続け、中盤で悪霊退治できる人を探して一回戦、後半で倒しきれなかった悪霊が襲ってくるところを迎え撃ってラストバトル‥!といういつもの流れ。本作もこのテンプレ通りで非常に手堅く面白いのだが、幽霊屋敷ものが好きな僕とはいえ10本近くこのテンプレ観てきたのでさすがに若干飽きてきた。だが、こういう幽霊屋敷ものに向いてるけどジェームズ・ワン制作ホラーをまだ数本しか観てない人は、すれた僕よりも楽しめるだろう。だが人には向き不向きというものがあって、Jホラーとか幽霊屋敷ものを見ても「思わせぶりなシーンばっかりで何も起こらんやん」と面白がれない人はいる。そういう人が言う「思わせぶりなシーン」というのは実は既に本番の最中なのだが、そういう人にとっては「思わせぶりだが何も起きていない」と感じるらしい。だからそういう人はこういうオカルトものは無理なので走るゾンビとかを観たほうがいいのかも。
こういう悪魔や悪霊ものは人間が負けて終わる(もしくは何とか退けるだけ)というのが基本だが、ジェームズ・ワン制作ホラーの場合「前半はJホラーっぽくじわじわと怖がらせつつ、後半では皆で協力して悪霊を退治しちゃう」というJホラーとアメリカンホラーの良いとこどりみたいな構成をしており、この怖がりつつスッキリして家に帰れる、という構成がアメリカ人にウケたのだろう。ほぼ全作大ヒットしている。
この前半のJホラーっぽいビビらせ要素、だんだんと「新しいアイデアが出なくなってきたな」「ベッドの下とクローゼットの中覗く場面もう10回くらい観たぞ。もう覗くのはやめたら?」などと思ってたら去年辺りから「エクソシスト3」「呪怨」などの超メジャーなところからモロにパクり始めたので「もう、そろそろこのフランチャイズも店仕舞いが近いかもしれん」と懸念し始めた今日この頃。でも次回作の「死霊博物館」とか来年の「死霊館3」は、何となく派手なモンスターがじゃんじゃん出るっぽいし「Jホラー表現ネタが尽きてきたのでモンスターものに移行しようとしてる?」と俺は推測している。
そういえばアンナの娘がシャンプーしてたらラ・ヨローナが娘の頭を触る‥という「呪怨」みたいなシーンがあったが、いつも入浴を手伝ってくれるアンナママだと思いこんだ娘は「ママ、頭洗って~」と言う、するとシリアス悪霊のはずのラ・ヨローナがちょっとだけ娘の頭を「わし‥わし‥」とシャンプーする場面が何だか可愛かった。
ペレス神父に紹介された南米系の中年男性ラファエル。彼はもともと神父だったが教会と対立して辞め、今では民間療法やまじない師などをしている。
オカルトものには定番の霊能力者キャラだ。霊能力者キャラは、一般人である主人公にオカルト要素の事を解説してくれるし、一瞬でやられて勝敗を一般人主人公の手に委ねたり逆に勇ましく悪霊を退治したりと、如何様にも使い勝手の良いキャラだ。
ところで、このラファエルおじ、最初は如何にも〈無口な霊能力者だが、これといって特徴のない南米系のたっぷりした体型のオッサン〉っていう記号的なキャラとして出てきたと思ったけど、無表情でギャグを言ったり無表情な霊能力者のくせに実はラ・ヨローナを怖がってたりアンナ母子を囮にして闘ってアンナに怒られて「でも上手くいっただろ?!」と言い訳したりと、凄く立体的で人間臭い魅力のあるオッサンとして活躍した。霊能力者って超然としたエキセントリックなキャラもしくは只の無能として描きがちだがラファエルは凄くそこら辺の電気屋さんの店主でもしてそうな普通のおっさん感が素晴らしかった。この映画で一番拾い物だったのはこのラファエルとアンナだと言っても過言でない。という事はこの監督は中年男女を描くのが上手いのかもね。
映画に出てくる霊能力者キャラの中でもかなり好きなタイプ。
アンナの亡き夫の同僚には懐かなかった子供達がラファエルには懐いて抱きついたり、夜食を作るラファエルにアンナが「夫を思い出すわ」と言ったりと、空白の父親ポジションをラファエルが一夜だけ埋めた‥という淡い感じで終わった。アンナがラファエルおじと安易に恋に落ちないのが現代の映画って感じで良かったわ。‥別にラファエルおじならアンナとくっついてもいいけど悪霊退散は悪霊退散、恋愛は恋愛、と分けてやりたいものだ。関係ないことを同時に行うとおかしな事になるからな、特に恋愛。これが10年前の映画なら絶対ラファエルおじとアンナをくっ付いてただろう(そして、その場合ラファエルは絶対にイケメンの白人男性だっただろう)。それにしても、もし自分が独身っぽいラファエルおじだとして、助けを求めてきた美人シングルマザーの家で卵焼き作ってて「死んだ旦那に似てるわ‥」と言われたら、ただちにデートに誘ったり‥は良識ある者としてしなくても勃起‥はしないまでも男性器に血液が2、3滴流れ落ちて男性自身が一回り大きくなる気がする。そうだろ?
後半、アンナ母子はラファエルのオカルト知識やオカルト民間アイテムの助けを借りてラ・ヨローナと戦う。アンナもまたラ・ヨローナとの闘いで「ラ・ヨローナが実の子供に生前プレゼントされたネックレス」というアイテムをマジカルアイテムをGETする。
「ラ・ヨローナは水があるところに現れる」というルールに則り、最初は水たまりやバスルームやプールなどで子供を襲うが後半になるともう水とかどうでもよくなって家の中や屋根裏部屋にも現れる。まぁ動物が森を通って獣道ができるかのように何度も襲って強い因縁(えん)を付けたので侵入範囲が広がり出現できる時間やパワーが高まったのだろう、そのように見える。
冒頭に出てきた人物が、ちょうど忘れた頃にラ・ヨローナのように再登場するくだりや、あんまり活躍されたらアンナや子供のピンチが描けないからラファエルが怪我してしばらく気絶したりしてラストバトルを盛り上げて終わる。
感想書いてないけど最近「MAMA」を観た時もあったが「子供が原因で怨霊となった女性の悪霊に思い出グッズを渡すと一瞬成仏しそうになるけど何か邪魔が入って悪霊に戻る」っていうくだり、これはママ悪霊によくあるパターンだね。
それにしてもラ・ヨローナも自業自得とはいえ何世紀も発狂した状態で彷徨ってて何だか可哀相だ。さっさとブッ殺すしてあげるしかない。
ラ・ヨローナは浮気されて子供2人殺した人妻。パトリシアはラ・ヨローナに子供2人を殺されたシングルマザー、アンナはラ・ヨローナに子供2人を殺されそうになるシングルマザー。本作はやっぱり「ババドック 暗闇の魔物」同様、世のお母さんが一番感情移入して楽しめそうなホラーだったね。「ちょっと目を離したスキに子供が車に轢かれたり変な奴に連れて行かれたりプールで溺れたらどうしよう」という、幼子を育てている時ずっと続く不安をホラー映画にしたものとも言える。観てるとひたすら辛くなる「ババドック」と違って本作は、子供達が勇敢だったりラファエルおじがいるからババドックよりは気軽に楽しめる。
そんな感じで、前半の「幽霊でビックリさせるアイデアがもう枯渇してるんだなぁ」という懸念や「作品自体は良作だけどシリーズや関連作全部観てる身からすると正直飽きてきました‥」という倦怠感は感じたが全編手堅くまとまっていてジェームズ・ワン制作ホラーの中でも上位に入る気がする。
ラ・ヨローナという悪霊や怪異は正直面白くなかったが、アンナやラファエルといった人間臭い中年男女が魅力的だった。ラ・ヨローナはもうこれっきりでいいけど2人はまた出てきてほしい。それにしてもパトリシアはどこ行ったんだろ。普通に帰宅か?

👰死霊館バースの次回作は今月20日に「アナベル 死霊博物館 (2019)」。これはウォーレン夫妻の娘や子供達が、心霊保管室にあるアナベル人形を始めとした悪魔や悪霊を一度に全部相手するみたいで今までよりも派手で面白そう。霊感もある夫妻の娘が、泊まりに来た友達に「触ったら呪いが解けちゃうアナベル人形に触ったの?」「いや、他にも‥」「どれに触ったの?!」「全部。」という予告編が最高に面白かった。ここ数年の予告編で一番好きだね。
映画『アナベル 死霊博物館』US版予告【HD】2019年9月20日(金)公開 - YouTube

そして来年のちょうど1年後にウォーレン夫妻が狼男を調査するらしい「死霊館3」が公開される(監督するのは本作の人らしい)。あと「インシディアス5作目」「死霊館のシスター2作目」「へそ曲がり男」なども公開されるらしい。こんな4本も乱発して大丈夫なのかな?

 

 

 

そんな感じでした

死霊館ユニバース〉
『死霊館』(2013)/Jホラーっぽい前半とアメリカ映画っぽい後半の組み合わせが良すぎる👿 - gock221B
『アナベル 死霊館の人形』(2014)/舐めてたが凄い良かった。悪魔を倒せない理由。隣の部屋と駆け寄る幼女の怖さ👧🏻 - gock221B
『死霊館 エンフィールド事件』(2016)/横綱相撲みたいな洗練されきった貫禄ホラー!👿 - gock221B
『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)/ジェームズ・ワン制作ホラーの中では最も凡作だったかな‥👧🏻 - gock221B
『死霊館のシスター』(2018)/これ以上ないほどシンプルな、おにぎりみたいなホラーで好感触➕ - gock221B
『アナベル 死霊博物館』(2019)/呪いアベンジャーズ状態を期待してたけど予告編でいいとこ全部観せ終わってた印象でした👧🏻 - gock221B
『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』 (2021)/3(8)作目にして安定テンプレ捨てて挑戦したのは偉いが、それでもさすがに飽きた感ある👿 - gock221B
『死霊館のシスター 呪いの秘密』(2023)/14年で14本も殆ど同じ内容の映画を作ってるので僕も5年前に飽きてて本家の死霊館やインシディアスやアナベルは完全に味しなくなったけど、これはまだ若干いけるかも✚ - gock221B

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The Curse of La Llorona (2019) - IMDb

www.youtube.com

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『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)/MCUで一番何回も観返してるのはこれ👱

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原題:Captain America: The Winter Soldier
監督:アンソニー・ルッソジョー・ルッソ 制作:ケヴィン・ファイギ
原作:ジョー・サイモンジャック・カービーキャプテン・アメリカ
制作会社:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:136分
シリーズ:マーベル・シネマティック・ユニバース。「キャプテン・アメリカ」シリーズ

 

 

 

※2015年6月23日に書いた感想を10倍に増やした‥要は殆ど書き直したもの 
MARVELスタジオによる映画ユニバース、MCU。23作目「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム (2019)」が公開された事により、全23作からなるウェーブ1「インフィニティ・サーガ (2008-2019)」が終わった。そして、この一ヶ月だけでも「トム・ホランド主演のスパイダーマンMCU離脱してしまう?」という悲報とか、フェイズ4のめちゃくちゃ面白そうな映画&ドラマ群が一挙に13本発表されたりと色々あった。
11年間の一区切りがついたのでブログ始める前から「アベンジャーズ4(仮)終わったら書こう」と思ってた、ここまでのMCU全体‥今で言う「インフィニティサーガ」全体のふざけた感想を書こうと思った。
だが、その前に、このブログは「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン (201)」くらいの時に開設して逐一、MCU作品の感想書いたり過去作も見返して書いたりして、もう記事がないのは「アベンジャーズ」一作目だけだったから「じゃあアベ一作目も観返して感想書いてから『インフィニティサーガ』の感想書くか‥」と思ったが、その前にブログ開始直後でブログの自分なりの書き方テンプレが出来てなかったため「キャップのスーンとした表情がいいですね」と一言コメントしか感想書いてなかった本作の、ちゃんとした感想書かないと納まりが悪いな、と思って本作を2夜連続で観て三回目を今観ながら、これを書いている。
本作ウィンター・ソルジャーは俺にとって最も鑑賞耐数が高い。本作より好きなMCU作品(ガーディアンズ一作目とかキャプテンマーベル)はあるが一番何度も観た作品はコレだ、次にアベンジャーズ一作目。
だが、あまりに何回も観てるので「ここが凄い!ここ驚いたし感動した!」といった初見時のような新鮮な感動とかはもうないし思い出せない、思い出して書いても君を醒めさせるだろうし一銭も入らないのにそんな無駄な努力をする意味はない。よく語られる作品でもあるので他の人が既に書いてある事だらけだろうが、まぁ1秒前に書かれたことは全て過去でもあるし、今初めてウィンターソルジャーについて検索して読む人にとっては全部同じなので何も考慮せず書くことにしよう。
当然ネタバレあり

 


※あまりに何回か観てたら曲も好きになったのでサントラ買った。このバッキーのテーマが一番オススメ 

 

※ここは、あらすじ書いてるだけなので飛ばしていい
地球のスーパーヒーローたちは「アベンジャーズ (2012)」にて団結し、サノスの先鋒として地球に侵攻してきた悪戯の神ロキ&チタウリ軍を退けた。その〈NY決戦〉から2年後の物語。
第二次大戦の英雄にしてアベンジャーズのリーダーである超人兵士”キャプテン・アメリカ”ことスティーブ・ロジャースクリス・エヴァンス)。彼は、同じくアベンジャーズの一員である女スパイ”ブラック・ウィドウ”ことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)と共にS.H.I.E.L.D.長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)率いる国家防衛組織〈S.H.I.E.L.D.〉の対テロ作戦部隊〈S.T.R.I.K.E.〉の一員として国防活動をしていた。
そんなある日、スティーブは「巨大空中母艦ヘリキャリア新型3機によって全人類を監視し、犯罪者を未然に抹殺する」という恐怖のシステム〈インサイト計画〉を見せられ、疑問を感じる。
キャップ同様にフューリーはインサイト計画への懸念を、上司であるS.H.I.E.L.D.高官アレクサンダー・ピアース(ロバート・レッドフォード)に対して示したところ、伝説の暗殺者”ウィンター・ソルジャー”(セバスチャン・スタン)が現れ、フューリーは殺害される。
同じくスティーブも、平和を護る仲間だったはずのS.H.I.E.L.D.から命を狙われるようになり、もはや誰も信用できない窮地に追い込まれたスティーブは、ナターシャや元空軍のサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)ら少数精鋭の仲間と共に真相究明に乗り出す。そんなスティーブの前に立ちはだかるウィンター・ソルジャー。
過去50年間、一切歳を取らず正体も不明で”幽霊”と称される伝説の暗殺者。その素顔はスティーブがよく知る人物であった―
‥という、そんなストーリーのポリティカル・アクション映画。

 

 

 

本作の脚本のうち「大戦時に死んだと思われていた相棒バッキーが実は生きていた。だけど洗脳されて暗殺者になっていた」という要素は、エドブルベイカーによる原作コミック「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー (2005)」を元にして、70年代に数多く制作されたアメリカ政府陰謀映画の数々を参考にして書かれたらしい。
また「平和を護るはずの組織S.H.I.E.L.D.が悪の組織ヒドラに乗っ取られていた」という展開は、1973年のウォーターゲート事件にインスパイアされた原作者S・エングルハートに書かれた原作コミック「Captain America #175 (1974)」での「悪の組織シークレット・エンパイアのボスの正体がアメリカ合衆国大統領だった」という衝撃展開から来てると思われる。そして、その原作で「キャップは国に失望してキャップを辞めてNOMADノーマッド)を名乗る」のだが、MCUでも逃亡犯になってしまった「シビルウォー」終盤から「インフィニティ・ウォー」ウォー・マシーンの所に戻ってくる中盤までのスティーブは、キャプテン・アメリカではなくノーマッドとして活躍した。
MCUが誇る天才キャスティング・ディレクターのサラ・フィン氏は、コメディドラマの最終回を観て引き抜いたルッソ兄弟を本作の監督にして、ルッソ兄弟は「エンドゲーム」までMCUの中心となり大作映画を撮ったことなかったはずのルッソ兄弟は本作でキャップの凄いアクションを撮って一躍世界一の興行収益を上げる監督になった。しかも兄弟が一番最初に撮ったシーンはエレベーターでの凄い戦闘だという。なんで?サラ・フィン氏はルッソ兄弟が本作を撮れるとわかったんだ?そして何で次々と適切な人材を発掘できるんだ?彼女はインタビューなどにあまり応じないのでその魔法の秘密は謎だ。とりあえず、このサラ氏はファイギに匹敵する天才だと思う。
アイアンマンが「MCUのエース」だとしたら、キャップとルッソ兄弟は本作以降「MCUのリーダー」‥背骨のようなポジションとなった。キャップシリーズで起こる出来事は他のシリーズよりも密接に本体のアベンジャーズシリーズやMCU世界に影響してくる。
「正義を護るはずのSHIELDが悪の組織ヒドラに乗っ取られておりSHIELDトップがラスボス」などを始めとする展開は以降「エンドゲーム」まで、本作以降のMCUにも強く影響しており、本作以降のMCUキャップの「体制や監視システムへの疑念が深まった結果シビル・ウォーが起きる」→「そのアベンジャーズ分断が原因でサノスに敗北する」→「仲直りして力を合わせてエンドゲーム」‥など、本作で起きた波がエンドゲームまで影響した。
MCUの各作品は初見でもある程度楽しめるように出来てるので、どこから観てもある程度は楽しめるのだが、大きな流れはやはり全作観た方がずっと楽しめる。特に本作は絶対に必見の一本だ。「シビルウォー」を観て「キャップが頑固すぎる」と、キャップを好きじゃなくなった人も一部居たが、キャップがヒーロー登録に反対なのは本作の「ヒドラに乗っ取られて数万人を一気に皆殺しにしようとした政府の組織SHIELD」を踏まえるとよく理解できる。
本作の結末「ヒドラに乗っ取られたSHIELDの実態が、ナターシャによって世間に暴露される」という部分は恐らく、本作の脚本執筆中の2012年に偶然起きたエドワード・スノーデンによる暴露などに影響されたものだろう。
そういう感じで本作は、MCUを誕生&発展させたMCU特異点「アイアンマン (2008)」や、クロスオーバーの概念を持ち込んだアベンジャーズ一作目などと同様、この三本はMCUの中でも必見の三本、MCUの心臓部だと個人的に思っている。

 

 


5年前の本作公開時だが、僕は正直ユニバース疲れをしていた。
今となっては考えられないが当時は、まず映画5本からなる「アベンジャーズ」を作るという時点で「そんなの無理だろw」と思われてたけど大成功した(この話はアベンジャーズの感想の時に書く)だから「アベンジャーズ」一作目はめちゃくちゃ応援して何十回も観た。
てっきり「アベンジャーズ」一作でMCUは完結するのだと思ってたらラストにサノスが出てきて‥続行!MCUは、後にフェイズ2と呼ばれる新シリーズに続いたので驚いた。
アイアンマン3」から始まるフェイズ2作品群は、どれも毛色が違う映画だった。
「作品が違うからそりゃそうだろう」という話じゃなくて、たとえば「アイアンマン3」はユニバースのことをあまり考慮せずアイアンマンとしての映画単体の完成度を高めたシェーン・ブラック作家主義的な作品だった(その結果、映画としては名作だがシリーズ、ユニバースの中の一本としては微妙な出来だった)、ダーク・ワールドは‥まぁ‥いいや(一応何回か観たはずだがロキの活躍とラスボスの魅力の無さ以外あまり覚えてない)。本作はMCU世界全体に影響するポリティカルアクション。MCU自身が、自分のシリーズの方向性そのものを模索していた印象の時期だった。
フェイズ1を応援しすぎて燃え尽き症候群っぽくなっていたところに、先行き不明瞭なフェイズ2前半を観てたら「続くのは嬉しいけど地図を持たずにボート漕いでるかのようで観てて疲れるな‥」とユニバース疲れを起こしながら観ていた。
本作は、その名の通り他のタイトル以上に〈アメリカ〉に向き合ったストーリーポリティカル・アクション映画となった。トニー本人に迫った「アイアンマン3」と比べて本作は、ユニバースの集合地点である「アベンジャーズ」やMCU本筋に強く作用する。それは「ファーストアベンジャー」「シビルウォー」も同様で、そういった作品自体の在り方もまた〈キャップ=MCUのリーダー〉というポジションを強く意識したものなんだろう。
本作→シビル・ウォーという、エンドゲームまで続くルッソ兄弟の芯が出来てからは、地に足が着いた感じで鑑賞できるようになりユニバース疲れしなくなった。

 

 

 

キャップと言えば、本作の前作にあたる「キャプテン・アメリカ ファースト・アベンジャー (2011)」の時、公開初日に観に行ったにも関わらず客が五人くらいしか居なかった。客がいっぱいでキャップの人気もトニーに匹敵する感じになってた「エンドゲーム」公開日と比べると如何にMCUの人気が数十倍に大きくなったかを感じて感慨深かった。
キャップは今でこそアイアンマンに匹敵しうる人気者になったが、本作公開時では「アイアンマンとその他のアベンジャーの中のあまり強くない一人」という受け取られ方をしていた。
アメリカ本国ではともかく、日本人というのはこういうジャンルのものを見た時「ドラゴンボール」を始めとする「戦闘の数字の強いほうが必ず勝つし活躍するし重要なキャラ」という少年漫画的な捉え方をする。だからアメコミのチームものに出てくる人間と大差ないキャラを見ると舐めてかかる。「なんでミスターサタンが悟空と同じチームに?」と思ってしまうのだろう。だが実際のところアメコミのチームものでは強大なパワーを持つキャラよりも人間と大差ないパワーのキャラの方が活躍する事が多い、のは幾つか観たり読んでるとわかるだろう。
とはいえ「アベンジャーズ」のキャップは明らかにスーパーパワーを持つキャラより大きく劣るキャラという風に描写されていたので舐められがちで連日「アベンジャーズに一人いらない子がいまーすww」みたいなまとめが連日立てられて悔しい思いをした。
だが本作は、ストーリーもさることながらルッソ兄弟が撮ったアクションが異常にカッコよかった。そんな本作のキャップの登場によってキャップをバカにする者は急激に居なくなり、もし居たとしても「お前ウィンターソルジャー観てないの‥?」と本作を観て新しくキャップのファンになった者によって狩られ、絶滅した。
だけどカッコよくなっただけじゃなくて本作のキャップ、明らかに強くなってるよね?
だが本作冒頭、パラシュート無しでヘリからダイブして乗船、キャップに蹴られた海賊は壁まで水平に吹っ飛ぶキャップ無双‥戦闘機をフリスビーだけで撃墜しキャップ着地(盾を持ってアイアンマン着地して画面が盾一色になってカッコいい着地)‥痴漢エレベーターで皆殺しにしてラムロウを床じゃなく重力に逆らって天井に叩きつけKOして地面まで生身でダイブ‥ヘルキャリアから落とされても主人公補正によってしがみついて平気。どこに落としても呪いの人形のようにキャップの元に戻ってくる盾‥など、どう観ても明らかに「ファーストアベンジャーやアベンジャーズの時のキャップ」よりパワーが数倍強くなってるように見える。
メタ視点じゃなく作品に寄り添って考えるなら「アベンジャーズまでは冬眠から覚めて身体が慣れてなかったけど、身体がすっかり温まって本調子になった」と思うことにした。
というかMCUはこのフェイズ2あたりから全体的に、パワーあるキャラのパワーは現状維持で、人間と大差ないキャラのパワーをめっちゃ上げて差を近づけてるよね。それを面白い本編の描写で徐々にそうしていってるから違和感ないし、ファンの意識も変わっていったと思う。まぁこの方が良いと思う。
アベンジャーズ」一作目のキャップ vs.ロキ戦の時、キャップがロキに圧倒されたけど、あの程度でも「おい、このロキ弱すぎるしキャップが強すぎるぞ!」と文句言う原作ファンが結構いた。だけど本作を経たキャップは「シビルウォー」で「ヘリと力比べして勝つキャップ」とか「キャップが本気だったらスパイダーマンはボコボコにされていた」とか「アイアンマンは分析機能を使わない限りキャップに格闘で勝てない」などと「アベンジャーズ」の時にはパワーに大きく差があったはずのアイアンマンとキャップの差を埋めたが、その差に文句言う奴は居なかった。‥というか一作ごとにキャップは強くなっており、いつの間にか怪力キャラになってたね。
そしてさっきの対ロキに話を戻すが最近の‥IWとかEGで、もしキャップとロキが殴り合う場面があったとしたら、多分キャップの方が普通に殴り勝つと思うし、そうなって当然だと思う。それくらいキャラの強さ表現がしれっと変わっていっている。
逆にパワーダウンしたキャラも居て、「シビルウォー」の時のブラックパンサーはキャップとアイアンマンの長所を合わせたかのような完璧ヒーローとして描かれていた、だが「ブラックパンサー」単体作やIWとEGなどでは「ティチャラ本人と、シュリやオコエを始めとしたワカンダを足したヒーロー=ブラックパンサー」という感じにキャラが微妙に変わった。初登場のシビルウォーではキャラを立てるため完璧ヒーローだったが、単体作でそれだと面白くないのでブラックパンサーの力をワカンダの仲間に分散したんだと思う。これはこれで賢い描き方だと思った。

 

 


何か「ウィンターソルジャーの感想」というよりも「MCUの中のキャップ」といった感想みたいになってるな。というか、ここまでの文章は感想書く前の前置きみたいなもんでWikipediaとか見れば全部わかることだし全て要らなかったな。だが不思議なもんで駄文を書くにも段取りというものがあって、自分の言いたいことを言う前に前置きしないと感想が書けないところがある。よく年寄りが天気の話とか始めて間合いを詰めてくようなアレだ。いきなり感想言いだすのは何だか前戯を飛ばして突然FUCKから始まるSEXみたいでちょっと荒い気がしてくるというか‥そんな「ブログ開いて2.9秒で即ハメ」みたいな構成なんて‥そんな大学生みたいなノリは嫌だ、せっかく歳取ったのに。。年取ったと言えば昨日が誕生日だったから昨日UPすれば良かった。どうでもいいか。
まぁ皆が好きな、サムの左から失礼するとことか、バトロックが突然オリコン発動したみたいに酔拳2の敵みたいにキックしながら前進するバトロック乱舞とか、キャップは何故かバトロック乱舞を弾かず後ろに下がるもんだからバトロックがめっちゃ前進させられてしまうとことか、キャップがマスク外して相手してくれたらバトロックがニチャアと笑うヤバい笑顔とか、めっちゃカッコいいフューリーvs.ヒドラ戦とか威力が高すぎるフューリーの穴掘りライトセーバーとか、壁をぶち抜いて突進するキャップゴリラとか、白人貧乏カップに扮したキャップ&ナターシャの楽しい逃避行とか(ナターシャのフードの安そうな服が可愛いとかステルスのためといいつつ自分がしたくてキスしてるように見えるナターシャとか)、ゾラが語るSHIELDの真実とか、シャロン結構かっこいい顔してるなとかラムロウに抵抗する立派なSHIELD隊員とか(IWポストクレジットでフューリー&マリアが連絡しようとしたのは彼なので出世したらしい)怪鳥音と共に現れる怖いバッキーに迫真顔するナターシャ顔アップとか、キャップvs.ナイフ持ったバッキーの格闘戦とか、痴漢エレベーターとかガトリングヒドラを跳弾で倒す場面とかバッキーとのラストバトルとか、裁判でのカッコいいナターシャとか‥まぁつまり割と全部好きだ。これらの出来事一つ一つをめっちゃ長く語れるが、そうすると文量が10倍くらいに増えてしまうのでやめておく。本編を観たら面白いと思うのは大抵同じ部分なので今更ピックアップしなくてもいいだろう。
それにしても何度観ても飽きない本作だが、車に乗ったフューリーがヒドラやバッキーに襲われるシーンが一番好きかもしれんと思った。ヒドラ兵が「車に乗ったフューリーを困らせる機械」を持ち出してフューリーを困らせるのもいいしキャップの家で音楽聴いて横たわってるのもいい(フューリーやマリアが本作で使う穴掘りライトセーバーの威力が高すぎる件についてはインフィニティサーガ全体の記事で触れる予定)
だけど、本作を最初に観た時にぐっと来たのはキャップの表情だった。
本作のキャップは常にスーンとした表情で堂々とした態度だ。
何度か観てると「キャップっていつもこのスーンとした顔してるな」と思った。
そしてこのスーンとした顔を見ると妙に感動する。
フューリーに「戦時中は君も汚い事した記録があるが?」と煽られる場面があるが、キャップは「道を踏み外した事もあった、おかげで眠れない夜もあった。だが自由のために闘っていたんだ(スーン)」と堂々と言い放つ場面も良い(さり気なく「立派なキャップも、さすがに戦時中は殺しをしていた」と語る誠実なシーンでもある)。
本作のキャップはまだ自分のことを異邦人だと思っている。そのことや自分の過去の葛藤をスーンとした顔で隠し、現代人と対峙する、その態度がカッコいい。
唯一スーンとした顔が崩れるのは唯一、自分の本来の世界の人物である老ペギーのお見舞いにいった時くらいだ。
本作で、現代‥彼にとっては未来のアメリカに慣れようと悪戦苦闘するキャップ。だが彼が所属していたSHIELDはSHIELDではなかった事を知って死んだと思っていたが暗殺者となって現れたバッキーとの再会などによってキャップのスーンとした表情と、かつて命を捧げたはずの彼の信じた国家への想いに亀裂が入る。だがナターシャやフューリーやマリア、新しく知り合ったファルコンなどとの共闘や友情、そして我が身を犠牲にして、幽霊となってしまったバッキーを現世に呼び戻し、キャップは現代の世界も自分のものだと思えるようになっていったのではないだろうか。
まぁ次作「シビルウォー」ではキャップのホームと言えるアベンジャーズに亀裂が入ってしまうのだが‥。
あんまり上手くまとまらなかったが、本作は一本の映画作品としても、ユニバースの中の一つのピースとしても非常に完成度の高い一本なのは間違いないだろう。

MCUで一番多く観たのも本作だし、最初から最後まであらゆる要素が面白いので、感想の焦点を一箇所に絞れず掴みどころのない文章になってしまった。
これ書きながらまた観てた。細かい感想書く暇なかったが今回新たに思ったことだけ。この時のナターシャは最近とは違ってキャップに対して妙にイキった皮肉口調で喋ることに気付いて、そして言われたキャップが真面目だからちょっと嫌そうにしてるのがだんだん可笑しくなった。そういえばナターシャと言えばアベンジャーズのママ役、ツッコミ役だから彼女のキャラそのものに着目したことがなかった、いや着目しようとしても「ナターシャ=スカヨハ」という印象が強すぎてキャラが掴めなかった。そういえば「シビルウォー」の冒頭でも米倉涼子の声で「ごめ~ん人間観察するのが癖になっちゃってて」とかイキった高校生みたいな事言ってたな(訊かれてもねーのに)。本作でもジャスパー・シットウェルをビルの屋上から蹴り落として1秒後に「~あ、そうだ経理部のあの娘‥ローラだったっけ?いい感じよ彼女~」などとキャップに対して言うという、これ以上ないほどイキった態度も、今まで気にならなかったがそこに気づくと妙に可笑しい。ジャスパー・シットウェルは落ちたし一体誰に向かってイキってるのか?!キャップか?いや観客にか。とにかく引っ込み思案の弟にリア充の姉がちょっかいかけてるようにキャップに絡むナターシャが良いです。幼少期の姉を思い出しました。
もしキャップがゴミ箱にゴミを投げ入れるのに失敗したとしたら本作のナターシャなら「なに~?ゴミをゴミ箱の外に投げる練習~?w」とか米倉涼子の声で皮肉言いそうだ(そしてキャップが嫌そうな顔で「よく言うよ‥」と言って歩き去る)。
本作の時点ではナターシャはまだキャップと打ち解けきっておらず、また現代社会を「自分の居場所じゃない」と馴染めないキャップに対して外から棒で突っつくのが皮肉になって現れてたのかもな(同僚の女子を妙に薦めるのもその一環だろう)
ちょうど次のMCU作品は「ブラック・ウィドウ (2020)」だし、しばらくナターシャに着目していこう。
それにしてもまた3回観返して思ったが、EGでキャップとナターシャが引退してしまったために俺が好きなキャップ&ナターシャの逃避行シーンや作品全体の価値がまた一つ上がった気がした。
また近日中に「アベンジャーズ」見返して感想書いたらやっとインフィニティサーガの感想書ける。
‥なんか長くなったな。もう少し手短にまとめるのがベストか?
じゃあ終わらせよう。最後までとことん付き合ってくれてありがとう。

 

 

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そんな感じでした

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『グレイマン』(2022)/素敵過ぎるゴズリングとアナ・デ・アルマスが、「シンプソンズ」の邪悪なフランダースみたいなクリエヴァを何度もシバく痛快作👤 - gock221B

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Captain America: Winter Soldier (2014) - IMDb

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キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー (ShoPro Books)

キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー (ShoPro Books)

 
Captain America (1968-1996) #175 (English Edition)

Captain America (1968-1996) #175 (English Edition)

 

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『シャザム!』(2019)/一人の男は壁を見ていた、もう一人の男は鉄格子からのぞく星を見ていた。君はどっちだ⚡

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原題:Shazam! 監督:デヴィッド・F・サンドバーグ 製作総指揮:ジェフ・ジョンズほか
製作国:アメリカ 上映時間:132分 シリーズ:DCエクステンデッド・ユニバース

 

 

 

⚡「これは面白そうだ」と思いつつも同時期に「MARVELのキャプテンマーベル」こと「キャプテン・マーベル」そして11年観てるMCU最初の最終回「アベンジャーズ/エンドゲーム」の公開が近かったため「ちょっと今、完全にMARVEL気分だから、舌をDCに変えたくないな」と思い「悪いがレンタルでいいか」と、行かなかった。あと本作の監督が撮った死霊館バース作品「アナベル 死霊人形の誕生」が、死霊館バースの中で唯一そして一番面白くなかったというのもあった。
本作の原作の最初のタイトルが「キャプテンマーベル」だった複雑な経緯や、福田雄一菅田将暉などによる合ってなさそうな吹き替えやシンプルにクソ面白くもないオモシロ宣伝などが炎上した(各社携帯会社のCMに通じるおもんなさ)‥などの余談は面倒くさいのでそれは省略する。僕は字幕で観た。
原作シャザム!についてはクロスオーバー大作に彼が出たのを見かけるくらいでちゃんと読んだことない。だからオリジンや基本的な設定くらいしか知らん。あとはメアリー・マーベル(本作のメアリー)がめっちゃ可愛い事くらいしか知らん。あとはTwitterで「あの人アメコミ読みだした」と思ったらシャザム!にめっちゃハマり、やがて日本語に翻訳するようになられたり原作コミックでペンシラーになったり‥完全に中の人になられていく様子を、特に知り合いでもなんでもないがつぶさに見てたので「好きな力って凄い」とシンプルに応援していました。

⚡DCワーナー映画的には、「ジャスティス・リーグ」の記録的な大失敗、「ワンダーウーマン」「アクアマン」などの今までと違う明るいDCが超絶ヒットしたため、シネマティック・ユニバースとしての繋がりを稀薄にし、一本一本に集中する制作に切り替えた。実際面白い作品ばかりになってきたので当分これでいいと思う。
「ポジティブなヒーロー路線がうまくいってそれを基盤とした後にダークなの作れや!」と10年間思ってたので今のところ思い通りになってると言えるが、ワーナーDCは、一度成功したら見向きもされなくなるまで、その同じパターンを繰り回すところがあるので今度は「この中国ウケする明るく楽しい路線が(劣化するまで)連打されるんじゃないか?」という不安もある。エズラ・ミラーがダークなフラッシュを提案して没にされたらしいしね。まぁ今のところ面白いので問題なしです。DCのシネマティック・ユニバースと言えばTVのアローバースの方が上手くいってる印象だね。
また、昔から好感持てない奴が次々とコロコロと変わる印象のワーナー・ブラザース上層部的には、日系人CEOケビン・ツジハラが抱いた女優をワーナー作に出していた‥という不倫と枕営業の合わせ技が報じられて3月に辞任した。次のCEOは初の女性、元BBC幹部のアン・サーノフが就任した。今度こそ良い感じの人であって欲しい。

もうレンタルも始まったので、ネタバレありで

 

 

 

※このブロックは感想じゃなく、あらすじパートなので次の空白行まで飛ばしてOK。
⚡幼い頃に母と生き別れた身寄りのない白人の孤児〈ビリー・バットソン〉。
母を探すために家出を何十回も繰り返していた14歳になったビリー、今度は親切な里親〈ビクター&ローザのバスケス夫妻〉のグループホームに入居。
そこにはビリー同様、バスケス夫妻に引き取られた少年少女が居た。
足が不自由でスーパーヒーローに憧れている14歳の白人少年〈フレディ・フリーマン〉、大学進学を控えた優等生風の白人少女〈メアリー〉、人見知り大柄白人少年〈ペドロ〉、アジア系ハッカー少年〈ユージーン〉、抱きつき癖のある幼い黒人おしゃべり少女〈ダーラ〉という少年少女も住んでいた。しかしビリーは今まで通り、彼ら義理の家族になかなか馴染めずにいた。
ある日突然ビリーは〈謎の魔術師(ジャイモン・フンスー)〉によって異次元に存在する宮殿〈ロック・オブ・エターニティ〉に召喚され〈選ばれし者〉だと認められた上で〈スーパーパワー〉を授けられる。
ビリーが魔術師の真名“Shazam(シャザム)”を唱えると、稲妻と共にスーパーパワーを持った筋骨隆々の成人男性〈シャザム(ザッカリー・リーヴァイ)〉に変身した。
さっそくヒーローオタクのフレディと共に色々なパワーを試すシャザム/ビリー。
シャザムは〈神々や英雄の七つの力〉を有していた。Sはソロモン王の知恵、Hはハーキュリーズの怪力、Aはアキレスの勇気、Zはゼウスの力、Aはアトラスの体力、Mはマーキュリーの駿足‥‥これら魔法由来の力によってシャザムはスーパーマンと互角のスーパーパワーを得る。
しかし見た目は大人のヒーローでも、中身は思春期の少年のまま。フレディと一緒にスーパーパワーを無意味な事ばかり使ってはしゃいだり些細なことで喧嘩していた。
ところがそこへ、シャザムのパワーを狙う〈Dr,シヴァナ(マーク・ストロング)〉が現われる。彼は魔術師が封印していた七つの大罪の力を借りてシャザムに匹敵するパワー手に入れた邪悪な科学者。シヴァナはフレディを人質にする。
フレディや家族を守るため、七つの大罪に立ち向かうシャザム/ビリーだったが―
みたいな話。

 

 

 

⚡結論から言うと評判通り、ここ20年のDC映画でこれが一番おもしろかったかも。
本作、レゴバットマンワンダーウーマンの中盤まで‥この三本が好きなDC近代映画。
まずシャザムのオリジンや、魔術師による選定や七つの大罪などの基本設定が凄く何百年もかけて語られてきたどこかの国の神話っぽくて面白い。幼少期に西遊記三国志など古の英雄物語で得れる懐かしい面白さ。そして、この監督はジェームズ・ワン門下なせいかホラー描写やジャンプスケア(間を外してビックリさせる演出)が異常に上手かったし。結構怖い場面多いですよね。子供が観たらかなり印象に残ると思う。
シャザムは顔丸出しなこと以外は日本人ウケするヒーローだと思う。まず変身によって変身前と変身後の姿が全く違うのもそうだし、シャザム稲妻も滅多に使わないとはいえ必殺技っぽいしね。戦闘中に子供の姿に戻って敵の股をくぐって背後に回り込んで再び変身して攻撃!‥など、まるでゲッターロボのように変身を戦闘に活かしてる様が新鮮で楽しかった。
このページの一番上に貼った「ビリーくんがビルの屋上から海老反り大ジャンプして『シャザム!』」と変身して飛び立つシーンとか超カッコいいし、カーニバルでビリーくんが闘志をまとって静かに歩きながら静かに「‥シャザム‥!」と変身する場面がめっちゃカッコいい。
変身を使ったギャグも多いし、ここまで変身を上手く使う映画は他にないだろう。
MARVELキャラはリアルさや身近さが強い「現実の人間の延長」という印象のヒーロー像だが、DCヒーローは打って変わって完全に「地上を歩く神々」としての側面が強い。少し前までのDC映画では、その神っぽさが全部悪い方向に行ってる印象だったが本作は、その「地上を歩く神シャザムや魔法」と「正義の心を持った孤児ビリーや環境」のバランスや描写の塩梅が絶妙だった気がする。
魔術師によるシャザム候補チャイルドの選定シーン。シャザムとフレディが能力テストしたりイタズラする楽しい場面。終盤のシャザムチーム vs.七つの大罪など、どれも古いコミックや昔話のような大らかさで楽しい。フレディがシャザムの顔を銃撃させたり火を点けたり、調子に乗ったシャザムのせいで大勢が死にかける場面とか、どれも少しさじ加減が違えばヤバいシーンになってしまいそうだが、その辺は古いコミックのようにおおらかで楽しいシーンって感じに描写されてるから気にせず楽しめた。
それでいてビリーや孤児達の描写はリアルで、これがヒーロー・シャザムの大らかなシーンや映画全体のざっくりした神話っぽい全体像とギャップが合って、お互いがお互いをひきたてていた。
幼少期のビリーが母と生き別れるシーンとか、めっちゃ怖い。
「DVが横行する酷い家庭」であるとか「事故でママが死んじゃった」などのドラマチックな出来事が原因で生き別れるのなら飲み込みやすいのだが「カーニバルでママと楽しんでてママに買って貰った大事なオモチャが落ちて転がって追いかけたら迷子」になって、そしてそのまま永遠に会えない
‥とか、幼い子が見たら震え上がるような場面だ。自分も小さい時にこんな妄想して怖すぎて失神しそうになった。しかも警察に保護されて、施設を転々としてるのにママが一向に会いに来ないまま10年以上経ってるというのも怖い。まぁそこから察せられるリアルをビリーは中盤で見てしまうのだが。ビリーよりママの方が弱いのでビリーはママを諦める、そして新しくファミリーを作る、そんな決着が良かった。

⚡Dr.シヴァナはアメコミ映画では定番の「主人公の影としてのヴィラン」なんだけど、たとえば少し前までのMCU作品では「ヒーローの影としてのヴィラン」は割とヒーローを立たせるだけの敵って感じで印象が薄かった(最近は敵にも力入れるようになったけど)。でも、このシヴァナには結構力が入ってたのでシャザムとの対比が面白かった。家族との確執、子供の時持ってたおもちゃ、7つの力がどうなるか‥あらゆる事が対比になってて面白い。
なにしろ、映画にまず最初に出てくるのがビリーじゃなくてシヴァナ少年、というのが良い。よくあった一昔前のつまんないヒーロー映画だったら孤児ビリーの日常描写をやった後シャザムの力を授かる‥とダラダラ描写して退屈させられてただろう。
元々、父や兄に軽んじられていたシヴァナは、魔術師によってシャザム候補としてロック・オブ・エターニティに召喚されるが七つの大罪の邪悪な力に惹かれたため「不適格者」の烙印をおされて送り帰される‥。数十年後、調査と研究の結果、再びロック・オブ・エターニティに行ったシヴァナは、純粋さを持った者しか得れないシャザムの力ではなく、迷いなく七つの大罪の封印を解いて邪悪な力を持った男となり、現世に帰って父と兄、社員を皆殺し。もう人の道には引き返せなくなったスーパーヴィランとなる。
父と兄に疎んじられて自己肯定感の低かったシヴァナは、勝手に呼ばれてスーパーパワーを持てると一瞬だけ、ぬか喜びさせられ、そして「要らない子」だと言われてしまう。
その後、悪人になったのは100%シヴァナのせいなのだが「ちょっと魔術師のやり方も酷くね?」と同情の余地が若干あるのが本作の面白さを高めてますよね。魔術師は、不適格の子供を送り返す時に記憶を消せば、シヴァナに七つの大罪を奪われなかったのにね。
ちなみにシヴァナは、七つの大罪のパワーを得たと自分では思ってるっぽいが、実際には七つの大罪のために使役されている器のような存在らしい。「自分の命令を聞く軍を得た」のではなく「ヤクザがいつでもチンピラを貸してくれる(だがもう抜けられない)」という感じなのだろう。
シヴァナはビリー達が住むバスケス夫妻の暖かい家を見て嫉妬し「ゴミ溜め(Shithole)」と呼ぶ。2018年、トランプ大統領がアフリカ諸国を指して言った心ない呼び方だ。本作のそれは、当然トランプからの引用だろう。奇しくも同時期に公開された”MARVELのキャプテン・マーベル”こと「キャプテン・マーベル (2019)」でも、敵のミン・エルヴァが地球を指してShitholeと言ってたし、トランプが如何にアメリカの良識ある人々に嫌われたかが伺える。
シヴァナと七つの大罪という共依存のスーパーヴィランは、ビリーと兄弟姉妹の正しい団結によって敗れ去る。
ひとりの囚人は壁を見ていた、もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた。ビリーはどっちだ? もちろんビリーは星を見るわ‥家族に会うまで‥‥星の光をみていたい。
変身時の稲妻でトドメを刺したりポストクレジットでミスター・マインドが出てくる‥などは予想通りだったけど、シャザムチームとかスーパーマンのオチなどは予想してなかったので単純に楽しい驚きだった。
欲を言うならフレディ以外の兄弟姉妹やバスケス夫妻など家族のシーンが前半中盤にもう少し欲しかった気もする、‥が、時間が足りないからそれは仕方ない。
そういえばシヴァナが家に強襲してきた時、バスケス夫妻が留守で子供しか居なかったのが凄く良かったね。これと普通の大人は行けないロック・オブ・エターニティー空間など色んな要素が、まるで本作は子供達の妄想だったかのような「ラビリンス 魔王の迷宮」「ネバー・エンディング・ストーリー」などのジュブナイル・ファンタジー感を感じさせてよかった。警察とかマスコミもシャザムを観測してるんだけど、どこかフワフワしてるのもいいね。大人たちは子供達の世界には入ってこれない。子供達の世界に入ってこれるのはシヴァナだけだが、彼で子供の時に悪い意味で時間が止まってしまった人だからね。だからシヴァナだけはビリー達子供の世界に入っていけたのかもしれない。

 

 

 

⚡それにしても、この監督の「アナベル 死霊人形の誕生」にも「大勢の孤児が住む施設」「足が不自由な子供」が出てくるのが共通してるね。それが、この監督のオブセッションなのか?それともワーナーが「死霊人形の誕生」を観て「こいつ大勢の孤児たち描くの上手いやん」と思ってシャザムに起用したのか?それとメアリー役の女の子は「死霊人形の誕生」でも似たような年長者の孤児として出てた。同じ監督による「ライト/オフ」と「死霊人形の誕生」はジェームズ・ワン制作ホラー群の中でも結構つまらない出来だったけど、本作は文句なく楽しかったね。この監督はシリアスなものより楽しい作品や派手な作品の方が得意な監督なのかも。ちなみに本作が面白かったので死霊人形の誕生を見返してみたがやっぱりイマイチだった。
太古すでに誕生してどこかにいるらしいブラック・アダムもドウェイン・ジョンソン主演でやるってかなり何年も前から言ってたけど何時やるんだろう。「シャザム!2」と「ブラック・アダム」を個別にやって両者がぶつかる作品が作られる感じ?

⚡次のDC映画は、同じユニバースじゃない別世界の単体作だけど10月に「ジョーカー」、本作と同じDCシネマティック・ユニバース作品としては2月にハーレイクイン主人公のヒーローチームもの「バーズ・オブ・プレイ」がある。

 

 

 

そんな感じでした

DCEU

「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」2時間以上我慢して観ればカッコいいワンダーウーマンが数分間観れるのが良かった🦇 - gock221B
「スーサイド・スクワッド (2016)」めちゃくちゃ面白そうな予告編から繰り出された信じられないほど面白くない映画🤡 - gock221B
「ワンダーウーマン (2017)」ダイアナの純粋さとスティーブの高潔さ。女性ヒーロー映画を最初に手掛ける事に皆が躊躇してた中やったので一番偉い👩 - gock221B
「ジャスティス・リーグ (2017)」ニチアサ感が強いがまとまってた。だけどワンダーウーマンのケツばかり映すのやめろや - gock221B
「アクアマン (2018)」明るくて中国の武侠ものっぽいヒーロー映画。シチリア島での地上戦と半魚人トレンチが好きでした🧜🏻‍♂️ - gock221B
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』(2020)/ハーレイ一人でやる役割をバーズオブプレイと四等分した結果薄くなったと推測🥪 - gock221B
『ワンダーウーマン 1984』(2020)/凄く魔法少女アニメっぽい内容。正論のみのダイアナと聖人トレヴァーと捨て置かれるバーバラ👸🏻 - gock221B
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)/ザックとは思えんほど各メンバーの役割分担の振り方が渋くて良いしサイボーグが良キャラ✂️ - gock221B

 

 

 

同じデヴィッド・F・サンドバーグ監督作

「ライト/オフ (2016)」それなりには面白かったが、短編と予告編で全てを出し切ってた印象👻 - gock221B

「アナベル 死霊人形の誕生 (2017)」10本近くあるジェームズ・ワン制作ホラーの中で最も凡作でした👧 - gock221B

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シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)

シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)

 

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『ゴーストランドの惨劇』(2018)/痛めつけられる少女達に心を痛めつつ、その奥に監督の誠実さを感じました👩🏻👱🏻‍♀️

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原題:Ghostland 監督&脚本:パスカル・ロジェ
製作国:フランス/カナダ 上映時間:91分

 

 

 

マーターズ」「トールマン」の監督によるホラー映画。 
何か、どんな内容か知ってるような映画ばかり観てるので全く内容が想像できないものが観たくなってこれを観た。予告編も観てないのでホラーだって事以外全く知らない。

H・P・ラヴクラフトに心酔するホラー作家志望の内気な黒髪少女ベス、その双子の姉は金髪でベスとは正反対の活発な少女ヴェラ。2人の母はシングルマザーで、三人は相続した屋敷に引っ越してくる。
だが引っ越してすぐ、女装した痩せた男と白痴の巨漢男という二人組の変態に襲撃される。殺人や強姦を犯して新聞にも載っていた異常者達だ。
母は決死の思いで変態達を滅多刺しにして殺害、双子を守る。
16年後、ベスは家を出て美しく成長し、夢を叶えて有名ホラー作家となり優しい夫と可愛い息子と暮らしていた。そんなベスのもとにヴェラから電話が、様子が変だったので実家に帰省するベス。母と姉は、今もあの家に住んでいた。久しぶりの再会を喜ぶ母。
子供の頃の事件で精神を病んだヴェラは、自分で自分を殴ったり自ら自分を地下室に手錠で結びつけて、泣いたりわめいたりしている。かなり重症だ。
実家に泊まるベスだが、ヴェラが半狂乱であること以外にも、家にいて不気味な悪夢を見たり妙な気配を感じる。
何かあるんだろうな、とは思いつつも一体この後どういう展開になっていくのかわからない。この映画はサスペンスなのか、それとも幽霊とかが出るホラーなのか、それともトリッキーな構造のメタホラーなのか、ワクワクする。そんな気持ちで観た方が楽しいので、まだ観てない人はネタバレ読まずに観た方がいい。
次の空白から下はネタバレなので、ここまで読んで興味を持った人は映画館にどうぞ。 

 

 

 

「それにしても襲撃者に襲われそうになって母が刺して返り討ちにした現場に未だに住むか?」とか「ここまで半狂乱のヴェラを何故、精神的な施設に入れないのか?しかも未だに忌まわしい屋敷に住まわしたりするか?」など疑問に思ってたが「全体的におとぎ話っぽいから、そういう荒い設定のホラーなのかな」とか思ってたら、やはり全部ベスの妄想だった。
16年も経過しておらず本当は数時間~数日しか経っておらず、実際に滅多刺しにされたのは母で、ベスはヴェラと共に地下室に閉じ込められていた。
ヴェラは何度か犯されているようだ。2人の顔は変態に殴られてボコボコに腫れ上がっている。
「ベスは将来、ホラー作家になった時の架空インタビューをこっそり書いてる痛い奴」というヒントもあったし、何となく「『16年後』以降の展開は妄想っぽいな」とは思ったものの、お母さんが殺されて少女たちが変態に捕まってるなんて思いたくないから、そう思わないようにしていた(人間、思いたい方に思うものだからね)。
妄想癖のあるヴェラは、母が殺されて変態に捕まった瞬間に、脳の現実認識能力のスイッチをOFFにして夢の世界に逃げ込んでいたのだ。リアリストの姉ヴェラは哀れ、酷い現実や痛みを全て真正面から受け止めてボロボロになっていた。
ちなみに前半、本編を観てて「何か変だな」などと感じていたベスの妄想世界は、どこからイマジネーションを得たのかの殆どは回答が得られる(たとえばベスの妄想に出てくる人物は全て地下室に貼ってあるポスターの人物だったり)。
女装したマリリン・マンソンめいた痩せた変態が少女を化粧して人形に見立てて2階の人形がいっぱい置いてある部屋に置く、すると白痴の巨漢の変態の方が人形に扮した少女を犯すという段取りのようだ(騒いだり声を出したら殴るので少女は人形のふりをしなければいけない)。
巨漢の変態が他の人形をいじってる間にベスはこっそり逃げ出し、開閉式になっている鏡の中に隠れる。すると姿見の中のビックリ人形が喋り始める。ベスは人形を黙らせようと人形の口を押さえる‥という何の意味もない行動を取ってしまうシーンのユーモアが見事。

 

 

 

そういった感じなので、映画の殆どの時間は可愛い少女たちが変態犯罪者に殴られたり監禁されてるので(変態じゃない限り)観てて非常に心苦しく辛い。
少女たちが殴られて顔が腫れ上がってるのも悲しいし、ビビったベスがオシッコ漏らしたり何度も何度も涙を流したりして可哀想過ぎる。パニッシャー早く助けに来て!
逃げたベスが、いつ変態に捕まってしまうのか、また上手く逃げ出す展開になったとしても、これはベスの逃避的な妄想なのではないか?と何度も思わされるので、ラストの瞬間が来るまで気が休まらず観てるだけで緊張状態が延々と続いて疲れた。やっぱ子供が危険な目に遭ってるとストレスがハンパないわ。
あまりにハラハラさせられたり、ベスやヴェラが可哀想すぎたり、変態達への怒りが湧いてくるので「そもそも何でこんな話なんだよ‥」と腹が立ってきて「この監督なんで少女を監禁拷問する映画ばっかり撮るんだよ‥変態か?」などと、怒りの矛先が監督に向きそうにもなる(子供の頃、アニメや映画の辛い展開を見ると、よくこんな事思ってたなと懐かしくなった)。
だけど緊張感が解けない丁寧な話運びや、少女の美しい顔に特殊メイクで痛々しい腫れを作ってるところや、少女たちが姉妹のために勇気を振り絞って変態に立ち向かう姿などを見てると「この監督って、誠実で真面目な人なんだろうな」と思えてきた。「劇中の少女が可哀想で辛いので監督の人間性を疑いかけた」という心の動きは、本作に動かされた俺の心が脆くなって弱い方向に振れかけたからだろう。
ちなみに変態達は完全に狂人にしか見えず、そもそも台詞が一つもない。つまり人間じゃないように見えてくる。少女の今後の人生で振りかかる困難や苦痛を擬人化した暗黒おとぎ話といった感じの物語に見えてきた。
ベスが何度か逃避したのもフィクションの世界なら、その逆もフィクション。妄想の中に彼女が尊敬するラヴクラフトが現れて勇気づけるが、それにしても特殊メイクしすぎでラヴクラフトの顔がフランケンシュタインの怪物すぎて可笑しかった。
これはアメリカ映画じゃなくてフランス&カナダのホラー映画なので、普通に少女がぶっ殺されて終わったり、再び監禁されてベスの脳がショートして夢の世界に逃げ込んで終わるバッドエンドになっても全くおかしくないので、そんなメタ的な意味でも最後まで気が落ち着かなかった。
「通信する警官の背後から狂人キャンディトラックが‥」と思わせて、あらぬ方向から現れたり、勇気を出して現世に再び帰還したベスのバイティング(噛みつき攻撃)、そして妄想の中やラストの母親の幻もじーんとさせられた、まぁ全部ベスの心の動きだけど。
映画が終わるまでハラハラしすぎてムカつき始めてたが終わってしまうと、監督の誠実を感じて今に至る。インタビュー読むと監督は、ホラー好きの自分をベスに、全く価値観が違って趣味の合わないリアリストの兄をヴェラに投影して描いたらしい。
全体的にダリオ・アルジェントっぽいホラー映画。思いがけず、かなり力作だった。

 

 

 

そんな感じでした

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Ghostland (2018) - IMDb

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「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング〈シーズン3〉(2019)」全10話/プロレス要素が減ったがキャラ掘り下げが面白いのでOK🎲

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原題:Glow <Season.3> 企画&製作総指揮:リズ・フラハイヴ、カーリー・メンチ
放映局:Netflix 製作国:アメリカ 放映時間:約30分x全10話

 

 

 

毎年夏の楽しみになりつつある本作を観た。今回もめっちゃ面白かったので5話+5話という感じで2日に分けて観た。2時間ちょいの長めの映画の前後編を観る感じ?(むしろ一気観する気にならないドラマは面倒くさくなって途中でどうでもよくなりがち)。
同じくNetflixオリジナルの大人気女囚ドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のスタッフが手掛ける、1980年代半ばに実在した女子プロレスTV番組「GLOW」をモデルにして作られたドラマのシーズン3。
ドラマ苦手で殆どのドラマすぐ観なくなっちゃう僕が視聴継続してる数少ないドラマ。
ネタバレあり

 

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もう若くもないのにオーディションに落ちてばかりの女優志願のルース(アリソン・ブリー)が主人公。その親友デビー(ベティ・ギルピン)は結婚出産を機に昼ドラ女優を辞めた女性。2人は、プロレスオタクの大金持ちバッシュが設立した女子プロレス団体「GLOW」のオーディションを受けて入団。団体には、プロレスの台本担当のカルト映画監督サムやはぐれ者の女性たち等が大勢居た。
大喧嘩したルースとデビーがGLOW入団して何とかGLOW番組開始までを目指すシーズン1。ルースとデビーは仲直りして皆の結束も高まるが番組打ち切りになってしまうシーズン2。
今回は1986年、「GLOW」は丸ごとサンディ(ジーナ・デイビス)が経営するラスベガスのホテル預かりとなり、ベガスで毎晩プロレスショーを繰り返すことになった彼女たちの人間模様を見せる。
シーズン2までは主人公であるルースとデビーの物語が殆どで、残り僅かの時間を使ってサムとかバッシュとか他の女子レスラーを描いてた感じだったが、ルースとデビーの遺恨は前シーズンで解決して元の仲良しに戻ってしまったため、今回はメインキャラ以外の色んなキャラの内面や人間ドラマにも迫り、完全に群像劇になった。

 

 

 

砂漠に囲まれた綺羅びやかで非現実的な空間ラスベガス。
カジノや金持ちの客たち、ロケッツ(ダンスチーム)、ゲイ、男娼などに囲まれて連日同じショーを繰り返すGLOWの「終わらない夏休み」のような日々が描かれる。
豪華なホテルルームに住み、豪勢なケータリング食い放題、酒やドラッグもそこら中にあるしSEXの相手にも事欠かない、そういった地に足のつかない生活が好きなら夢のような環境と言える。俺も働きたい。こんな所で働いて「やばい、浮ついた生活してるうちに‥こんな歳取っちまった!」と気づく、そんな人生も悪くない(一度きりで終わるなら)。
ルースたちは、そんなラスベガスで毎晩プロレスショーを演じる。
そこで彼女ら彼らには様々な事が起きる。
この感想ページ、「凄く色んな事あったから各キャラに何が起きたか全部書きだしてみるか‥」と書き出してたら膨大な只の出来事の羅列になってしまい「観りゃわかることをそのまま書いてるだけで、これって感想じゃないな」と思って全部消した。
まぁとにかく「恋愛や家族愛」「本当にやりたいこと」「過去の告白」「新しい自分を見つけたりカムアウトや差別との対峙」「皆の未来」‥色々な事が描かれる。
最初に言ったようにメインキャラだけでなくGLOWの、今まで只いるだけで、どんな奴かわからなかったキャラクターなどの内面や過去の告白、などの人間ドラマが繰り広げられる。
中盤、GLOW女性陣が砂漠にキャンプに行き、この一夜のキャンプがインディアンでいうビジョンクエストのような役割を果たし、多くのキャラクターが躍進する。

 


実際にあったGLOWではベガスのショーもTV放送してたらしいがドラマ内ではそんな様子はない。というか今までも「ドラマが面白いから不満はないがプロレスの試合や練習の様子がめっちゃ少ないな~」と思っていたが今回は更にプロレス要素が凄く少ない。「ラスベガスで暮らす中年男女の人間模様‥ちなみに彼女達はプロレスの仕事をしているよ?」といった割合でしかプロレスしない。
第1話で「この人達はプロレスをしてるよ」って設定説明のためにちょろっとリングが映って、シーズンの真ん中に長めの興行、最終話でも長めの興行を見せる‥という2回くらいしかプロレスシーン見せないって割合は今まで通り。だけど、よく考えたらアクション映画やヒーロー映画でも戦闘シーンは2、3回くらいだもんね?怪獣映画でも怪獣が出てくる時間は10分くらいしかないし‥。1シーズンを一本の長い映画だと捉えると、試合は確かに中盤とラストの2、3回で充分なのかもしれん。
そして今まで、人間関係のもつれなどドラマ内で起きていた出来事が、中盤や最終回の興行によって大きく進展するという描写がされていた(WWEで言うと日々の放送の結論がPPVで描かれるような感じで)。
今回の彼女たちはベガスのホテル専属になって生活には不自由なくなったが毎日同じショーを繰り返してるだけ。GLOW興行に対して刺激がなくなり緩みきってきた。
彼女たちは腰痛に苦しむタミーの提案により第5話でお互いのギミック(レスラーとしてのキャラクター)を交換して興行を行う。刺激が少なくなって退屈していた彼女たちはノリノリでお互いのキャラを演じる。この5話の役割交代ギミックはめっちゃ面白かった(自分の好きな実在のレスラー同士がキャラを入れ替えて試合することを想像してみれば、その面白さが想像しやすい)。
中でも素朴な主人公ルースがやってた「共産主義の悪女ゾーヤ」と、派手で高飛車なデビーがやってた「正義のアメリカ田舎娘リバティベル」のキャラ交換はめっちゃハマっていた。というか中の人的に、どう考えてもこの役割交換の方がそれぞれに合ってる。
最終回ではリング上でゾーヤ(ルース)がスクルージカルメンがアンダーテイカーを思わせる3人目のゴーストに扮した「クリスマス・キャロル」が演じられる。これは本当にクリスマスキャロルの合間ついでにプロレスしてるだけって感じだが最終回付近のドラマ内の「隣人を愛そう」といった雰囲気とマッチしてたのかも知れない。
このクリスマス興行の立役者であるカルメンは「皆といるのは楽しいけどGLOWに居たら本当のプロレスは出来ない」と言い名残惜しそうにGLOWを去ってしまう。
唯一プロレスに通じているカルメンが去った事は痛いが、デビーの活躍でGLOWはLAに戻って新たなTVショーを得ることができそうだ。しかしルースは女優への夢に固執しており、GLOWの新監督への誘いを断って終わるので「えっ?」と思った。少し前のルースなら大喜びで総監督になっただろうに。「色んなアイデアをポンポン出す」「演技ではシーラに劣ってるしジャスティーンにも落とされた」ので、どう考えても女優よりもクリエイターの方が向いてる、と誰かルースに教えてやってほしい。今回のルースは、サムやデビーとのすれ違いなどが、何だか物語を進めるために無理矢理、意固地になってる感じがした。あと今思い出したけどデビーが自分の息子‥赤ちゃんをベガスのホテルに連れてきて育てる事になったが、連れてきて彼氏が出来たら二度と出てこなかった、それを思い出すと可笑しい。

 

 

 

前シーズンでバッシュと同居していた男がエイズで死んだりして予想してたが今回はLGBT描写が多いのも特徴だった。
ちなみに当時はエイズがどうやったら伝染るのかよく周知されていなかった事もあり、ゲイ差別が今の数倍酷かった。シーズン2の時にバッシュが「エイズで死んだ同居人の部屋の物を全て捨てて除菌」したのはエイズがどうやったら伝染るかわかってないためだし今回バッシュが「ゲイであることを知られたので人生おしまいだ」と取り乱してたのも、ゲイとして生きることには勇気がいる現代‥より更に厳しい時代だったためだ。
バッシュ以外にも、元ストリッパーの南米系レズビアンのレスラー・ヨランダと仲良くなったインド系女性のアーシーが自分はレズビアンだと自覚するのが印象的(アーシーは恋し始めて以降、常に少女みたいな表情で可愛い)。
最終回の一個前の話。デビーはプロデューサーとしての自分の力を示すためにゲイバーの店主である男性歌手(新キャラ)と組んで、エイズのチャリティーライブを開催する。
各キャラがパフォーマンスして盛り上がる中、ジーナ・デイビスがロケッツのセクシーな衣装で登場、大盛りあがりの中で歌っていると突然火の手が上がり皆は避難。
軽いボヤ騒ぎに過ぎなかったのだが、外に出たレズに目覚めたばかりのアーシーが恋人ヨランダにパッと視線を向けるとヨランダの背後の壁に「死ね、ゲイ」と書かれている‥!という、レイシストによる放火だった事がわかるカット、この展開やカット割りが全てマジで見事。
レイシストは許せんが、それはさておき今シーズンで一番ドラマチックな場面だった。

 

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それにしても元々少なかったプロレス要素が更に減ってしまった。それがつまらなさに繋がってたら文句を言いたいところだが人間ドラマがめっちゃ面白いので文句もない。マジで「この酒、水みたいや!」つって気がついたらじゃんじゃんとんでもない量飲んでしまう酒みたいに一気にいける面白さだった。それでいてアクが強いのかどうかよくわからないのが不思議だ。プロレス興味ない人が観ても充分面白いはずだが、プロレス興味ない人に、どう薦めれば興味持ってもらえるか思い浮かばない。そんなドラマ。
本作が面白いのは置いといて、個人的にはプロレスの試合とか練習がもっと多いドラマが観たいな、できれば現代が舞台の‥。まぁそれなら最初から普通にNXTとかWWEを観ればいいような気もするが‥。役者が演じる映画やドラマで見たいんだよね。そーいうのが観たい欲は、フローレンス・ピュー主演でWWEのペイジの自伝を映画化した「ファイティング・ファミリー (2019)」が11月に公開されるからそれに期待する。
ところでGLOWシーズン3の予告編は、妙に天国めいた召され感あふれるものだったので「バッシュかサムか、誰か死ぬんちゃうか?」と思ってたけどそれはなかった、今思えばベガスの浮世離れ感を表現してたのかもしれない。
次の、シーズン4はどうなってしまうのか?
各キャラも、カップルになったりヨリが戻ったりカミングアウトしたり本当の自分ややりたい事を見つけたり余命わずかなのが判明したり‥それぞれにケリが付き始めてきたように思える。実在したGLOWはシーズン4で終了したし、このGLOWも次のシーズン4で終わってしまうのかもしれない。それとも新しい展開が来るのかも。全く想像つかない。

※追記:2020年、コロナ禍で制作がストップしてそのまま打ち切りとなってしまった。残念だがS3はプロレス殆どしなくなってたし「もうプロレスやめる」って感じの終わり方だったから、あまり残念でもないかもしれない。こうなると盛り上がったS2で終わってても良かったかもしれない。
 

 

 

そんな感じでした

gock221b.hatenablog.com

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GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

GLOW (TV Series 2017– ) - IMDb

本物のGLOW公式サイト

www.youtube.com

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