gock221B

映画やドラマの感想ブログ 😺🐱 殆どのページはネタバレ含んだ感想になってますので注意 😺 短い感想はFilmarksに https://filmarks.com/users/gock221b おしずかに‥〈Since.2015〉

「ツイン・ピークス The Return (2017)」第13章/ドッペルゲンガーの腕相撲

f:id:gock221B:20170703164338p:plain
原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 13) 通算第43話
監督:デヴィッド・リンチ 
脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ

 

 

 

場所ごとにまとめてるので、ストーリーはこの順番通りではないです
感想というよりも、話を反芻したり忘れないようにするメモみたいなものです

前回までの「ツインピークス」は‥
★ダギー(クーパー)、ダンカン・トッドが差し向けた数々の刺客を尽く撃退。
★クーパーのドッペルゲンガー、レイに撃たれた後、仲間のハッチとシャンタルと再起。

★FBIとツインピークス保安官事務所、それぞれ別々のルートから同じ「座標」を入手
★その座標の場所はツイン・ピークスだと発見したダイアンは何者かと交信中。

★ローラの母親セーラの神憑りが始まる。
★リチャード・ホーンの悪事は全て保安官事務所にバレて本人は逃走中。

 

ネタバレ全開です

 

ネバダ州南部ラスベガス
f:id:gock221B:20171022072158j:plain
保険会社「ラッキーセブン」❼❼❼
前々回、ダギー・ジョーンズとして暮らすデイル・クーパーカイル・マクラクラン)が幸運を運んだミッチャム兄弟が、キャンディ達ダンサーズと踊りながらミッチャム・トレインを形成して訪れ、ダギーの上司ブッシュネルに豪華な数々のプレゼントをする。社長は大喜び。
めちゃくちゃ旧シリーズっぽい多幸感溢れるシーン。
ダンカン・トッドと通じてミッチャム兄弟をハメた悪徳社員アンソニーはビビっている。
ダンカンは部下のロジャーを呼び、新たなダギー殺しの手を講じている。
ジョーンズ家🏠
ミッチャム兄弟からお礼の、ブッシュネルとお揃いの高級車、息子のサニー・ジム・ジョーンズ宛の豪華なベガス風遊具セット‥というか小規模な遊具施設が届く。
高級車を見て嬉しさがじわじわ湧き出るジェイニーE・ジョーンズナオミ・ワッツ)は素敵な笑顔になる、夜帰宅したダギーと一緒に、無表情で猛烈に遊具で遊びまくるサニージムを見ながら夫への愛情がますます湧くのだった。
ラスベガス市警👮
笑い上戸でいつも冷笑してる刑事達が再登場。
ダギー・ジョーンズからこっそり取った指紋の照合結果が出た。
「2日前にサウス・ダコタの刑務所を脱走した行方不明のFBI捜査官」と同じ指紋という結果が出た。
つまりダギー=クーパーと同じ指紋のドッペルゲンガーの記録が出た。
刑事達は「こりゃ何かの間違いだ」と笑って結果を捨ててしまう。
あぁ、クーパーとドッペルゲンガーが結びつく証明が初めて出たのに‥
視聴者をヤキモキさせようとするリンチの意図を感じた。
丸めて捨てた指紋の照合結果は誰かが拾うかな?
そこへダンカンが通じている悪徳社員アンソニーが来て、悪徳刑事2人に毒薬を貰いに来た。もう後がないので直接ダギーを毒殺するつもりだ。
だが悪徳刑事もダンカン・トッドに通じているようで、
「ありゃもうダメだな。ダンカンに報告しとこう」と言う。
保険会社「ラッキーセブン」🏢
翌日、出社したダギーはアンソニーコーヒーに誘われる。
勿論、前日に入手した毒入りのコーヒーだ。
しかし彼は、ダギー(クーパー)の善性に当てられたのか
「俺が間違ってたぁ!」と叫んで毒入りコーヒーを持って去る。
残ったダギーはチェリーパイを楽しむ。
保険会社「ラッキーセブン」ブッシュネルの部屋🏢
罪悪感で完全に心が折れたアンソニーは、ブッシュネル社長とダギーの前で全ての罪を告白。
ダンカン・トッドのために働いていたと語る。
ブッシュネルは「知っていたよ!ダギーの報告でな!」と言う。
「ダンカン・トッドと悪徳警官2人の悪事を証言しろ」と言われたアンソニーはこの赦しに飛びつく。
「証言中に殺されてもいい!そうします」と涙ながらに言っているのでアンソニーの件は解決だな。

 

 

モンタナ州西部
f:id:gock221B:20171022072138j:plain
★レイやリチャードが所属している不良集団のアジト🏯
クーパーのドッペルゲンガーカイル・マクラクラン)が訪れる。
どうやら彼を裏切ったレイが所属する組織らしい。
マフィアとかギャングではなく、不良バイカー集団的なアマチュアな「リンチが考えた不良の集まり」って感じ。
この組織のボス、レンゾは14年間無敗のアームレスリング・チャンピオン。
ドッペルゲンガーはアームレスリングで勝負するよう言われる。
負ければ言うことを聞かなければならず、勝てばここのボスになれると言われるがドッペルゲンガーは「こんなとこのボスになりたくない。レイを渡してくれたらそれでいい」と言い、勝負が始まる。
当然、超常的なパワーや超能力を持ち、かつ不死身でボブも内包しているドッペルゲンガーが負けるわけはない。
レンズを散々いたぶってアームレスリングに勝ち、レンゾに顔面パンチを喰らわせる。拳が藤子F不二雄の漫画のように顔にめり込みレンゾは即死。
ドッペルゲンガーはレイに「俺を殺そうと頼んだ相手は誰だ?」と訊く。
レイは「フィリップ・ジェフリーズだ」と答える。
そして先週ハッチに殺されたマーフィー刑務所長もグルだった。
いつの間にかリチャード・ホーンも見ている。リチャードもこの組織の一員だった。というかこいつはドッペルゲンガーの息子だったっけ
そしてレイは「殺した後でドッペルゲンガーにはめろ」とフィリップに渡されたというフクロウの指輪を左の薬指にはめさせられる。
更にレイはビル・ヘイスティングの秘書ベティから奪った座標を渡す。
「フィリップはダッチマンという店にいる」と言ったレイは、聞きたいことを全て聞いたドッペルゲンガーに頭を撃ち抜かれて即死。
死体を残して指輪だけがブラックロッジに転移するのと同時にレイの魂もブラックロッジに転移した。
とりあえずドッペルゲンガーを撃って早めにフクロウの指輪をはめれば倒せる事がわかった。
ユタ州ハイウェイ🚙
マーフィー刑務所長を暗殺したハッチティム・ロス)とシャンタルジェニファー・ジェイソン・リー)。移動中

 

 

ワシントン州ツインピークス🗻🗻
f:id:gock221B:20171022072110p:plain
★RRダイナー(昼)☕
シェリ
(ミッチェン・アミック)のもとにベッキーアマンダ・セイフライド)から電話。浮気した夫が帰ってこないと。母娘は合流することに
★RRダイナー(夜)☕
ボビー・ブリッグス保安官が訪れる。
シェリーはベッキーとどこかに出かけたのか居ない。
ここでエド・ハーリーが初登場。ノーマと同席している。
これで旧レギュラーキャラ全員登場か?相変わらず吹き替えは若本規夫
ボビーはエディに「親父が遺したある物が見つかった(座標のこと)」と言う。つまり、このシーンは数話前の座標GETの時と同じ日なのね。
そこに男性がやってきてノーマとキス。
数話前のボビーとシェリーのシーンの繰り返しだな。
男は会計士らしい。
「RRダイナー」5店舗中2店舗が黒字だがこの本店が赤字だと言う。
なんと、フランチャイズ化してたとはね。男の話をまとめるとこうだ。
ここ(本店)の売上は悪い。パイの作り方が本格的すぎてコストがかかっている。安い素材で作ってはどうか。その味の劣化を、チェーンの名前を全て「ノーマのRRダイナー」にしてブランド力で誤魔化そうというのだ。
ノーマは気が進まないようだが男とは仲が良さそうだ。
心中穏やかでない切ない表情で見つめるエディ。。
どうやら順風満帆だと思われたノーマも、またカスと付き合っているようだ。
娘のベッキーがカスと付き合ってるのを見てヤレヤレ顔をしていたシェリーが実は自分も犯罪者と付き合っていて、それをヤレヤレ顔で見ていたシェリーも詐欺師のような男と付き合ってたという構図。もし仮に25年後でもシリーズが続いていたとしたら熟女になったベッキーが新しいカスと付き合っているのだろう。
もうカスと付き合ってない女性キャラは公務員キャラだけだ。
★「Run Silent Run Drapes」🏬
ネイディーン・ハーリーの店?
旧シリーズでネイディーンが発明中だった一切音がしない自動開閉カーテンで一発当てたのかな。
ショーウィンドーには彼女が尊敬するジャコビー博士の「Drアンプの金のシャベル」もディスプレイされている。
それを見て「素晴らしい装飾だ」と立ち寄るDrアンプことローレンス・ジャコビー
ネイディーンはジャコビーの大ファン。
ネイディーンは「私は貴方の一番の兵士」だと語る。
ジャコビーは「君を最後に見たのは7年前。嵐の日、スーパーマーケットで落としたジャガイモを這いつくばって探していた」と言う。何かの伏線っぽい台詞だからメモしておこう。
パーマー家🏠
セーラー・パーマー
が頻繁に酒を飲みながらTVで古いボクシングの試合を観ている。
だが第一ラウンドでのKOシーンが延々と繰り返し流れている。
お気に入りの古い試合の名シーンを編集したもの‥を観てるんじゃなくて、神憑り中のセーラの周りで時空が乱れてるんだと思った。
★オードリー・ホーンの家🏠
オードリー・ホーンシェリリン・フェン)が前回に引き続き取り乱している。
ここは前回直後のシーンのようだ。
オードリー「私、自分がここに居ないみたいで‥そんな感覚になったことってない?!」
「まるで、他の場所に居て別人になったみたいな‥わかる?!」
ロスト・ハイウェイ」的な、自分が別人に成り代わっている恐れを抱くオードリー。
小人症の夫チャーリーは「実存主義的な不安かな?」と常識的な返答をするがオードリーが言ってる不安はそんな問題じゃなくてガチで別人になっているのだろう。
オードリーは旧シリーズ最終回直後、昏睡状態になった時に、クーパーのドッペルゲンガーが何かされている。その結果産まれたのが不良青年リチャードだと言われている。このオードリーはカゲロウのような存在で本物のオードリーはどこかで眠ったままなのかもしれない。
自分を見失っているオードリーにチャーリーは「君が頼んだように今からロードハウスに連れて行くから、そこでビリーを見つけなさい」と言う。
昔からツインピークス民でロードハウスに行ったこともあるはずのオードリーは、ロードハウスの場所を知らないと言う。やはり何かがおかしい。
チャーリーは「ふざけるのはもうやめにしないと君の物語を終わりにさせる」と恐ろしい事を言う。
オードリー「‥私の物語って何よ?
「それって通り沿いの家に住んでた少女の話?」と言う。
チャーリーは神妙な顔をしている。何かを知っているようだ。
オードリーはチャーリーの話に食いついて座り込む
「助けてチャーリー。ここはまるでゴーストウッドよ」と言う
彼女はコンフューズしてるようだが何だか可哀想だな。。
通り沿いの少女というのは、8章で虫が入っていった少女のことか?
※追記:やはりオードリーは今も昏睡状態でこれは夢なのではないかと思った。チャーリーは主治医なのでは。そうなるとビリーとかティナの存在がよくわからない
「ロードハウス」🎵
なんとジェームズ・ハーリーのLIVE。旧シリーズでドナとマデリーンと3人で演奏していた「Just You」を、2人の若い女子と演奏。
www.youtube.comうっとり見つめるアラサーくらいの女。誰だっけこいつ‥。わかんないので調べた。役名はレニーで第2章でシェリーと飲んでた友達か。レニーはジェームズの唄で号泣。
女みたいに高い声で歌っているスキンヘッドで怯えた子犬のような顔をしたオッサンの唄で、女が号泣。。ある意味このシーンが一番変だ。
「ビッグ・エドのガソリンスタンド」🏪
f:id:gock221B:20171119182819p:plain
エディの持つガソリンスタンド兼雑貨屋。おかしな音がしている。
ノーマのことで心底落ち込んだ様子のエドコーンスープをすする。
虚空を見つめていたかと思うと、何やら小さな紙片を燃やした
エディは25年間、相変わらずノーマを好きで居ながらネイディーンと愛なき結婚生活を続けてたのかな?(ノーマやネイディーンの名字が前と一緒なのであのままだと思われる)
今回こそは幸せになってほしいものだ。

 

 

▲▲
f:id:gock221B:20171022072948g:plain
今回もまたクライマックスに向けての繋ぎ回といった印象だった。
そして舞台は殆どツインピークスがメインになってきている。
FBIや保安官達の出番がない回は初めてかもしれない。少し寂しかったが、いつも大抵出番多いからまあいい。
ドラマの舞台としてのサウス・ダコタ州バックホーンは終了したみたい。
コンスタンス検視官やノックス大佐はもう出てこないのかな?
ラスベガスのダギー周辺は、いよいよダンカン・トッドとの対決前か?
ドッペルゲンガーも数話ぶりに出てきてラストスパートに備えている。
フィリップがドッペルゲンガーと敵対してる事がはっきりした。
そんでツインピークスでも役者が出揃った。
FBI、ツインピークス保安官事務所、ドッペルゲンガーの三組がツインピークスにある座標をGETした。
ツインピークスに各員が集結する図が見えてきたが、ダギー(クーパー)はなかなか結びつかない。恐らくクーパーはツインピークスに来たり誰かが会いに行くのではなく、ドッペルゲンガーに何かがあってクーパーの記憶も戻るのではないか?しかしここまで話が進んで白痴状態のまま活躍するダギー(クーパー)にも愛着が湧いてきたしジェイニーEやサニージムが不幸になるのは見たくない。どうなるんだろう
そしてツインピークスの各員のどうしようもない人間関係はどうなるのか。

 

そんな感じでした

ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
#1
 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 #9 #10 #11 #12 #14 #15 #16 #17

gock221b.hatenablog.com

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ 

www.wowow.co.jp

www.imdb.com

TWIN PEAKS: MUSIC FROM THE LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK) [CD]

TWIN PEAKS: MUSIC FROM THE LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK) [CD]

 
TWIN PEAKS: LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK/SCORE) [2CD]

TWIN PEAKS: LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK/SCORE) [2CD]

 

f:id:gock221B:20171022072913g:plain

『ブルーベルベット』(1986)/久しぶりに観たがやっぱよかった👂

f:id:gock221B:20171021230910p:plain
原題:Blue Velvet 監督&脚本:デヴィッド・リンチ
製作国:アメリカ 上映時間:121分

 

 

 

huluにあったので20歳前後の時以来に超久々に観た。
いま初めて観たんだったり誰も語らない映画だったら感想書きやすいが、昔この映画を何度も観たってだけじゃなくて他人の解説とかも読みすぎたせいで「冒頭の芝生の甲虫のシーンに象徴されるように‥」とかそういう何度も聞いたような事を書くのが、まるで誰でも知ってる昔話を改めて「おじいさんは山に芝刈りに‥」と改めて語ってる気分になって恥ずかしいので感想書くのやめようかと思ったが、時の流れと共に古い人間が死んで新しい人間が生まれるのだから、やっぱり感想書くことにした。

 

 


絵葉書のように美しい田舎町ランバートン。
美しい家の芝生にカメラが寄ると甲虫が食い合うおぞましい光景が映される。

急病で倒れた父親のお見舞いで好奇心旺盛なハイネケン好き大学生ジェフリー・ボーモントカイル・マクラクラン)が帰郷する。
彼は野原で切断された人間の耳を見つける。

ジェフリーは警察に行き、父の友人かつ隣人のウィリアムズ刑事に届ける。
そこでジェフリーはウィリアムズ刑事の純粋な娘サンディ・ウィリアムスローラ・ダーン)と知り合う。
サンディはコマドリに象徴される愛と光によって世界が満たされることを夢見ている純粋だが顔が怖い女子高生。彼女はアメフト部のマイクと付き合っているが、お互いに純粋な2人は仲良くなる(この際にジェフリーは「舌が大きい同級生」やアヒル歩きを披露する場面が凄くいい)

父の話を盗み聞きしたサンディによれば、この事件にはドロシーというクラブ歌手が関係しているらしい。
好奇心を刺激されたジェフリーは、サンディの協力でドロシーのアパートの部屋に無断で侵入。そこへドロシーが帰宅したのでクローゼットに隠れる。
そこで彼は、ドロシー・ヴァレンズイザベラ・ロッセリーニ)とギャングのフランク・ブースデニス・ホッパー)の倒錯した性行為を目撃して更に事件に引き込まれていく‥
‥みたいな話
 



↑全然関係ないけどカイル・マクラクランの80年代ファッションがおしゃれすぎる。
クーパー捜査官も好きだが、このジェフリーもかなり好き。
異常に純粋かつ汚れなき青年なのだが、家宅侵入とかドロシーとのSEXは割とノリノリでやるところとかもいい。
ラストで映画冒頭のこの町のように、穢れを内包した見かけばかり綺麗な町‥の一部になってしまう。映画としては綺麗な終わり方だが何だかこの映画のラスト以降のジェフリーは普通につまらない男になっていきそうだなと思った。
まあ、だからこそジェフリーが人生で唯一面白かったと思われる時期だけが映画になってる本編がより尊いものになるという言い方もできるが‥。
「そんな展開はない」というのはわかるがドロシーと仲良くなって欲しかった。サンディが本当にしょうもなさそうな印象が強いせいもあるが‥。そう、サンディは本来文句の付けようもない美少女キャラのポジションだけどローラ・ダーンの顔が怖すぎるせいで全然そうは思えず観てると徐々にうっとうしくなってくる。

関係ないがジェフリーの家にいるバーバラ叔母さん(フランセス・ベイ)役が僕の好きな「ツインピークス」のトレモンド夫人の人だった。

 


イザベラ・ロッセリーニは美人すぎてこの80~90年代すごい好きだった。
リンチと付き合ってた時は、自分の中でロブ・ゾンビシェリ・ムーン、ティム・バートン&リサ・マリー(とっくの昔に別れたが)と並ぶ三大憧れの映画監督&女優カップルだった。
そもそもドロシーは一体どういう弱みを握られてたんだっけ。
夫が借金したのかなと最初は思ったが、フランクがクラブでドロシーの唄う「ブルーベルベット」を聴いて感涙しているので、ドロシーが欲しくて夫をハメたと考える方が自然か。
ジェフリーに会った初見時のドロシーは妙にジェフリーを責め立てており(不法侵入の不審者というのもあるだろうが)「俺を見るな」というフランクみたいに「私に触るな」とか言う。それはきっと子供を人質に取られて自信も責められてマゾとはいえ溜まったストレスをジェフリーを虐めて方向に向かったのかなと思った。
気を許すとHit Meと言うわけだし。
美しい顔とだらしない身体のドロシーだが古臭い髪型している。50年代風?なのかもしれないが正直かなりオカンっぽいのでストレートがよかったが地毛かと思ったらカメラから遠い位置でヅラを外すシーンがあったので「えっヅラだったの」と思った。
何でずっと被ってるんだろう。ゴードン刑事が立ったまま死んでるのと同様、リンチに訊かないとわからないことの一つだろう。
だけど彼女はその後何度かひどい目に遭って可哀想なんだが、ずっとカツラと厚化粧のままなのが少し安心した気持ちが混ざる。
「カツラ外したのが本当の彼女だから」的な感じに少しだけ思えるせいかもしれない。
だけど、最後に坊やと幸せそうに公園にいるところでもまだカツラ被ってるのが本当に謎だな。「全編ジェフリーの夢だから」という観方はつまらないので考えたくない。
サンディが最初付き合ってた高校生マイクが絡んできた時、綺麗な住宅街にボロボロになった全裸ドロシーが現れて、闇のリアルを見せつけられたマイクは完全にビビって「何か‥ごめん」とさっさと消えてしまうのが何か(ドロシーは可哀想だがそれは置いといて)痛快だった。

 

 


久々に観たがジェフリーがフランクに絡まれるシーンが怖い‥というよりひたすらうざかったね。
ドロシーと逢っていたジェフリーをボコボコにするのだが、その前にジェフリーをビビらせようと地獄めぐりする。
その間、ヤンキーとかチンピラがやりそうなウザ絡みをフランクみたいなオッサンがやってくるのが嫌感が高まる。
何か荒いことを話しかけてジェフリーが返事したら、その返事を繰り返してチンピラ仲間が爆笑!うっとうしい。ビビらないとそれはそれで怒りそうだし。
ジャック・ナンス演じる舎弟が「俺の名前はポール」というだけのネタでジェフリーを延々と威圧してくるのもまたウザい。何かジャック・ナンスはフランクよりもナチュラルに気が狂ってそうで怖いし。
だが何だかんだ言ってジェフリーはフランクに顔面パンチしたが半殺しで済まされるので、そのうざさ以上の怖さはなかった。
ボコボコにされる寸前、助けたいが今の自分じゃ救えない女性(ドロシー)が見ていて、荒いチンピラに囲まれ音楽を流されてブスがボンネットの上で踊り狂ってる中でオッサンにディープキスされた後でボコられる‥という、かなり嫌なやられ方は、嫌すぎて可笑しくなって笑ってしまった。
本来なら神経太そうなジェフリーが翌朝さめざめと泣いてしまうのも頷ける。
それより一番嫌だったのは、こういった暴力やレイプじゃなくてフランクがクラブでドロシーの唄を聴いて感涙してる場面だった。
「暴力的で反道徳的なチンピラだが心の底には綺麗な部分もあってドロシーの唄にだけ自分の純性を閉じ込めている」
‥というのが現実のチンピラっぽくて生々しい嫌さを感じた。
殺人やレイプしまくるが自分の娘には純粋な愛情を注ぐヤクザみたいな感じ。
醜い殺人鬼も親族や芸術に対する愛情だけは本物、というのがよくあるからね。
何でそれが嫌なのかというと、生まれついてのモンスターならまだ納得いくのだが、我々と地続きの同じ血の通った人間だというのを感じさせてくるのが嫌なんだろう。
だからフランクがドロシーの唄で感動してるシーンが一番嫌なわけです。
だが嫌悪感が頂点に達したジェフリーがフランクを思い切り顔面パンチするのは笑った。どうせパンチしてもしなくても半殺しにされるなら殴っておいてよかったね結果的に。最終的にトンチと銃でぶっ殺すし。どういうわけか映画の結末を全然覚えてなかった。
あの最後の無意味で訳の分からん変装は「ツインピークス」でキャサリン・マーテルがしてた「おばさんがヒゲのオッサンになる」という無茶な変装に似てたな。

 

 


全然書く事ないと言ったがどうでもいい事を捻り出すだけで結構書けるもんだね
あとドロシーの息子を預けてる悪いオカマが経営してる娼館みたいな家に太ったオバサンがいっぱいいたのは何だろう?これもまたリンチ本人に訊かないとわかんない事だ。
それにしてもやたらと脳が出てくる映画だった。最近の映画はあまり脳が出ないね

 

 

 

そんな感じでした 

ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』(2017) 全18話
#1
 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 #9 #10 #11 #12 #13 #14 #15 #16 #17 #18(終)

『デューン/砂の惑星』(1984)/あまりに善悪別れすぎてて上手く行き過ぎると修正された歴史や誰かの妄想みたいに見えるね🐛 - gock221B

👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂👂

Blue Velvet (1986) - IMDb

www.youtube.com

f:id:gock221B:20171022082907g:plain

『ナイト&デイ』(2010)/トム・クルーズ映画だと思って観たらキャメロン・ディアス映画だった👨👱‍♀️

f:id:gock221B:20170923032440j:plain
原題:Knight and Day 監督:ジェームズ・マンゴールド
製作国:アメリカ 上映時間:109分

 

8月、次のミッション・インポッシブル撮影中、いつものように無茶苦茶なスタントしてたら足を骨折してしまったトム氏。だがもう多分治ってる頃だろう。
少し前に放送されたラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の「トム・クルーズ映画総選挙!」で一位だった「コラテラル (2004)」が「コラテラル‥?何か地味でつまらなさそうなやつ?」と思いつつ観たら本当に死ぬほど良かったので、同じく順位が高かった本作も借りた。これもまた「何だかつまらなさそう」と思って観てなかった。


 

f:id:gock221B:20171020221037j:plain
理想の男性を追い求める女性ジューン・ヘイヴンス(キャメロン・ディアス)は、妹の結婚式に向かうための空港で、ハンサムな男性ロイ・ミラー(トム・クルーズ)と、ぶつかる。
トム氏「携帯を見てた、いけませんよねw」
イケメンの謝り方。その直後、2人はまたぶつかる。
だがトム氏は明らかに普通の男ではなく彼女にわざとぶつかって何かしてる。
そんな事知らないキャメロン・ディアスはトム氏に惹かれ始める。
機内で2人は会話し、トム氏は「めぞん一刻」の三鷹さんのように白い歯を輝かせて笑顔を見せる。
というかキャメロン・ディアスは既にねっとりしたトロ目でトム氏を見ており映画始まって5分くらいだというのに既にトム氏に惚れている。
相変わらず爽やかだが何を考えているのか全くわからない笑顔。
2人は「いつかしたい事」の話をする。トム氏「『いつか』は危険だ。永遠に実現しないのと同じだ」と「コラテラル」の時みたいな事を言うトム氏。
いつかしたい事を列挙するトム氏は「ホテル・デュ・キャップのバルコニーで知らない女性とキスする‥
「それって私のこと?( ´>ヮ<`)」的な気分が高まったキャメロン・ディアスは「ど、どこのホテル‥?///」と、うわ言のように呟く。
飛行機が揺れて落ちてきた荷物を受け止めるトム氏。「おっとあぶない」
トロン顔を通り越して完全なトロマン顔になるキャメロン・ディアス
TOROMAN現象
しかし今の揺れでテキーラを下腹部にこぼしてしまい、内実ともに濡れているキャメロン・ディアスはトイレに行く。
彼女は「揺れてる‥」と、飛行機と自分の心の揺れを同時に表現。
キャメロン・ディアスはトイレに入ると、鏡の自分に向かってトム氏がいかに素敵かをまくしたて、口臭チェック、ブラの位置直し、香水ふりなどして戦闘態勢になる。
一方、トム氏は機内にいた刺客を全員カジュアルにブッ殺す。
ちなみにCAやパイロットや副操縦士まで全員刺客で皆殺し。
トム氏は「ごめん、全員殺しちゃったから着陸させるね♡」と言い不時着。
「君を殺そうとする奴らが来るから絶対何も言わないこと」と言って睡眠薬を飲ませる。
薬を飲まされたキャメロン・ディアスが目覚めると自宅だった。
トム氏が作ったオムレツと共に・。
という冒頭20分。

 

f:id:gock221B:20171020224209j:plain
「誰の車にも乗らないこと」とは言われたものの、普通の女性が集団の訓練を受けた男達をかわせるわけもなく捕まる。
しかし彼女が捕まる度にトム・クルーズが空から降ってきて皆殺しにしてキャメロン・ディアスを救出する。
キャメロン・ディアスはすぐパニックになるので、その度にトム氏が薬を飲ませて気を失わせる。そして彼女が寝てる間にトム氏が何やら凄い大立ち回りをして窮地をくぐり抜ける様が、キャメロン・ディアスが一瞬だけ目を覚ました時に見える。
というのも何度も繰り返される。
要するに女性が素敵な男性に出会った恋のときめきとアクションを同期させた映画。
か弱い女性がスーパー男性に助けられてビビり続けるというジャッキー・チェンのアクションラブコメ香港映画に凄く似ている。
ディアス氏が目が覚めたら南国の孤島で目覚めてトム氏が魚焼いてたりする。
全体的に少女漫画っぽい。

 

f:id:gock221B:20171020224143j:plain
トム氏演じるエージェントと政府と闇組織の争いの元になってるのは、まず「街一つまかなえるエネルギーを秘めた電池」と、それを作った天才少年サイモン(ポール・ダノ)。マクガフィンってやつだね。電池とポール・ダノを奪い合う。
それにしてもポール・ダノはいつも天才の役してるな。確かに天才っぽい顔だからね。
あと闇組織のメッセンジャーというチョイ役で、今やワンダーウーマン役で大スターになったガル・ガドットが出てた。やはり凄い美人なのでキャメロン・ディアスよりガドットの方がいい!と思った。
それで色々あってキャメロン・ディアスはトム氏に疑念を抱き、彼を政府に売ってしまう。
が、政府の手の者も悪人でトム氏は撃ち殺され失意のキャメロン・ディアス
彼女は独自に動いて色々調べてトム氏は生きてると確信して覚醒し、トム氏に再会するため闇組織に取引を持ちかけて人質になる。
‥という中盤
本作は恋愛中の心の動きをアクション映画に落とし込んだ映画なので仕方ないが彼女はあまりにも恋愛のことしか頭にない。
これはアラフォーのキャメロン・ディアスじゃなくて20代のポワンとした女優がやる役では?と思った。
しかしそれだとトム氏と父娘くらい歳が離れて不自然だから、(当時)30代後半だけど漫画のキャラっぽい年齢不詳のディアス氏にしたんだろうな、と思った。笑っている限り(キャメロン氏は口閉じて真顔になると5歳くらい老けるから終始口を開けて演技している)

 

f:id:gock221B:20171020224115j:plain
終盤までキャメロン・ディアス目線で、王子様のように降臨するトム氏を観続けることになる。それでいてコメディ。
ブコメなんだが、ディアス氏がときめく陰で通りがかりの罪のない人がバンバン死んでしまうのも妙に気になる。
アクションが始まりそうになると主観の視界を見てるキャメロン氏が気を失うのでアクション見れないし、全体的にスイーツな空気が流れて「つまらなくはないが、やっぱこれは女性が観てこそ楽しい映画では‥」とか「全体的に一昔前の映画みたいだな‥」いう不満がたまってきた。
しかし後半、ディアス氏が覚醒して自発的に考えて行動するキャラになると面白くなってくる。
終盤、ディアス氏は闇組織に自白剤を打たれる。だが電池など持ってないので自白することなど無くトム氏が如何に素晴らしいかをまくしたてる。
キャメロン・ディアスは、覚醒済み + 自白剤の影響でMDMA食った人のような超多幸感を手にしてWoman Without Fear(恐怖を知らない女)になる。
今までビビりまくってたディアス氏だが、一切の恐れをなくして的確な行動だけを取れるという一種の超人として生まれ変わる。
弾丸が飛び交う中でトム氏を見つめて「あ~セックスしたい‥」とか言う。
不死身の色ボケスイーツ超人爆誕
次の瞬間これまでのようにトム氏が降臨するが、逆にトム氏の方が「な、なんで君がここに?」と驚いている。
ディアス氏が覚醒によってトム氏と並んだ瞬間だ。
それで何だかんだあって2人はペアとなって、ただでさえ無敵のトム氏は更に最強となって悪を一掃して幸せになった。

 

f:id:gock221B:20171020224341j:plain
そんな感じでトム・クルーズ映画だと思って観たらキャメロン・ディアス映画だった。
割とふわっとした映画だな‥と思って観てたが終盤はその意外性で楽しめた。
だけど本作はまあ正直そこそこといった感じだった。
ハーレクインロマンス小説的な印象だったので、やはりトム氏を王子様として見てる女性が観た方が高得点だろう。
この時期のトム氏は「コラテラル」もそうだが「正体不明のクソ強い謎の男」路線を推してたのかなと思った。
近年は「スターの時代」が終わりMARVELを始めとする「キャラクターの時代」となったので、映画の流れに賢しいトム氏はイーサン・ハントとかジャック・リーチャーとか「マミー」でダーク・ユニバース参入(そして失敗)など、キャラクター推しで行ってるのかな?と考えたりした。
まだまだ元気なのでいつまでも頑張って欲しい。

 

そんな感じでした 

 トム・クルーズ主演作
「コラテラル (2004)」今まで行動してこなかった善人タクシー運転手 vs.行動しまくるが心がない殺人トム・クルーズ - gock221B

「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK (2016)」今回は疑似家族ロードームービー風アクション風味で楽しかった - gock221B

「ミッション:インポッシブル(1996)」「M:I-2(2000)」「M:i:III(2006)」「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)」「ミッション:インポッシブル/ローグネイション(2015)」 - gock221B

「ミッション:インポッシブル/フォールアウト (2018)」従来の楽しさに加えて女性キャラ交代の儀とライバルの存在が良かっシブル💣 - gock221B

 

 ジェームズ・マンゴールド監督作
「LOGAN / ローガン (2017)」この地から銃は消えた - gock221B

👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️👨👱‍♀️

www.imdb.com

www.youtube.com

f:id:gock221B:20171020220850g:plain

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(2017)/感情を理性で乗り越えた者だけがこの惑星の覇者となる🐵

f:id:gock221B:20171016195921j:plain
題: War for the Planet of the Apes 監督:マット・リーヴス
製作国:アメリカ 上映時間:140分 シリーズ:リブト版「猿の惑星」シリーズ

 


猿の惑星になるまでのエピソードゼロ的なストーリーを描いた、リブート版「猿の惑星」三部作の完結編。近所でやってたので先週観た。
ちなみに昔の「猿の惑星」シリーズは全然観てない。別に見てない理由はなく、たまたま。オチだけ知ってる。ティム・バートンのつまんないリメイクは何故か観た

猿の惑星:創世記ジェネシス)(2011)」
のちに猿インフルエンザと呼ばれることになるウイルスを用いたアルツハイマー遺伝子治療薬ALZ112の影響で、言語能力を得るほど知能が向上したチンパンジー主人公シーザーは、色々あって愛する人間ウィルの元を去り猿達のボスとなって森に消える

猿の惑星:新世紀ライジング)(2014)」
10年後、猿の知能を向上させるが人間にとっては殺人ウイルスだった猿インフルエンザの影響で、地球規模のパンデミックを引き起こし人類の文明は崩壊。
生き残った人類と猿達は共存していたが、攻撃的なチンパンジーのコバの暴走で猿vs.人類の全面戦争に突入する

 

 

f:id:gock221B:20171017005613j:plain
前作から更に2年後(1作目からは12年後)、猿 vs.人類の闘いは激化。
シーザーアンディ・サーキス)は、仲間が砂漠の向こうに発見した新天地に向かう前夜、人間達の冷酷な大佐ウディ・ハレルソン)の奇襲によって愛する妻子を失う。
復讐の念に駆られたシーザーは、仲間だけ新天地に向かわせて自分は復讐の旅に出る。
古くからの仲間、オランウータンのモーリスチンパンジーロケット、ゴリラのルカも着いていく。
出会い頭に殺してしまった人間の脱走兵の家に、喋ることができない少女がいて、置いていくわけにも行かないので、少女がずっと持っている人形を少女に持たせたまま同行させる(少女は後にノバと名付けられる)。
途中、大佐にそそのかされて基地の場所を教えてしまった裏切り者ゴリラを見つけるが成り行き上、殺してしまう。
その夜シーザーは、前作で殺したコバが夢に出てきて己の内に生まれた闇に怯える。
一行は道中、動物園から逃げて一匹で暮らす喋れる猿バッド・エイプと出会う。
仲間は皆殺されたという。彼は自分を追い立てる人間達に「悪い猿」と何度も言われて、それが自分の名前だと思ってしまったのだろう。
バッド・エイプは大佐が居るという要塞を知ってるので案内してもらう事になった。
要塞を探っていると敵兵に襲われシーザーを庇ったルカが戦死してしまう。
ルカに花を貰ったノバは泣き、死にゆくルカを花で飾った。
モーリスは「もう復讐はやめよう、新天地に向かう群れに戻ろう」と提案するが、ますます敵討ちに燃えるシーザーは、モーリスに「貴方はコバに似てきた」と指摘される。
シーザーは、復讐心を捨て去ることができず一人だけで大佐を討つ事にしたが冷静さを欠いていたせいでコバの部下だったが今は大佐の部下となったゴリラのレッド・ドンキーに見つかり、復讐心という感情に囚われたシーザーは檻に囚われた。
そこには新天地に向かったはずの仲間達も囚われており強制労働を強いられていた。
シーザーをはじめとする猿達と、地球が猿の惑星になってしまうのを食い止めたい人類との最後の闘いが始まった。。
‥みたいな話。多分ここまでで真ん中くらいまでのあらすじ。

 

 

f:id:gock221B:20171017165756j:plain
ほぼ全編シーザーが「地獄の黙示録」のカーツ大佐みたいなノリのウディ・ハレルソンと闘う構図。
シーザーは、かなり早い段階で檻に入れられて多くの時間を囚人として抵抗する。
主人公が囚人になる大抵の映画は、苦難に耐えて開放に向かうというシンプルかつカタルシスある展開が待ってるので大抵面白くなる。
その展開は我々殆どの人間が願ってる事でもあるため普遍的に響くものがある。
シーザーは大佐と対峙して、人類に起きている異変や要塞を取り巻く状況について聞かされたり、単純に鞭打たれたり労働させられたりするが耐える。本作のシーザーは耐える事が闘いだ。
そんな彼を、外にいるモーリス、ロケット、ノバ、バッド・エイプが、シーザーと仲間たちを救い出そうと頑張る。
バッド・エイプは重いストーリーを和ませるコメディリリーフとして面白シーン担当。
このシリーズは耐えて耐えて最後に爆発する展開が多いが本作もそんな感じだった。
ドーンx2と爆発が起こる様は開放感あった。
毎回ラストで思わされるが今回もまた「地獄に堕ちろ人間ども!」と猿側に立たされた。
でも観ている観客は滅びていくだけの大佐の部下のキョロ充ソルジャーなのだが‥。
シーザーと仲間の猿達が苦境に耐えて知恵で反撃するところや、ノバの活躍も良かったが、シーザーが感情を理性で乗り越えるところが一番良かった。
完全に狂ってる癖にシーザーに対して「そんなに感情的になるなよ!」とか言っていた大佐や混乱して死に向かうレミングのような人間達と違い、シーザーにそのような知性を見せられたら「もう地球の覇者は猿でいい‥」と思わせられた(毎回思わせられる)
だが大佐はあれでいいけど、それ以外のメインキャラの最期は「ちょっと刺さっただけか、それくらいなら大丈夫だな‥」とか思ってたら、そのまま数分後すっ‥と死に向かったりして「えっ、さっき程度ので死ぬん?」と思うことが何度かあった(特にルカとか)。
何だかフィクションのキャラとしての役目が終わったから死ぬよう設定されてるから死んだ様に感じてしまった。
もっと「これはもう絶対助からん‥」という分かりやすい描写にしてもらうか、致命傷を受けた瞬間にケレン味ある演出にして欲しかった。
三部作のうち一番ぐっときたのは‥本作かな?
猿の惑星シリーズにあまり興味ないせいかもしれないが「猿の惑星になるまでの話に3本も必要かな?」と思っていた。また、これを言ったら台無しだが最後まで猿に興味が持てなかった。
そういえばBGMが70年代っぽくて凄くよかった(ひょっとしたら旧シリーズの曲だったのかもしれんが観てないのでわからない)
旧シリーズ観てたらもっと楽しめたと思うので、そのうち旧シリーズも観てみよう。
ちなみにこの監督はベン・アフレックが監督降りたので絶賛作り直し中のワーナーのDCコミック映画「ザ・バットマン」の監督になった。

 

 


そんな感じでした

🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒🐵🐒

www.foxmovies.jpwww.imdb.com

f:id:gock221B:20171017102410g:plain

「ツイン・ピークス The Return (2017)」第12章/気の毒なオードリー。狂人セーラ・パーマー

f:id:gock221B:20170703164338p:plain
原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 12) 通算第42話
監督:デヴィッド・リンチ 
脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ

 

 

 

場所ごとにまとめてるので、ストーリーはこの順番通りではないです
感想というよりも、話を反芻したり忘れないためのメモみたいなものです

前回までの「ツインピークス」は‥
★ダギー(クーパー)、ドッペルゲンガーがクーパーを殺そうとダンカン・トッド経由で差し向けられたカジノ経営者ミッチャム兄弟を幸せにしてチェリーパイで和解。
★FBIとバックホーン警察。ビルの証言で座標の場所に行き、ルース・ダヴェンポートの見つからなかった首から下の死体を発見するが、ビルはウッズマンに惨殺される。
★ボビーの周囲で妙なことが幾つか起こる

ツインピークス保安官事務所。25年前のブリッグス少佐から「座標」を受け取る。
★クーパーのドッペルゲンガー、仲間のハッチとシャンタルと暗躍中。

 

ネタバレ全開です

 

サウス・ダコタ州バックホー
f:id:gock221B:20171015035306j:plain
★FBIが滞在してるホテル🏨
ゴードン・コール副所長
デヴィッド・リンチ)、アルバート・ローゼンフィールド捜査官ミゲル・フェラー)、タミー・プレイストン捜査官(クリスタ・ベル)らお馴染みのFBI三人組。
滞在中のホテル?の同じ部屋。異常にカッコいい部屋。
ゴードンはアルバートに「タミーに君から説明してくれ」と言う。
以下、アルバートはタミーを改めて仲間に誘い直すだけなのだが、僕はアルバートのやたら遠回しな台詞回しが好きなので全部書いておこう。
アルバート1970年、アメリカ空軍はブルーブック計画を封印した。20年に渡ってUFOの調査をしたが実在するという確たる証拠はなく、国への脅威には成り得ないと判断したからだ。言い換えれば隠蔽だな。乾杯。
韻を踏みつつワインで乾杯する仲良し三人組。
アルバート数年後、軍とFBIは極秘チームを立ち上げブルーブック計画が残した不可思議な事件の捜査に乗り出した。関わった女性が死ぬ前に発した言葉から、それらを青いバラ事件と呼ぶようになった。それは今までと違う道を進まない限り、答えに辿り着かないことを意味している。
フィリップ・ジェフリーズという捜査官がチームリーダーを任され、三人のメンバーを選んだ。私とチェット・デズモンドデイル・クーパーだ。
「気づいているだろうが私以外の全員が何の説明もなく姿を消している。そのためゴードンとしてはチームに新たなメンバーを加えることをためらってきた。今夜まではな」
フィリップ・ジェフリーズは映画版で出たデヴィッド・ボウイが演じたFBI捜査官。失踪したがローラが殺される一年前にFBI本部に突然現れ再び消えた。チェスター・”チェット”・デズモンドは同じく映画版での前半の主人公、歌手のクリス・アイザックが演じた捜査官。彼も劇中、神隠しに遭い「Let's Rock」の文字を残して消えた。
プレイストン捜査官。マサチューセッツ工科大やFBIアカデミーでの抜群の成績は勿論、高校の優秀者リストに載った時から君には注目していた。
タミー「‥私にその青いバラチームに入れと?
アルバートそうだ。
タミー「やらせてください‥!
喜びで上気するタミー。
「タミーと青いバラに」「タミーと青いバラに」再び乾杯する三人。
そこへ入ってきたダイアン・エヴァンスローラ・ダーン)。
ゴードン達は「過去クーパーと組んでいて色々知っている君は、もうFBIの人間ではないが一緒に調べて欲しい」と改めてダイアンを青いバラチームに勧誘。
ダイアン「よし。やろうぜ(Let's Rock)」
Let's Rock」は小人が言ったりデズモンドが失踪した後書かれているのをクーパーが見たりしていたからダイアンもブロックロッジ関連の事を知っているのかな。
FBIが滞在してるホテルのバー🍸
バーで飲むダイアン。例によってよくわからない人物からのメールで「ラスベガスは?」という問いが届き「まだ訊かれてない」と答える。差出人は誰なんだろう。ダイアンはクーパーのドッペルゲンガーに騙されるふりをして彼から情報を引き出そうとしていると思っていたがフィリップ・ジェフリーズかもしれないし、収縮する謎の機械かもしれない。
FBIが滞在してる部屋:ゴードンの部屋🏨
セクシーなフランス人女性を連れ込んで武勇伝を語っているゴードン。
アルバートが来て、フランス人女性に席を外してくれるよう言うと、フランス人女性はワイン飲んだりゴードンとイチャついたりしながらたっぷり5分くらい無駄に時間を使って出て行く。
アルバートは盗聴中の、ダイアンの先ほどのメールの報告だった。
二人とも思い当たることがない。
今夜はもうわかんないのでお楽しみに戻りたいゴードン。
アルバート、真顔で長時間静止してゴードンが心配する。
FBIのシーンは楽さばかりで安心して観れるな。
同じホテルのバー(閉店間際)🍸
やはり閉店までバーで飲んでいたダイアン。
前回、ルース・ダヴェンポートの死体に書いてあった座標を思い出し、地図アプリに打ち込むとツインピークスが出た。
恐らくホーク達がブリッグス少佐から譲り受けて数日後に突入する座標と同じ場所だろう。しかしFBIはまだ日時を知らない。
ツインピークスに全員集合して最終決戦が行われる期待が高まる。

 

 

他の場所
f:id:gock221B:20171015045830j:plain
連邦刑務所のマーフィー所長の家の前🚙
クーパーのドッペルゲンガーの部下、ハッチティム・ロス)とシャンタルジェニファー・ジェイソン・リー)のハッチンス夫婦
ドッペルゲンガーに命じられた「刑務所長の暗殺」に来たようだ。
2人は、さくっと刑務所長を狙撃し、食事に行く。また一人孤児ができた
ネバダ州南部ラスベガス:ジョーンズ家🏠
ダギー・ジョーンズとして暮らすデイル・クーパーカイル・マクラクラン)、息子サニージムとキャッチボール。先週、大活躍したせいか今回の出番これだけ。

 

 

ワシントン州ツインピークス🗻🗻
f:id:gock221B:20171015035334j:plain
森🌳
慌てて走り去るジェリー・ホーン
ジェリーはもう一ヶ月くらい、きまった状態でこうしてる。
まるでマリファナできまった時のように一瞬なのか長い時間なのかよくわからん感じでどうでもいい事をし続けているので可笑しくなってきた。
しかし、さすがに森で何かを見つけたのだと思う。

スーパーマーケット🏬
買い物をする故ローラ・パーマーの母セーラ・パーマー。
レジで金髪女子店員と話していると、今は亡き娘ローラを思わせるルックスの彼女を見て脳を刺激されたのか突然、情緒不安定になる。
めちゃくちゃ怖い。
ただでさえ顔が怖いのに気狂い演技したら更に10倍くらい怖い。
だがセーラは調子悪くなった自分をどこか自覚していて帰宅する。

★パーマー家🏠
f:id:gock221B:20171119210234j:plain
後で通報を受けたホーク保安官補長がセーラを訪れると少しは落ち着いていた。
ここでも狂人演技するがめちゃくちゃ怖い!
キッチンから何か物音がする。
「ホークは中まで見に行けよ‥」と思ったが、中に入ったら普通に死んでしまいそうなほど瘴気が漂ってるので入らなくてよかったのかもしれん。

★「ニュー・ファット・トラウト・トレーラーパーク」🚚
金がなくて血を売ったという貧乏住人に「血を売るのはやめろ、今月は家賃払わなくていいよ」と親切にする管理人カール・ロッドハリー・ディーン・スタントン)。彼は出てくる場面全てで素晴らしい人柄を発揮している。

病院🏥
リチャード・ホーンが子供を轢き逃げしたのを目撃したのでリチャードに殺されかけたが一命を取り留めた保育士ミリアム・サリバン
集中治療室に入っている。

★「グレート・ノーザン・ホテル」🏨
f:id:gock221B:20171015050459j:plain
ベンジャミン・ホーンを、フランク・トルーマン保安官が訪ねてくる。
リチャードの轢き逃げとミリアム殺害容疑の件で来たようだ。
警察はリチャードの件を全て把握しており、本作にしては展開が早い。
ベンの話では「リチャードは昔からまともだった事がなく、フランクの弟ハリー・トルーマン保安官とよくやりあっていて、その度に悪化していった」という。
ベンはそんなハリーに、25年前クーパーが使っていた鍵(現世に帰還して落としたものを娼婦のジェイドが送ってきたもの)を、クーパーと仲の良かったハリーに記念としてプレゼントしようとしていたらしい。
代わりに鍵を受け取ったフランクが帰った後、秘書のビヴァリーアシュレイ・ジャッド)にリチャードの話をして「リチャードには父親がいない」と話し、いつものように幼少期の思い出に浸って現実逃避するベン。
ふと我に返ってミリアムの治療費を全額負担するようビヴァリーに言う。
ミリアムは保険に入ってないし重症だし、保険医療制度が酷いアメリカなので恐らく家一件買えるくらいのとんでもなく莫大な金額だ。
ベン「あの自転車が大好きだった‥。ははは‥。父さんが買ってきてくれた、あの自転車が大好きだった‥」なんだか可哀想になってきた。本シリーズのベンは完全に善人みたいなので同じく苦労人っぽいビヴァリーと幸せになって欲しいところ。

「Dr.アンプのスタジオA」🏡
「Dr.アンプ」を名乗り、映像配信をしているローレンス・ジャコビー
陳腐な嘘から開放し、君に正義の意味を散布する。自由のランプに火を灯す者!」韻を踏んで、大企業や政治家の欺瞞を罵倒しつつ金のシャベル通販に精を出している。
今回も、うっとりして放送を観ているネイディーン・ハーリー

★オードリー・ホーンの家🏠
f:id:gock221B:20171015035425j:plain
第12話にしてやっと出てきたオードリー・ホーン
オードリーは、自分の小人症の夫のチャーリーを終始口汚く罵っておりビリーという愛人を一緒に探してほしいようだ。
しかし二人が話しているビリーチャックティナなどの人物が誰なのか、何について話しているのかよくわからないままオードリーの激しい罵倒を聞かされるのでイライラがたまる。
リンチは多分わざとイライラさせるような描写の仕方をしている。
初見でわかりにくい状況も数話見ていく内に意味がわかる、そしてわかった時に「なるほど」と思わされてはまっていく。
しかし話を聞いていると、どうやら「チャック」とはオードリーの酷い不良息子疑惑のあるリチャードの愛称のようだ。
そしてビリーとはトラックの運転手らしい。何話か前にアンディと話してた運転手か、それともまだ出てきてないキャラなのかよくわからない。
ティナはさっぱりわからない(だが、どこかで名前だけ出てきたらしい)
そしてオードリーとチャーリーはどうやら偽装結婚しているような雰囲気がある。それをオードリーは解消したがっているがチャーリーは気が進まないようだ。
やっと登場したオードリーは他の同年代ヒロイン達よりも、老けて見える。
それは事前の写真で知ってたからいいのだが、息子のリチャードは人殺しのカスだし彼女の周りは全てがめちゃくちゃ。
オードリー自身も不幸せで人生を見失っている雰囲気、旧シリーズの彼女は不思議少女で、不思議なダンスでドラマの人気キャラで、クーパーに救出される姫的役割したり、と人気キャラだった。
他の女性キャラと違ってカスの男に惚れなかったし過去と現在の差が激しい。
まあオードリーには何かあるだろ。
しかしキャラの名前も出てこないし、演じてた女優も整形し過ぎで顔面崩壊したドナよりはマシだろう(というか映画版の女優使ってドナ出せばいいのに)
とりあえず旧シリーズのヒロインで幸せになった者はいなさそうだ。

ロードハウス」🎵
今回もまたツインピークスによくいるタイプのマイルドヤンキー男女による荒い会話で終わる。男のやつが言ってる交通事故は何かに関係してそうな気もするし若干右手震え現象が現れてた気がしなくもない。
ステージではCHROMATICSが何度目かのLIVEして続く
CHROMATICS "SATURDAY" TWIN PEAKS: THE RETURN PT. 12 - YouTube

 

 

▲▲
f:id:gock221B:20171015042455g:plain
オードリー再登場と、ローラの母親セーラのめちゃくちゃ怖い気狂い演技が印象に残った。緊迫したシーンの合間でFBIが緩和していく感じ。
今回は繋ぎの回といった感じだった。
あと出てない旧キャラはエド・ハーリーだけかな?
今回はツインピークスの場面がメインだった。
バックホーンでやる事はもうなさそうだし、FBIの目的もツインピークスに行くことになるだろうし、ここからラストに向けて各員がツインピークスに集合してクライマックスに突入する感じだろう。

 

そんな感じでした

ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
#1
 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 #9 #10 #11 #13 #14 #15 #16 #17 #18(終)

gock221b.hatenablog.com

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ 

www.wowow.co.jp

www.imdb.com

TWIN PEAKS: MUSIC FROM THE LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK) [CD]

TWIN PEAKS: MUSIC FROM THE LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK) [CD]

 
TWIN PEAKS: LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK/SCORE) [2CD]

TWIN PEAKS: LIMITED EVENT SERIES (2017 SOUNDTRACK/SCORE) [2CD]

 

f:id:gock221B:20171015034902g:plain

#sidebar { font-size: 14px; }