gock221B

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『キュア ~禁断の隔離病棟~』(2017)/雰囲気とか怪奇映画みたいな終盤は良いけど脱出しては連れ戻される‥が繰り返され過ぎてしんどい

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原題:A Cure for Wellness 監督&脚本&原案:ゴア・ヴァービンスキー
製作国:アメリカ 上映時間:147分

 

一体どういう映画なのか全然知らずに観た。
この監督は「リング」ハリウッド版リメイク「ザ・リング」とか「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどの人。
監督&脚本&原案だし、原作がある大作映画ばかり撮ってきた雇われ監督が本当に撮りたかった映画はこれだったんだろう多分
主人公のデハーンはアメスパのハリー・オズボーン役でその才能に注目が集まったがリュック・ベッソンのSWのこと「ヴァレリアン」とかアメスパとか、出演した大作映画がどれもヒットしない不遇の俳優。
ヒロインのミア・ゴスは「ニンフォマニアック Vol.2 (2013)」で、プロのビッチ主人公シャルロット・ゲンズブールの養女役をやってた眉毛のないギレン・ザビ風のやたらと脱ぐ役が多い美少女。凄く雰囲気あって良い感じだがシャイア・ラブーフと電撃婚した。シャイア・ラブーフは嫌いではないが若い時に彼と長く付き合ってるという時点で相当ヤバい気がしないでもない
というかこの男女の主人公、顔の雰囲気が似てるので兄妹に見えるな

 

 

Story
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NYの金融会社で働く主人公ロックハートデイン・デハーン)は、アルプスの巨大な療養所に出かけたまま戻らない社長を連れ戻すように会社から命じられたので件の療養所にやって来るが、なかなか社長に会わせてもらえない。
そんな中、彼が乗ってたタクシーが事故って脚を骨折。そのまま療養所で治療を受ける事になる。
そこで、やっと社長に会えるが様子がおかしいし、すぐ行方不明となってしまう。
患者たちは皆、外界で成功した富裕層ばかりだが妙にボンヤリしてるし、院長ジェイソン・アイザックス)や職員たち、年寄りばかりの療養所で一人だけ若く院長が贔屓にしている少女の患者ハンナ(ミア・ゴス)なども皆どこか怪しい。
ロックハートは社長を捜しながら療養所で治療をしたり、ハンナを連れ出して町に降りたり色んな話を聞いたりウナギの幻覚を見たりしてるうちに、この施設の恐るべき秘密を知るのだった
そんな話

 

 

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そんな話なので当然、この療養所や院長は良からぬことをしていて、FFの主人公みたいな名前の主人公ロックハートはそれを暴いてここを出ていこうとする話。
だが味方が居ないアウェイの場所だし脚を骨折しているのでままならない。
しかし治療の過程で幻覚を見たりするし「ひょっとして俺は狂気に囚われてるのでは?」と、主人公が自分の主観に自信が持てなくなる系の療養所ミステリーサスペンス+田舎ホラーっていう雰囲気で話が進んでいって、終盤一気にホラーになる。ホラーっていうより昔の怪奇映画みたいな感じになる。
そんな終盤と序盤はワクワクして好き。
ヨーロッパの療養所が舞台の映画って、自分に縁がない場所だし異世界に思えるから面白い(感想記事書いてないけど「グランド・フィナーレ」という療養所みたいな高級ホテル映画も面白かった)
序盤で、ロックハートが巨大アイソレーションタンクに入るという謎すぎる治療法のシーンが面白かった。職員が「タンクでは幻覚を見ることがあります。異常があればタンクを叩いてください」と言う。そしてロックハートは大量のウナギの幻覚を見て酸素ボンベを落としてしまう。外では職員の元に美しい看護師がやってきて白衣を脱いで乳を見せる。だけどその乳は若いのに異常なまでに垂れている。職員はその乳を見ながらシコりまくる!だからロックハートのSOSに気づかずロックハートは死にかける‥という間抜けなシーンが面白かった。他にも新たな謎をGETするシーンはどれもシュールで楽しい
この監督ってこういう映画が撮りたかったんだなぁと思った。
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序盤と終盤は面白いが、中盤がイマイチだったかもしれない。
院長やこの診療所の陰謀の新事実が明らかになる度に、ロックハートは外部に連絡したり外の世界に出ようとしたり警官に垂れ込んだりする。
その度に院長や職員たちに捕まって診療所に連れ戻される。そして「あなたの精神は混乱しています」と諭されて治療を受ける。
定番の展開だ。だけどそういう展開は1、2回でいいだろう。3~5回くらい繰り返されるので観ていていい加減しんどくなってくる。
「田舎ホラーで地元の警察に垂れ込んでも、診療所の儲けで麓の村も成り立ってるんだからグルに決まってるだろ!」とかイライラする。
そもそもこういう謎の田舎を尋ねる映画では否が応でも主人公に感情移入して観てるので、不本意に拘束される施設に連れ戻されるシーンが繰り返されたら本当にダルい。
そんな風に停滞する中盤はダルかったが全体的には面白かった。
特に序盤のミステリーっぽさ、終盤の怪奇ホラー映画っぽさが良かった(仮面とか炎上とかのクラシックな怪奇っぽさはワクワクした)
でも印象が分散して曖昧になってる気がするので、サスペンスなのかミステリーなのかホラーなのか、どれか一つに絞って分かり易くした方がヒットしたのではないか?と思ったが、この監督はきっとこういうどういう内容か曖昧なものが作りたかったような気がするのできっとこれで良かったんだろう


そんな感じでした

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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)/映画としてもSWとしても完全に破綻してるが初見時はその焼畑農業っぷりを楽しんだ部分もあった⭐

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原題:Star Wars: The Last Jedi 監督&脚本:ライアン・ジョンソン
製作:キャスリーン・ケネディ、J・J・エイブラムスほか
製作国:アメリカ 上映時間:152分
シリーズ:「スター・ウォーズ」シークエル・トリロジー。「スター・ウォーズ」シリーズ

 

 


旧三部作‥オリジナル・トリロジー(1977-1983)から30年後を描いた、シークエル・トリロジー(続三部作)の2作目。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015)」の続編。
2015年から新しく作られ始めた「フォースの覚醒」も外伝「ローグ・ワン」どちらもかなり楽しんだ僕ですが2本観て「大体こういう感じか」というのがわかってきて若干テンションが落ち着いた。ざっくり言うと2本とも楽しいけどファンサービスが豊富で、これを観て喜んでいるとそんな自分が「懐かしいネタを振られて喜び続けるヲタ(しかも中年の)」みたいに感じさせられる何だか恥ずかしい感覚も湧いてきた。
また、ジョージ・ルーカスは今まで映画製作としてもフィクションとしても新しい要素を必ずぶち込んできていた(プリクエルトリロジーなどは面白くない失敗作だったが映画CG技術を飛躍させたり「今までと違うノリ」などに果敢に挑戦はしていた)
要するに「新しいディズニーSWって楽しいけど、要は金を取られ続ける気持ちいいぬるま湯システム?」という懸念が湧いてきたのだ(MCUとかにも言える)
そのせいもあってか本作の予告編を観てもあまり興味をそそられなかったんだけど「評論家がめっちゃ褒めてるが、SWヲタが激しい拒否反応を示している」という公開後の状況を知ると「何だか面白そうだな‥」と再び興味が湧いて観に行った。
結果的に僕は本作を気に入りました。
思い返すとおかしな場面もめっちゃ多かった、いやむしろ良くないところが殆どだけど数少ない良い場面がそれを凌駕しているという偏ったタイプの映画だった。
ひょっとすると観に行く前日にネタバレツイートを目にしてしまい何が起きるか全部知ってしまい全く期待しない状態で観たせいかもしれない(公開初日にワクワクして観に行ってたらムカついてた可能性が高い)
ちなみにこの監督の作ったもので観たのは「LOOPER/ルーパー(2012)」だけ。ルーパーは設定や掴みが良いけど話が進んでいくほど「なんじゃこりゃ」と思わされる気に入らない映画だった事だけは覚えている。この最後のジェダイも似た感じでインパクト強いシーンが上手いが破綻してるような訳のわからん描写も多かった。
ちなみにほぼネタバレしてるのでご注意を‥

 

 

 

Story
遠い昔 はるかかなたの銀河系で‥
銀河帝国の残党ファースト・オーダーの支配に対抗するレイア・オーガナ将軍(キャリー・フィッシャー)率いるレジスタンス。フォースが覚醒したスカベンジャーの女性レイデイジー・リドリー)。元ストームトルーパーの黒人男性フィンジョン・ボイエガ)、レジスタンスの天才パイロットポー・ダメロンオスカー・アイザック)ら若者たちの活躍で、大事な仲間を失いつつも超兵器スターキラーの破壊に成功はするが、ファースト・オーダーの圧倒的物量の前にレジスタンスは依然として撤退戦を余儀なくされていた。
レイは、姿を消した伝説のジェダイルーク・スカイウォーカーマーク・ハミル)が隠遁している孤島を訪れてレジスタンスへの協力を求めようとする。

レジスタンスは、執拗に追跡してくるファーストオーダーに苦戦している中、ポーやフィンは新たなミッションを行おうとする。
レジスタンスの命運は?悪しきフォースの使い手カイロ・レンアダム・ドライバー)の狙いは?
そして“最後のジェダイ”とは一体誰のことなのか

そんな話

 

 

前半
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序盤でポー・ダメロン中佐が中心になってハックス将軍と闘っている。
SW世界特有の、音が聞こえて重力もあるSW宇宙空間で。
このシーンは、SW好きじゃない人にもわかりやすく多くの人が楽しめそうな戦闘だった(シスの復讐冒頭のパルパティーン救出シーンを思い出した)
そしてポーとハックスというセレクトも、前回あまり出番が少なくてイマイチどういう奴なのかわかりにくかった2人だったので丁度良かった。
ポーは、前作の冒頭でもカイロ・レンに「マスク被ってるから何言ってるかわかんねーよ」と煽ってたが、今回も名前間違えや嫌味を言ってムカつかせるのが得意なようだ。(劇場でもうけていた)。
そして前作ではわからなかったが今回ポーは敵にガンガン突っ込む猪突猛進キャラらしい事がわかった。
一方、前作では殆ど出番がなくナチっぽい雰囲気で偉そうにしてるだけだったハックス将軍だが、今回はコントみたいなデカいリアクションで怒ったり焦ったりして見せる。こんな面白キャラだったとはな。。
前作で、父殺しを果たすも素人レイに完敗した事からか、今回のカイロ・レンは一皮剥けて達観して厨二病要素やヘタレ要素が大幅に減少しており、その分彼のヘタレ要素が全てハックス将軍に行ってしまった感がある。
ポーは、レイアの指示を無視して無謀な行動に出て一時の勝利をおさめるが、勝利の陰ではレジスタンスの犠牲も多く出てしまう(ローズの姉もここで命を落とす)
そのためポーはレイアにビンタされてキャプテンに降格される。
ハックスは最高指導者スノークアンディ・サーキス)のホログラムに、部下の前でめっちゃ怒られた上にフォースで引きずり回される、おかしな格好で!
ハックス「あひぃ~!お助け~」
スノーク「できの悪い部下こうしてやるぞ!( ´・ヮ・`)」
真顔で笑いをこらえていそうな部下たち。楽しい職場だ
スノークはカイロ・レンに「ああいう小物は使い出がある!」と自慢する
その後、レジスタンスの艦隊はハイパースペースでワープしたはずなのに、カイロ・レン率いる大部隊がその後にピッタリと現れて甚大な被害を受ける。
今回、SWヲタの神経を逆撫でる場面が多いがあまりムカつかなかったが、アクバー提督がさらっと死んだらしい事が口頭だけで伝えられる。さすがにこれはムカついた。後でローラ・ダーン演じるしょっぱい使い捨てキャラが活躍をするのだが、それをアクバーにやらせろよ。
同シーンでレイアが江田島平八的な事するのだがこれもちょっと‥。
後ろに座ってた白人の大学生集団が爆笑しはじめると恥ずかしくなってきて「早く終われ!このシーン!」と願った。
自分は本作の突飛なフォース表現には割と寛容だったがこれはちょっと‥、凍りついたオバサンが自力で蘇生して宇宙空間を真顔でスーッ‥と飛翔してる画が面白すぎてだめだ(逆に言うとカッコいい画なら構わなかった)
我々人類には宇宙をゆっくり翔ぶ真顔のレイアを受け止める準備がまだできていない
というかスーパーマンみたいに速く飛んでも変だし、テレポートしたらジェダイ感が更に無茶苦茶になってしまうし、この場面を良くするアイデアはないね。だからやっぱりこのシーンは必要ない。普通に「艦橋が爆発してレイア負傷」で良かったんだよ(ついでにアクバーも無事でローラ・ダーンのキャラも出てこなければベスト)
だけどレイアがフォースを駆使する事を知ったキャリー・フィッシャーは大喜びで撮影に望んだと聞かされると、まあいいか‥とも思えてくるのだった。
究極生物カーズでも出来ない宇宙飛行をあっさりやるほどフォースが強いんだからレイアが本気で修行したらドゥークー伯爵とかダース・モール程度なら一撃で倒せそうだな。
 

 

 

中盤:ジェダイ関連
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レイは頑固ひきこもり独居老人となったルークに協力を仰ぐ。
完全に心を閉ざしてレイを受け入れないルーク。渡された大事なライトセーバーもポイ捨てしてしまう。チューバッカがドアを蹴破るので「やっぱチューバッカは強キャラだな」と思った。R2はルークに罵詈雑言を浴びせ(恐らくビッチとかファックとか言っている)懐かしホログラムを見せる。旧キャラに冷たい本作の中ではこの2人は結構おいしい場面を貰っていた(C3なんかは「うるせえ喋るな!」って言われて終わり)
渋々とレイを鍛えるルーク。
レイから激しい目線を外さず乳がいっぱいある気持ちの悪い動物の乳首からブルーミルクを絞り口からあふれさせながらワイルドに飲むルーク‥。このジジイやばいぞ‥
続けて島の断崖を動き回ってデカい魚を持って帰る、初期ドラゴンボールの悟空のような生活をしていたルーク。
島に住む魚みたいな島民が可愛い
ちなみに前回のレイは爽やかすぎてセクシーさゼロだったが今回は妙にエロかった。修行キャラになってストイックな表情をしていたせいか。それともあのガントレットみたいな手に付けてるものがエロいのかもしれない。
修行中、ルークにくすぐられたレイが
「>o<;あぁ~マスター!きてますきてます!フォース感じま~す!」
とか言ってルークに「あほか!」と突っ込まれるシーンとか最高だった。
フォースの覚醒ではカイロ・レンが一番好きだったし今回も良いのだが、今回は成長した彼から厨二要素が減少してヘタレ要素がハックス将軍に移行し、その分変質的な要素ばかり目立ってきてしまいシャレにならないくらいキモさが増した‥好きな女子のSNS過去ログ全部読んでそうな生々しさに引いた。特にフォース通信が繋がった時に何故か裸をレイに見せつけ「ちょ、ちょっと‥服着てよ」と言われても聞こえてないフリをして裸を見せつけるという場面はチンコを見せつけてるようにしか見えず、かなりキモいものがあった(たまにルークが父親みたいに邪魔しに来るのも、実はスノークがフォース回線を繋げているというのも可笑しい)
カイロ・レンがフォースストーカーするもんだから、ただでさえ可愛いレイがカイロ・レンの変質者視点に観てるこちらも入ることによって「羊たちの沈黙」のクラリス効果でより可愛く見えた。
レイアの江田島平八的行動はちょっとアレだったが、他の目新しいフォース要素は結構好き(フォース通信、ルークの分身、フォースの霊体による落雷とか)
「そんな色んなことができるなら何で過去作でやらなかった」的な批判もあるようだが、別に今回思いついたんだからいいじゃんと気にならなかった(というかSWのことはたまたまヒットした金かかったB級映画くらいにしか思ってないのであまり腹立たない)
きっとこの監督はそういうハッタリ効いたシーンが上手いのだろう。
レイが孤島の地下で自分の出自を探るが気づかないふりをしている?場面、あの0.数秒時間のずれた無数の分身が現れて指をスナップし、自分の両親を視ようとするも自分しか見えない‥という幻視はかなりカッコよかった。レイが示した空っぽの空虚なヒロイン像はグッと来るものがあった
その後レイがルークに見切りをつけてファルコンから発射されたカプセルでスター・デストロイヤーに来てカイロ・レンやスノークと会う一連のシーンとか、レイの出自とかスノークの運命とか、レイが出ていった後のルークとかジェダイ聖典を焼き捨てる場面とか、フォースの使い手絡みのシーンは割と全体的に好き
スノークはまたしてもレイを誘き寄せた自分のことを「わしはヤングの事は‥よくわかっとる!」と自慢してるとカイロ・レンにあっさり即死させられる。
さらばスノークよ‥
だからスノークは「皇帝っぽい策謀とフォースが強いラスボスっぽい奴」ってだけのキャラだった事が決定づけられた。次で生き返ったらカイロ・レンの立ったキャラが弱まるからもうこれは死んだ。そして恐らく正体は語られないだろう(今後語られても説明が必要だしそれを語る時間を取るが意味ないので)
ネット上でdisられることの多いヨーダが活躍したのも嬉しかった。マペットだし
だけどあのどうしようもないベイダーすら改心させたルークが、まだ何も悪い事してないベンの寝込みを襲おうとするかな?という疑問はあるが、まあ「そういう事があった」と言われてしまったので納得することにした。
監督の話によると、彼は最後に銀河の伝説となってカジノ惑星のフォースを持った孤児たちのような子達に影響を与えることにしたらしい。そう聞くと凄く感動するがハッキリ言って観てる間はそれに気づかなかった。映画好きな自分はこの「物語によって影響を与える」という描写が凄く好きなのでもっとわかりやすければなと思った。
もっと上手くやっていれば2つの太陽のシーンでもっと感動できたんだろう

 

 

 

中盤:レジスタンス
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★フィンと整備士のローズによるパート。
ファーストオーダーがレジスタンスを追い続ける事ができる装置ハイパースペースラッキング(「ローグワン」で設計書が出てきていたらしい)を何とかする‥ためにスター・デストロイヤーに侵入‥するためのシールドを破ることができる人物を探しにカジノに行くが会うことができず困っていたらたまたま居合わせたシールド破りが出来る人物、DJ(べニチオ・デルトロ)と出会う‥という、いくつかの奇跡的な偶然が重なってことが進んでいくというフィンの幸運能力に全てがかかったパート。
フィンには、ローズというふくよかな女性の新キャラが同行する。
このローズのキャラにも演じている女優にも文句はないのだが、何かSW世界から凄く浮いていたように思えた。それを言うとフィンも現代人っぽすぎるのだがフィンはそのモハメド・アリめいた顔面のヒーロー力がありすぎるので押し切られる感じがあった。
そしてフィンの活躍が観たいのにフィンの活躍の機会がローズにめっちゃ邪魔されてしまうのも不満だった。フィン店員の接客を受けたいのだが、新人研修中の不慣れなローズの接客で会計がなかなか終わらないような感覚だ。
そしてこのローズというキャラを批判したい理由は上記の「作品から浮いて集中できない」って感じのものだが、彼女を批判しようものなら「女性+親しみやすい顔+東洋人+大柄」という如何にもディズニーが作りそうな鉄壁のポリコレシールドで護られたキャラであるために、ディズニーの思惑通り踊らされた人達によって「美人じゃないのが不満ですか?ふーん!」「太った女性の東洋人を受け入れる土壌は持ってないようですね‥?」みたいな事を言われてしまう。そういう差別的な理由じゃないんだけどそう言われると自動的に負けてしまうので感想を言うことができない(近年のディズニーが得意とする自主規制を個人に促して批判を封殺しつつ評価も上げるポリコレ兵器)
デルトロ演じるDJという謎の男。
ならず者かと思わせて実は良い奴‥と思わせて金に転ぶ裏切り者‥と思わせてハン・ソロみたいに助けに来る!‥と予想してると‥来ない!ただのならず者だった!
このおじさん一体何だったんだろう‥
デルトロが演じてるのでやたらとカッコいいが‥。EP9で出てこなかったら爆笑するな
フィンと因縁の深い元上司キャプテン・ファズマ(グェンドリン・クリスティー)による一騎打ちは良かった。ファズマはフィンを「システムのノイズ」と呼び、フィンがファズマを顔=個人を持たないシステムという意味を込めてメット頭とか呼ぶ殴り合い。非常にわかりやすい。
それでいて致命傷を受けたファズマのメットが割れて中の本物の人間の眼が見えるのも良い。この対決どうせなら前回にあっても良かった気もするが‥
そういえばカジノ惑星で「ロング・グッドバイ」のテーマが一瞬流れるらしい
★ポーが重症を負って治療中のレイアの代わりに指揮を取るホルド中将(ローラ・ダーン)と衝突しながらファースト・オーダー艦隊から逃れようと頑張ってるが具体的には一体何やってるのかよくわからないパート
正直言って一体彼らが何を考えて何をしてるのかよくわかりませんでした。
画面で起きた結果を見て「あぁそういうこと‥?」とやっとわかる感じだった。
ホルド中将は実は熱い思いを抱いていた有能な人物だったらしいが見せ方が下手なのでそれが胸に浸透してこず、実は良い人だった事が判明した後も「早く死ね!」という怒りが収まらない。この使い捨てポット出ババアに活躍させるためだけに皆に愛されたアクバー提督をさっさと処理された事がヘイトを増加させている。
★このフィンのくだりとポーのくだり、2本のレジスタンスのシーンは完全に失敗じゃないだろうか‥全カットでもいい気がする。
何かひねりの利いた撤退戦をやろうとして失敗した感じ。
ジェダイのシーンがかなりひねってるんだからレジスタンス絡みは変わったことしようとせず「レジスタンス頑張ってるが押されてる‥。あっアクバー提督が悲劇的な死を遂げた!くそ~!ジェダイの人早く来てくれ~!男の人よんで~」みたいなドラゴンボールの悟空待ちみたいなベタな展開で良かったのに。
 

 


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レジスタンスの中盤の作戦は全てうまくいかず苦しい撤退戦が続く。
今回は全編、苦戦に次ぐ苦戦だった。レジスタンスは残り少なくなってしまう。
何人だったか忘れたけど学校のひとクラス分くらいしか居ないように見えた。それとも違う惑星や宇宙の各地に別のレジスタンスもいるのか?さすがに人数少なすぎて続きが作れなさそうだからEP9始まったらしれっと増員してるのではないだろうか
レジスタンスは異常にボロい機体を使ってファースト・オーダーの兵器群に突っ込んでいく(一体どうする気だったんだろ)
ローズは特攻しようとするフィンに体当りして勝手に致命傷を負って瀕死になる。するとローズがフィンに突然告白したら映画館内から「ハァ?」という声が聞こえた。更に2人はキスしだすもんだから映画館内から失笑が漏れてたのもキツいものがあって「このシーン早く終われ!レイ早く来て~」と思った
レイのファルコン一回来て、敵を叩かずまたどっか飛んでいったのは何だったんだっけ?段取り忘れた‥
あとルークがレイアに渡したソロ形見の金のダイス、何で置いていったの?
過去は引きずらないって意味?マジで意味がわからなかった
レジスタンスを生かすルークの活躍はよかったです。観る前に「今回ルークは下手したら活躍もしないどうしようもないジジイとして終わるんじゃないか」と心配してたので最後に今川監督「ジャイアントロボ」の静かなる中条のような活躍して嬉しかった。
レジスタンスの逃走は上手くいかなかったがレイがルークの心を動かして何とかなった感じか
カイロ・レンが「くそ~!だまされた~!」みたいな絶叫するのもよかった
こうして感想書いてても8割くらいがダメなシーンで、いつもだったらダメな部分が4割くらいに達するとすぐに「こりゃだめだ」と思うのだが何故か8割くらいダメな本作は好きな映画なのが不思議だ。という事は拾った2割に他の映画では得難い何かがあるのだろう。それが何かはよくわからない。
ひょっとすると「この映画はスター・ウォーズ」という事もその一つなのかもしれない。もしこれがオリジナルの「ギャラクティック・ウォーズ」とかいうタイトルのオリジナル映画だったら「何じゃこりゃ」とか思ってそうだしな。
ちなみに監督ライアン・ジョンソンは相変わらず好きではないし、大ボスのキャスリーン・ケネディのやり口も好きになれない。本作のルークも、これはこれで面白かったがもっとベタにレイを鍛えたり生身で無双するところも観たかった気がしなくもない。だけど何か妙に好きなのが自分でも不思議だ。
これを書いてて今気づいたが回顧エンタメ路線の「フォースの覚醒」が大ヒットして、同じくファンが好きそうな「ローグ・ワン」も大好評で、普通だったら「帝国の逆襲」みたいなファンが喜びそうなものを作るのが手堅いはずだが、何でこういう捻くれた一本を作ったのだろうか。僕は、恐らくわざと本作で反感を買っといて三作目に何か仕掛けがあるんじゃないだろうか?と希望的観測に基づく期待をしている(そうでないとあまりにもやりたい放題かつ次作のビジョンが見えない)。
なにしろ観てる間「なんだよ、この展開~」とか苛立ちつつも、その苛立つ自分自身の心の動きが楽しかったというか、SWに大した思い入れなくて良い意味で「客がいっぱい入るB級SF」いとしか思ってないからそう思えたのかもしれない。
心底許せなかったのはアクバー提督の扱いくらいか。
EP7→ローグワンと口触りの良いSWが続いて「オッサンの俺がこんなの観て気持ちよくさせられてるのもダサくないか?」という作品にではなく、それを観ている自分自身への恐れが湧いた丁度その時に、こういう古いものを捨て去る捻くれたSWを打ち出したのが逆に気持ちよかったのかもしれない(だが、本作を指して「革新的だ!」とか思ったわけではない)
大体全部変な映画だが、レイとカイロ・レンは相変わらず良かったので自分の中で筋は通っている。ほぼ主役と言える成長する悪役カイロ・レンはめちゃくちゃ良いし「運命の子」だと思われたレイは「空っぽのヒーロー」として荒野に投げ出されたのが新鮮で、前作ではそうでもなかったけど本作でレイをめっちゃ好きになった。
古いものを捨て去り(捨て方が雑すぎるが)何か新しいものを打ち出したい、その新しいものとしてレイとカイロ・レンが良く機能してる気もする。その中心部以外は全部破綻してるが真ん中にある何かだけを買おうと思う。何より観てる間めっちゃ面白かったし
次回完結編はまた監督がJJに戻るので、ベタで痛快な感じで〆るのかな?

 

※追記:後日、レンタルが始まって再見してみて、やっぱり「破綻してるけど結構見れちゃうな」と思う部分があった。「誰でも英雄になれる」「古いものを捨てる」という方向性は良かったと思うが、そのやり方が、全面的にひねくれた逆張りだったりとやり方がめちゃくちゃ悪いと思った。古いものを捨てるのはいいが、どれも「あんなもん大したもんじゃなかったよ」と言わんばかりに卑小化したり足蹴にしてるような印象がありすぎる(SWヲタのおじさん達が一番ムカついたのはここだろう)。ホルドとローズはやはりクソキャラだと思った。あまりに何もかも逆張りしすぎだがレイ&レンがスノークとロイヤルガード倒すところだけは素直によかった。スノークの正体とかレイの親とかどうでもいい派だし。だけどやっぱりルークは素直に活躍させるべきだった。
 

 

 

そんな感じでした

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『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』(2022)/前作の長所は更に伸ばし短所は長所に変え、前作より全て向上させられてた傑作ミステリー🧅 - gock221B

⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐

スター・ウォーズ/最後のジェダイ|映画/ブルーレイ・DVD・デジタル配信 | スター・ウォーズ公式

Star Wars: The Last Jedi (2017) - IMDb

www.youtube.com

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「ベイウォッチ (2017)」このグダグダ感‥90年代のつまらない作品のグダグダ感と同じだ!と懐かしくなった

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原題:Baywatch 監督:セス・ゴードン 製作国:アメリカ 上映時間:116分

 

90年代まるまる放送してたドラマ「ベイウォッチ(1989~2001)」の映画版リメイク。
真っ赤な水着に身を包んだ男女のセクシーなライフセイバーたちが筋肉や巨乳やシリコンをぶん回しながらビーチで人命救助してたドラマ。
日本では90年代に放送してて、雑誌とかで見かける度に若き僕は赤い水着を着た女性隊員が観たくて仕方なかったがテレ東とかBSでやってたので観れなかったし、無理に入手して観るほど面白いものでもない事もわかってたのでレンタルして観ることもなかった(ちなみにオリジナル版の人気キャラを演じたデヴィッド・ハッセルホフやパメラ・アンダーソンも、この映画にゲスト出演している)
この赤いハイレグ水着は、それだけだと何とも思わないんだけど「これがベイウォッチ女性隊員の制服です」と決められた時点で凄いエロさを発揮する。多分「制服」という拘束性のある概念自体が女体にグイグイ食い込んでいくイメージになるからだろう。
‥という事に興奮してたのも10代の頃の話でさすがに今、ベイウォッチ水着観ても何とも思わなかった。
この監督はコメディ映画やドラマ制作をしてるらしいが「モンスター上司 (2011)」くらいしか観てない。そういえばモンスター上司もシモネタ多かったな‥ 
本作は長い間宣伝してたがひっそり公開され制作費をペイできず話題にもならず日本では知らん間にDVDスルーで出た(そしてそれを今俺が観てる)
ザ・ロックが出てるのでメジャー感あるし、何よりも大好きなアレクサンドラ・ダダリオの水着姿も観たいので「いつか借りて観るリスト」に入れてたがどうせ面白くないのもわかってるので観る気にならなかったが酒飲んで酔った勢いでなんとか観た
 

 

Story
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フロリダのビーチを守る熱血ライフガードミッチ・ブキャナン(”ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン)そしてベテラン女性隊員ステファニー・ホールデン、セクシー金髪白人C.J.パーカーなどライフガード達によるチームベイウォッチ(水難監視救助隊)。
毎年行われる新人テストに合格して新加入したのは巨乳のサマー・クイン(アレクサンドラ・ダダリオ)、CJに片思いしているPC得意でコメディリリーフのデブキャラロニー・グリーンバーム。そして競泳の金メダリストだった生意気なマット・ブロディザック・エフロン)。
生意気なマットはミッチに反抗しながらも徐々に成長していく。
ミッチはビーチでドラッグを発見、彼らは頼りにならない警察の代わりにベイエリアにドラッグを持ち込み汚染する犯罪者を探っていく‥
みたいな話

 

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まあ、そんな他愛もない話。
他愛もないのでストーリーについて他に書くことはない。
当然最後はベイウォッチが犯罪組織をブッ潰してビーチに平和が訪れて終わる。
序盤の30分間は、筋肉ムキムキのザ・ロックや真っ赤なハイレグ水着に身を包んだ巨乳ライフセーバー達がスローモーションで走り回り牧歌的なお色気ギャグを展開し、ライフセーバー入隊テストや人命救助したりする。
特に目新しくはないが、彼らは男女ともに見事過ぎる金の取れるセクシーなボディをしており人命救助するし、一応こちらが観たかったものは見せてくれる。30分間。
だが第一幕が終わるとベイウォッチはビーチで発見したドラッグから、ベイアエリアの利権を牛耳ろうとする裏社会の女ボスのヴィクトリアを追跡していく流れになる。
こうなると彼らは本作の売りである水着じゃなくて私服でなんちゃって捜査を始めてしまう。面白くはないがセクシー水着が観れてた本作が突然、そこからはセクシー水着が見れない只のつまらない映画へと変化することになる。
この中盤から終盤にかけての捜査パートは、なかなかキツイものがある(だからこの中盤からラストまで僕は昔の思い出を思い出したりして過ごした)
緊迫した雰囲気で捜査やアクションしたりするのならまだいいが、本作は全編コメディ調で撮られている。
しかし気の利いた楽しいコメディではなく過去からタイムスリップしてきたかのような面白くない90年代のノリが展開されていくので、悪い意味で懐かしい気持ちになった。
ザ・ロックが赤ちゃんの部屋で悪党とぬいぐるみを投げ合ったり(ぶつかるたびにコミカルな音が鳴る)ダダリオちゃんが敵を油断させるためにシャツをめくり上げてブラに包まれた巨乳を見せたりする90年代どころか80年代みたいなシーンもある(いかにダダリオちゃん好きとは言ってもこんなスベってる巨乳を観ても嬉しくはない)
本作のターゲットはきっとオリジナルを観てた40~60代の中年~初老層だと思うが、こんなしょうもない80年代の香港映画みたいなノリでいいのか?
2000年代にジャド・アパトー一派やハングオーバー一派などが前進させた面白いコメディが僅か2時間で10~20年後退したかのような気分になった。
「そもそも何で海難救助隊員がギャングと闘ってるの?」という疑問も湧いてくる。
それは制作側も充分承知しているようで劇中で何度も「警察に任せた方が良くない?」と言わせる(その度に僕は「ごもっとも」と呟いた)
実際その通りだから戯画化っつーかギャグっぽいノリにしてるんだろうね。
一応、警察はいるがボンヤリしていて頼りない。「警察に言ったところで三下のチンピラをぶち込んで終わりでは意味ないから俺たちベイウォッチで巨悪を暴くぜ」という理由付けがされてはいる。
とにかくビーチを護らんとせんベイウォッチが独走して犯罪組織を追い詰める。
まあ、そうしないと話が進まないのでそこに文句をつける気は特にない。
ちなみに結末をネタバレすると、最終的にミッチは犯罪組織の女ボスを巨大花火で撃って爆殺!女ボスは全身バラバラになって死ぬ(ザック・エフロンが落ちてきた手足を触ってしまい「ひ~キモい!」と言うシーンまである)。
いかに殺人も辞さなくてドラッグを蔓延させてる極悪犯罪者とは言え、ミッチのような一般市民が勝手にブチ殺して全身バラバラにしてもいいんだろうか?ミッチはお咎めなしどころか警官から「なんか正直スマンかった」と謝られたりもする。
まあコメディなので細かい事言っても仕方ないって感じか(その辺も昔の映画っぽい)
そんな感じで80~90年代の映画みたいなグダグダしたノリが展開されてて、面白くはないのだが何だか懐かしい気持ちになった。そしてそれら過去のグダグダした映画の名前を挙げようとしたが記憶から完全に消えているので思い出すことができない(インディ・ジョーンズとかバック・トゥ・ザ・フューチャーとかああいう映画だけを挙げて「80年代っていいな~生まれてたかった」とか言う若者がいるけどあんな映画は千本に一本の傑作ですからね‥)
微妙な本作を観ながら「10代の時はグダグダのつまらない映画や海外ドラマ観ながらエロいシーンが来るのをRECボタンに指をそえて観てたなぁ」と懐かしくなった(だがそれは僕が自分の思い出システムに接続して生まれた感情であって決して本作が良いわけではない事を再度言っておこう)
本作は当然ヒットせず制作費をペイできなかった。
本作同様ドウェイン・ジョンソンとアレクサンドラ・ダダリオ主演の「カリフォルニア・ダウン (2015)」とか、ああいうシリアスな無茶苦茶アクションの海難救助ものだったらヒットしたのかも。
そして、調べたところデブキャラのロニー以外は、オリジナルのドラマに出てた人気キャラ達を新たにキャスティングしたらしい‥がオリジナル観てないので違いとか全くわからん(ちなみにデヴィッド・ハッセルホフが演じてはのは本作でザ・ロックが演じている主人公ミッチで、パメラ・アンダーソンが演じてたセクシーキャラはデブのロニーと仲良くなる金髪セクシーボディのCJ)

 

 

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デブのロニーがCJの巨乳を見て勃起したチンコが椅子に挟まって抜けなくなる‥など、とても2017年とは思えない牧歌的なお色気ギャグが何度も展開される。
こういった昔みたいなお色気ギャグは特に面白くはない(そして当時も面白くはなかった)しかし、このご時世にお色気ギャグは勿論ハイレグ水着や巨乳が大作映画で観れることなどないので「貴重なものを観てるなぁ」というノリで盛り上がった。
大人なのでエロいものを観たければAVやポルノを見ればいい。だから別に映画でわざわざエロいものが見たいわけではなく「巨乳とかを強調したら叩かれるご時世に、ふんだんに映していて尊いなぁ」という感情だ。わかる?
アレクサンドラ・ダダリオやCJの巨乳を使ったしょうもないギャグなどもまた「珍しいもの観てるな」と思えた(そもそも今は女性層の人気が取れない巨乳女優が人気出る事自体が少ないのでダダリオちゃんは貴重な存在)
近年の欧米のエンターテイメントでは、あからさまにセクシーな表現やポリティカル・コレクトネスに反した表現があると叩かれる。
「女性キャラが不必要に衣装の面積が少なすぎる!もっと普通の格好にしろ!」とか「美男美女の白人ばかりじゃなくて黒人やアジア人などの様々な人種とかデブとかゲイの多種多様なキャラも入れろ!」とかそういうやつ。
それ自体は良い事だと思うので「何かしたくないのに無理やり色んな人種に改変してるなぁ」と思ったりしてもあまり文句はない。アメコミの女性キャラも必要以上にセクシーな格好してたキャラはどんどん露出面積が減ってるが「まあ、肌が見れないのは残念だけど闘うのに肌をやたらと露出してるを実写で見ると変だからまあいいか」と納得したりする(だから脚を出してるワンダーウーマンX-MENのサイロックは凄く貴重なキャラを観た気持ちになった)
しかしそうなると今度は、少しでもポリコレに反したものを見つけると難癖を付ける事によって金をせしめる連中が出てきて必要以上にポリコレ狩りを始めている。
本当に女性やマイノリティへの不当な扱いを正そうとしているちゃんとした人たちは良いのだが、物事の隆盛からはそういったおかしな奴らの跳梁を許してしまうという負の側面もある。
そんな中、本作の中で久々に観た「大作の中で走り回るセクシー水着女性達」を観ると「鍛えられてるエロい肉体ってカッコいいな」とも思った。
そもそも巨乳とかケツとか自体はネガティブなものではなくセクシーで素晴らしい事なのに、何でもかんでも全部隠せ!という風潮や自主規制の嵐は、それはそれでおかしいよね。
「このエロい身体を見よ!とセクシーさを誇示するポジティブセクシー表現」と「不当に虐げられた性的搾取されてるハラスメント的セクシー表現」とを区別できればいいのに、その定義が難しいのがもどかしいな。人類は一体いつ進化するのか。それともこのまま衰退して世界の破滅を迎えてしまうのだろうか。
とにかくそんな結果、ハリウッド映画に残った文句をつけられないセクシー衣装はタンクトップだけになった。
タンクトップ着た女性がアクション映画に出てくると「これはタンクトップですが、これは実はエロい記号です」と言ってるように思えて可笑しい。
タンクトップについてはまた今度話す。
結論だけ言うと、もっと男女ともにエロい表現もほどほどに増やした方が映画として自然じゃないか?と言いたい。

 

 

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アレクサンドラ・ダダリオは相変わらず乳がバカでかいし表情がクルクル変わる演技もポジティブな陽気に溢れてて可愛かった。何とか大ヒット作に出て売れてほしい。
本作は登場人物の肉体美と序盤だけ良かった。最初の30分と最後の5分だけ観れば充分
映画本編は大体面白くないので上記のような事を考えて自問自答したり、この感想を書いてる方が本編よりずっと面白かった。
しょうもないと思っても映画観るのをすぐに止めたりせず無理やり最後まで観るのも良いと思った。何故それがいいのかは具体的には説明できないが絶対にそうなので俺の言うことを信じてそうしてくれ。いつか自分だけの真の面白さを掴み取れるようになるために‥そうなれれば安上がりに幸福を追求できるようになる

 

そんな感じでした

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「gifted/ギフテッド (2017)」キャプテン・アメリカが天才幼女と猫と幽霊を守りながら世界を良くしようとする身内と闘うシビル・ウォー

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原題:Gifted 監督:マーク・ウェブ 製作国:アメリカ 上映時間:101分

 

マーク・ウェブ監督は「(500)日のサマー (2009)」で鮮烈にデビューして「アメイジングスパイダーマン」シリーズ(2012-2014) の監督に抜擢された。アメスパも良いところはあったが思ったほどの収益を上げなかったし監督らしさもあまり発揮できず上手くいかなかった(だけどグウェンの死を描いたことと犯罪者に対するスパイダーマンの異常な意地の悪さを再現したことは好き)
そんなマーク・ウェブが人間ドラマに帰ってきた映画。
キャプテン・アメリカ役でお馴染みクリス・エヴァンスが男手一つで天才少女を育てる話(ちなみにアメリカ本国で既に公開された次回作も人間ドラマ)。
「(500)日のサマー」にもクロエ・モレッツが演じた、異常に大人びた天才風少女が出てきてたので、この監督は前から賢い幼女に興味あるらしい。
ネタバレしないように書いたがふんわりとネタバレ(ふんわりとネタバレ)してるので、あらすじ(↓の段落)読んで観たくなった人は、その下の感想の段落は読まない方がいい

 

 

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7歳の少女メアリー(マッケナ・グレイス)は、叔父のフランククリス・エヴァンス)そして片目の猫フレッドとフロリダで素朴な暮らしをしていた。
フランクは元々、助教授であったが現在はフリーランスでボートの修繕をしている。
メアリーは精神年齢も高いためか歳が近い児童とはあまり気が合わず、隣に住む40代の黒人女性ロバータと仲良くしている。
メアリーは小学校に通い始めてすぐ数学の天才だということが発覚し、校長先生に天才児の英才教育に秀でた私学への転校を進められるが、フランクは死んだ姉‥メアリーの母親の意思を尊重して「子供らしい普通の暮らしをさせたい」と拒否する。
フランクは親身になってくれるメアリーの担任の女性教師ボニーに「姉がメアリーを連れて相談に来たが俺は彼女を放っといてデートに行った。帰宅すると彼女は自殺してしまっていた」と語る。それ以来フランクは自殺した姉ダイアンの遺したメアリーを育てているのだ。姉ダイアンもまた数学の天才であったらしい。
メアリーの祖母‥フランクやダイアンの母イブリン(リンジー・ダンカン)も「メアリーの才能を無駄にすべきではない」とメアリーを引き取ろうとしてフランクと対立し、母子は親権をかけて裁判することになった。。
そんな話

 

 

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★メアリー役の子役の、顔面力がとにかく凄い。
まだ幼いのに顔が完全に出来上がってて大人みたいに見えたり、それでいてはしゃぐと、くしゃくしゃの表情になったりして凄く幼く見える、そのギャップと垂れすぎた大きな瞳が天才感を倍増させていた。
フランクと一夜を共にした担任の女性教師を見てニヤ~とする笑顔は一体どうやって演技したんだろう。
SEXした翌朝、寝た相手の娘(7歳)にこんな顔されたらどう思う?俺なら怖い。
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英才教育の学校の教授が出した、わざと間違えた方程式で出された数学の問題。
メアリーもその誤りに気づいているがそれを言わない。なぜ言わなかったか訊かれると「子供が大人の間違いを正すと、大人の機嫌を損ねるって叔父さんが言ってたから‥」と言い。教授はニヤリとする。天才ってカッコいいな~と素直に思った
この子役は来年公開される、マーゴット・ロビートーニャ・ハーディング役を演じる映画「I, Tonya (2017)」でトーニャの少女時代を演じるそうでそれも楽しみだ
★そしてクリス・エヴァンスは、ここ6年くらい殆ど延々とキャップ役に専念しているので本作ももうめっちゃキャップに見える。本作の彼は髭を伸ばしてるが、昨夜発表された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のキャップも髭伸ばしてるしフランクは頑固でキャップも頑固だしもうめっちゃキャップだ。「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」のダウニーJrがアイアンマンにしか見えないのと似ている
この映画は「子役とクリス・エヴァンスの父親ぶりを見せる」
それが本作の一番の見所なのは間違いない 

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★主人公フランクはメアリーと仲良くやっていて楽しそうだ。
フランクは哲学の助教授だったようだが、恐らく姉の自殺にショックを受けてフリーランスでボート修理の仕事をしている。
だが一軒家に住んでるし、僕のような貧乏日本人から見れば充分優雅な暮らしに見えてしまうのだが、劇中では「フラフラしている金のない不安定な男」と見なされる。健康保険とかにも入ってなさそうだし。
裁判の相手である母イブリンは社会的地位の高い金持ち。
だから裁判では終始劣勢(というか一切勝ち目がないと言っていい)

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★話が進むにつれ、死んだ姉ダイアンも数学の天才だった事がわかってくる。
有名な方程式を解くまであと一歩で歴史に名を刻む寸前であった。
フランクと死んだ姉の母イブリン、彼女も結婚するまでは数学者を志していた。
彼女はダイアンが産まれたために数学者としての夢を諦め、代わりにその夢をダイアンに託し教育ママとなってダイアンを鍛え、しかしそれは行き過ぎていてダイアンの青春を奪ってしまった結果ダイアンは壊れていった事が明らかになってくる。
とっくに死んでいるし回想シーンなどもないので1枚の写真以外は一度も画面に出てこない姉ダイアンだが、話が進むに連れてどんどん存在感が増していくのが面白い(メインキャラのフランクとメアリーとイブリンは、そのダイアンの起こした台風に巻き込まれた格好でストーリーが進んでいく)
★こういう裁判で親権を争う系の映画やドラマは昔からよくある。
その場合大抵、主人公は貧乏だが子供と愛し合ってる良い父親で、本作で言うイブリンのような者が敵となって鬼のような嫌な奴として描かれることが多かった。
本作のイブリンは、ちょっと極端なところや行き過ぎなところはあるが、子供の教育に対する気持ちは本気のようだし、フランクとイブリンは裁判で闘った後にも割と普通の会話もできる。その辺が最近の映画っぽいな、と思った。
そんな感じで劇中のフランクとシンクロして「メアリーのためにはああするのが一番いいのかな‥?」などと思ったりしてた終盤、飼ってた片目の猫フレッドがピンチになる。僕は15年飼ってた猫がつい半月前死んだばかりのせいもあって「やばい!猫が!猫が危ない!」と一瞬でキレそうになった。

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★結局イブリンとは最初思ってたような「ちょっとステージママ気味だけど、熱心すぎたのかな?」という程度の女性ではなく、結構なレベルでヤバい保護者だった事がわかる。
よくある映画に出てくるキャラのように「私利私欲のために天才児童を利用して金儲けするような悪い奴」ではなく、本当に子供や世界全体のためを考えていて「私は嫌われ者になってもいい。。数十年後、あの子も私に感謝するはず‥」などと思って独走するのだが、その結果教育された子を必ず滅ぼしてしまうという一番ヤバいタイプの親であった。
こういった人物は「自分は大きな目で大局を見据えてる」と思いこんでいてまた正義を成そうとしていると思い込んでるので説得できない。それが他人なら離れるだけだが肉親‥しかも一生自分に付いて回る母親だと厳しいものがある。
「世界全体に比べれば小さな問題だ」などと大きな問題を引き合いに出して身近な問題を軽視する人物は信用できない。「宇宙全体からすれば‥」などが口癖の人物も要注意だ。そんなこと言う奴が神であるとか大いなる宇宙の一部であるとか言うのなら話は別だが「てめーも宇宙全体から見たら塵芥の癖に何を大きな目で見てるつもりでいるんだよ」と、そういうことだ。そもそも、そんな大きなことを言うやつが何故、身近な小さな問題を解決できず無視しようとするのか。それはすぐに取り掛かれるが同時に痛い目にも遭いそうで面倒である「身近な問題」を避け、取り掛かっているポーズさえ見せてれば、まるで大した事をしている気分になれる「大きな問題」に逃げてるだけだろう。
卑小な人物が歳を取るにつれ、SNSなどで幾ら好き放題言っても言い返してこない著名人の悪口ばっかり言いだすようになるのを連日よく目にするが、これと同じことだろう(誤解する人いそうだが別に批判するなと言いたいわけではない)
‥話が盛大に逸れたがイブリンは只のステレオタイプ毒親キャラで終わらせず「良い母親、良いおばあさん」の部分も確かにあるためにリアルで立体的なキャラになった事が言いたかった。
イブリンも娘や孫娘のことを想う気持ちもかなりあったのだろう。
だが泳ぎに喩えるとイブリンは泳ぎ方を覚えたばかりの子に対し「あなたは将来、水泳で金メダル取れるから今ためしに息継ぎ無しで1km遠泳してみなさい」というようなもんだったんだろう。
その結果、本来才能あったはずの子供は沈んで冷たい水の底で死んでいく結果になる

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★だがフランクもフランクで「いくら姉の意思でもメアリーは普通の学校じゃ無理だろ」とか「いくら姉の意思とはいえ切り札さっさと出せばよかったんじゃ?」とか、ちょっと思うところは多々ある。だがフランクも姉の死のショックを引きずったままだし、そもそも各員にそういうおかしなとこがないとドラマが進まないので極端な性格や考え方したキャラばかりなのも仕方ない。そもそもそれが人生それが世の中ですしね。。
そんな感じで終盤ドラマチックにしようとしすぎな気もしたがトータル良い映画だった
主人公2人と猫を入り口として その実、毒親イブリンそして一度も画面に出てこない姉のダイアンの幽霊を見つめる映画という気がした。
観てる間はそうでもないのに観終わった後は死んだ姉ダイアンの事ばかり考えさせられる。正に幽霊。

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★ところでフランクが飼ってた猫のフレッドを助ける時、ついでにその場に居た他の猫全員もヤケクソ気味に全員助けてたシーンは観客を笑顔にした。
俺の中で猫映画ナンバーワンはロバート・アルトマンの「ロング・グッドバイ(1974)」だが本作もかなり上位に食い込む猫映画だった(幽霊映画の上位でもあった)
★観てる時は終盤の泣かせのシーンなどは「泣かせのシーンだな」としか思わず本作のことも「まあまあだな」程度に思っていたが、帰宅して感想を書いてるうちに潜在意識で考えてた色んなことが表面に浮き上がって凄く面白い映画に思えてきた。
そういうところが映画感想ブログの良いところなのかもしれない

 

そんな感じでした

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www.foxmovies-jp.com

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『ツイン・ピークス The Return』(2017) 第18章(終)/クーパーとダイアン。リチャードとリンダ。ローラとキャリー。セーラとジュディ

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原題:Twin Peaks: A Limited Event Series (Part 18) 通算第48話
監督:デヴィッド・リンチ 
脚本:マーク・フロスト、デヴィッド・リンチ 制作国:アメリ
配信局:Showtime 放映時間:59分 シリーズ:「ツイン・ピークス」シリーズ

 

 

 

観ながら書いてる感想。基本的に完全に全部ネタバレ

前回の「ツインピークス」は‥
★ゴードン、「ジュディ(Judy)」という恐ろしい存在について語る
★クーパーの悪のドッペルゲンガー、「消防士」によってツインピークス保安官事務所に転送され、ブレナン夫妻の機転によって倒される。その内部に居たボブが襲い掛かって来るが、フレディの聖なるゴム手袋パンチにより、悪の化身「ボブ」は粉みじんになって死んだ
★同事務所に仲間たちが一同に介したお祝いムードの中、クーパーがフランクからグレート・ノーザン・ホテル315号室の古い鍵を受け取り「何か」を思いついた時から現実が歪み始める
★Naidoの正体は本物のダイアンだった
★現実世界が時の狭間に飲み込まれる。一時的に特異点となり干渉を受けないクーパー、そしてクーパーが選んだ?せいかダイアンとゴードンの計3人は世界再編の干渉から逃れた。クーパーはグレート・ノーザン・ホテルのボイラー室にある異音を放つドアを315号室の鍵で開け、単身入っていく
★クーパーはマイクやフィリップ・ジェフリーズの協力で、ローラ・パーマーが殺された1989年2月3日のツインピークスにタイムスリップ。ローラがボブを内包する父リーランドに殺害される運命を回避する事には成功したが、別の悪を内包した母セーラ・パーマーの時空を超えた妨害を受け、助けたはずのローラの姿が消え森には不吉なムードが充満した

 

 

ブラックロッジ
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前回、ツイン・ピークス保安官事務所で倒され、フクロウの指輪によってブラックロッジへ転送されてきたデイル・クーパーのドッペルゲンガーカイル・マクラクラン)。
椅子に座ったまま為す術なく燃焼、消滅した。
一切の抵抗心や後悔の感情も見えない。ピュア・イーヴィルなんだろう。
ドッペルゲンガーは憎たらしかったしコイツが生きてるとクーパーが出て来れないので嫌いだったが、純粋に悪い事しまくって強制送還されたらされたで黙って死を受け入れる姿には潔さを感じた。
片腕の男マイクは「」を使ってクーパーの新しい「化身」を産み出す。
マイク「電気だ。それは電気」
クーパーの新しい化身「ここはどこなんだい?( ´・ヮ・`)」
善良で多幸感溢れる感じだが、前のダギー(クーパー)ほど白痴でもない、真クーパーとダギー(クーパー)の中間くらいの丁度いい仕上がりの化身。

 

 

ネバダ州南部ラスベガス
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★ジョーンズ家(2016年)🏠
新しく作られたクーパーの良い化身、二代目ダギー・ジョーンズカイル・マクラクラン)はジェイニーEとの約束通り、ジョーンズ家の赤いドアから帰ってきた。
ダギーに抱きつく妻ジェイニーE・ジョーンズナオミ・ワッツ)と長男サニー・ジム・ジョーンズ
ダギーは「うち‥(Home)」と嬉しそうにつぶやく。
初代とは違う、記憶引き継ぎタイプの〈化身〉のようだ。
初代ダギーは邪悪なドッペルゲンガーが作ったせいか金と女と肉体管理にもだらしない化身だったが、この二代目ダギーは真クーパーが作成を依頼したせいかジェイニーEとサニージムにとってベストな優しいダギーなんだろう。

★前回、クーパーが過去に行って過去改変しようとした時点で今までの現実世界は次元の狭間に飲まれて消えたように見えたが、この再会シーンを入れてきたって事は前の世界は在るってことなの?
いや、前回までの世界がそのまま残ってるのはおかしい。
僕の考えでは前回までの「現在の世界」で、クーパーの記憶を維持し続けてるのはクーパーが選んで次元の狭間に飲まれなかったダイアンとゴードンだけだと思ったんだけど、この場面のジョーンズ家は何でダギーの記憶があるんだろう?
ここはクーパーが過去改変して25年後の世界なので、ドッペルゲンガーが作ったクーパーの化身ダギーはいないはずだよね。それとも、この「ツイン・ピークス」世界の特異点といってもいいクーパーが健在だったため、クーパー周辺の事象はある程度変化せず固定されてるのだろうか。
タイムパラドックスとか過去改変とか平行世界とかはややこしく、また各フィクションの作者によって扱いが違うのでこの辺の問題は考えるのやめた。この「ローラが殺されなかった25年後」世界は、これ以降ほぼ出てこなくて考える材料がないし。
しかもリンチは超越瞑想やアジアの仏教的な考えで話を作っていて、あまりSF的だったり論理的な考え方をしても間違ってる可能性もあるし。
ここは素直に「クーパーの化身ダギーが帰宅してジェイニーEとサニー・ジムと再会できた!やったー」と思考停止する事にした。
もし仮に続編が作られて、この場面以降が描かれるまでは「ジョーンズ家は幸せに暮らしました‥^_^」でいいだろう。

★この新しい「理想的なジョーンズ家」は、この世界で今後も幸せに暮らすのだろう。
この後はまたいつものような混沌とした展開になるので、このシーンを前回じゃなくて最終回の頭に持ってきた、というのは「ジョーンズ家の幸福なシーンを最終回に入れとくので難解な結末を好まない人は、このジョーンズ家の幸福シーンを結末だと捉えてハッピーエンドだったと思ってもいいよ」というリンチなりのサービス精神なんだろうと思った。
そして前回までの26年間に渡るツイン・ピークス世界への労りの精神なのかもしれない

 

 

ワシントン州ツインピークス(1989年2月23日)🗻🗻
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★森🌳
前回ラストのシーンの繰り返し。
2016年から来たデイル・クーパー特別捜査官カイル・マクラクラン)が女子高生ローラ・パーマーの手を引いて、悪の化身ボブを内包する父親リーランド・パーマーに殺害される運命から逃れさせた。
そしてローラの手を引いて進むクーパー。
すると第1章冒頭で「消防士」がクーパーに聴かせた虫の羽音のような不吉な音がする。クーパーが振り返るとローラは姿を消していた。そして森にこだまするローラの絶叫。
ローラがリーランドに殺害される運命は逃れたが、別の悪を内包する母親セーラ・パーマーの時間を超えた妨害(前回にあった描写)により、ローラ・パーマーまたは世界全体は別の良くない運命へと軌道を変えてしまった、そんな嫌な雰囲気が流れた。
ちなみにクーパーはセーラの妨害には気づいていないと思われる。
ローラが消えてクーパーが呆然としていると、クーパーは消える。

 

 

ブラックロッジ⚡
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次の瞬間、クーパーはブラックロッジにいた。
消える寸前、逆回転の音がしたのでブラックロッジからの干渉なんだろう。
片腕の男マイク「これは未来か‥。それともこれは、過去か
第2章でもマイクがクーパーに言っていた台詞。マイクは消える。
第2章では消える前に「誰かがここに居る」と言って消えた。今は言わない、という事は誰かというのはドッペルゲンガーやボブ関連のことだったのかも。
マイクの消え方は、まるでカットが変わったのような消え方。
マイクは部屋の隅っこにいた。
クーパーは、マイクの後を追って違う部屋に移動。
そこには「」がいた。電気の音をさせている。
彼はクーパーに問いかける。
腕「私は”腕”だ」「私はこんな音がする」
シュルシュルシュル‥という現代音楽めいた音が鳴る。
これも第2章にもあった流れと同じ。
腕「それは、通り沿いに住んでいた少女の‥あの少女の物語なのか?
腕「そうなのか?
「通り沿いに住む少女」というのは、昔ニューメキシコで悪の虫が体内に入ったセーラらしき少女のことか?それともローラのこと?
第2章での”腕”は「こんな音がする」までは同じだが「少女の話」ではなく「ドッペルゲンガーをここに戻せばお前は現世に戻れる」みたいなアドバイスをしていた。ドッペルゲンガーはもう倒したので次のフェイズ(ローラのこと)に行ったのか?
恐らく彼らの時間は過去から未来へと流れているのではなく「ウォッチメン」のドクターマンハッタンみたいに現在過去未来を同時に体験している気がする。そしてクーパーが重要な要件を済ませるとRPGゲームの王様のように台詞が変わっている‥そのように見える。
つまり彼らは立体である三次元に時間を足した存在‥4次元人みたいなもので、ブラック・ロッジとは四次元空間に似た空間‥というのは短絡的かな。
カットが変わるとローラがクーパーに耳打ちする。ローラは絶叫して消える。
そして、やはり第2章の時と同じようにリーランド・パーマーに出会う。
リーランド「ローラを探せ
リーランドによるローラ殺害は止めたが、ローラ救出は失敗した。
その影響で消えたローラを探して助けよ‥ということなのか。
第2章での同じ場面‥リーランドにこう言われたクーパーは、現世に帰還しようとしたがドッペルゲンガーの策略でNYのガラス箱の部屋に転送されてしまった。それは恐らくエクスペリメントに惨殺させようとしてのこと(入れ違いに一般人カップルが惨殺された)。今回はドッペルゲンガーがもう消滅してるためか妨害もなくクーパーはすんなり現世に帰還できた。
★このシーンのブラックロッジ住人たちの言動は、一部を除いて第2章とほぼ同じ。
第2章 - gock221B
違うところは、第2章ではドッペルゲンガーについてアドバイスしてくれてたのが今回は「通り沿いの少女」についてに変わっている。
「通り沿いの少女」というのがローラのことなのか、第8章で描かれた過去のニューメキシコでラスボスのエクスペリメントが産んだ悪の虫が体内に入った少女(セーラ?ジュディ?それとも三人は同一の存在か?)の事かはよくわからない。
ローラのことなら「ローラ」とハッキリ言うと思うので後者のニューメキシコの少女の事を言ってたような気がする。
★「通り沿いの少女」と言えば、昏睡中だったと思われるオードリーも現実世界では担当医‥だったと思われるチャーリーに言われてたよね。「君の物語も終わらせる」的なことも言ってたが。オードリーとチャーリーが「通り沿いの少女」にどう関係してるのか。全くわからない。オードリーはドッペルゲンガーと関係してたからか、それとも彼女の見ていた夢の世界が異次元と繋がってたのか‥。オードリーのあの後を描かなかったのは色んな事がバレバレになって神秘性が薄れるからカットしたのだろうか。オードリーの事は好きなのでもう少し救われてほしかった。せめてクーパーにひと目会わせてあげて欲しかった

 

ワシントン州ツインピークス(2016年)🗻🗻 ハイウェイ430マイル地点
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ツイン・ピークス「ジャック・ラビット・パレス」の253ヤード東🌳
赤い髪の、本物のダイアン・エヴァンスローラ・ダーン)がいる。
彼女はクーパーのドッペルゲンガーによってブラックロッジに封印させられ、化身を作られて使役させられていた。
ダイアン「あなたなの?本当にあなたなの?」
クーパー「そうだ。本当に僕だよダイアン」「本当に君か?」
ダイアン「ええ」
嬉しそうな2人。森の座標に現れていたブラックロッジは消えていく。
さようならブラックロッジ。

★これはジョーンズ家やブラックロッジよりも簡単だ。
この少し改変された世界で、前回までの記憶を持ったままの2人が再会できたというだけだ。
というかゴードンはどうしたんだろう?ツイン・ピークスからフィラデルフィアまで帰っていったのかな?多分そうだろうけど何故ダイアンと一緒に森で待ってなかったんだろうか。それともクーパーとの縁がダイアンほど強くないので次元の狭間に飲まれたのだろうか。
ダイアンの声色や口調は化身だった時と全く違う穏やかな感じ(あの毒舌の白髪ダイアンの方が人気ありそうだけど)

★そもそもクーパーがツイン・ピークスに来る前からブラックロッジに囚われる直前まで、真に愛してたのはアニー・ブラックバーンだったのだが、前回から突然ダイアンが真のヒロインみたいになっていて戸惑う。
アニー役のヘザー・グラハムが出演できなかったからクーパーの元秘書だったダイアンを急遽、真ヒロイン兼「アニーの代役」にしたんでしょう。
アニーはどうした?って事がめっちゃ気になるが、一言も触れないのでどうしようもない。
納得いかないところもあるが、とにかくダイアンを真ヒロインとして描いてる感じだし最終回なので、こちらもそのように気持ちを切り替えて観ることにする。

どこかのハイウェイ(430マイル前)🚙
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2人は車で移動している。
第2章でクーパーのドッペルゲンガーが移動してゲロ吐いてたサウスダコタ州の道路と似ている。
ダイアン「本当にこれでいいの?」「そうしてしまったら、この先どうなるか
クーパー「わかってる。丁度その地点に来た。そう感じるんだ」
「見ろ、もうすぐ丁度430マイルになる」
クーパーは巨大な送電線がある「430マイル地点」とやらで停車する。
送電線からは電気の音がする。
このツイン・ピークス世界での電気は、もう視聴者にはお馴染みだが次元間‥世界と世界の狭間を埋めるハイウェイだ。だから視聴者には「違う世界に行こうとしている」事はわかる。
まだよくわからないがクーパーは新しい何かをしようとしている。430マイル地点を越えると今までに描かれていない種類の新しい何かが起こるらしい。
クーパー「ここを越えれば全てが変わるだろう
2人はキスして覚悟を決め、車を走らせて430マイル地点を越える。
電気がまたたく‥
どこかのハイウェイ(430マイル越え)🚗
別の世界(平行世界?)に行ったクーパーとダイアン。
車で走行したまま一瞬で夜になった。
どうやら平行世界の、元の世界と同じ時間ではなくズレがあるようだ。
2人は無言で車を走らせる。恐らく2人は記憶を保ったままだ(そうでなければ別の世界に行く意味がない)
しかし何で430マイル越えで別の世界に行くとクーパーが知っていたのかは謎(ダイアンの耳打ちか?)
視聴者にできるのは「430マイルを越えたら別世界に行く」というクーパーの台詞を鵜呑みにする事だけだ。
★では何故、別世界に行く事にしたのか?これも推測するしかないが「ローラがリーランドによって殺される悲劇」は防いだがセーラの時空を超えた新しい妨害でローラは消えた。
そして、さっきのブラックロッジにローラは居た。
という事はセーラの妨害によってローラは「殺された訳でもないのに殺されたも同然」の状態にされ、強制的にブラックロッジ送りになってしまった。そして絶叫して消えて嫌な雰囲気だけが残った。
早い話、ローラ救出が失敗して‥この世界はもうアカン、という事になって平行世界に行くしか手段がなくなったのだろう。
「もう一回過去に戻って」とかはダメなんだろう。何故ダメかはわからん。
よく考えてみれば前回までは現世と異次元だけ考えてればいいから楽だった。
今はもう過去改変と平行世界まで加わってしまった。
こうなってしまってはもう物事の結果から過程を推測していくことによってしか流れが掴めない。
ところで「430マイル」を越えて走ってる映像「ロスト・ハイウェイ」そっくりだったね。
ロスト・ハイウェイ」もまた犯罪を起こしたかもしれない男がある日突然、別人になっているという映画だったが。。本作を念頭に置いて再見したら今までと全く違う楽しさがありそう。4Kのやつ買って絶対観ようと思った

 

 

430マイルを越えた違う世界のどっかの町
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★モーテルの前🏩
無言で車を走らせる2人はモーテルで停まりクーパーがチェックインしに行く。
助手席で待ってるダイアンがモーテルの入り口を見ると‥、柱の陰からもう一人のダイアン・エヴァンスローラ・ダーン)が出てきてこちらを見ている。しかし無視するダイアン。
チェックインを済ませたクーパーが出てくると、もう一人のダイアンは消えていた。
‥このシーンめちゃくちゃ怖い!!
このドラマで初めてゾッとした。今までは怖いキャラが出てきても、一体どういう存在なのか想像がつくから怖さはなかったが、このもう1人のダイアンは謎すぎてめちゃくちゃ怖かった。幽霊を見てしまって背骨に氷を入れられたような怖さ(幽霊見たことないので想像)
ひょっとして、こっちの世界に最初から居たダイアン?だとしたら何故2人がここに来るのを知ってたのかがわからないし、ひょっとして今この世に出現したのかもしれない。ダイアンが来るのを知ってたとしても「自分が見てる姿」をダイアンに見せるだけで何もしない理由もサッパリわからない。
車中のダイアンが驚きもしないという事は「こっちに来ればもう一人自分がいる」くらいは知ってたってこと?
チェックインを済ませたクーパーが出てくるがダイアンは今見た「もう一人の自分」について一切喋らない。それもまた謎。
今まで本作に出てきたドッペルゲンガーは「ブラックロッジに入ったら出来て、本人になり替わろうとするもの」そして化身は「種を元にして異次元の住人が不思議な力で作った即席ドッペルゲンガー」‥みたいなものだと判明しているが、今更ネタが割れてるドッペルゲンガーや化身を出してくるわけがない。つまり正体不明のマジもんのドッペルゲンガー。因みにダイアンも、もう一人のダイアンもこの後一切出てこないので謎のままだ。
出された情報だけで推測するなら「こっちの世界に最初から居たダイアン?」と思うくらいしかない。
‥というように、何もかもが謎過ぎることが怖いんでしょうね。

★モーテル(夜)🏩
ダイアンが部屋の灯りを点けるがクーパーは消してくれと言い消灯。
苦難の末、25年ぶりに会ったというのに、あの優しいクーパーが灯りを消してお互いを見にくくしたがるだろうか?何かが変だ
愛し合う2人。
ここで流れる曲‥The Plattersの「My prayer」は第8章でウッズマンがラジオ局に乱入して局員たちを殺害してるシーンでも流れていた。
www.youtube.com

25年以上ぶりに再会して愛し合ってるはずのクーパーとダイアンは全く幸せそうな雰囲気ではなく嫌な雰囲気。
クーパーは怖い顔してSEXしてるし、ダイアンは終始なにかに怯えているようだし途中からは遂に泣き出してしまう。明らかに何かがおかしい。良くない事が起きている
この後の展開を考えると、あの何十年も前の並行世界のラジオ局の人間に影響を与えたウッズマン電波に乗った「My Player」が次元も時間も超えて、この部屋の二人にも干渉したのだろうか?(ちなみにラジオから流れてるわけではなく劇判)
前回、セーラが25年前のローラに影響を及ぼしたのだからあり得るのかもしれない。
セーラの内部が通じているっぽいエクスペリメントが悪の神だとすればウッズマンは悪の天使みたいなもんだろうし、エクスペリメントのパワーを借りてそんな不思議な事ができたとしてもおかしくない。
リンチ「好きな曲だからもう一回流そうっと」そんな事あるわけない。
理由がある。

★モーテル(夜)🏩
翌朝、一人で目覚めたクーパー。辺りを見回すがダイアンは居ない。
置手紙には「リチャードへ」と書いてある
クーパー「リチャード?」
ダイアンの手紙「読む頃には私は居ない。どうか探さないで。私はもう貴方がわからない。この関係が何だったにせよ、もう終わり。リンダ(より)」
リチャードとリンダ
第1章冒頭で「消防士」が出したヒント。まさかクーパーとダイアンの事だったとは。
同時に出したヒント「430」はさっき出た。「二羽の鳥と一石」は前回ゴードンが言ってたブラックロッジに囚われる前のクーパーが言ってた最後の言葉。この一石二鳥の「二鳥」は現在の作中に出ている「対のもの」が多すぎてどれの事か特定できないので忘れよう。というかツイン・ピークスの符号は判明したら大抵しょうもないので別にどうでもいい。
クーパーはモーテルの外に出る。
クーパーは怪訝な顔。モーテルが入る前と違うモーテルに変わっている(部屋の内装は同じに見えたけど)
え、モーテルに入ってる間また別の世界に行った?
不吉な「My Player」が流れたせい?そもそもダイアンは変化なかったがSEXしてる時のクーパーは何で怖い顔してたの?もう一人のダイアンのせいか?というかダイアンがもう一人いるんだからこの世界に最初から居たクーパーも来てたのか?というかチェックインした時や夜の間に最初のクーパーと、この世界に前から居たクーパーが入れ替わってたりしたらもう訳わからん(しかしクーパー入れ替わりはさすがにないだろ)
そもそも、SEXしてる時まではまともそうだったダイアンは置手紙に、リチャードとかリンダなどと書いてしまっている。ダイアンもまた別人になってしまっている。
今までに培ったツイン・ピークス方程式が通用しない領域に突入して混乱してきた。。
だけど「何だかよくわからないけど面白いな」と思ってリンチ作品を繰り返し観てた10代~20歳前後の頃を思い出して正直ワクワクしてきた。
クーパーは一人で車に乗り、走らせる。

 

テキサス州オデッサ
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★ダイナー「ジュディのコーヒーショップ」🍴
走行中「ジュディのコーヒーショップ」というダイナーを発見。
フィリップ・ジェフリーズやゴードンが言っていた「怖ろしい存在『ジュディ』」ってこの店のこと?それは勿論、違うんだが全く何の因果もないのにジュディと名付けるわけはない。何かある。
クーパーはジュディに入る。
クーパー「ウェイトレスは君の他にもいるのか?」
クーパーに訊かれたベッキーと同系統の、美人だが幸せになれなさそうな雰囲気のテキサス美人ウェイトレス(フランチェスカイーストウッド)は「もう3日も休んでいる」と言う。
クーパーは大好物のコーヒーを飲む。
が、ノーリアクション。明らかにわざとやってる演出。
ちなみに前回、何十年も現世で悪を重ねてきた不死身のクーパーのドッペルゲンガーは、本物のクーパーが大好物のコーヒーを欲しがらない事がニセモノのサインだとアンディ保安官補に見抜かれ、善良で小柄なアンディの奥さんルーシーに撃たれて死んだ。
関係ないが一部始終をいかにもリンチっぽい面構えの老夫婦が見ている。
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ウェイトレスが荒くれテキサス男たちにウザ絡みしている。
最終回まで来て今まで何度も書こうとしてたの今思い出したがリンチって悪をよくわかってますよね。。悪というのはウザ絡みだよ。ボブやらドッペルゲンガーやら町のチンピラなどの悪人は、女や子供を殺したり犯したりするウザい奴ばっかりだった。そういうカッコよさとか計画性やカリスマ性などの欠片もない悪の煮凝りの様な淀みから這い出たゴキブリの様なものこそが悪だと思う。
クーパーは「やめろ」と言い荒くれ者に囲まれる。お、ヒーローっぽいシーン?
するとクーパーはテキサス男に対し、全力で急所蹴り!そしてもう一人の男の足を銃撃!
明らかにやりすぎ。さっきから態度が微妙に尊大だし何かがおかしい。
クーパーはさっきのウェイトレスに「紙切れにさっき言ったウェイトレスの住所を書いてくれ」と言う。
クーパーは男達から取り上げた銃をフライヤーで揚げる。えっなんで?
クーパー「この温度で爆発するかどうかはわからないが‥下がった方がいい
そう真顔でコックとウェイトレスに言う。何か変。心配だ‥
クーパー「心配しなくてもいい わたしはFBIだ
何この間抜けなシーン?
まるでクーパーが「自分の事をFBIだと思い込んでる変なおじさん」みたいに見えてきた。
ダイアンが置手紙に書いてたように430マイルを越えて以降、もしくはモーテルで寝てる間に、さもなくばその両方。
クーパーも世界を横断する度に、徐々に人格が変わっていってるのか?
クーパーの記憶と意識で動いてローラ救出に向かってるようだが何かが違う。
何かが違うので以降、クーパーの事は「リチャード(クーパー)」と表記することにした。キリッとした真クーパー、丸々1話分くらいしか出なかったな

キャリー・ペイジの家🏠
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しばらく進むと、デズモンド捜査官が消えた時やリチャードが幼児を轢き殺した時にカール・ロッドが人魂を目撃した近くにあった「324310」「6」のプレートが貼られた電柱があった。電気の音もする。
リチャード(クーパー)がこのプレートを知ってるかどうかは知らんが電気の音に反応。というかこの電柱って、そもそも何なんだろう?全部違う場所なので住所じゃないだろうし。異次元ポイントって事だけはわかる
とにかくリチャード(クーパー)は家のドアをノック。
中の女性「どちら様?」
リチャード(クーパー)「FBIです
クーパーがFBIだと自称するたびに笑えるのは何故なんだろう。
吹き替えも若干、間抜けに演技してる気がする。
ドアを開けたのは何とローラ・パーマーだった。
リチャード(クーパー)「ローラ‥!」
しかし彼女はローラではないという、自分はキャリー・ペイジだと名乗る。
それにしてもリチャード(クーパー)は何故ローラの居場所がわかったのか。怖ろしいと噂の「ジュディ」の名を持つ店で働いてたからなのか、それともブラックロッジのローラの耳打ちで最初から知っていたのかもしれない(「ローラの耳打ち」便利だな)
リチャード(クーパー)「君の父親の名はリーランド」
キャリー(ローラ)「へえ、それで?」
リチャード(クーパー)「母親の名前はセーラだ
キャリー(ローラ)「セ、セーラ‥。い、一体どういうこと??
急に狼狽えた。明らかに目に見えて動揺している。
父の名前では動揺せず、今最も旬で邪悪な存在のセーラで動揺した。
キャリー(ローラ)はクーパーを怪しんでるし、このキャリー(ローラ)の父親の名前がリーランドじゃなかったのなら「それで?」ではなく「違うけど?!」とか強く言うはずなのでリーランドで合ってるんだろう。
ではセーラの名前も合ってたのだろうか。合ってなかったとしても魂に響いて恐ろしくなってるようにも見える。
どんどん、面白くなってきた。
やはりラスボスを内部に秘めていそうなセーラが、悪の焦点なのか?
リチャード(クーパー)「説明が難しいんだが‥僕は君をローラパーマーという少女だと思っている。君を母親の家に連れて行きたいんだよ。君がかつて、住んでいた家にね。とても重要な事なんだ。ワシントン州ツインピークスに行こう
無茶苦茶な説明だ。だが丁寧に説明すればするほど狂人度は上がってしまう。
キャリー(ローラ)は「疑ってるけど‥、今はここを離れなくちゃいけないからFBIのアンタに連れ出されるなら好都合」みたいな事を言う「支度するからちょっと家入ってて」
入ると、頭を撃ち抜かれた男が死んでいた。
このローラは「自分がローラじゃない」と認識してるのに、さっきのリチャード(クーパー)の訳のわからん説明で行く気になるのも変だし、他殺体がある部屋にFBIを名乗る男を招き入れるのも変だ。
リチャード(クーパー)は他殺体をしげしげと見た後、違う方向を見る。
壁に置いてある皿と馬の置物がアップになる
FBIのくせに、目の前に他殺体があるのに全然関係ない馬の置物を見て現実逃避している。リンチの間の抜けたギャグが冴え渡り、爆笑。
キャリー(ローラ)とリチャード(クーパー)は死体を前に、コートや食べ物の話をしている。遠足気分だ。こいつら一体どうなってるんだ‥というか今回面白いな。
第1章のNYガラス箱の部屋でエクスペリメントが出てきて「なんじゃこりゃ!」と思った時の新鮮さを思い出した。第1章と最終回は感触が似てる。
キャリー(ローラ)「とにかくこの腐ったオデッサの町からは出られそうね
おい‥逆だろ?本当は普通の町オデッサから腐ったお前が出ていくんじゃないのか?さっきの死んでる男、殺したの。お前だろ
★遥か昔、神の様な「消防士」と謎のセニョリータが創り出したローラ・パーマー。
この「悪の化身ボブに対抗する光の戦士」みたいな後付けで、死後26年経ったこの新シリーズでは過去改変によってとうとうガチで生き返ってしまった。
そんな感じで本作の中でもクーパーとローラは一際、特別なキャラクター。
クーパーは終始活躍してたのでいいとして、ローラはどうも昔から色んな男とSEXしまくったりドラッグやりまくったりで、今回の生きて大人になった並行世界のローラ‥キャリーもパッとしない生活をしているっぽいウェイトレス。家で男が死んでるし、多分キャリーが殺してるし、そしてこの男もどうせまた同情の余地のない、ろくでもないカスだったに決まってる。
一体ローラのどこが特別な女性なのかサッパリわからない。
そこが可笑しい。
リンチが、まるでローラのことを救世主のように扱ってるから、こちらもそのような心積もりで観てたが、ローラの一体どこにその要素があるのか?
神の御業は我々には計り知れんというところなのか(たとえば片手しかないゴム手袋を付けたヒョロガリ英国青年だけがキラーボブを斃せるとか)
どうでもいいがローラとかキャリーとか名前が日本のギャルっぽい。
関係ないけどローラ役の女優さん、若い時は好きじゃなかったけどオバサンになった今の感じ結構いいなと思った。
何か凄く良い中年女性の身体つきをしている。骨太の感じ。
それに、やっぱり妙なスター性がある。

ツイン・ピークスに向かうハイウェイ🚙
f:id:gock221B:20171115050923j:plain走行中の車内のキャリー・ペイジ(ローラ)。
異常に寡黙なキャラになってしまったリチャード(クーパー)は黙ったまま。
キャリー(ローラ)は、後ろから車が着けてきてるんじゃないか気になったりオデッサでの暮らしの愚痴を語るが、リチャード(クーパー)は特に返事しない。
殆ど台詞なしで車で走ってるだけのシーンが延々と続き、この一連のシーンが本当に異常なまでに長い!
10分くらいろくな会話もなく走って‥ガソリンスタンドに停まり‥給油して‥走り出した‥
「やれやれ、やっと事が動き出した‥か」と思っていたら
そのまま3分間ほぼ無言で走行してる辺りで飲んでたコーヒー噴きそうになった
現実か!
現実のドライブじゃないんだから!「ニーチェの馬」観てるのかと思った。
本シリーズはリンチの現在のリズムで間を取っていて、会話シーンでも平気で4、5秒間が空いたりしていた(次第に慣れて行って普通のドラマの方が不自然に見えてきたりもした)。いつだったかロードハウスでバイトが掃除してるだけのシーンが5分近くあった事あるが余裕で記録更新!しかも「オードリーのあの後」などを始めどうなったか知りたい要素が山盛りの上に、まるで宇宙が開闢するかのように新たな謎が増え続けてリンチに訊きたいことが山ほどある視聴者をわかってて、わざとやっている(視聴者は「あの‥」とリンチに話しかけたいが、肝心のリンチは真顔でこちらを見たままメリーゴーランドで回ってるので会話できない光景が頭に浮かんだ)
このくだり、リチャード(クーパー)とキャリー(ローラ)に感情移入して欲しかったのかな?
最初はイラッとしたがやがて傑作だと思うようになった
 

 

ワシントン州ツインピークス🗻🗻
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★前の世界ではパーマー家だった屋敷🏡
約13分間、ろくな会話もなしで目的地に到着した。
そんだけあれば、もっと色々話せただろ~。まあ意図的なものだから仕方ない
出発する直前、キャリー(ローラ)に「ツインピークスって遠い?」と訊かれたリチャード(クーパー)が「物凄く遠い。」と言っていた事を思い出し「本当に物凄く遠かったな!!」という気持ちになってニヤリとさせられた。
確かに「テキサスからワシントン州ツインピークスは遠かった」という実感は持てた。途中で眠くなったがリチャードが頑張って運転してるから我慢した。
このドライブで怒り狂う人も多そうだが僕は好きだった。だが若かったり虫の居所が悪かったら怒ってたかも(しかし最終話まで観てる人って中年の大ファンばっかりだろうから今更キレる人もいないだろ)
とにかく、前の世界ではパーマー家だった屋敷の前に着いた。
キャリー(ローラ)の手を取って進むリチャード(クーパー)。
1989年のツインピークスの山中にタイムスリップしてのローラ救出‥に失敗した時の様な構図。当然わざとでしょう。
リチャード(クーパー)はたっぷり間を取ってドアをノック。
中から出てきたのはセーラ・パーマーとは全く別人の、至って普通の中年女性
「セーラ・パーマーなど知らない、ここは自分の持ち家」と言う女性
この家はシャルフォント夫人という女性から買ったという。
そしてこの女性の名前はアリス・トレモンドだという。
★シャルフォント・トレモンド夫人というのは旧シリーズと劇場版で出てきた、明らかにこの世の人間ではない老婦人の名前。
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ちなみに一度訪問して会ったドナが、後日トレモンド夫人を再訪すると全く別のオバサンが出てきて「私がトレモンドですけど?」と言ってドナがビビる(ということは名前を騙っていたので本当の名前ではなかったのかもしれない)
劇場版ではローラに「コンビニエンスストアの二階」に続く絵をくれたり、ボブや小人や跳び男たちと一緒に「コンビニエンスストアの二階」にいるシーンなどもあった。完全に異次元の人だ。いつも連れていた孫は(この世界で邪悪な者が好む)クリームコーンを使ってマジックの練習したり跳び男っぽいお面を付けてたりした。
喋るとあまり邪悪そうではないが、どうも見てると不吉な陣営の者に見える謎の人物。
上品な老婆の顔だけが持つ怖さを遺憾なく発揮してて旧ツインピークスでベスト3に入るくらい好きなキャラだった。他にも「ブルー・ベルベット」「ワイルド・アット・ハート」や「マウス・オブ・マッドネス」のピックマン夫人役でもカッコよかった、この女優さんは当然亡くなっているがキャラの名前だけでも出て嬉しかった
この世界の、トレモンド夫人は今リチャード(クーパー)とキャリー(ローラ)の前にいる普通の女性。だがシャルフォント夫人から買ったという。前の世界のシャルフォント・トレモンド夫人が分裂している?どちらにせよ、この世界のパーマー家の屋敷も不吉な空気に包まれている事は間違いなさそうだ。
とにかく今目の前のアリス・トレモンド夫人にこれ以上訊いても何も出ない。
「ここはシャルホン夫人から買ったアリス・トレモンド夫人の家。セーラ・パーマー知らない」情報はそれだけなので、もうどうしようもない。
超長い道のりをドライブして来たのにションボリと引き返す2人。
ドライブシーンがクソ長ったために、彼らの徒労感はいやがおうなしに伝わってきて可笑しくなってきた(クーパーに至っては平行世界を幾つか横断したのに)
我らがヒーローと何も出来ない救世主が、ヤバいほどしょげ返っている。
ドライブに13分も使ったので、もう放送時間が残り少ない。
「26年間に及ぶツイン・ピークス・サーガがとんでもない終わり方しそうだ‥」と、興奮してきた。
車に近づき、キャリー(ローラ)が振り返って屋敷を何となく見る。
リチャード(クーパー)も同じく振り返る。
過去改変の件から考えると、振り返るのは敗北フラグであまり宜しくない行動
リチャード(クーパー)は自己の内面を見つめ何か考え始める。
そして言った
リチャード(クーパー)「いまは何年だ?
えっ‥そんな台詞を最後にわざわざ言うって事は、パーマー家が住んでないくらい時代がズレてる平行世界に来てしまったかもしれないってこと?
モーテルで寝てる間にも横断したようだし、お目当ての世界に来れてない?
違うのなら最後にわざわざこんな事言わないだろうからズレてるんだろう。
近未来(アリス・トレモンド夫人が何年か後にリーランドに売る)なのか、それとも過去(パーマー家がシャルフォン夫人に売ってアリス・トレモンド夫人へ)シャルフォン夫人はコンビニエンスの二階勢だから後者の「パーマー家は過去住んでた」って方かな。
そう言われると微妙に何年なのかわからないシーンばかりだった(そのためにテキサスを舞台にした?)
だが同時に「目的を失ったクーパーとローラが途方に暮れてる」という雰囲気を強調するだけのシーンにも見える。何とも締まらない。
「いま何年?」と訊かれてもパートから帰って疲れ切ってキッチンに座ってる母親の様な顔で元気のないローラ。
するとパーマー家‥いやアリス・トレモンドの屋敷の中からセーラ・パーマーの声で
セーラ・パーマー「 ロ~ラ~~ 」
と聴こえる。めっちゃ怖い
するとキャリー‥いやローラはいつもの身の毛もよだつ異常に神経に来る絶叫
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リチャード(クーパー)、ローラの絶叫にビクッ!とする。
アリス・トレモンドの屋敷‥いや、セーラの家は電気がバッとまたたき、シュボッ!という音とともに全ての電気が消える。多くの謎を残したまま‥
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その後スタッフロールのバックで、ブラックロッジでローラがクーパーに耳打ちしてる場面が流れて終わる。一体何を耳打ちしてたんでしょうね。。
そういえば第1章冒頭で「消防士」の屋敷にクーパーが居て「リチャードとリンダ」とか言われてたシーン、あれは何時の時系列(と言っていいのか)だったんだろう。


The END


▲▲
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最終回だが僕は凄く面白かった。
本シリーズの中で1、2を争うくらい好きな回ですね。
最後に無茶苦茶にして終わるのは皆わかってる事なので「観たらムカつくかな」と想像してたので意外だった。
正攻法の一番いい回は第16章(クーパー復活、オードリーのダンス回)だと思うが、今回の最終回は第1章にも似た、新しい要素や謎を打ち出してくる新鮮さ、リンチの現役感や現在進行形さが出ていて最高。
逆に言うと、前回の第17章が実はあまり好きじゃなかった。
なぜ黙ってたかというと最終回を目前にテンションを下げたくなかったから。
ブレナン夫妻の活躍や裕木奈江さんの大役は嬉しかったけど、あからさまに以前から匂わせてた「フレディがボブをやっつける」展開や、全員同時に同じ場所同じ時間に集合する少年漫画みたいな嘘くさい展開とか、タイムスリップでの過去改変とかを出してくる深夜アニメ臭さが苦手でした。
というか、ただでさえ何でもありのツインピークス世界で過去改変とかやったら、もう‥何でもあり得過ぎて良くない感じがしたんですよね。
だけど今回は、中途半端に過去改変したあげく並行世界に行ってしまう(しかも何駅か乗り過ごす)
その後の展開‥、めちゃくちゃ怖い「もう一人のダイアン」や、置手紙を書いてたのは真ダイアンだったはずなのにリンダになってしまってる。クーパーの性格が変わっている。「ジュディ」というダイナー。キャリーという名になっているローラ‥などなどのツインピークス方程式で解けない謎が次々と放たれ、リンチの間抜けなギャグも満載!で満足しました。
というか前回までの話が全て今回の前振りにまで思えてきた‥。
色んな作品内のツイン・ピークス:ルールを散々、視聴者に植え付けたところで、それらが通用しない最終回をぶつけてくる感じ?その感じが僕は良かった。
リチャード化したクーパーの間抜けな口ぶりや、長すぎるドライブは笑ったし。
ラストのセーラだが、セーラは前回「2016年の家に居ながら25年前のローラの運命に影響を与える」という離れ業を見せたのでローラへの呼びかけはまあ、そんなに不思議ではない。インフィニティストーン2個持ってるくらい強い
ラストだけ見ると、旧シリーズの「悪を制したと思ったら一杯喰わされたエンド」を踏襲した感じか(というか、そうなると劇場版での、殺されたが天使に救済されたローラは何なんだったんだろう)
また数年後に続編が始まったら最高だし「この第18章にて全て完結」と言われても、まあそれはそれで受け入れられる。
もし続編が作られた時、クーパーとローラーとセーラ以外、全てこの新しい世界でも面白いかもしれない(だってこの新シリーズは旧キャラより新キャラや新しい要素が良かったので)
前回第17章を観て、最終回には期待してなかったんですが蓋を開けてみると予想を良い意味で裏切られました。
数々の放り投げられた謎とかは、最終回を観た直後のせいか割とどうでもいい(なにしろ世界そのものが既に放り投げられた後だし‥)
★やっぱり「18時間の長い映画を18分割したようなもの」と言われてただけあって、最初の6話くらいはネタフリばっかで正直あまり面白くなかった。
中盤動き出して、終盤はずっと面白かった。やはり全18話を三幕構成で作ったのかな
1話づつ観るドラマとしてはバランス悪いが、何ヶ月もかけて長ーい映画を観たと思えば「このクソ長い映画、面白かったなぁ!」という感覚が残った。
だがその反作用として、主人公クーパーが白痴と極悪人に分裂してしまい、まともなクーパーが観れない。代わりにゴードン&FBI勢が主人公役を努めていたものの主人公クーパーが捜査官としてまともに稼働できなかったのが残念でもあった。加えてツイン・ピークスのお馴染みキャラの出番も殆どなしで、観ていて安心する展開が殆どなかった。
だから今回のシリーズ自体は、まるでドーナツの様に中心を欠いた代物になっており、旧ツインピークスみたいに何度も繰り返して観る魅力には乏しかった。
でも面白かった。
長所と短所は表裏一体で、安定感はないが「一体どうなるのか?」というワクワク感があった。
リンチが打ち出す、大衆受けしない新しい展開へのチャレンジ精神に一番感動したかもしれない
それにしても我らがヒーロー、クーパー捜査官のファイナルアクションが
「ローラの絶叫にビクッとする」だったとはね。
やっぱ好きだわツイン・ピークス。また帰ってきてよ
★旧シリーズ、FWWM(劇場版)、マルホランド・ドライブとかロスト・ハイウェイインランド・エンパイアとかも本シリーズを踏まえて観ると以前と全然違って観えそうなのでどれも再見すると楽しはず
★好きな回は第111141618章。
★好きな旧キャラはアルバートローラ(キャリー)カール・ロッドクーパー
★好きな新キャラはジェイニーEタミーミッチャム兄弟ブッシュネル
★また全18話まとめての感想を本や映像ソフト買った時に書くかもしれないが僕の感想はとりあえずこんな感じでひとまず終わります。

 

そんな感じでした

ツイン・ピークス The Return (2017)」全18話
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ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ - U-NEXT
Twin Peaks (TV Series 2017) - IMDb

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