gock221B

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)/映画としてもSWとしても完全に破綻してるが初見時はその焼畑農業っぷりを楽しんだ部分もあった⭐

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原題:Star Wars: The Last Jedi 監督&脚本:ライアン・ジョンソン
製作:キャスリーン・ケネディ、J・J・エイブラムスほか
製作国:アメリカ 上映時間:152分
シリーズ:「スター・ウォーズ」シークエル・トリロジー。「スター・ウォーズ」シリーズ

 

 


旧三部作‥オリジナル・トリロジー(1977-1983)から30年後を描いた、シークエル・トリロジー(続三部作)の2作目。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015)」の続編。
2015年から新しく作られ始めた「フォースの覚醒」も外伝「ローグ・ワン」どちらもかなり楽しんだ僕ですが2本観て「大体こういう感じか」というのがわかってきて若干テンションが落ち着いた。ざっくり言うと2本とも楽しいけどファンサービスが豊富で、これを観て喜んでいるとそんな自分が「懐かしいネタを振られて喜び続けるヲタ(しかも中年の)」みたいに感じさせられる何だか恥ずかしい感覚も湧いてきた。
また、ジョージ・ルーカスは今まで映画製作としてもフィクションとしても新しい要素を必ずぶち込んできていた(プリクエルトリロジーなどは面白くない失敗作だったが映画CG技術を飛躍させたり「今までと違うノリ」などに果敢に挑戦はしていた)
要するに「新しいディズニーSWって楽しいけど、要は金を取られ続ける気持ちいいぬるま湯システム?」という懸念が湧いてきたのだ(MCUとかにも言える)
そのせいもあってか本作の予告編を観てもあまり興味をそそられなかったんだけど「評論家がめっちゃ褒めてるが、SWヲタが激しい拒否反応を示している」という公開後の状況を知ると「何だか面白そうだな‥」と再び興味が湧いて観に行った。
結果的に僕は本作を気に入りました。
思い返すとおかしな場面もめっちゃ多かった、いやむしろ良くないところが殆どだけど数少ない良い場面がそれを凌駕しているという偏ったタイプの映画だった。
ひょっとすると観に行く前日にネタバレツイートを目にしてしまい何が起きるか全部知ってしまい全く期待しない状態で観たせいかもしれない(公開初日にワクワクして観に行ってたらムカついてた可能性が高い)
ちなみにこの監督の作ったもので観たのは「LOOPER/ルーパー(2012)」だけ。ルーパーは設定や掴みが良いけど話が進んでいくほど「なんじゃこりゃ」と思わされる気に入らない映画だった事だけは覚えている。この最後のジェダイも似た感じでインパクト強いシーンが上手いが破綻してるような訳のわからん描写も多かった。
ちなみにほぼネタバレしてるのでご注意を‥

 

 

 

Story
遠い昔 はるかかなたの銀河系で‥
銀河帝国の残党ファースト・オーダーの支配に対抗するレイア・オーガナ将軍(キャリー・フィッシャー)率いるレジスタンス。フォースが覚醒したスカベンジャーの女性レイデイジー・リドリー)。元ストームトルーパーの黒人男性フィンジョン・ボイエガ)、レジスタンスの天才パイロットポー・ダメロンオスカー・アイザック)ら若者たちの活躍で、大事な仲間を失いつつも超兵器スターキラーの破壊に成功はするが、ファースト・オーダーの圧倒的物量の前にレジスタンスは依然として撤退戦を余儀なくされていた。
レイは、姿を消した伝説のジェダイルーク・スカイウォーカーマーク・ハミル)が隠遁している孤島を訪れてレジスタンスへの協力を求めようとする。

レジスタンスは、執拗に追跡してくるファーストオーダーに苦戦している中、ポーやフィンは新たなミッションを行おうとする。
レジスタンスの命運は?悪しきフォースの使い手カイロ・レンアダム・ドライバー)の狙いは?
そして“最後のジェダイ”とは一体誰のことなのか

そんな話

 

 

前半
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序盤でポー・ダメロン中佐が中心になってハックス将軍と闘っている。
SW世界特有の、音が聞こえて重力もあるSW宇宙空間で。
このシーンは、SW好きじゃない人にもわかりやすく多くの人が楽しめそうな戦闘だった(シスの復讐冒頭のパルパティーン救出シーンを思い出した)
そしてポーとハックスというセレクトも、前回あまり出番が少なくてイマイチどういう奴なのかわかりにくかった2人だったので丁度良かった。
ポーは、前作の冒頭でもカイロ・レンに「マスク被ってるから何言ってるかわかんねーよ」と煽ってたが、今回も名前間違えや嫌味を言ってムカつかせるのが得意なようだ。(劇場でもうけていた)。
そして前作ではわからなかったが今回ポーは敵にガンガン突っ込む猪突猛進キャラらしい事がわかった。
一方、前作では殆ど出番がなくナチっぽい雰囲気で偉そうにしてるだけだったハックス将軍だが、今回はコントみたいなデカいリアクションで怒ったり焦ったりして見せる。こんな面白キャラだったとはな。。
前作で、父殺しを果たすも素人レイに完敗した事からか、今回のカイロ・レンは一皮剥けて達観して厨二病要素やヘタレ要素が大幅に減少しており、その分彼のヘタレ要素が全てハックス将軍に行ってしまった感がある。
ポーは、レイアの指示を無視して無謀な行動に出て一時の勝利をおさめるが、勝利の陰ではレジスタンスの犠牲も多く出てしまう(ローズの姉もここで命を落とす)
そのためポーはレイアにビンタされてキャプテンに降格される。
ハックスは最高指導者スノークアンディ・サーキス)のホログラムに、部下の前でめっちゃ怒られた上にフォースで引きずり回される、おかしな格好で!
ハックス「あひぃ~!お助け~」
スノーク「できの悪い部下こうしてやるぞ!( ´・ヮ・`)」
真顔で笑いをこらえていそうな部下たち。楽しい職場だ
スノークはカイロ・レンに「ああいう小物は使い出がある!」と自慢する
その後、レジスタンスの艦隊はハイパースペースでワープしたはずなのに、カイロ・レン率いる大部隊がその後にピッタリと現れて甚大な被害を受ける。
今回、SWヲタの神経を逆撫でる場面が多いがあまりムカつかなかったが、アクバー提督がさらっと死んだらしい事が口頭だけで伝えられる。さすがにこれはムカついた。後でローラ・ダーン演じるしょっぱい使い捨てキャラが活躍をするのだが、それをアクバーにやらせろよ。
同シーンでレイアが江田島平八的な事するのだがこれもちょっと‥。
後ろに座ってた白人の大学生集団が爆笑しはじめると恥ずかしくなってきて「早く終われ!このシーン!」と願った。
自分は本作の突飛なフォース表現には割と寛容だったがこれはちょっと‥、凍りついたオバサンが自力で蘇生して宇宙空間を真顔でスーッ‥と飛翔してる画が面白すぎてだめだ(逆に言うとカッコいい画なら構わなかった)
我々人類には宇宙をゆっくり翔ぶ真顔のレイアを受け止める準備がまだできていない
というかスーパーマンみたいに速く飛んでも変だし、テレポートしたらジェダイ感が更に無茶苦茶になってしまうし、この場面を良くするアイデアはないね。だからやっぱりこのシーンは必要ない。普通に「艦橋が爆発してレイア負傷」で良かったんだよ(ついでにアクバーも無事でローラ・ダーンのキャラも出てこなければベスト)
だけどレイアがフォースを駆使する事を知ったキャリー・フィッシャーは大喜びで撮影に望んだと聞かされると、まあいいか‥とも思えてくるのだった。
究極生物カーズでも出来ない宇宙飛行をあっさりやるほどフォースが強いんだからレイアが本気で修行したらドゥークー伯爵とかダース・モール程度なら一撃で倒せそうだな。
 

 

 

中盤:ジェダイ関連
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レイは頑固ひきこもり独居老人となったルークに協力を仰ぐ。
完全に心を閉ざしてレイを受け入れないルーク。渡された大事なライトセーバーもポイ捨てしてしまう。チューバッカがドアを蹴破るので「やっぱチューバッカは強キャラだな」と思った。R2はルークに罵詈雑言を浴びせ(恐らくビッチとかファックとか言っている)懐かしホログラムを見せる。旧キャラに冷たい本作の中ではこの2人は結構おいしい場面を貰っていた(C3なんかは「うるせえ喋るな!」って言われて終わり)
渋々とレイを鍛えるルーク。
レイから激しい目線を外さず乳がいっぱいある気持ちの悪い動物の乳首からブルーミルクを絞り口からあふれさせながらワイルドに飲むルーク‥。このジジイやばいぞ‥
続けて島の断崖を動き回ってデカい魚を持って帰る、初期ドラゴンボールの悟空のような生活をしていたルーク。
島に住む魚みたいな島民が可愛い
ちなみに前回のレイは爽やかすぎてセクシーさゼロだったが今回は妙にエロかった。修行キャラになってストイックな表情をしていたせいか。それともあのガントレットみたいな手に付けてるものがエロいのかもしれない。
修行中、ルークにくすぐられたレイが
「>o<;あぁ~マスター!きてますきてます!フォース感じま~す!」
とか言ってルークに「あほか!」と突っ込まれるシーンとか最高だった。
フォースの覚醒ではカイロ・レンが一番好きだったし今回も良いのだが、今回は成長した彼から厨二要素が減少してヘタレ要素がハックス将軍に移行し、その分変質的な要素ばかり目立ってきてしまいシャレにならないくらいキモさが増した‥好きな女子のSNS過去ログ全部読んでそうな生々しさに引いた。特にフォース通信が繋がった時に何故か裸をレイに見せつけ「ちょ、ちょっと‥服着てよ」と言われても聞こえてないフリをして裸を見せつけるという場面はチンコを見せつけてるようにしか見えず、かなりキモいものがあった(たまにルークが父親みたいに邪魔しに来るのも、実はスノークがフォース回線を繋げているというのも可笑しい)
カイロ・レンがフォースストーカーするもんだから、ただでさえ可愛いレイがカイロ・レンの変質者視点に観てるこちらも入ることによって「羊たちの沈黙」のクラリス効果でより可愛く見えた。
レイアの江田島平八的行動はちょっとアレだったが、他の目新しいフォース要素は結構好き(フォース通信、ルークの分身、フォースの霊体による落雷とか)
「そんな色んなことができるなら何で過去作でやらなかった」的な批判もあるようだが、別に今回思いついたんだからいいじゃんと気にならなかった(というかSWのことはたまたまヒットした金かかったB級映画くらいにしか思ってないのであまり腹立たない)
きっとこの監督はそういうハッタリ効いたシーンが上手いのだろう。
レイが孤島の地下で自分の出自を探るが気づかないふりをしている?場面、あの0.数秒時間のずれた無数の分身が現れて指をスナップし、自分の両親を視ようとするも自分しか見えない‥という幻視はかなりカッコよかった。レイが示した空っぽの空虚なヒロイン像はグッと来るものがあった
その後レイがルークに見切りをつけてファルコンから発射されたカプセルでスター・デストロイヤーに来てカイロ・レンやスノークと会う一連のシーンとか、レイの出自とかスノークの運命とか、レイが出ていった後のルークとかジェダイ聖典を焼き捨てる場面とか、フォースの使い手絡みのシーンは割と全体的に好き
スノークはまたしてもレイを誘き寄せた自分のことを「わしはヤングの事は‥よくわかっとる!」と自慢してるとカイロ・レンにあっさり即死させられる。
さらばスノークよ‥
だからスノークは「皇帝っぽい策謀とフォースが強いラスボスっぽい奴」ってだけのキャラだった事が決定づけられた。次で生き返ったらカイロ・レンの立ったキャラが弱まるからもうこれは死んだ。そして恐らく正体は語られないだろう(今後語られても説明が必要だしそれを語る時間を取るが意味ないので)
ネット上でdisられることの多いヨーダが活躍したのも嬉しかった。マペットだし
だけどあのどうしようもないベイダーすら改心させたルークが、まだ何も悪い事してないベンの寝込みを襲おうとするかな?という疑問はあるが、まあ「そういう事があった」と言われてしまったので納得することにした。
監督の話によると、彼は最後に銀河の伝説となってカジノ惑星のフォースを持った孤児たちのような子達に影響を与えることにしたらしい。そう聞くと凄く感動するがハッキリ言って観てる間はそれに気づかなかった。映画好きな自分はこの「物語によって影響を与える」という描写が凄く好きなのでもっとわかりやすければなと思った。
もっと上手くやっていれば2つの太陽のシーンでもっと感動できたんだろう

 

 

 

中盤:レジスタンス
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★フィンと整備士のローズによるパート。
ファーストオーダーがレジスタンスを追い続ける事ができる装置ハイパースペースラッキング(「ローグワン」で設計書が出てきていたらしい)を何とかする‥ためにスター・デストロイヤーに侵入‥するためのシールドを破ることができる人物を探しにカジノに行くが会うことができず困っていたらたまたま居合わせたシールド破りが出来る人物、DJ(べニチオ・デルトロ)と出会う‥という、いくつかの奇跡的な偶然が重なってことが進んでいくというフィンの幸運能力に全てがかかったパート。
フィンには、ローズというふくよかな女性の新キャラが同行する。
このローズのキャラにも演じている女優にも文句はないのだが、何かSW世界から凄く浮いていたように思えた。それを言うとフィンも現代人っぽすぎるのだがフィンはそのモハメド・アリめいた顔面のヒーロー力がありすぎるので押し切られる感じがあった。
そしてフィンの活躍が観たいのにフィンの活躍の機会がローズにめっちゃ邪魔されてしまうのも不満だった。フィン店員の接客を受けたいのだが、新人研修中の不慣れなローズの接客で会計がなかなか終わらないような感覚だ。
そしてこのローズというキャラを批判したい理由は上記の「作品から浮いて集中できない」って感じのものだが、彼女を批判しようものなら「女性+親しみやすい顔+東洋人+大柄」という如何にもディズニーが作りそうな鉄壁のポリコレシールドで護られたキャラであるために、ディズニーの思惑通り踊らされた人達によって「美人じゃないのが不満ですか?ふーん!」「太った女性の東洋人を受け入れる土壌は持ってないようですね‥?」みたいな事を言われてしまう。そういう差別的な理由じゃないんだけどそう言われると自動的に負けてしまうので感想を言うことができない(近年のディズニーが得意とする自主規制を個人に促して批判を封殺しつつ評価も上げるポリコレ兵器)
デルトロ演じるDJという謎の男。
ならず者かと思わせて実は良い奴‥と思わせて金に転ぶ裏切り者‥と思わせてハン・ソロみたいに助けに来る!‥と予想してると‥来ない!ただのならず者だった!
このおじさん一体何だったんだろう‥
デルトロが演じてるのでやたらとカッコいいが‥。EP9で出てこなかったら爆笑するな
フィンと因縁の深い元上司キャプテン・ファズマ(グェンドリン・クリスティー)による一騎打ちは良かった。ファズマはフィンを「システムのノイズ」と呼び、フィンがファズマを顔=個人を持たないシステムという意味を込めてメット頭とか呼ぶ殴り合い。非常にわかりやすい。
それでいて致命傷を受けたファズマのメットが割れて中の本物の人間の眼が見えるのも良い。この対決どうせなら前回にあっても良かった気もするが‥
そういえばカジノ惑星で「ロング・グッドバイ」のテーマが一瞬流れるらしい
★ポーが重症を負って治療中のレイアの代わりに指揮を取るホルド中将(ローラ・ダーン)と衝突しながらファースト・オーダー艦隊から逃れようと頑張ってるが具体的には一体何やってるのかよくわからないパート
正直言って一体彼らが何を考えて何をしてるのかよくわかりませんでした。
画面で起きた結果を見て「あぁそういうこと‥?」とやっとわかる感じだった。
ホルド中将は実は熱い思いを抱いていた有能な人物だったらしいが見せ方が下手なのでそれが胸に浸透してこず、実は良い人だった事が判明した後も「早く死ね!」という怒りが収まらない。この使い捨てポット出ババアに活躍させるためだけに皆に愛されたアクバー提督をさっさと処理された事がヘイトを増加させている。
★このフィンのくだりとポーのくだり、2本のレジスタンスのシーンは完全に失敗じゃないだろうか‥全カットでもいい気がする。
何かひねりの利いた撤退戦をやろうとして失敗した感じ。
ジェダイのシーンがかなりひねってるんだからレジスタンス絡みは変わったことしようとせず「レジスタンス頑張ってるが押されてる‥。あっアクバー提督が悲劇的な死を遂げた!くそ~!ジェダイの人早く来てくれ~!男の人よんで~」みたいなドラゴンボールの悟空待ちみたいなベタな展開で良かったのに。
 

 


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レジスタンスの中盤の作戦は全てうまくいかず苦しい撤退戦が続く。
今回は全編、苦戦に次ぐ苦戦だった。レジスタンスは残り少なくなってしまう。
何人だったか忘れたけど学校のひとクラス分くらいしか居ないように見えた。それとも違う惑星や宇宙の各地に別のレジスタンスもいるのか?さすがに人数少なすぎて続きが作れなさそうだからEP9始まったらしれっと増員してるのではないだろうか
レジスタンスは異常にボロい機体を使ってファースト・オーダーの兵器群に突っ込んでいく(一体どうする気だったんだろ)
ローズは特攻しようとするフィンに体当りして勝手に致命傷を負って瀕死になる。するとローズがフィンに突然告白したら映画館内から「ハァ?」という声が聞こえた。更に2人はキスしだすもんだから映画館内から失笑が漏れてたのもキツいものがあって「このシーン早く終われ!レイ早く来て~」と思った
レイのファルコン一回来て、敵を叩かずまたどっか飛んでいったのは何だったんだっけ?段取り忘れた‥
あとルークがレイアに渡したソロ形見の金のダイス、何で置いていったの?
過去は引きずらないって意味?マジで意味がわからなかった
レジスタンスを生かすルークの活躍はよかったです。観る前に「今回ルークは下手したら活躍もしないどうしようもないジジイとして終わるんじゃないか」と心配してたので最後に今川監督「ジャイアントロボ」の静かなる中条のような活躍して嬉しかった。
レジスタンスの逃走は上手くいかなかったがレイがルークの心を動かして何とかなった感じか
カイロ・レンが「くそ~!だまされた~!」みたいな絶叫するのもよかった
こうして感想書いてても8割くらいがダメなシーンで、いつもだったらダメな部分が4割くらいに達するとすぐに「こりゃだめだ」と思うのだが何故か8割くらいダメな本作は好きな映画なのが不思議だ。という事は拾った2割に他の映画では得難い何かがあるのだろう。それが何かはよくわからない。
ひょっとすると「この映画はスター・ウォーズ」という事もその一つなのかもしれない。もしこれがオリジナルの「ギャラクティック・ウォーズ」とかいうタイトルのオリジナル映画だったら「何じゃこりゃ」とか思ってそうだしな。
ちなみに監督ライアン・ジョンソンは相変わらず好きではないし、大ボスのキャスリーン・ケネディのやり口も好きになれない。本作のルークも、これはこれで面白かったがもっとベタにレイを鍛えたり生身で無双するところも観たかった気がしなくもない。だけど何か妙に好きなのが自分でも不思議だ。
これを書いてて今気づいたが回顧エンタメ路線の「フォースの覚醒」が大ヒットして、同じくファンが好きそうな「ローグ・ワン」も大好評で、普通だったら「帝国の逆襲」みたいなファンが喜びそうなものを作るのが手堅いはずだが、何でこういう捻くれた一本を作ったのだろうか。僕は、恐らくわざと本作で反感を買っといて三作目に何か仕掛けがあるんじゃないだろうか?と希望的観測に基づく期待をしている(そうでないとあまりにもやりたい放題かつ次作のビジョンが見えない)。
なにしろ観てる間「なんだよ、この展開~」とか苛立ちつつも、その苛立つ自分自身の心の動きが楽しかったというか、SWに大した思い入れなくて良い意味で「客がいっぱい入るB級SF」いとしか思ってないからそう思えたのかもしれない。
心底許せなかったのはアクバー提督の扱いくらいか。
EP7→ローグワンと口触りの良いSWが続いて「オッサンの俺がこんなの観て気持ちよくさせられてるのもダサくないか?」という作品にではなく、それを観ている自分自身への恐れが湧いた丁度その時に、こういう古いものを捨て去る捻くれたSWを打ち出したのが逆に気持ちよかったのかもしれない(だが、本作を指して「革新的だ!」とか思ったわけではない)
大体全部変な映画だが、レイとカイロ・レンは相変わらず良かったので自分の中で筋は通っている。ほぼ主役と言える成長する悪役カイロ・レンはめちゃくちゃ良いし「運命の子」だと思われたレイは「空っぽのヒーロー」として荒野に投げ出されたのが新鮮で、前作ではそうでもなかったけど本作でレイをめっちゃ好きになった。
古いものを捨て去り(捨て方が雑すぎるが)何か新しいものを打ち出したい、その新しいものとしてレイとカイロ・レンが良く機能してる気もする。その中心部以外は全部破綻してるが真ん中にある何かだけを買おうと思う。何より観てる間めっちゃ面白かったし
次回完結編はまた監督がJJに戻るので、ベタで痛快な感じで〆るのかな?

 

※追記:後日、レンタルが始まって再見してみて、やっぱり「破綻してるけど結構見れちゃうな」と思う部分があった。「誰でも英雄になれる」「古いものを捨てる」という方向性は良かったと思うが、そのやり方が、全面的にひねくれた逆張りだったりとやり方がめちゃくちゃ悪いと思った。古いものを捨てるのはいいが、どれも「あんなもん大したもんじゃなかったよ」と言わんばかりに卑小化したり足蹴にしてるような印象がありすぎる(SWヲタのおじさん達が一番ムカついたのはここだろう)。ホルドとローズはやはりクソキャラだと思った。あまりに何もかも逆張りしすぎだがレイ&レンがスノークとロイヤルガード倒すところだけは素直によかった。スノークの正体とかレイの親とかどうでもいい派だし。だけどやっぱりルークは素直に活躍させるべきだった。
 

 

 

そんな感じでした

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Star Wars: The Last Jedi (2017) - IMDb

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