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『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』(2021-2022) 全38話/今まで通りのジョジョアニメだが最終回が原作同様あまりに良かった🦋


原作:荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』全17巻 シリーズ構成:小林靖子 総監督:鈴木健一 監督:加藤敏幸 アニメーション制作:david production 制作&配信:Netflix 製作国:日本 配信時間:各話24分、全38話 英題:JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part6 Stone Ocean

 

 

今回は、この6部アニメの感想……を中心にジョジョの原作漫画とアニメシリーズ全体について書くことにする。ざっくりと。ざっくりとじゃないとマンハッタン・トランスファーだけで記事一個書けてしまうからかなり端折っていく。
これは『ジョジョの奇妙な冒険』(1986-継続中)第6部『ストーンオーシャン』(1999-2003)のアニメ化。

ジョジョの原作は小学生の時に第一回目から読んでるし人生で一番長く読んでるやつかもしれん、40代の中年によくいるジョジョ好き中年ですね。このアニメも第1部の開始時から観てました。
僕は判官贔屓的な性格なので一般的な人気がなくなった第4部から第6部まで「俺が応援せねば!」という荒木信者状態に突入したので思い出深い。5部ラストくらいからネットが普及しだしてジョジョ語りが加速した、それによって気が済んで徐々にジョジョ信者状態からファンに戻っていった。今では考えられないがリアルタイムで一般的な人気があったのは……第3部だけで、第4部以降は読んでる人が異常に少なかった。同級生の殆どは「ドラゴンボール」「幽遊白書」「スラムダンク」だけ読んでジャンプを放り投げる子が殆どでジョジョを読んでるのは自分を含めてクラスに3人くらいしかいなかった(このジャンプ黄金時代は一クラスに必ずジャンプが回されており待てば、いじめられっ子ですら無料でジャンプを読める状況だった)。しかし第8部『ジョジョリオン』(2011-2021)があまりにつまらなくて(回想とウンチクと最終話だけ良い)他のジョジョファンが読むの止めてたが自分は止めなかったのだが、そのせいで信者状態を脱して「かつて信者状態だったが今は冷静なまぁまぁなファン」状態へ戻った。
以前、ジョジョの原作漫画についてもブログ書こうと思ったことあるが書こうと思えば無限に書けるし何年か前、戯れに『幽☆遊☆白書』(1990-1994) の事を書いたら普段の映画の感想の2千倍くらいアクセスがあって「映画の感想ブログ」を続けるモチベーションが消えそうになったので「ネットで語られがちな人気漫画」について書くのはやめようと思ってやめた、同じような理由でアフィリエイトもやっていない。一番下のAmazonリンクもアフィではなく「Amazonリンク貼ってる方がブログっぽいから貼ってる」だけ……只の飾りという世界だ。
このTVアニメのシリーズも最初からリアタイで観ていた。
このシリーズは原作再現や原作で足りない要素の補完……など原作愛に溢れてファンにも好評ではあるが、最終話などを除いて思いのほかアニメが動かない回が多い、特にサンタナを追うシュトロハイムが階下から階段を奇妙なポーズで飛び上がってくるところなど「これどんな動きなんだ?」と思ってたとこは全部止め絵で済ますのが不満だったが声優は良い、TVアニメとしては良質な方だとは思いつつ自分の中で「電動紙芝居」という位置づけだった。ジョジョファンのコミュニケーションツールとしては、このシリーズが最適だが、一つの映像作品としては90年代に作られた三部の後半をOVA化した『ジョジョの奇妙な冒険』(1993-1994)の方が遥かに上だと思う(後で三部の前半もOVA化されたが)。
このTVアニメシリーズは、映像作品としてアニメを純粋に楽しむというよりも、このアニメを観て原作を思い出したり、SNSで古参ファンのイラストとか初見の人の感想や海外の反応を見たりして楽しむ……という「アニメ本編よりSNS見る方がメイン」という、作品というかコミュニケーションツール的な感じだった。別にこのシリーズが良くないアニメというわけではないが原作漫画を長く読みすぎたし、そもそも「漫画のアニメ化」というのは95%原作が勝つ。最近の、原作もアニメも観てる少年漫画だと『ONE PIECE』『進撃の巨人』『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『チェンソーマン』……はっきり言って全部、アニメも良いとこあるけど全て原作の方が良い(これらに共通して綺麗な作画とよく動くアニメという、素人が誉めざるを得ない長所には力入ってるが演出という言語化しにくい部分がいまいちかな……)。原作漫画に負けてないアニメというと高畑勲の『じゃりン子チエ』、出崎統の『あしたのジョー2』『スペースコブラ』、一番古い『ルパン三世』、OVA版『デビルマン』全2巻、京アニの『日常』くらいしかない(コブラと日常はむしろアニメの方が良い)。とはいえ原作あるアニメは、ファンの顔色を意識しながら原作をなぞらざるを得ないので原作に劣るのは仕方ないと思う。
だからジョジョアニメも今まで見てても漫画の方が良いからブログに感想書くことがあまりない、だから見終えてもFilmarksで星取りして終わりだったが本作は最後まで観て、最終話で異常に感動したので「こんな感動したのに書き記さないのおかしい」と思ってブログに感想書くことにした。
ネタバレあり

 

 

 

Story
2011年のアメリカ・フロリダ州。かつて邪悪の化身DIOを倒した空条承太郎の娘・空条徐倫(CV:ファイルーズあい)は嵌められて州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所へ収監される。
刑務所内で、それぞれ固有の超能力を持った像〈ヴィジョン〉”スタンド”を発現させた徐倫は、この石作りの海(ストーンオーシャン)……刑務所に潜む真の邪悪と対峙することになる――

そんな話。ジョジョ唯一の女性主人公、徐倫が獄中で知り合った仲間達と敵の陰謀を阻止しようとする。後半までは刑務所内なので4部の杜王町同様にロードムービーじゃない場所固定タイプの部。
徐倫ジョジョの中でも最も好きなキャラ……なのにも関わらず魅力が本編でわかりやすく露出しててあまり語ることがない。キャラ的には、最初は甘ちゃんだったのに気高く成長する成長度Aのとこ、能力的には「糸」と「オラオラ」という弱めなところが魅力。それと登場してすぐ自慰の話したりゴキ○リが這ってるパン食ったりする泥臭さが良いですね。徐倫の良さは劇中でアナスイがよく言及してたので改めて褒めを加える余地が少ない。アナスイといえば緑色の赤ちゃんの時、徐倫の口の匂いを嗅ぐ場面が地味に好き。あそこで「どうやらアナスイは本当に徐倫が好きなんだな」というスゴ味を感じた。いくら若くて可愛い女の子といっても別に口の匂いなんか嗅ぎたくない。「口の匂い嗅ぎたい」という意見もあまり他人から聞いたこともない。たとえば「吉岡里帆の口の中の匂い」を嗅いで「お昼はナポリタンを食べましたね?」……そんなこと知ってどうする?だが最大限に想像すると匂い自体はどうでもよく、その特異な行為を通じて「互いの特別な繋がり」を感じるかもしれない、だから本当に大好きな相手だったら口の中の嗅いでみたい?……かもしれない。しかし「特別な繋がり」であるなら性行為すればそれでいい。だが性行為というだけなら只の「性欲」なので別に好きな相手じゃなくてもしたいものだ、だからそれを念頭に置くと「口の匂いを嗅ぐ」という事を優先する事によって「アナスイはSEXしたいわけじゃなく純愛なんだな」と俺は感じたという事。わかるか?とにかくこの描写を最初見た時から「やっぱ荒木すげぇな」と思った覚えがある。作中で他には7部の「圧迫祭り」など荒木独自の異性とのスキンシップには興味津々だ(性犯罪的なとこではエニグマの少年の「お前のパンティーだ」も凄く生々しい変態度が高くて気になる)。

ジョジョ好きな人なら「好きな部はどれ?」と考えるものだが40代の自分の場合、童貞はおろか毛も生えてない包茎だった時から読んでたわけで、少年期→青年期→友達や恋人と語った思い出、仕事が上手くいかず五部の単行本買って読んだらポルナレフが満身創痍になってた衝撃、5部終盤でネットが普及してリアル友達以外ともジョジョの話が出来たりジョジョのファンサイト作ったりした楽しさ……とにかく自分の人生とジョジョがあまりに長く結びつきすぎてて客観的に判断できないものがある。
「好きなキャラ」だと簡単で男性キャラならディエゴ(恐竜)とポルナレフ、女性キャラなら徐倫が一番好き、あとはアバッキオ、五部ナレフ、ジョニィ、ホットパンツ、エルメェス、FF、リサリサ、マウンテンティム……この辺か。
「客観的に好きな部を決めれるか」という話に戻るが「アニメを機にジョジョ全部一気読みした」という人なら一見、客観的に全体を見て決めれそうだが、これもまた絵柄やノリが特殊な1&2部あたりは好きになりにくそうだし判断が難しいところ。全体的に40〜50代の中年男性は少年期に読んでた2&3部を好きと言いがち。だけどそういう人達も死んだのか消えつつある。女性は5&4部が好きな人が多い。チーム男子萌えなら5部、それ以外の女性は4部を好きになりがち。ネットでの人気だがここ10年くらいで「7部が好き」という人がかつての三部好きのおじと同じくらい増えた印象、一番多い気さえする。自分の場合(ジョジョリオン以外は)どれも等しく好きだが、ここ20年間くらい「6部が一番好き」って事にしていた。人によって好みがパッカリ分かれるのだが6部ラストが僕はジョジョ全体の中で最も好きだからというのがある。
あと「一番好きなジョジョ」も徐倫だし仲間も良い、敵スタンドもまぁまぁ好き。あと僕は判官贔屓(不遇な者に同情すること)な性格なので「(ジョジョリオンの次に)不人気な部」として第6部がよく挙げられるので「自分が6部を応援しなくちゃ!」という気持ちが何十年も続いてるせいもある。1~5部も好きだがアニメ化でそれぞれに若いファンも付いたので好きな気持が成仏した満足感がある。6部もアニメ化によって第5部のように全世界的に大人気になり俺の判官贔屓もクリアになって今後は7部を推そう……と思ってたのだが「Netflix一挙配信&一期毎に半年以上のインターバルがあった」せいかTwitterなどでトレンドに全く上がらなくなり日本での人気が……原作通り低い。SNSを見てたら6部アニメも一期→二期→三期と進む毎に視聴者が減り「自分のTLでストーンオーシャン観てる奴が俺一人」というラスト一巡した世界でのエンポリオ状態になってしまった。そのせいで6部を推さないと……という使命感が生まれてこのブログ書いてるというのもある。
そもそも(今はそうでもないが)長い間「そもそも荒木飛呂彦が好き!」というのもあった。荒木は金のために無理に描いてるのではなく画風やアイデアも時と共に刷新して描いていた。「前の部のキャラが再登場したりしない(しても五部ナレフみたいに別人同様になってる)」「前の部のキャラを描いたら別人」なども「常にNEXT!と未来に向かって描いてるからもう既にやった事とかファンサービス的な気持ちはないんだろうな」と思い、じゃあそのつもりで応援しようという事で何時も連載中の最新ジョジョを応援してた(4部の時はクラスで読んでるの僕一人だけ4部を推し、5部の時にネットが普及したから5部のファンサイト作ったり)ただジョジョリオンが面白くなさすぎて今までで初めて「連載中の最新ジョジョが最高」という姿勢を維持できなくなったので「じゃあ(ジョジョリオン以外で)いちばん人気ない6部を推していくか」って感じになっていた。
6部連載時からしばらくの自分は荒木信者状態だったせいか全部好きだったのだが、いま改めてアニメで通して観ると6部の道中「ちょっと良い意味でも悪い意味でもぶっ飛びすぎてるかも……」と感じた。信者状態を脱したせいか冷静に見れて「やっぱ不人気なのも少しわかるかも」と少し思った。昔は大好きだった徐倫の「星を見るわ」プッチの「14の言葉」「磔刑」などは今見ると「台詞はカッコいいが場面のテンションと読者の感情と、あまり合ってなくて昔ほど入ってこない」と感じた。昔は自分もイカれてたのでグイグイ入ってきていた。とはいえFFの最後の語りや6部嫌いな人にすら人気のエルメェス復讐論や「手からシールが出てくる。これが現実。現実は受け入れる以外ないわ……」という狂った台詞、さよならを言うFF、ウェザーと「もう一度そよ風の中で話がしたい」徐倫、承太郎の「短すぎる……停止時間が5秒は短すぎる……」、プッチの「(ツバメの話して)承太郎は短命だったな」「ヴェルサスに語る三匹の子豚ののしり(藁の家と砦)」煽り……などは場面に合っているし今見ても魅力だ。
徐倫や仲間が好きだったり判官贔屓のせいか昔は好きだったが今アニメで見るとラストまでの道中は3、5、7部ほどじゃないかもと思った。
この6部も今まで同様も、このアニメ自体が良いというよりも「好きな6部のアニメ化だから観よう、友達のライブや展示会、親戚の子供の運動会を応援するように」とか「徐倫役の声優のファイルーズあい氏って全て最高だな」という気持ちなど作品外の副次的な要素が強かった(今までアニメ化するまでゲームなど他メディアでは沢城みゆき氏が徐倫役やっててハッキリ言って沢城みゆき氏の方が演技もオラオラも上手かったのだが「徐倫役やるために声優になった」というファイ氏の漫画のキャラのような人間的魅力に惹かれて応援する気になりました)。ちなみに今まで楽しんでた「初見の人や古参ファンの反応」は前述通りファンが今までの十分の一くらいに減ってて殆ど見れなかった。
とはいえ終盤の「プッチとウェザーの数奇な過去」「プッチとのラストバトルからラストにかけて」これは、さすがに昔同様にいま観ても最高だった。
だがストーリーや台詞は原作通りだから「原作漫画が凄い」のだから「じゃ、アニメじゃなく原作漫画の感想書けばいいじゃん」って事になってしまうが「加速したプッチ」「時の加速や世界一巡のアニメーション」「最終回用OPとED」等は「アニメならではの良さ」に溢れていた。後は他の部もそうだが声優が良いですよね。ファイ氏やエルメェス役の人、あと意外なところではラング・ラングラーの声優が「機動警察パトレイバー」の太田みたいな大袈裟演技……「んんんジャンピンジャッフラッーー!」みたいな演技が可笑しくて今まで全く興味なかったラング・ラングラーが少し好きになった。
あと制作前にネットで自主規制が懸念されていた「徐倫マスターベーション話」「ボヘミアン・ラプソディーが出したり言及される他の作品の版権キャラクター」「プッチとウェザーの過去回想でのKKK」「一番悪いボスキャラが黒人しかも神父」等の際どい要素も全部出てきて良かった。またこのシリーズは「3部の家出少女」「その後のフーゴ」など、アニオリで原作の補完をよくしてたが今回は「ケープ・カナベラルの近くまで来ていたジョルノ」「徐倫の母親を出す」等のやらなくてもいいアニオリはやらなかったのも良かった。
逆に「アニメより原作漫画の方が良い」というところはプッチの、僕が大好きだった迷言の数々「14の言葉」「おまえごとき薄っぺらな藁の家が深遠なる目的のわたしとDIOの砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!」「『どこへ行かれるのですか?(ドミネ・クオ・ヴァディス)』!おまえは磔刑(たっけい)だーッ!」などは耳慣れない文言なので口頭で聞いても「え?え?今なんて言った?」と入って来ず、漫画で活字で読んだ方が良いと思った。
他の聞き取りやすい名言……素数や天国とか引力や重力についての思想の数々、「(事故に遭いやすいツバメについて語って)承太郎は短命だったな」「おまえはわたしにとって釈迦の手のひらを飛び回る孫悟空ですらない」「思い出のない人間は死人と同じだ」「おまえの行動はエンポリオ……自分の悲鳴をさらに地獄のラッパにするだけの事だった!!」という素晴らしい煽りの数々、「(親切にしてお喋りを始めた男に)私に親切にたんだからいいやろ、お前のくだらない話を聞かなきゃならんのか?」という、あんまりな台詞……これらはアニメでも良かった。
こうしてみるとプッチは名言の多さが凄い。というかプッチはジョジョの悪役の中で最も主人公補正を持ったラスボスであるし荒木の思想を喋りまくるキャラ(富野にとってのシャアみたいな)。妹がウェザーと付き合うまでは普通に良い人だったのに「自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪」という素晴らしい悪役になってしまうくだりなど本当に面白い。スタンドのホワイトスネイクも大して強くないのが面白い(このホワイトスネイクの微妙な強さも吉良吉影同様に妙に主人公っぽいラスボス感に繋がっている)。プッチの前に「自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪」としてサンダー・マックイイーンが出てくる。僕は連載当時「なんて斬新な敵なんだ!」と感動して未だに重要な敵だと思ってるが国内外共に未だに全然話題にならなくて寂しい。あと「プッチの『天国へ行く方法』も一理あるな……」みたいな「サノスにも一理ある」「フリーザ様やイモータン・ジョーは理想の上司!」みたいな騙されやすそうな人達もネットでたまに見れて面白い。
「6部は戦闘がイマイチ」とよく言われるが、確かにジョンガリ・Aのマンハッタン・トランスファーがめちゃくちゃ良かったのに「ホワイトスネイクの幻覚でした」という結果はホワイトスネイクの幻覚が滑ってた事で「マンハッタン・トランスファー良かったのに!」とガッカリしたし、FFがケンゾーを倒すまで面白かったしドラゴンズ・ドリームもスタンドの原理が謎だが可愛くて良かったのに、アナスイが自己紹介を兼ねてケンゾーの足をバネにしてビヨンビヨン飛び跳ねさせるくだりは「いや『FFがカッコよく倒した』で終わっとけば良かったのに何やねんこれ……」とガッカリした、ヨーヨーマッもめちゃくちゃ面白いマゾヒストの敵だったのにアナスイが「スタンドのヨーヨーマッの脳を生き物の蛙と繋げる」という訳のわからん方法で倒すのも「せっかくヨーヨーマッ楽しかったのに……」とガッカリした。こう思い出してみると「魅力的だったのにしょうもない結末」が割と多い。
あとやっぱ今見ると「どういう能力?」っていう解釈が難しいスタンドが多い、アンダーワールドとかドラゴンズ・ドリームとか……。まぁ細かい話しだすとキリないのでやめとくわ。
原作込みの話だが、アンダーワールドと言えばヴェルサスの回想はめちゃくちゃ良かった。というかそもそも荒木は回想が上手い。全然面白くない『ジョジョリオン』も回想だけは面白かった。『ジョジョリオン』は本当に面白くないのだが最終話と近年の『岸辺露伴は動かない』は面白い。『ジョジョリオン』の回想と最後……一話完結の『岸辺露伴は動かない』これらが面白いってことは結末があれば今でも面白く描けるのだろう(だからもうジョジョ描くのやめて露伴をメインにして欲しい気もする)。

 


第38話『ホワット・ア・ワンダフル・ワールド』(最終話)
アニメに話を戻すが、やっぱラスト2話が圧巻でした。
上のトップ絵にした徐倫の「さあ来いプッチ神父!」は全ジョジョの中でも目に入っただけで何度でも涙腺が緩むトップクラスに感動したシーンだが、これもアニメより漫画の方が良かったな。たぶん漫画で印象に残りすぎたせいで自分の中で「さあ来いプッチ神父!」の言い方が出来上がっており、ファイ氏の徐倫役には何の文句もないが「なんか……言い方ちがうな……」と感じてしまった部分がある。
で、やっぱ最終回が圧巻でしたね。
というかこの事だけ書きたくてブログ書き始めたんですよね、ここまで書いてきた部分はブログっぽい体裁を整えるための只の飾りよ。
最終話までは割と今までのジョジョアニメと一緒なんですけどラスト2話くらいは最後だからか異常に作画が綺麗だし動きもなめらか。「全話これなら良かったのに……」と少し思ったが、5部の時に「スタッフへの給料不払い問題」とかあったし制作現場は色々大変なんでしょう(寄り添い)知らんけど。
「時の加速」で昼と夜が繰り返される様、日没と日の出のスピードが早すぎて「太陽が帯状に見える」描写、そして世界が一巡する描写、挿入歌……などは「漫画では伝えきれないアニメならではの良さ」を感じた、だからブログに感想書く意味があると思った。
地球が消失し、イルカに乗った全裸のエンポリオだけになり周囲は無数の生物が浮く宇宙になりエンポリオが「生き物だけだ!」という場面は原作漫画より痺れました、「生き物だけだ!」って台詞もSF心をくすぐる良い台詞。何が「生き物だけ」なのかというと「時の加速の中で死ななかった生き物」が一巡後の世界に移動している場面ね、ここ。
そしてジョジョアニメ名物の神風動画の最終話専用OP、6部太郎からOP曲が一瞬止まり10年前の第1部OPとシンクロさせつつ歴代5人のジョジョの原作絵が動き(第一部OPの冒頭)そしてアニメの5人のジョジョになり徐倫につながる……。これはさすがに原作漫画開始から36年分(!)と個人的なジョジョと結びついた実際の思い出、あとアニメ10年分の重力が僕にかかりよくわからない感動がありました。10年前に第一部でOP初めて観て「あっとりま6部までやりたい意思表明やん!6部までいってくれ!」と強く思って観続けた10年を思い出した。『アイアンマン』(2008)からリアルタイムで観てて『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でタイム泥棒展開やアベンジャーズ・アッセンブル観た時の感動、90年代から逐一エヴァンゲリオン庵野秀明の動向を見てきた末に『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)の後半を観た時の感動と同じですね。これらはリアタイで逐一観てた者だけの感動がある。別に40代とか全部リアタイしてたわけじゃない若(わか)が感動したとしても、それはそれで僕のような老(ロウ)がわからん感動だろうからお互い様ですね?それもまた人間の面白さ、人間讃歌ですかね。
そしてここで流れてるシーズン3のOP曲、最初聴いた時は「なんか落ち着いててテンションあんま上がらないな……?」とか不満だったんですが最終話のこの歴代ジョジョ総登場特殊演出部分で最後の曲の盛り上がり部分がシンクロする箇所で異常に説明不能な感動的な何かを叩き込まれた感がありました。だから最終話見終えたら、この曲も大好きになってSpotifyのプレイリストに入れときました。

曲の最後の「命の煌めき……!」という結びの部分は最初から良いと思ってたんですけど歴代ジョジョから徐倫にバトンタッチする特殊演出の後、恐らく「世界再変」を表現したと思われるブワーッ!と光が拡散するカッコいい画面の時に「命の煌めき……!」と歌われるのがめちゃくちゃ良いんですよ。今までのジョジョ主題歌も良いの多かったけど「命の煌めき……!」が凄くジョジョっぽさを違う言葉で表現してて良かったです。「人間讃歌」とかが歌詞だとそのまま過ぎて醒めるからな。何か全体的にパチンコの演出の話してるみたいな文章だな?。ジョジョ全部読んでたりアニメ全部観た人は是非最終話OPだけでも観てくださいや。漫画や過去のアニメ観てない人が観ても意味ないけど。

で、非力なエンポリオ vs.無敵の力を手にしたプッチ神父、これが最終話一話丸々使ったのが「本当にわかってるな……」と感じて嬉しかった。「主人公の徐倫は前話に死んで出てこない」という最終回!最終話で徐倫が死んでBパートでエンポリオ vs.プッチ……これよりも37話で徐倫死亡、最終話でエンポリオ孤独な戦い!この方が絶対に良い、「何で良いの?」と訊かれても具体的に説明できんが。「『アニメの一話しかも最終話』というメタ的な枠の中での土壇場でも非力なエンポリオは独り」というのが良い。第37話から最終話に移ると同時に今までのジョジョ世界が全て吹っ飛び、全く違う世界に来てしまった!フルチン少年エンポリオ(つまりチンポリオ)が!という感じを上手く演出できている。
そして唯一人現実を改変できるプッチのパンチを利用してスタンド「ウェザーリポート」のディスクを頭に挿入させ、エンポリオが操るウェザーリポートの酸素攻撃→万力のような確実で力のこもった拳の圧力でプッチの頭を潰す……のは原作通りだが、潰した後なおも拳を沈めてプッチの死体を床にどんどんめり込ませ!床自体もどんどんその穴に引き寄せられる!目の座ったエンポリオも穴に引き寄せられる(ここカッコいい)、そしてその穴を起点に世界が再編される……!この流れが本当にかっこいい。プッチ神父が死んだことにより世界を唯一改変できる存在だったプッチの死体を「特異点」として「プッチと徐倫達がいない宇宙」が再変される……これはアニメオリジナル演出だと思うが理にかなってるし本当に良いアニオリだった。
で、今までのEDが流れる中、刑務所の外のバス停で「どこかで見たような楽しそうな若者たち」と出会うエンポリオ。ここも一人ひとりとの出会いをゆっくりとやってくれて良かった。
で、エンポリオは泣きながら「徐倫に似た幸せそうな女性」に自己紹介する……ジョジョで一番好きなのがここなんですよね(次が徐倫が海で死ぬとこ)。エルメェスの復讐論同様に6部嫌いな人も好きな場合が多いシーン
漫画だと「僕の名前はエンポリオです……」のコマでめちゃくちゃ泣けるんだがアニメだと、その直前の「エルメェスに似た幸せそうな女性」に会って呆然、アナキスに会って呆然……というエンポリオの驚き顔の連続の方が泣けました。この差は何なんだろ、曲が流れてるからかな?「さあ来いプッチ神父」も「僕の名前はエンポリオです」も、原作で好きすぎて自分の脳内で繰り返し音読しながら読んでたから「ちょっと言い方ちがうな……」と思ったのかも。まぁそれは僕個人の問題なので別に良いです。
この間、荒木が選んだというダフィーのED曲がずっと流れてるが本当に良すぎる。

で、ED曲は3部のED曲、なんで?徐倫の父が承太郎だから?曲に合わせて各部のデザインが次々と出てくる。嫌がおうにも今まで見てきたジョジョの世界が終わった事を感じさせる。これも別に良いんだけど、「僕の名前はエンポリオです……」のストーンオーシャンED曲のままジョジョを総括せず終わってほしかった気もする、個人的にはね?
この終盤からラストにかけて、僕みたいに「ジョジョで一番いい!最高」と思う人と、あまり好きじゃない人と二分する。「最高!」という人の意見はよく聞くがあまり好きじゃない人の意見はあまり聞くことが少ない。だからよくわからないのだが検索したところ「強くて好きだった承太郎が殺されて嫌」「今まで見てきたジョジョの世界が終わってしまって嫌」という主観的な理由が多いみたい。そういう寂しさもわからないでもいいけどエンポリオ(希望)に繋げたから良い。仗助やジョルノも時の加速中に死んでないだろうからどこかで幸せに暮らしてるさ。仗助のじいさんやブチャラティたちも行きてるかもしれないしね。
また「宇宙を救うのはエンポリオには荷が重すぎるんじゃないか」と友達に言われたが、FFやアナスイやウァザーは死んだように生きてるだけだったのに徐倫の目的を手伝ってからの数日は本当に生きてる感じになってましたよね、エルメェスも姉の仇を討った後は徐倫に協力してたから同じ感じだろう。エンポリオもそうなんだろうと僕は自然に受け止めてました。またフィクション的には「子供」というだけで「未来への希望」という役割を担ってますからね。少年ジャンプなので「読者」の象徴でもあるかもしれない。4部で川尻早人が突然ラスボス吉良を追い詰める力を出せたのも早人が子供だからです。ていうか徐倫エンポリオに「あんたは希望ッ!」ってモロに言ってましたよね。それで充分です。

まさか漫画同様にアニメもピンチになるとは思ってなかったがアニメも6部が一番好きだよ。そんな感じで(主に最終回で)満足しました。
また第7部『スティール・ボール・ラン』アニメでお会いしましょう。2年後くらい?

 

 

 

 

そんな感じでした

『岸辺露伴は動かない』(2020-2022) 第1話~第8話/荒木っぽいが映像化に適した改変の感じとか日本の漫画の映像化で一番良いかも✒ - gock221B
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)/原作を盛ったストーリー自体は良いけど回想ばかりの構成が歪つで「これ例年通り三夜連続のドラマで良かったんじゃ?」と思った■ - gock221B

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アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」公式サイト
ジョジョの奇妙な冒険 - Netflix
「ジョジョの奇妙な冒険」公式ポータルサイト

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『マイ・スパイ』 (2020)/ドラックスを演じてる時のバウティスタ好きは満足できるスパイファミリー👨‍👧


原題:My Spy 監督&制作:ピーター・シーガル  主演&制作:デイヴ・バウティスタ 脚本:ジョン・ホーバー&エリック・ホーバー 製作国:アメリカ  上映時間:100分

 

 

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のドラックス役でお馴染みの元WWEのスーパースター(WWEレスラーの名称)バティスタことデイヴ・バウティスタ主演。先日『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』(2022)を観たので、まだ観てない主演作を観たくなって観た。
監督は、死ぬほどおもろいわけじゃないけど最後まで楽しめる程度には楽しいコメディをよく撮ってる人、スパイのコメディ『ゲット スマート』(2008)も昔撮ってた。

 

 

 

 

CIAスパイJJデイヴ・バウティスタ)は腕っぷしは強いが他人を欺く事に向いておらず上司に厄介扱いされてIT担当の女性ボビー(クリステン・シャール)と共に、ある母子家庭を監視するという単純な任務をさせられる。
JJがスパイである事は、監視対象のケイト(パリサ・フィッツ=ヘンリー)の9歳の娘ソフィー(クロエ・コールマン)に速攻でバレてしまい、ソフィーに「秘密を黙っている代わりにスパイになる方法を教えてほしい」という取り引きを渋々、結ばされてしまう。
JJの優しさを見抜いた少女ソフィー。要は、父を昨年亡くしたばかりのソフィーがJJに父性を求めて一緒に遊んでもらう。そして仕事ばかりで婚約者に逃げられて金魚しか友達の居ないJJをシングルマザーのママとくっつけようとする……つまりバラバラだった人達が家族になっていくコメディ、その味付けがスパイ。

僕はたまにある、こういう強面の仕事人間のおじ(オッサン)が少女に振り回されて人間性を取り戻す系のコメディが好き。過去作だとトミー・リー・ジョーンズ演じる刑事がチアガールのシェアハウスに住み込みで彼女たちを護る『チアガール VS テキサスコップ』(2005)とかも良かった。クリント・イーストウッドとかロバート・デ・ニーロとかトミー・リー・ジョーンズとか、そういうおじ俳優目当てで映画を探すと定期的にこういう内容のコメディに当たる。
で、どの作品も大抵、少女が中盤に主人公おじの恋を後押しする展開が必ずある。で、こういう映画の主人公おじは皆、腕っぷしは強いが人間活動は全くしてないのでデートの前に主人公おじを応援する少女が「その服ダサい」とか「ダンスが下手」とか色々、監督する。ほぼ全部この展開なのだがやはり何回観てもたまらない楽しさがある。
で、少女との友情や恋や仕事に順調だった主人公おじも後半に一回つまずく、敵に子供が攫われたり、誤解があって嫌われたり等色々。そしてラストに頑張って逆転!ハッピーエンドとなる(もっともほぼ全ての映画がこの展開だが)。
で、おかしなサブキャラが思わぬ活躍をしたり実は敵だったりとか楽しい要素がひとつまみ入れられてる。
なんか気がつくと本作じゃなく「こういう系統のコメディ」全般の話をしてしまっていたが、まぁどれも同じなのでね。

で、本作を観る動機であるバウティスタの活躍だが、主人公なので充分観れる。
彼は色んな人気作に色々出てるが、それと並行してコメディやB級アクションによく出ている。大作だと主役になる事は少ないがコメディやB級アクションの出演作を観れば余裕で主役バウティスタが見れるのでおすすめ。
彼は顔や風貌がシリアス過ぎてドウェイン・ジョンソンみたいに太陽のようなヒーローっぽさは無い。そのせいかバウティスタはギャップを活かしてドラックスのようなコメディリリーフになったり逆に悲惨な運命に向かう哀しき巨漢のどちらかになりやすい。本作は勿論、前者。楽しい巨漢。
幼女の授業参観に出て人気者になるバウティスタ、幼女とスケートを滑るバウティスタ、幼女とアイスを食べるバウティスタ、幼女をいじめた悪ガキを転ばせるバウティスタ、ママとデートして可笑しなダンスを踊るバウティスタ、普通に悪者をブッ殺すバウティスタ……という感じで、観る前に期待してたものを全て見せてくれたので満足した。
それ以上でもそれ以下でもない。こーいうほっこりコメディ好きとかバウティスタ好きなら楽しめるだろう。

 

 

 

 

そんな感じでした

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My Spy (2020)

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『スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイ』(2022)/期待せずに観たけど凄く良かった。ドゥークーとアソーカが主人公だがヤドルが一番かっこよかった🔵🔴


原題:Tales of the Jedi 企画&製作総指揮:デイヴ・フィローニ 原案:ジョージ・ルーカス 製作:アレックス・スポッツウッド、ジョシュ・ライムズ 音楽:ケヴィン・カイナー オリジナル音楽:ジョン・ウィリアムズ 配給:Disney+ 配信時間:各話10~17分、全6話 シリーズ:『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』スピンオフ、『スター・ウォーズ』シリーズ

 

 

プリクエルの時代を舞台に、アソーカ誕生とドゥークー闇落ちにスポットを当てた『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020)の外伝アンソロジー的なアニメ。
スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020)は『マンダロリアン』でお馴染みのデイヴ・フィローニ系の作品(同時にキャスリーン・ケネディのSW本流から追い出されたジョージ・ルーカス直系の流れでもある)。
僕ちょっと『クローン・ウォーズ』はシーズン3くらいまでしか観てない。面白いことは知ってるしプリクエルの時代の殺伐感は好きなので残りも観たい気持ちはあるのだが残りの話数が膨大、そして『クローン・ウォーズ』全部観たら『スター・ウォーズ 反乱者たち』『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』も全部観なきゃいけない義務感が生まれそうだし観てない。そのうち観るかも。

 

 

 

 

本作はドゥークー伯爵とアソーカ・タノを主人公に、今まで描かれてない話を歴史の隙間から取り出して描いてる。だから本編で描かれたドゥークーの死とかオーダー66だとかは描かれない。
最後まで観た感じ、この作品をわざわざ作ってまで描きたかったのはドゥークーの話(第2話~第4話)の方であって、アソーカの誕生や再起(第1、5、6話)は来年公開のドラマ『アソーカ』(2023)への予告編的な意味合いなのかなと思った。

 

 

第1話『生と死と』 
原題:Life and Death 監修&脚本:デイブ・フィローニ 監督:ナサニエル・ヴィジャヌエヴァ 17分

36BBY(反乱軍がデス・スターを破壊した”ヤヴィンの戦い”の36年前)。
辺境の惑星シリでアソーカ・タノ誕生。
サーベルタイガー的な猛獣に攫われるが赤ん坊のアソーカがフォースのせいなのか猛獣はアソーカに懐き、彼女を村に連れ帰る……という話。別に文句はないが、あまりに童話っぽすぎて正直観ても観なくてもいい感じがある。
村には猫になったトトロみたいな動物もいる。アソーカ自体も『もののけ姫』(1997)のサンをモデルにして作られたらしいが、この猛獣との絡みは山犬モロとの関わりを連想させる。ジブリと共同制作した短編アニメ『禅 グローグーとマックロクロスケ』(2022)も最近配信された事だし「アソーカはジブリからのインスピレーションから生まれた」という事を改めて宣言した感じ?

 


第2話『正義』 
原題:Justice 監修&脚本:デイブ・フィローニ 監督:Saul Ruiz 14分

とある惑星で、誘拐された統治者ダゴネ議員の息子の救出を依頼されて、やって来たジェダイマスター・ドゥークーとパダワン(ジェダイの弟子)のクワイ=ガン・ジン
50BBYから42BBYの間の話。ドゥークーは最低でもアラサー。クワイ=ガンは……わからんが見た感じ10代後半~20代前半だと思われる。
2人が到着してみると異常に寂れた町。居酒屋の女将に訊くと「最初は善良だった統治者のダゴネー議員が変わってしまい圧政を行いこうなった」と告げられる。誘拐したのは領民全員。人質になっていたダゴネ議員の息子を見に行くと、その息子は「手厚く扱ってもらってます」と言い、自分を誘拐した領民を避難せず父ダゴネを糾弾する有様。どうやら領民の言葉通りのようだ。
そこに現れたダゴネ議員と部下の兵たち。「息子や領民達を差し出せ」というダゴネの傲慢な言葉に対してドゥークーは「我々は貴方たち政治家ののためじゃなくて共和国で暮らす人々に仕えている」と反発。
双方は撃ち合いになり領民達は何人か撃たれる。
激怒したドゥークーは依頼者ダゴネにフォース・チョーク!止めようとするクワイガンもフォースで吹っ飛ばす。クワイガンは人質になっていた息子に仲裁を頼み場が収まる。
ドゥークーは「お前は私より賢い」「お前が皆を救った」とクワイガンを称える。
ドゥークーはダゴネへの怒りが暴走した。後にシス落ちしてしまう純粋さが見て取れる。この時点で少年であるクワイガンの方が大人だもんね。
ドゥークーに「銀河共和国への疑念」が生まれた話だった。

 

 

第3話『選択』 
原題:Choices 脚本:デイブ・フィローニ 監督:チャールズ・マレー 14分
50BBYから42BBYの間の話……らしい。だからドゥークーは52~62歳。
惑星ラクサスにやって来たマスター・ドゥークーマスター・メイス・ウィンドウ
「任務中に命を落としたマスター・カトリの遺体の回収」が評議会からの命であったが、「カトリは奇襲を受けて死亡したのに逃げ果せる事が出来たラリク議員」に疑念を持ったドゥークーは調査を続ける。あくまで評議会に忠実なメイス・ウィンドウは「そんなの命令にないぞ?」と怪訝な態度。
ドゥークーの「ジェダイが奇襲で殺られる事は稀だ。味方に背中から撃たれでもしない限り……」という台詞は後のオーダー66を想起せざるを得ない。
今回もまた腐った共和国議員が原因の事件だった。
しかし事件を解決に導いたが命令違反しまくるドゥークーは白い目で見られ、ドゥークーに「それ任務にないぞ?」と言い続けた優等生メイス・ウィンドウは故・カトリに代わってジェダイ評議会入りした。
メイス・ウィンドウにわざとらしいほど丁寧な皮肉を言うドゥークー。もはや完全に共和国やジェダイから心が離れつつある。



第4話『シス卿』 ★★★★★
原題:The Sith Lord 脚本:デイブ・フィローニ 監督:Saul Ruiz 15分
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)と同時期の話。
32BBY。マスター・ドゥークーは70歳。相変わらずジェダイの中で冷遇されている模様。
ジェダイ図書館でマスター・サイフォ=ディアスのファイルから惑星カミーノの情報削除。「ドゥークーがマスター・サイフォ=ディアス……のフリをして、オーダー66を起こせるバイオ=チップを渡してクローン・トルーパーをカミーノに発注して、サイフォ=ディアスを口封じで殺した」で、いいんですよね?いまいちサイフォ=ディアス本人も発注するところもサイフォ=ディアスを殺すところも見てないのでぴんとと来ない。これもやはり『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020)観れば出てくるんだろう多分。
愛弟子クワイ=ガン・ジンが惑星タトゥイーンで謎のシス卿(ダース・モール)と接触ジェダイ評議会はクワイガンの報告に半信半疑、そのせいでクワイガンは死亡。
愛弟子を喪い哀しみに暮れるドゥークーはどこかに飛び立つ。
この話の冒頭からドゥークーの様子を観察していたマスター・ヤドルは彼の後を追う。
ヤドルは、ヨーダやグローグーと同じの3人しか居ない謎の種族。
ドゥークーが密会していたのはシス卿ダース・シディアスだった。
何年も共和国に疑念を抱きジェダイ評議会から冷遇され続けていたドゥークーはシス落ちしていた。観た人は誰でも思うだろうがアナキンのシス落ちまでの過程と非常に似ている。
ダース・シディアスの弟子ダース・モールが、自分の愛弟子クワイガンを殺害した事でシディアスに文句を言うドゥークー。ドゥークーはクワイガンも味方にしたかったらしいがクワイガンはシスにはならんだろ。他にもサイフォ=ディアスやカミーノなど数々の気乗りしない裏切りをさせられた愚痴を言うドゥークー。
そこにヤドルが登場しドゥークーに「今なら間に合う」と訴える。ヤドルも評議会に失望して抜けてきたという。
ドゥークーはまたしたくもない殺しをしてシディアスへの忠誠を見せなければならなくなった。
互角の勝負をしている中、ヤドルはチラッと自分が乗ってきたスペースシップを見る。ドゥークーは「評議会に逃げ帰るのか」と挑発し、ヤドルを重い扉の下敷きにする。
しかしヤドルは「ジェダイのテーマ」に乗せてフォースで重い扉を持ち上げる。
めちゃくちゃカッコいい。
扉の向こうから光が差し込み、ダース・シディアスは少し狼狽える。もう体力のないヤドルのフォースに狼狽えたのではなくライトサイドをモロに浴びせられたからだろう。陽光を照射された吸血鬼や隠れてた石を除けられて散り散りになる虫の様な感じ。
ヤドルは、扉の向こう側に行けば難なく逃げられるのに、ドゥークーやシディアスにライトサイドを見せつけるために持ち上げてコッチ側に倒れたのだろうか?
ドゥークーは力尽きたヤドルにトドメを刺し、敗者の様にグッタリする。
クワイガンも死に、殺したくもないヤドルを殺させられ、もはや後戻りできないドゥークーが完全にシス卿ダース・ティラナスになった……瞬間なのかな?これは。
あまり関係ないヤドルがドゥークーと対決したのは、本当はドゥークーのマスターだったヨーダにこの役目をやらせたいがヨーダには「vs.ダースシディアス」「ルーク育成」等の役目があって殺せない、「2人の勝負つかないタイマン」も『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)でやってるから、またやったらクドい。そこでヨーダと同じ種族のヤドルにこの役を振ったのではないか。
そんなドゥークーは13年後、『スター・ウォーズ ep3/シスの復讐』(2005)の前半でダース・シディアスに裏切られ、アナキンに殺されて死ぬ。
「このヤドル、老婆だと思ってたけど熟女っぽいな」と、本作のヤドルに思って声優を調べたら『マンダロリアン』で何話も監督してるブライス・ダラス・ハワードだった。海外のサイトを検索したらデイブ・フィローニが「ブライス・ダラス・ハワードは慈愛に満ちたヤドルにピッタリだ」って事で声優にしたらしい。
とにかくヤドルがめちゃくちゃカッコよかった。

 

 


第5話『継続は力なり』 
原題:Practice Makes Perfect 脚本:デイブ・フィローニ 監督:Saul Ruiz 10分

21BBY。”オーダー66”が起こる2年前。
アソーカ・タノを訓練するマスター・アナキン・スカイウォーカー
優秀なクローン・トルーパーにアソーカを囲ませ一斉射撃して全弾ライトセーバーで防ぐという訓練。威力は抑えてあるのだろうが弾が当たればアソーカは気絶。目が覚めるたびに再開するというスパルタ訓練。
「厳しいけど、これがお前を助けることになるんだよ?」とアソーカに語りかける、シス落ちする前のアナキン。
2年後、大勢のクローン兵を前にするアソーカで終わる。これは多分、オーダー66の時で「アナキンやレックス達との訓練のおかげで助かったって話なんだろうな」という事は何となくわかるが『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020)でアソーカがオーダー66を逃れる話を観てないのでピンと来ず……。

 

第6話『決意』(最終話) 
原題:Resolve 脚本:デイブ・フィローニ 監督:Saul Ruiz 14分

18BBY。アソーカ・タノ18歳はパドメ・アミダラの葬式を遠くから眺める。……例によって『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020)あんま観てないからアソーカとパドメが友達というのがピンと来ない。アソーカを見つけたオルデラン代表ベイル・オーガナ議員はアソーカに通信機を渡す。しかしクローン大戦で疲れ切ったアソーカは「今は休みたい」と立ち去る。
5BBY。「農民のアシュラ」という仮の姿で肉体労働して日銭を稼ぐアソーカ・タノ31歳。この辺はオビワンと同じだな。逃げ延びたジェダイみんな日雇い労働してたんだろうね。
事故に遭いそうになった同僚をついフォースで助けてしまうアソーカ。そのせいで帝国からジェダイ残党狩りの尋問官がやってくる。この審問官は鳥みたいなペスト・マスクみたいな仮面被っててカッコいい。
軽い気持ちで密告した愚か者のせいで火の海となる農場。アソーカは審問官の前に立ちはだかる。
恐ろしい審問官だが、クローン大戦やオーダー66を戦い抜いたアナキンのパダワン、アソーカの敵ではなく数十秒で瞬殺。
かっこいい。やっぱSSWの戦闘って瞬殺が多いのはいいよね(瞬殺じゃない場合は逆に凄い長くなる)。
そして作品の性格上「何かの途中」みたいな話が多かった本作だが最終話はスカッとした一つの決着が観れてスッキリ。
『マンダロリアン』〈シーズン2〉(2020) でのアソーカ45歳の話もそうだったが、アソーカ主人公の話って時代劇になりがちで良いですね。

 

 

あまり期待せずに観たけど最終話、そして何よりも第4話が思いのほか良かったので今年『オビ=ワン・ケノービ』(2022)観てSWへの興味を失った状態(ep1、ep8&9に続けて3回目)になってたが少し回復した。
思わず観てなかった『キャシアン・アンドー』(2022)も観始めたし、来年の『アソーカ』(2023)への期待も出てきた。短編とはいえ「プリクエルの殺伐さ」、「一瞬でつく勝敗」など自分がSWの中で好きな部分が多く観れて満足しました。

 

 

 

 

そんな感じでした
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🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴🔵🔴

スター・ウォーズ:テイルズ・オブ・ジェダイを視聴 | Disney+(ディズニープラス)
Tales of the Jedi (TV Series 2022– ) - IMDb

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル』(2022)/マンティス&ドラックスは楽しいが、少年期のトラウマに対峙する以外させてもらえない中年男性スターロードと現実のバッシングを反映してずっと暗いままのクリプラが気になる🦝🎅🎄


原題:The Guardians of the Galaxy Holiday Special 監督&脚本:ジェームズ・ガン 製作:ケヴィン・ファイギ 原作:ダン・アブネット、アンディ・ランニング 『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』 製作会社 マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 配信時間:約42分 シリーズ:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのスピンオフ。マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション第2作目。マーベル・シネマティック・ユニバース マーベル・シネマティック・ユニバース

 


ハロウィンに配信された単発の中編映画『ウェアウルフ・バイ・ナイト』(2022)に続いて作られた、Disney+のドラマとは違う「マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション」という新しい枠の第二作目。詳細は不明だが記念日などに単発でお送りする特別番組みたいな感じ?タイトルは勿論『スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル』(1978)から……。
クリスマスは一ヶ月後なのに随分早めに配信された。
この作品の予告編が2022年10/26に突然まるまる全部リークされた、YOUTUBESNSでね。予告が丸々全部リークされたのは初だったので驚きました(その代わりに解像度が低かった)。その2時間後に公式が正式な予告編を公開した。これによってリークの拡散は止まりニュースになったりせず火消し成功した。どう見ても急遽へんな時間に公開したもんだから日本語字幕とかは付いてなかった。
ウェアウルフがそうだったけど本当は12月の序盤に予告を公開してクリスマスに公開する予定だったんじゃないのかな?と思った。

ガーディアンズの冒険としては『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)『ソー:ラブ&サンダー』 (2022)に続く話。
監督のジェームズ・ガンMCUからDCへと発展的な移籍したばかりかDC映画のトップになった、僕はジェームズ・ガンもDCコミックも好きなのでこれは凄いニュースなのだが話題にしてる人が少ないのが疑問だ(アメコミ映画好きな人ですらあまり話題にしてないのが不思議)。ガンのMCU作品としては来年、公開される『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』(2023)が完結編となる。

ネタバレあり

 

 

 

 

Story
『ソー:ラブ&サンダー』 (2022)
でソーとコーグと別れた後のガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー

どうやらガーディアンズは、かつてコレクターが支配していた惑星ノーウェアを、買い取って皆の惑星にしているらしい。
チーム的には、痩せっぽちだったグルートはマッチョになっており、クラグリンや宇宙犬コスモも完全にガーディアンズ入りしている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で過去から来たガモーラは相変わらずどこかに消えたまま。
ガモーラの不在のせいでピーター・クイル/スターロード(演:クリス・プラット)は元気がない。
クイルに元気を出してもらおうとマンティス(演:ポム・クレメンティエフ)とドラックス(演:デイヴ・バウティスタ)は彼のためにクリスマス・パーティを企画する。
クイルへのプレゼントとして彼が昔からずっと憧れていた俳優ケヴィン・ベーコン(演:ケヴィン・ベーコン)をクイルに会わせる事にする――

そんな話。
つまりマンティスとドラックスが主人公。
僕はガーディアンズの中でも……いや、MCU全キャラの中でもこの2人はベスト5に入り続けてるくらい好きなので単純に嬉しい。
ラヴェジャーズに拾われた頃のクイルはクラグリンとクリスマス・パーティをしようとするが、ヨンドゥに怒られて中止させられた……という逸話を聞いて同情したマンティスがクイルのためのクリスマス・パーティを企画する。相棒のドラックスと共に、地球のハリウッドにやって来てクイルの子供時代のヒーローであるケヴィン・ベーコンを連れてくる事にする。
ハリウッドに降り立ち、ベーコンの住んでるとこを聞き込みする2人。クリスマス時期のハリウッドは浮かれたやつが多いので2人も特に怪しまれない。
キャップのコスプレしてる奴を本物のキャップだと勘違いして「スティーブ!」と抱きつくマンティス。本物のキャップと仲良くなってたんだな。サノスを倒した後に打ち上げとかあったのかな。
ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーという宇宙のヒーローチームがアベンジャーズに手を貸してサノスを倒して地球を護った」という事はボンヤリと地球人に知られている事は『ミズ・マーベル』 (2022)アベンジャーズ・コンでわかった。だがキャラが強いロケットやグルートは知られてるっぽいが、その他のメンバーは周知されていない感じ。マンティスとドラックスを見てもガーディアンズだと気付く人は居なかった。
マンティスとドラックスがケヴィン・ベーコンを追いかけるくだりは、マンティスの猿のような敏捷性、銃撃されてもくすぐったくて笑うドラックスなど彼らの強さが充分に観れる(ドラックスはハルク並に強いのだが彼のパワーはコメディシーンにしか発揮されないのが面白い)。ドラックスといえばSNS等で「ドラッス」という言い間違えが多いのが気になる。「G」じゃなく「X」なんだから「ク」だろう。ドラックスはまだ良いがバットマンの事も「バッマン」という間違えも気になる。蝙蝠は「BAT」だろう、なのに「BAD」じゃ悪い男になってしまうから意味自体変わってしまうやろ、本当にバッツ好きなのか?……と10数年思ってる。
マンティスは触った相手を眠らせたり思い通りに洗脳できる、地球で困ったらこのパワーで全て乗り切る。マンティスといえば何気に対サノス戦で最も効果的な戦力だった。「直接、手で触る」という予備動作が必要なので「直接触る事が出来るなら、それ以前に只の人間でも敵を殺せるじゃん」という感じはあるが、殆どのヒーローが物理的にダメージを与えられないサノスが相手でも、サノスの手足を拘束すればマンティスは有効だという事が示された。
楽しい追いかけっこの末、マンティスはケヴィン・ベーコンを洗脳し、クイルへのプレゼントとしてノーウェアに持ち帰る。
そういえばノーウェアは、一作目から「コレクターが支配する惑星」として登場していた。今ではガーディアンズの領地になっていた。『ソー:ラブ&サンダー』 (2022)でソーと別れた後、ガーディアンズはノーウェアを統治したようだ。
しかしノーウェアはセレスティアルズの頭蓋骨……いわば死体なので今後セレスティアルズや(MCUに登場したのとは別の)エターナルズに見つかると住んでるガーディアンズや民たちは皆殺しにされかねないので実は全く安全な惑星ではない。
だが今のところは皆で楽しく暮らしているようだ。
ケヴィン・ベーコンを洗脳してノーウェアに連れ帰ったマンティスとドラックス。
しかしクイルはマンティスとドラックスの非常識な行いに激怒。洗脳を解きベーコン氏を地球に返そうとする。ベーコンはクイルのお兄ちゃん的な立場のクラグリンから「ケヴィン・ベーコンが如何にクイル少年のヒーローだったか」を聞かされ、クイルのために心温まるクリスマスを決行。ガーディアンズもプレゼント交換をして楽しむ。
ついでに昔、クリスマスしたかったクイルに辛く当たってたヨンドゥも実はいつものようにツンデレしていただけだという事や、クイルとヨンドゥが贈りあったプレゼントが何だったのか明かされて話は終わる。
ジェームズ・ガンが得意とする”仲間の絆”を押し出したハートウォーミング・ストーリーだった。
あってもなくてもメインのナンバリングには大して影響しないという内容。ファンがよく「○○と◇◇が楽しくしてるだけのDisney+のMCUドラマが観たい」という話がされがちだが本作は正にそんな感じだった。

 

 

僕が好きなドラックスとマンティスとケヴィン・ベーコン演ずるケヴィン・ベーコンが主人公の中編映画。
ハートウォーミングだし楽しかったのだが、同時に「ジェームズ・ガンは一体いつまでこんな話続けるの?」という気持ちも少し浮かんだ。
1作目はママと仲間、2作目はパパと仲間、本作では少年時代のヒーローとクリスマスを過ごす……という話で徹頭徹尾「少年のまま体だけ大きくなった白人男性ピーター・クイルが少年期の喪失感を回復させる」という展開が続ける。
ジェームズ・ガンの作品はどれも「仲間との絆」「家族」「ジェームズ・ガンの好きなカルチャー」がテーマなので全作そうなんだけど。
人には好みあるから、好きな作品には差があって、

超好き!:『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)、『スーパー!』(2010)

好き!…な部分とそうじゃない部分両方ある:『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)

普通:『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(2019)※制作 、『スリザー』(2006)

というのが僕の中での差。
世間一般的には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)が一番人気ある。僕はというと、妙にウェットな描写やヨンドゥの長い葬式とか、やたらハシャいでる印象のコメディシーンの異常な多さとかが好きじゃない、でもスターロードがエゴの「私の誘いを蹴れば無限のパワーを失って凡人になってしまうんだぞ!?」という誘いを「それの何か悪い?」と拒絶する場面やドラックスやマンティスの楽しいくだりはクソ好きだが……要は好きなとこと、そうじゃないとこが両極端。
ガン作品は「仲間との絆」「家族」「ジェームズ・ガンの好きなカルチャー」の三本柱が横軸で、縦軸は「ウェット」か「ドライ」かというのがある。で「ウェット」の度合いが高まると好きじゃなくなる。ジェームズ・ガンは本人も作品も元々ウェットなので更にウェットにすると度が過ぎると思う。
このシリーズのメインのファン層……キッズ~20代くらい?を考えると、中年の自分がガーディアンズのシリーズを観て、こんな風に思うこと自体が間違ってるのかもしれない。本作を観て「最高に泣けた!」という人が……知り合いの若(わか)たちも「最高!」とか言ってる時に老(ロウ)の自分がいちゃもん付けるのも別にしたくないんですよね。別にそこまで自分の話を聞いてほしいわけでもないし……(本気で聞いてほしいならTikTokYoutubeでやっとる)。
そんな感じで本作は、マンティス&ドラックス&ケヴィン・ベーコンケヴィン・ベーコン)の楽しさ。少年期のトラウマにしか向き合えさせられないピーター・クイルへの不安……という感じがありました。スタロも、もうアラフォーだろうに。
で、そのスターロードだが『ソー:ラブ&サンダー』 (2022)に続いて異常に暗い。『ちびまる子ちゃん』のキャラみたいに顔にずっと縦線が入っている。明るいキャラだったのに本作で笑顔を見せるのも、一回怒った後にベーコンの演奏やプレゼント交換、マンティスとの会話の時くらいだ。
これは何故かというと、作中では「ガモーラを失ったから」という事になってるが、実際のところはスターロード役クリス・プラットが私生活でバッシング&キャンセルされ続けてるからだろう。実情を語ると長くなるし面倒なので各自検索してもらうとして、一言で言うと色んな無神経発言とか猫が成長したら他人にあげちゃったりした事とか宗教的政治的なスタンスによりバッシングされている。クリプラ本人も強く反論しないし、アベンジャーズ仲間が擁護しても「白人仲間が叩かれた時だけ助けるのか!」と更にバッシングされてしまう状況(実際、初代アベンジャーズ白人男性俳優たちは女性や異人種キャストが叩かれた時あまり擁護しない)。
つまりクリプラはもう2年くらい追い詰められている。で一番擁護し続けてるのはジェームズ・ガン。ガン本人も過去の発言で一瞬MARVELスタジオから追放されかけたし、やらかした事に思うところあるのだろう。『ピースメイカー』(2022) が正にそうだったが「人間やらかす事もあるけどセカンドチャンスくらいあげようや……」という内容だった。
で、『ソー:ラブ&サンダー』 (2022)や本作のスターロードがずっと暗いのは、彼がはしゃぐと叩かれるからおとなしくさせてるんだろう、と思う。
僕はというとガンは好きだしクリプラに対しても、良く言えば「単純に無神経で天然な人なのかな?」と思っている。だが『ピースメイカー』(2022)の内容のようにチャンスはあるべきだと思う。
そんな感じで来年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3(原題)』(2023)を見守ろうと思う。ロケット死にそうだよね……。

 

で、次のMCUは来年からフェイズ5、その一作目2月に映画『アントマン&ザ・ワスプ:クアントマニア』(2023)、でDisney+は序盤にドラマ『シークレット・インベージョン』(2023)、アニメ『ホワット・イフ?』シーズン2(2023)……みたいですよ?

 

 

 

 

そんな感じでした

MCUの関連作〉

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ジェームズ・ガン監督作〉
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)/前作とハーレイ単独作で上手くやれなかった部分を全部こなすガン監督。そして本作そのものより魅力的なピースメイカー⭐ - gock221B
『ピースメイカー』〈シーズン1〉(2022) 全8話/「過ちを犯したクソ野郎にも更生の余地はあるのでは?」とジェームズ・ガンが問いかける傑作ドラマ🚽 - gock221B

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:ホリデー・スペシャルを視聴 | 全編 | Disney+
The Guardians of the Galaxy Holiday Special (TV Special 2022) - IMDb

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『メカニック:ワールドミッション』(2016)/最初の40分だけ我慢したら後は暗殺ゲーム『ヒットマン』シリーズ実写版みたいな暗殺のお仕事や終盤の無双とか凄く面白かった👨🏻‍🦲


原題:Mechanic: Resurrection 監督:デニス・ガンゼル 原作:ルイス・ジョン・カリーノ 原案&脚本:フィリップ・シェルビー 脚本:トニー・モジャー 製作国:アメリカ 上映時間:99分

 

 

数年に一度来るジェイソン・ステイサム映画が観たくなる時期が来たので、まだ観てないステイサムが出てる映画観ようと、ポール・フェイグのコメディ『SPY/スパイ』(2015)観て、ブログには書かなかったけど面白かった。
SPY/スパイのgockの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
今度は主演作観ようと、これ観た。
チャールズ・ブロンソンの映画『メカニック』(1972)……のリメイク『メカニック』(2011)の続編らしい。だけどオリジナルのやつ観てないし一作目も地味そうだったので飛ばして、共演者が一作目より豪華な2作目のこれ観た。


 

 

足を洗って平穏に暮らしていた元殺し屋アーサー・ビショップジェイソン・ステイサム)。彼は自分に恨みを持つ犯罪者クレイン(サム・ヘイゼルダイン)から殺しの依頼を受けるが胡散臭いので断る。
ビショップはジージェシカ・アルバ)というカンボジアで慈善事業して子供達を助けている女性と仲良くなる。
クレインはジーナを人質に取り、最初にしたかった依頼を無理やりビショップに行わせる。それは自分の商売仇である三人のフィクサーを暗殺しろというものだった――

みたいな話。
ジーナは、クレインに脅迫されて送り込んだ刺客だったりクレインは主人公の幼馴染だったりしたくだりもあったが、どうってことないので省略した(というか今ググるまでよく知らなかった)。主人公がジーナを命懸けで救おうとする動機もよくわからんし人間ドラマがめちゃくちゃ下手。だから始まって40分くらいはモタモタしててあんまり面白くない。だから一旦観るの止めて、後日つづき観たら面白かった。というか前半以降のアクションになると異常に面白くなる。あらすじだけネットか何かで読んで40分くらいから観てもいいかもしれん。‪『スター・ウォーズ‪』‬冒頭みたいに「暗殺者ビショップは休暇中にジーナという女と知り合う……」とか文字で説明して40分省略すればいいのにとすら思った。
そういえばジーナと知り合うタイのビーチでは、ミシェル・ヨー演じるビショップの知り合いらしき女性も出てくる。「昔助けたキャラか?」と思ったが別に前作に出てくるわけでもないみたい。そんな感じで前半は全体的にもったりしていて面白くない。悪い男をやっつけて助けたジェシカ・アルバ演じるジーナのセクシーな水着姿やステイサムとのベッドシーンがあるが「なんか……80~90年代の映画みたいで古臭いなぁ」と感じた。実業家としても成功してる聡明なジェシカ・アルバが近年「私がラテン系のせいでハリウッドからはセクシー女の役しか貰えなかった」とよく言ってるのも思い出したのもある。
それは置いといて前半は単純にもったりしてて面白くない。この前半の40分くらいは「こんなの5分で済ませて面白いシーンに行けや」という感じだった。
クレインに「三人の大物フィクサー暗殺」の依頼を無理やりやらされてからは最後まで「えっさっきまでの何だったん?」ってくらい、前半の数十倍面白くなる。
僕はIO Interactiveの暗殺ゲーム『ヒットマン』トリロジー(2016~2022)が大好きで何年も延々とやってるんだけど、この映画はその『ヒットマン』トリロジーの実写版かってくらい、暗殺ミッションが似ていた。
実際、『ヒットマン』シリーズの実写版を撮ろうとしてステイサムに依頼あったがステイサムが断ったって噂もあった気がする。で、実際に『ヒットマン』実写化映画は2作あるが、どっちもゲーム『ヒットマン』とは似ても似つかん、ただハゲがアクションしてるだけっぽいので観なかった。
だが、この『メカニック:ワールドミッション』(2016)は、めっちゃくちゃ『ヒットマン』実写版っぽくて良かった。
ゲーム『ヒットマン』は、自由度が高いので撃ちまくって皆殺しにしてクリアする事も可能だが、基本的にはターゲットだけを誰にも気づかれず殺して誰にも見つからず脱出するのが基本のゲーム(変装なしだと更に高得点)。
本作は、ビショップがクレインに「ブッ殺すんじゃないぞ?あくまでも事故でたまたま死んだように暗殺しないとダメだ」と縛りを作ってくれたおかげで劇中のビショップは、正にゲーム『ヒットマン』シリーズの実写版にしか見えないように次々と暗殺していく。
刑務所内に居る大物犯罪者に対しては、自分も軽犯罪で刑務所に潜り込み。ターゲットをブン殴ってドラッグ的なものを大量に喰わせオーバードーズに見せかけ、持ち込んだ煙草に隠した小型爆弾で壁を破壊し脱出……こんな事したらステイサムが殺したとしか思えない気もするが……まぁ、証拠がなければいいって感じなんだろう。
二人目は高層ビルのせり出たプールで泳ぐ習慣がある男だったので、下の階から『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)でも使ってたハイテク吸盤で壁やプールの下部を移動し、ドリルや小型爆弾でプールを破壊。あくまでターゲットが泳ぐプールが突然壊れた感じで暗殺。これら2つの暗殺がもうめっちゃくちゃ面白い。
ゲーム『ヒットマン』の実写化をステイサム主演で妄想する人は多いと思うが「ステイサムが主演するとして……撃ち合いとか無しで『誰にも気づかれず暗殺』って、地味でつまんない映画になるかな?」と思ってたけど、本作観たらめちゃくちゃ面白かった。そういえばYOUTUBEとかで料理とか職人の作業とか工場の機械見てたら面白いもんね。ああいう感じでやればいいんだな。
それだけだと渋すぎるかもしれんが、終盤はクレインの客船に乗り込んでって何十人もブッ殺して無双するからね。
「あぁ『ヒットマン』もこういう感じで映画化すればいいんだ」と思った。
そんで、ステイサムが『ヒットマン』実写化を断ったって噂も頷けるものがあったね、大作は作れないけど幾らでも好きな映画をこうやって作れるしね。何しろMCUの依頼も断りまくってるらしいしね。ファンとしては『デアデビル』の宿敵ブルズアイを是非ともやってほしい……。
ジェシカ・アルバが出したヒントで居場所がわかったビショップは、クレインの客船に乗り込み数十人のクレインの部下を殺しまくるが、あと一歩のとこで救出に失敗し逃走。仕方なく三人目の暗殺に取り掛かる。
三人目は原子力潜水艦を持ってるトミー・リー・ジョーンズ(このターゲットも『ヒットマン2』で出てきた)。ステイサムはクレインを倒してジェシカ・アルバを救うため、トミー・リー・ジョーンズ演じるマフィアと手を組み、トミー・リー・ジョーンズの死を偽装する。チョイ役だけど名優トミー・リー・ジョーンズだけあって、めちゃくちゃいい味が出てる。もう何が起きても嬉しそうに笑うだけの大物マフィアキャラ。トミー・リー・ジョーンズのファンだったし嬉しかった。
そんな感じで当然、クレインの客船に乗り込み、後は当然皆殺し。
楽しかった……『ヒットマン』っぽい中盤の暗殺ミッションも想定してない面白さだったし、観たかった無双も観れたし満足した。
良くも悪くもB級映画だし「好きな映画ベスト10」とかに入る映画じゃないけど昔のTVで言うと「深夜に放送してたから、つまんないなと思いつつ何となく観てたら中盤以降が思いのほか面白くて最終的には大満足してた」って感じの映画だった。古くはジョン・カーペンターとかトビー・フーパーとかデヴィッド・クローネンバーグとかマーティン・スコセッシの映画を深夜TVで観て好きになる感じ、最近だと『ウィリーズ・ワンダーランド』(2021)とか観て思いのほか面白かった感じ。
ジェシカ・アルバの変わらぬ可愛さやセクシーさ、トミー・リー・ジョーンズの良さもバッチリだしBlu-rayとか少し欲しくなった。
しかしミシェール・ヨーを出したのに全くアクションのない只の中年女性役というのはどうなのか……。
ステイサムの活躍、『ヒットマン』的な「殺しのお仕事」など観たい人にピッタリだと思った。一作目も観ようと思った。
というかIO Interactiveはステイサムに改めてお願いして本作の感じで『ヒットマン』実写化してもらうべき。『キャッシュトラック』(2021)みたいな無感情演技で本作みたいな描写で暗殺して『ヒットマン』トリロジーのストーリーすればいいだけ。もう完全に見える。

 

 

 

そんな感じでした
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Mechanic: Resurrection (2016) - IMDb

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