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『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)/FOX愛やカメオの楽しさ、続きを考えず作る姿勢等には感動したが、毎シーンでメタなギャグ連発し続けるデップーに現実に引き戻され続けてバラエティ番組やYOUTUBE観てる気持ちにもなった🔴🟡


原題:Deadpool & Wolverine 主演&脚本&制作:ライアン・レイノルズ 監督&制作:ショーン・レヴィ 脚本:レット・リース、ポール・ワーニック 製作:ケヴィン・ファイギほか 音楽:ロブ・シモンセン 原作:ロブ・ライフェルド、ファビアン・ニシーザらのMARVELコミック(1991-) 製作国:アメリカ 上映時間:127分 公開:2024年7月26日 シリーズ:『デッドプール』シリーズ第3作目、ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリンが登場するMARVEL実写映画の第12作目、MCU(MARVEL・シネマティック・ユニバース)第33作目



ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)でのキャラの魅力全て剥ぎ取られたデッドプール役や、物凄い不評だったDC映画『グリーン・ランタン』(2011)でのグリーン・ランタン役や、『ブレイド3』(2004)でのハンニバル・キング役などアメコミ映画に恵まれなかったライアン・レイノルズが自身の主演で映画を作ろうと企画した「コミック通りのちゃんとしたデッドプール映画」だったがFOXは何故か凄く作りたがらず仕方なく予告編を作って勝手に流出させてファンの人気を稼いでやっと作った『デッドプール』(2016)『デッドプール2』(2018)は、本流のX-MENよりも大ヒットした……と思ったらFOXがDisneyに買収されて製作が一旦ストップし、しかしデップーは人気なのでFOX作品で唯一MCUでも作られることになりヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンとの共演も早い段階で明かされていたが、コロナ禍やストで映画界がストップしたり色々あったせいで本作公開まで6年もかかった。デップーのお調子者キャラとは反比例して苦節の期間が妙に長いデッドプールは、ただ「コミックのデッドプールっぽくてハマってる」というだけでなくシルベスター・スタローンロッキー・バルボアみたいに演じているライアン・レイノルズ本人と物凄くシンクロしたキャラクターという印象がある。

それにしてもFOXがデッドプール映画化を凄く嫌がったのと同様に、ワーナーのDC映画でもマーゴット・ロビーハーレイ・クインを原作のキャラやストーリーを元にしたキャラとしてプロデュースしたがってたが、これもFOXのデップー同様にワーナーも奔放で自由なキャラであるハーレイの映画化を嫌がっていた。デップーとハーレイは第四の壁破りや何やっても許される自由なキャラなど、何となく被るキャラとして認識しているが、二人共どう考えても実写化すればすぐ大人気になりそうなのに配給会社がこの2キャラの映画化をいっつも渋るのは長年謎だった。韓国Kポップ界が『カンナム・スタイル』でPsyが大ブレイクした時に「あ~、全世界的ブレイクするの、最初はもっとカッコいいグループでブレイクしたかった……」と渋い顔してたのと同じ様な理由なのかなと推測していた。

MARVELスタジオが制作する大人気シリーズだったMCU『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)以降、マルチバース展開と人気キャラの卒業と新キャラ乱造、そして単純につまんない作品が増えたことでフェイズ4、フェイズ5……と続けるうちに人気がガチで下がってきた。僕もドラマやアニメ含めて全作観てるけどマジで10本観て良いのが1本あれば良い方……そんな低い打率になってきて本格的にウンザリしてきて、今年のMCU映画が本作一本なのだが寂しさよりも「やったー!今年はMCU一本しか観なくて済む」と喜びの方が多い有り様……だからといって、ここまで全部観てきて今さら観るの辞めるのはあり得ない(だって観るのやめた後で名作が出たら凄い後悔するからね)。そんな慢性的なMCU疲れを世界中が起こして何年も経った今日この頃。
MCUを卒業してしまったアイアンマンやキャプテンアメリカ、版権をSONYが持ってるがゆえ自由にならないスパイダーマン……これら大人気キャラに匹敵する大人気を誇るデッドプールウルヴァリンの2人、しかも2人のチームアップ映画。久しぶりに予告編の再生回数爆上がり&大ヒットしているらしい。果たしてMCU復活の一手になるか?……と注目されているがMCU卒業作品だったためにMCU復活には成り得なかった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』(2023)同様に、直接の復活の要因足り得ないとは思うが果たして?

監督のショーン・レヴィは『ナイト ミュージアム』シリーズ(2006-2014)のヒットで少し有名になりNetflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(2016-)の製作で大ブレイクした。本作の主演俳優とは『リアル・スティール』(2011)でヒュー・ジャックマンと、『フリー・ガイ』(2021)でライアン・レイノルズ他と組んだ。どれも面白くてハズレがなく特にストシンや『フリー・ガイ』は大人気だが、個人的には「最高!」と思う感じのものはない印象。ファミリー・ムービーっぽい雰囲気のものが多く、僕はあんまりそういう雰囲気の映画好きじゃないのでそれで評価があまり高くないのかも……という自己分析。

ネタバレあり

 

 

 

 

〈これまでのデッドプール
アース10005、傭兵ウェイド・ウィルソンは娼婦ヴァネッサと婚約するが末期がんになってしまう。
がんの治療と引き換えに極秘の人体実験ウェポンXの被験者となるが、ミュータント遺伝子を活性化させる血清を投与され拷問を受ける
その結果、不死身に近い治癒能力を得るが焼け爛れたような醜い姿となってしまう。
その後、デッドプールはタイムマシンを手に入れて、命を落としてしまったヴァネッサや仲間たちを救ったりした
『デッドプール』(2016)『デッドプール2』(2018)


〈これまでのざっくりしたウルヴァリン
アース10005、1845年にカナダで産まれたローガンミュータント能力を覚醒させ長く鋭いを出せるようになる、その後1世紀以上にわたって戦場を渡り歩き人体実験ウェポンXを受けて超硬度鉱物アダマンチウムを骨格に移植される。
その後、プロフェッサーXに勧誘されてミュータントのスーパーヒーローチーム〈X-MEN〉に入り中心メンバーとして、あらゆる時間軸で活躍し、最終的には
『LOGAN / ローガン』(2017)で、ウェポンXで生み出された己のクローン体である少女ローラ/X-23を救って戦死した。

〈これまでのTVA
アース616……この「MCUの世界」を「神聖時間軸」と呼ぶ異次元にある組織TVA
TVAは神聖時間軸以外の余計なマルチバースを生み出す行動を起こした危険人物を見つけては剪定して、全てを喰い尽くす怪物アライオス以外は何もない虚無空間ヴォイドに送っては、その新しく誕生したマルチバースを消してきた。
しかし、それは征服者カーンの変異体の一人〈有り続ける者が決めたことだった。
TVA職員となった「『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で逃亡した2012年のロキ」と仲間たちの活躍で〈有り続ける者〉を倒し、ロキは己を犠牲にして「全てのマルチバースを掌握する刻の神」となった。
以降、TVAは「神聖時間軸以外のマルチバースの剪定」は辞め「カーンの変異体」を排除してマルチバースを見守る平和的な組織となった。
『ロキ』〈シーズン1〉(2021)『ロキ』〈シーズン2〉(2023)

時間軸アース10005に住むヒーロー、ウェイド・ウィルソン/デッドプール(演:ライアン・レイノルズ)は前作『デッドプール2』(2018)で手に入れた、時間や時間軸を横断できるタイムマシンを使用し、2018年アース616MCUの世界)でアベンジャーズに入る面接を受けて落とされたりしていた。
デップーは前作『デッドプール2』(2018)でも本来死ぬはずの仲間をタイムマシンで救いまくったりとタイムマシンを乱用し続けており(シャタースターも知らん間に生き返ってるから多分全員助けたんだろう)、如何にも以前のTVAが「違反」とみなして剪定しに来そうな事ばかりやってるデップー。
案の定TVAが訪問してきた。しかし現在のTVAは、剪定はしなくなった平和的な組織。
どうやら新生TVAはデップーをスカウトしに来たらしい。

時間軸アース10005は『Xメン』(2000)から始まるFOXのMARVEL映画世界。『デッドプール』シリーズもこの世界。FOXのMARVEL世界は色々改変とか起きてて時間軸が訳わかんなくなってたりして幾つか時間軸があった気がしたが、どうやら「アース10005=FOXのMARVEL世界」だと、ざっくり思っておいて良いらしい。
マルチバースを取り扱う本作からMCUに合流するので、てっきりデップーやウルヴィー達がアース616(MCU)に来るとか、そういう展開かと思ってたら本作の舞台は虚無空観ヴォイドとアース10005オンリーだった。これは意外。つまりMCU世界が劇中に映ってるのって冒頭の、ハッピー・ホーガンのところにアベンジャーズ面接に行ってる場面と、TVAでアベンジャーズの活躍を見せられるところだけだった。
つまり、もうFOXは無いのにも関わらず限りなくFOX映画だったわけだ。FOX映画のゾンビと言った方がいいか。
……と思ったけど本作に多く出てくる虚無空間ヴォイドや変異体(あらゆるマルチバースに偏在する同一人物のバージョン違いのキャラクター)はMCU『ロキ』〈シーズン1-2〉(2021-2023)で登場した空間だから、本作はやはりMCU作品でしかあり得ない映画か。

話を戻して、デップーをスカウトしにきたTVA。
TVAのエージェント、パラドックス(演:マシュー・マクファディン)は語る。
あらゆる時間軸の中で〈アンカー〉と呼ばれる”重要な存在”が消えてしまうと、その時間軸事態が存続できにくくなる、アース10005(FOXのMARVEL世界)におけるアンカーはローガン/ウルヴァリンだった。彼は『LOGAN / ローガン』(2017)で死んでしまった。アンカーを失った世界は脆くなり数千年で滅びてしまうらしい。パラドックスは新しく出来たTVAの機械で、アース10005はもう世界ごと消そうとしている。
『ホワット・イフ…?』〈シーズン1〉(2021)で「その世界で死ぬことが決まってる者はどんな事しても救えない。無理に救おうとすると世界そのものが壊れる」と語られたり、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)で「スパイダーパーソンにとって育ての親(ベンおじさんとかメイおばさんとかプロウラーとか)が死ぬのはカノン・イベントという決定された運命!」とか、マルチバースにも色々ルールが増えてきたな。スパイダーバースはSONYのアニメMARVEL世界ではあるがMCU世界とも繋がってるみたいだから、これらのルール全部繋がってるのか……?と考えるとキリがないがMARVELも多分あまり考えてなさそうだからマルチバースのルールのことは積極的に忘れよう。
パラドックスは「アース10005(FOX世界)は消すが、君(デップー)だけアース616(MCU世界)に来ないか?」と言う。
最初は「アベンジャーズの世界に行ける!」と喜んでいたデップーだったが、愛するヴァネッサや友人たちが全員消えてしまうことなど納得がいかないデップー。
簡単に住んでいる人々ごと世界を消そうとするパラドックスに怒りを感じたデップーは、パラドックスをブン殴ってタイムマシンでワープ、別の時間軸からウルヴァリンをアース10005に連れてきて再びアンカーに据える事によりアース10005の破局を防ごうと独走する。
……という事で「ディズニーに買収されたFOXのMARVELスタジオは取り壊しが決まった。でもデップーは人気なのでMCUに出ていいよ?」と言うMARVELスタジオの擬人化が、この小憎たらしいパラドックスだ。これはMCUを皮肉った上手いストーリーだと感心した。
「別の世界のウルヴァリンを連れてきてアンカーに出来るのか?」とか「連れていってアンカーが無くなったその世界は消えちゃうんじゃ?」とか色々疑問はあるが、多分そこまで考えてないだろうから考えるのはやめよう。
色んな時間軸に飛んだデップーは、ヘンリー・カヴィル演じるウルヴァリンや、『エイジ・オブ・アポカリプス』版の片腕ローガンや、”パッチ”、X張り付けウルヴィー、原作準拠のチビウルヴィーなどの原作由来の色んな面白ウルヴィーに返り討ちに遭いまくるアメコミ好き喜ばしギャグが続く。『エイジ・オブ・アポカリプス』版のローガンは(見た目だけ)異常にカッコいいので少し嬉しかった。ヘンリー・カヴィルは誰だかわかんなくて帰宅して調べるまで誰かわからなかった。チビウルヴァリンは、昔からずっと長身のヒュー・ジャックマンがローガン役な事に原作好きが「ウルヴァリンはチビなのが良いのにヒューはデカすぎるよ」と文句言ってたから、それをおちょくったものだな(僕も言ってました)。……だが、それにしても極端にチビで頭デカいウルヴィーをCGで作ってたのはズルくて笑った。
そんな中、本作のもう一人の主人公である黄色いスーツを着て妙に険悪な飲んだくれローガン/ウルヴァリン(演:ヒュー・ジャックマン)をTVAに連れ帰ったデップー。
しかしパラドックスは「この変異体のウルヴァリンはアース10005の感動的な死を遂げたローガンみたいに立派なヒーローじゃない。ろくでなしだ!」と言い、デップーと黄色いウルヴァリンを剪定棒で虚無空間ヴォイド送りにしてしまう。
ちなみにTVA剪定棒はチョンと少し当てるだけで問答無用でヴォイドに送れるという『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)グランドマスターが使ってたチョンと当てるだけで溶けてしまうサカール溶け棒に匹敵するMCU最強武器の一つだ。

 

ヴォイドでは、クリス・エヴァンス演じるキャプテン・アメリカ……と思わせたらジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ(演:クリス・エヴァンス)だった!というネタ。FOXのMARVEL映画『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(2005)『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007)に登場していた。
クリス・エヴァンスキャプテン・アメリカ役での復帰は「よほどの素晴らしい脚本じゃない限りやらない」と言っているがオモシロ好きのクリス・エヴァンスなら、すぐ引き受けたんだろうなと思わせる。同じ監督の『フリーガイ』でもキャップいじりのために出演してたし。
そこに『X-MEN』シリーズの敵ミュータントのパイロ(演:アーロン・スタンフォード)やセイバートゥース(演:タイラー・メイン)も登場。どうやら、アース10005(FOXのMARVEL世界)は取り壊しが決まったので、取り壊しの邪魔になりそうなヒーローやヴィランを先にヴォイド送りにしてたんだろう。
ファイヤートーチだが、まさか発火能力を火炎を操るパワーを持つパイロに炎を吸いつくされ敗北……ジョニーがパイロに負けるかぁ?しかもクリエヴァ演じるジョニーが……と、思ったが本作のジョニーは最初から最後までギャグ要員だし逆にパイロは強キャラなので仕方ない。
彼ら悪のミュータント軍団の基地に連行される三人。
アントマン変異体の死体を改造して作った基地、そこに住むボスはプロフェッサーXの邪悪な妹、カサンドラ・ノヴァ(演:エマ・コリン)。
ほぼ全知全能レベルのテレパシー&テレキネシスを持っていてインフィニティ・ストーンを集めたサノスくらい強い。ジョニーは即死。
何とか逃げ出したデップーとウルヴィーは仲悪いので何度目かの喧嘩……というか殺し合いする。二人共不死身なので殺意100%の攻撃しても互いに死なない喧嘩が描写できる。
喧嘩で疲れた2人は、ヴォイド送りにされたFOXヒーローの生き残りに解放される。
ここでカメオ、『デアデビル』(2003)と『エレクトラ』(2005)に登場したエレクトラ(演:ジェニファー・ガーナー)、そして何と『ブレイド』三部作(1998-2004)ブレイド(演:ウェズリー・スナイプス)、そしてFOXで何度もX-MENスピンオフを作ろうとしてはお流れになって消えたガンビット(演:チャニング・テイタム)、そして予告編で先にお出ししてた『LOGAN / ローガン』(2017)の、ローガンの女性クローン、ローラ/X-23(演:ダフネ・キーン)。さっき死んだジョニーも含めた彼らFOXヒーローたちは、カサンドラたち悪のミュータント軍団と戦っていたらしい。
あとデアデビル(演:ベン・アフレック)やパニッシャー(FOXのパニッシャーって3つのうちどれだっけ?)とかマグニートー(演:イアン・マッケラン)などここに居ないヒーローは皆すでに死んでるらしい。
エレクトラは、『デアデビル』(2003)でのエレクトラは人気なかったし『エレクトラ』(2005)に至っては作品が既に駄作で人気なかった不遇のキャラだが今も昔もジェニファー・ガーナーのアクションと異様にエロい筋肉が健在だった。
ブレイドは単純に出てくると思わなかったので凄く驚いた。だがロングコート着てなくて凄い痩せてるので「ブレイド……だよな?」と少し迷った。後のバトルであのヘンテコ・ブーメラン使ったのは嬉しかった……のだが、やはりウェズリー・スナイプスブレイドといえば途中で異常にポーズ決めたり二カッ!と笑うところが魅力だったので、そこが足りないので何か痩せた悲しいブレイドでしかなかったな。
あとチャニング・テイタムガンビット『ザ・フラッシュ』(2023)ニコラス・ケイジ版スーパーマンみたいな「存在しなかったヒーロー映画主人公」ネタなんだけど、ただの出落ちじゃなくて、カード投げとか後でバトルとかで異常にハマってた。ガンビットって痩せた伊達男ってキャラでチャニング・テイタムは見ての通りパンパンな感じの健康的イケメンなので「チャニング・テイタムガンビットって、合ってなさそう……」と思ってたが、テイタムがガンビットになりたくてずっと頑張ってた念願のガンビットだけあって、凄いハマってた。ガンビットとは程遠い丸顔だけど完全にガンビット。「テイタム、本当にガンビットしたかったんだな」とわかって、それで感動した。「こいつ、役作り完了しすぎてる」と思わされた。なんなら「FOXが買収される寸前に公開されたチャニング・テイタムの『ガンビット』結構おもろかったよね」という存在しない記憶も生えてきた。
あとダフネ・キーンは『スター・ウォーズ:アコライト』(2024)の強力なジェダイ・ナイトのジェキ役が「いや、こいつを主人公にしろよ!」と思うくらい良かったが、今回の青年期ローラ役も凄く良かった。
本作のローガンは『LOGAN / ローガン』(2017)の感動的な別れを果たしたローガンとは別人なのだが、ほぼ同一人物しかもションボリしてるローガンということもあり今度は『LOGAN / ローガン』(2017)の時とは立場が逆転しておりローラの方が心を閉ざした黄ローガンを「あなたのおかげで私は成長して私になれた」などと慰める。これもまた子役ダフネ・キーンがヒュー・ジャックマンに言ってるかのようで心温まる。というかダフネ・キーンの演技?役作りがめちゃくちゃ良い。黄ローガンと再会してから物凄くじっとり……とした湿った視線をローガンに送ったり、後のバトルで叫んで両手から突っ込んでいく様は「『LOGAN / ローガン』(2017)の時の獣のようなローラだ!」と思わせられた。さっきのチャニング・テイタムガンビット同様に完全にローラがインストロールされてるという感じ。そもそも原作のX-23自体好きだし、彼女はあまりにローラっぽいしね。というかダフネ・キーン氏自体が百発百中でいつも良いからすごく好きかもしれん。主演のファンタジードラマの『ダーク・マテリアル』(2019-2022)も観てみようかと思った。
そして最初は「折角、大人になって出たんだからX-23の黒スーツ着てても良くない?」と思ってたんだけど集団戦の時に、気合を入れるために死んだローガンとの旅でGETしたサングラス掛けるシーンが異常にグッと来た。というのも緊迫した戦いとはギャップあるバカンスって感じのデザインのサングラスだからね、その思い出のグラサンを掛けるんだぁというのが凄く胸を打たれた。
MCUは散々どうでもいい単体作作ってるんだから今すぐ映画『X-23』作ってよ!
その一方で大好きだったブレイドは今回あまりブレイド味を感じなかったな。もう少しロングコートで痩せすぎ身体を隠すとかさ、にっこり笑顔と決めポーズして欲しかったな、あ、これさっき言ったのと同じこと言ってるな。ブレイドと言ったら「その部分」だろうが!
そういう感じで意表を突かれるカメオを散々楽しんだんですが、もうそろそろマルチバースのカメオはお腹いっぱいなんで今後はもうやらなくてもいいかな……大体全部見たしね。

 

 

彼らFOXアベンジャーズは、ジョニーと違って瞬殺されることもなく結構長めの時間つかって活躍を見せてくれて嬉しかった。
その後はローラがダメな方のジャガーノート(演:アーロン・W・リード)の防念ヘルメットをパスしてカサンドラに先んじて元の世界に帰る。
すると変異体デッドプール軍団との戦いになるのだが、この辺になるとデップーのメタなギャグとか悪趣味ジョークがしつこく感じてき始めた。
デップーは元々、第四の壁を破るギャグが売りでそれが人気のキャラなんだけど、正直僕はその部分あんまり好きじゃないんですよね。
誰か出てきたり新しい場面になるたびに「MARVELがどうの」「ディズニーがどうの」とこちらに話しかけて来るのがデップーなんですが、その度に現実に引き戻されて醒めるんですよね。デップーのファンはそういう場面がもうウケてウケて仕方ないほどたまらない面白さらしいんだけど個人的にはあまり面白くないとこがありますね。
あとマドンナがしつこいくらい流れてたが、この映画に限ったことじゃないけどアメリカ映画は70、80年代の懐メロを流しすぎですよね。マジで飽きましたね懐メロ。
そんで、デップーはただでさえ毎シーンのように第四の壁破りしてるのに、今回はFOXとアース10005をシンクロさせたFOX崩壊ネタ、FOX懐かしキャラのカメオ、マルチバースによるデップーやウルビーの変異体が大量に登場、などメタなネタが多い。
このデップーの第四の壁破りと映画本編の殆どがメタな感じの構成が組み合わさった結果、FOXアベンジャーズの辺りまでは盛り上がってたものの、後半のデップー軍団とかラストのTVAでの自己犠牲シーンとか見てる頃には「なんか……映画というよりバラエティ番組とかYOUTUBE観てる気持ちになってきたな」と若干の醒めを感じました。
それともう一つイマイチ部分なんですが、デップーがいつの間にかヴァネッサと別れた?という設定がよく意味がわからなかったですね。何で別れた設定にしたのか最後まで観てもよくわからなかった。最後も一緒にいるし。
また、黄ウルヴァリンが心折れた理由が思いのほかショボかったですね「ウルヴァリン以外のX-MEN全滅の未来」ネタといえば「幻覚を見せられて仲間のX-MENを皆殺しにしてしまった」みたいなキツイのがあるので、それにしてほしかったですね。「一匹狼を気取ってモタモタしてる間にX-MEN皆死んでた」って理由、ショボいしそれならそこまで捻くれるなよと思いましたね。黄色スーツにこだわる理由は良かったけどね(一作目『Xメン』(2000)で黄色スーツをバカにして着なかったネタも思い返すと感慨深いし)。

という事で、人間ドラマ部分が良いところもあるけどショボいとこも気になりましたね。カサンドラも、ただ強すぎて悪いだけ系のしょうもないヴィランでしたしね。彼女とエグゼビアの確執とか描いてる時間はなかったんだろうけど。

一方で、消えゆくFOXワールド、忘れられるFOXのMARVELヒーローたちへの愛は凄く感じましたね。
MCUにようこそデップー!(ただしデップーだけ)」というMCUからの誘いを正面から受けず全編FOXの葬式をしてるかのような内容だったのもジーンとしましたね。
今のところ「今回限り」のつもりで作ったらしく、デップーがMCUアベンジャーズに合流するでもなく「元のアース10005を元通りにして、みんなで幸せに暮らす」という終わり方も良かったですね。ローラも黄ローガンと笑顔でご飯食べて……うれしいよ。
画面には映ってないけどブレイドエレクトラガンビットもあの世界で生きてるんだろうし。そして皆、今後また出そうと思えば出せるしね。
そんで「次のMCUの予告」みたいなのも一切なかったのが良かった(故に本当にMCU自体にウンザリしてる自分自身も感じた)。
そういう事で、乗り切れない部分もあったけど(というか僕もともとデップーあんま好きじゃないからね)、FOX愛やカメオの楽しさや続きの事は考えず作る、といった姿勢自体は感動したので総合すると良かったです。
あと僕かなり歳なんで(40代後半)、30代前半のX-MEN直撃男女くらいが一番素直に盛り上がる年代だと思う。本作と同じく監督ショーン・レヴィで主演ライアン・レイノルズクリス・エヴァンスのキャップ絡みのカメオもあった『フリー・ガイ』(2021)も、大人気で確かに面白かったけど僕はハマらなかったんですよね。多分これも加齢でしょ

 

次のMCUは9月19日からDisney+ドラマ『アガサ:オール・ア・ロング』(2024)。
映画は来年2月の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025) まで何もない感じですね。

 

 

 

 

そんな感じでした

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ウルヴァリンやFOX映画の関連作〉

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『X-MEN: アポカリプス』(2016)/昔のつまらないX-MENが帰ってきました❌ - gock221B
『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019)/俳優陣が良いのと、ハードル下げて観たせいもあってかX-MEN2くらいは楽しめました❌ - gock221B
『X-MEN '97』〈シーズン1〉(2024) 全10話/最初の5話と最終話は良かった。最後が良いDisney+MARVEL作品はロキS2しか無かったから良い方かも。星屑とおがくずにかけて……🧬 - gock221B

 

〈本作に出てくる組織TVAが出てくる作品〉

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