gock221B

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『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)/覚醒した雷神をも電気ショックで気絶させる服従ディスクと溶け棒が強すぎる⚡


原題:Thor: Ragnarok 監督:タイカ・ワイティティ 製作:ケヴィン・ファイギ 脚本&原案:エリック・ピアソン 原案:クレイグ・カイル、クリストファー・ヨスト 原作:スタン・リー、ラリー・リーバー、ジャック・カービー 主題歌:レッド・ツェッペリン「移民の歌」 制作会社:マーベル・スタジオ 製作国:アメリカ 上映時間:130分 シリーズ:「ソー」シリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバース

 

 

「ソー」トリロジー完結作。MCU17作目。
アベンジャーズBIG3のパワー担当、レンタル始まってたので観た。
観れば絶対面白いのはわかってるがアメコミ映画が多すぎてMCU疲れを起こしてたので後回しにした。
ワイティティ監督の映画は、感想書いてないけど最近Huluで「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」観た。面白かったし本作は「シェアハウス‥」に似てたし、どういう資質を買われたのかがわかった。先に観といた事でより楽しめた気がする。
MCUの中でもワースト3に入る前作「ダーク・ワールド」がまずかったのか、本作は社長やキャップに比べて結構間を空けて制作された。そして過去のソー要素が全て削り取られた。ほぼ別物と言っていい‥が、ソーとしての大事な背骨は残ってるのがさすがマーベル・スタジオさすがワイティティ監督といった感じだった。
ネタバレあり

 



1、2作目共にアスガルドの王子ソーがロキと張り合いつつ、アスガルド王宮劇や地球に来て、ジェーンやセルウィグ博士やダーシーなどの愉快な仲間達と戯れつつアスガルドとミッドガルド(地球)間のカルチャー・ギャップを受けながら奮闘する‥という展開で、一応ヒットはしたが大ヒットとまでは行かなかった。そこで間を開けて大きく路線変更して大ヒットした本作。
本作ではそんな過去の展開を、ムジョルニアやジェーンやセルウィグ博士やダーシーやどうでも良すぎるダーシーの助手の青年達やウォリアーズスリーごと今までの設定を全て棄てつつ、ユニヴァーサルとの契約上ハルクの単独作が作れないから「プラネット・ハルク」も同時に描きながら、ソーとロキの絡み、ソーとヘラ、ソーvs.ハルク、ラグナロクアスガルド終末‥などの数多くの要素を盛り込みつつソートリロジーを完結するという荒業が行われた。
マーベル・スタジオズが近年編成したというライター・プログラムという脚本作成システムで作られた脚本を、コメディが得意なワイティティ監督が軽快に撮った。
ソーが雷神として覚醒したりロキと和解したりハルクやヴァルキリーと共闘したりして表面的には明るいが、大部分においてソーのお馴染みの身内が殆ど死んだ上に文字通り世界(アスガルド)の終わりが描かれる。
ラグナロクは結局防ぐ事ができない。
事象だけ見るとめちゃくちゃ暗いのだが、5分に一回くらいの割合でギャグが挟み込まれるしソーは絶対にへこたれないナイスガイなので、本当は悲惨なのだが最初から最後までめちゃくちゃ明るく観られるという太古の神話みたいな映画だった。北欧神話が元になってるのでこれが正解なのかも。
殺害されるウォリアーズスリーについては「3人が殺されたことをソーが最後まで気づいてない」という荒業で楽しさをキープしていた。
そんな本作の作風は「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」に似てた。
そして、本作の中盤の舞台、惑星サカールは何もかもがMARVEL創成期の伝説的アーティストのジャック・カービー的デザインで装飾した部分も最高だった。
だけど作品内の情報量が多く、まるで隙間を埋めるかのようにギャグを連打しまくるせいか性急に感じたりもした。
「こんなに面白くしすぎなくてもいいよ。もうちょっと中盤にのんびりした退屈なシーンもあっていいぞ」とも思った。
だが、それは中年だからそう思うのであって中高生や大学生にとっては、このテンポこそが丁度いいのかもしれない。
ソーは作風に合わせてか、ギャグを言ったりおどけた台詞を言う機会が増えた。
それが狙ったのか偶然なのか、何が起きてもへこたれないというソー的なキャラに上手く結びついていた。
ソーの覚醒は、ハルクやヘラにボコられて気が遠くなって父を幻視して真の雷神パワーが目覚めるというもの。
修行や生い立ちの回想などで覚醒するという少年ジャンプ的な覚醒ではなく、一度死にかけた際に亡き父の幻と共に悟りを得て覚醒するという西部劇や香港カンフー映画みたいな覚醒。
覚醒と同時にレッド・ツェッペリン「移民の歌」が流れ文句なくカッコいい。
それなのにすぐに失神させられるのでハルクとの勝敗は持ち越し(これがBEST。2人に優劣がつくのは良くない)、ヘラには覚醒ソーでもダメージを与えられずスルトを使いアスガルドごとぶっ潰すしかなかったし結果的にラグナロクも防げなかった‥というビターな展開。
展開は若者向けのハイスピードなのに、ストーリーはめちゃくちゃ古風で、その苦難はコメディで覆われているという、そのバランスが新鮮で良かった。
あまり他で思いつかない映画だ。
だがソーが覚醒で得たものは雷神パワーや結果といった具体的なものではなく「心の持ちよう次第で物事の見え方は如何様にも変わる」という普遍的なものだったので別に無双できなかった事はどうでもいい。
ヒーローものの価値は心の持ちようを描くのが一番大事なので、これでOK。
そういえば映画版ではドナルド・ブレイク状態が無くて見れなかった杖(本作では傘)を地面に打ち付けて変身するシーンがあってめちゃくちゃカッコよかった。ロキと並んで変身するこのシーンは盛り上がった。
やはり変身好きの日本人のDNAが反応したのかな?
ウォリアーズ・スリー(そして他の作品の撮影中で参加できなかったシフ)はバッサリ切られた。だけど彼らが輝いた時って一作目で地球にいるソーを四人で訪ねてきてガラス越しに「やぁ!」と笑顔で手を上げた数秒しかなく魅力を出せなかったのでリストラも仕方ない。シフは女優が本作に出演できなかったために生死は不明。
入れ替わりでヴァルキリーが、過去の彼らのようなポジションになった。
原作では金髪+白人というめちゃくちゃ白い色合いのキャラだったのに本作では黒人女性になったので「黒人に文句あるわけではないがイメージが原作と違いすぎる‥」と最初は思ったが、これはこれで魅力的だし、そもそも原作ヴァルキリーに大して思い入れないので別にいい。
※とか思ってたが「ヴァルキリー」とは個人名じゃなくて団体名で、このヴァルキリーは原作の白人ヴァルキリーとは違う‥言わばオリジナルキャラのようなものだと後で知った
だが、過去のトラウマやオーディン歴史修正主義に呆れていたとしても、彼女のソーに対する態度が悪すぎて「何でこいつ何も悪い事してないソーにここまで偉そうなん?!」と若干イラッとした。
だが悔しい事にキャラがバッチリ立ちまくっていて、ウォリアーズ・スリー&シフを4人全員足したより数倍もキャラが立ってて魅力的だった。
出番が多いのもそうだが、ヴァルキリーは喋ったり何かワンアクションする度に眉をくいっと上げたりとキメ顔を決めてくる。まるでWWEスーパースター(レスラー)のようだ。仕草の一つ一つが魅力ありすぎる。
ウォリアーズスリー&シフにもう少し出番を‥と思わないでもなかったが、本作の中でやる事が多すぎるので瞬殺もやむなしか。浅野忠信がヘラの攻撃を数発ガードして顔を一発殴った事を破格の待遇だと思って良しとするしかない。
ヴァルキリー、後半の正装はめちゃくちゃお洒落でカッコよかった。
銀アーマーと青マントという組み合わせ、そして褐色の肌に黒髪。‥カッコ良すぎる。今後の活躍も期待できる。
ロキはいつも通り常に最高なので省略するとして。。
バナーはハルク状態で二年過ごしたせいか、ハルクも幼児程度に精神年齢が成長したようだ。腹を立てて腕を振り回してふくれたりして妙に可愛いハルク。
ソーと喧嘩したりヴァルキリーとじゃれ合ったり‥いいなぁ、このハルク好きだわ。
他には100倍くらい強くなってたドクター・ストレンジ(タイムストーンを使って数十年ぶんくらい修行したのではないだろうか)。最後にジョン・カーペンター的な反抗を見せてカッコよかったスカージ。皆、魅力的だった。
ヘラはホーガンやアスガルド軍を殺す前に「私に会いたかったのではないのか‥」と言うのが寂しそうだったのと、ソーと闘ってる時が凄く楽しそうだった。
ヘラは、あの感じでは死んでないのではないか?という感じがする。
死ぬんだったら、もっと「決定的に死んだぞー」と分かりやすく死を描くはずだと思う。
きっとヘラが死んだか否かは客の反応を観て、後で出したくなったら出してくるんだろうなと思った。
全編、異世界で急展開が全編続くせいか、ソーとハルク状態を解除したブルースがサカールの町を彷徨いたり、ヴァルキリーの部屋で相談したり、宇宙船で脱出する普通っぽいシークエンスが凄く面白かった。
ユニヴァーサルとの権利関係で不可能らしいがハルク単体作も観たいな。「ワールド・ウォー・ハルク」が観たい
⚡あと監督自ら演技したというコーグがめちゃくちゃ面白かった。
また出てきてほしい。コーグはめちゃくちゃ可愛い。
ロキの幻を見て壁を不格好に蹴るというチャウ・シンチー映画みたいなシーンが、めちゃくちゃ好き。
グランドマスターの幹部が太ったオバチャンだった。ラスボスの幹部がオバチャン‥というのは珍しい。DCに太った強おばちゃんいたっけ
⚡惑星サカールのジャック・カービー的デザインが素晴らしかった。
ジャック・カービーのデザインは好きなので、光線銃とか宇宙船とか建物とか内装とかファッションや宇宙人デザインとかどれもこれも、めちゃくちゃ良かった(建物に彫刻されたベータ・レイ・ビル!)
あと足りないのは黒い謎の玉とか金属のテカリくらいか。
今後もコズミック方面はカービー的なデザインにして欲しい。
ジャック・カービー的な宇宙船がジャック・カービー的な建物のカタパルトから飛び立つカットが、どれも「UFOロボ・グレンダイザー」などのダイナミックプロのロボットアニメっぽくてめちゃくちゃカッコ良かった。
サカールは、闘技場もグラーディエーターマンションも、ゴミ捨て場でさえカラフルで、観てて全然飽きなかった。ガーディアンズvol2もウケたし恐らくジャック・カービー的カラフルMARVELデザインは今後も続けていくんだろうから、次のコズミックものや異世界もののMCU作品が楽しみだ。
ちょっと情報量とギャグが多くて、観てて疲れたが文句なく面白かった。
過去二作も嫌いではなかったが、テコ入れして大ヒットした矢先にシリーズが終わるのは寂しくも感じた。だがテコ入れしなきゃどうしようもなかったのもわかる。
あまりに情報量とギャグが多いので、中盤のソーがバナーと街歩きしたり、コーグと絡んでる場面などのほのぼの描写が一番好きかもしれない。
5分に一回ギャグ‥という感じで、最初は良かったがソーがハルクの部屋の窓をボール投げて失敗するとことか、バナーがアスガルドに飛び降りてハルクに変身しようとして失敗する場面などは「もうここでギャグ入れたら流れが停滞するから、ここはスッと行けよ」と少しイライラした。
そういえば何があっても流血しないのがちょっと不自然な気もする。
ソーが目を潰されても流血するわけでもなく赤黒いよくわからない患部になってたのも気になった。だが子供も観れるようにするには仕方ないのかな。
ヘラは素晴らしいが、アスガルド軍を数分で壊滅させたのはどうなのか‥そしてヘラに合わせてアスガルドの人口自体が今までの10分の一くらいに縮小して見えた。
また、本作は強さがよくわからない過ぎる。
冒頭でソーは最強のスルトをあっさりと御する事ができた、それはスルトが永遠の炎でパワーアップしてない通常状態だからだが、ここでスルト自体があまり強くない印象になってしまった。そして、そんなソーが雷神として覚醒しても傷一つ付けられないヘラ。めっちゃ強い。ではヘラvs.覚醒ラグナロクスルトは?ヘラは奮闘したが覚醒スルトが買った。ヘラの強さを描きすぎたせいか、ヘラなら覚醒スルトをも瞬殺できるんじゃないかと思ってた。
こんな感じで強さの基準がよくわからない。
それとグランドマスターが作ったという、ソーを従わせるために使った電気ショックを発生させる「服従ディスク」。雷神なのに電気ショックに負けちゃうんだから相当すごい電気なんだな‥と思ってたら、数々の苦難を乗り越えて遂に雷神として覚醒したソーさえも電気ショックで気絶させる。どんだけ強いねん!この電気。
クリリンのことかー!」で超サイヤ人に目覚めた悟空が次のページで電気ショックで倒れたらどう思う?電気ショックが最強だと思うだろう。そして何度も言うがソーは雷神‥しかも覚醒した雷神。この電気ショックを作ったグラマスが爆弾作ればサノスも余裕で倒せそう。
あとグランドマスターの溶け棒。ちょんと触れただけで溶ける。
この2つの道具があまりに強すぎる。もっとインフィニティ・ストーンに匹敵する神秘的で不思議アイテムにして欲しかった。電気ショックはないだろ
それとも我々が思ってる以上に、グラマスが強すぎるのか?
⚡追記:そんな感じで「面白いけど、ちょっとな‥」という感じで観た本作だが「インフィニティ・ウォー」後に何度か観てると、何度観ても飽きないしやはり最初に言ったように色んな複雑な要素を同時に何とかした処理が凄い。
また「IW」での運命を考えると、本作の妙な明るさや、ラスト(ソーが「ここにお前が居れば抱きしめるのに」と言って投げた石を受け止めたロキが「いるよ‥」と言う)ラストを再見すると何だか全編が凄く尊いものに思えて、公開時より感動的に感じた。ソーやアスガルドが「アベンジャーズ4」以降どうなるかわからないが、彼らの行く末やタイカ監督の次回作が楽しみになった

 

 

 

そんな感じでした

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2016年の日本公開映画ベスト5を今頃やっと考えました🎬


もう2018年も、春の足音が聞こえてきたという今日この頃、2016年の観たかった映画をようやく殆ど観たのでベストを決めた。
なるべくその年の年末にこういうのが書けるよう追いつきたいが、去年の2017年のやつもまだ20本くらい観てないのあるのでなかなか追いつかない。
逆に考えてみてください。「こいつ!映画ブログ書いてるくせに2年も経ってやっとベストを考えやがった!」ではなく「2年間、このことを忘れなかった真面目な部分のある人なんだなぁ」‥と。
それで最初から最後まで好きな順番なので正確にはベスト48と言える。下に行けば行くほど好きじゃない映画になる。

 

 

1:「シチズンフォー スノーデンの暴露 (2014)」
2:「ザ・ウォーク (2015)」
3:「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)」
4:映画『この世界の片隅に』(2016) ※このブログに記事なし
5:「インシディアス 序章 (2015)」 
※太字のタイトルは個別にリンクした



5位から下
「シン・ゴジラ (2016)」  「ブリッジ・オブ・スパイ (2015)」 「帰ってきたヒトラー (2015)」 「ハドソン川の奇跡 (2016)」 「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に (2016)」 「死霊館 エンフィールド事件 (2016)」 「ヘイトフル・エイト (2015)」 「ザ・ボーイ~人形少年の館~ (2016)」 「スポットライト 世紀のスクープ (2015)」 「イット・フォローズ (2014)」 「ドント・ブリーズ (2016)」 「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (2016)」 「オデッセイ (2015)」 『ゴーストバスターズ』(2016) 「ヤング・アダルト・ニューヨーク (2014)」 「COP CAR/コップ・カー (2015)」 「キャロル (2015)」 「トマホーク ガンマンvs食人族 (2015)」 「デッドプール (2016)」 「ボーダーライン (2015)」 「エクス・マキナ (2015)」 「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK (2016)」 「マネー・ショート 華麗なる大逆転 (2015)」 「ロスト・バケーション (2016)」 「スティーブ・ジョブズ (2015)」 「コロニア (2015)」 「ルーム (2016)」 「残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋― (2016)」 「アイアムアヒーロー (2016)」 「スター・トレック BEYOND (2016)」 「ズートピア (2016)」 「クリーピー 偽りの隣人 (2016)」 「貞子vs伽椰子 (2016)」 「ミラクル・ニール!(2015)」 「バンクシー・ダズ・ニューヨーク (2014)」 「ダゲレオタイプの女 (2016)」 「ライト/オフ (2016)」 「アンフレンデッド (2015)」 「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 (2015)」 「ハイ・ライズ (2016)」 「クランプス 魔物の儀式 (2015)」 「レヴェナント:蘇えりし者 (2015)」  

 

イマイチ
「サウスポー (2015)」 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント (2016)」 「教授のおかしな妄想殺人 (2015)」 「10・クローバーフィールド・レーン (2016)」 「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)」 「X-MEN:アポカリプス (2016)」 「ラザロ・エフェクト (2015)」 「スーサイド・スクワッド (2016)」 「ゾンビーワールドへようこそ (2015)」 「フィフス・ウェイブ (2015)」 

 

 

こうして観ると中年にしてはかなりアホっぽいベストだけど趣味嗜好なので仕方ない。
アメコミ映画やB級ホラー映画っぽい内容のものやオカルト映画が高評価になる傾向があると思う。それと「狭い世界で起こるちょっとした出来事」みたいなのが好き。
映画好きな人は年々シネフィルになったり独自のオブセッションに取り憑かれたり、もしくは好きな作家のオブセッションを自分のオブセッションだと思いこんで取り憑かれたりする。もちろん僕もこのブログを始める前までは正にそんな感じの好みをしていたが、ある日突然全てがアホらしくなった。そして多分、他人にどう思われようと構わなくなったのでブログを始めたんだと思う。
その結果本当の自分(つまり普通のバカ)がそこにいた。
それが良いとも思わないが以前よりはマシだと思う。
広島県出身だし『この世界の片隅に』(2016)も良かったんですがブログに感想書いてないうちに感想書くタイミングを逸してしまいました。
 

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「シチズンフォー スノーデンの暴露 (2014)」「ザ・ウォーク (2015)」
最初は「ザ・ウォーク (2015)」が一位だったんだけど5年以上経ったら「シチズンフォー スノーデンの暴露 (2014)」の方が印象に残ってるから入れ替えました。ドキュメンタリーで一位はこれだけや。単純に陰謀論厨二病みたいな世界が現実だったという面白さ、スノーデンのクールさなど。

 

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)」
MCUは始まった前から好きだが連続ドラマになってるのでベストを作る頃には最新作に目が奪われて過去作は古く感じられて順位が下る傾向がある。
また好きだったとしても後の展開によって評価が下がったり(「アイアンマン3」とか)するが「シビル・ウォー」はMCUの中でもかなり普遍性あって良いと思う。どこが一番いいかというとキャップと社長、双方に正しい言い分と明らかに間違ってる言い分を持たせてる事だと思う。これによって脳内で双方が闘い続ける。そして答えが出ない。だから、どちらか片方だけに100%肩入れする人は物事を何でも二極化した白か黒かでしか考えられないお子ちゃまだとと思う(まあそんなアホはさすがにいないか)
スパイダーマンの紹介や、後続で一見地味に見られがちなブラックパンサーに最大級の良い役を与えたり(主役のキャップですらグレーな役を振り分けられてるのにブラックパンサーは唯一、完璧に正しい役を振られている)。あまり目立たないアントマンには単独作でもまだやってないジャイアントマンという見せ場が与えられてる。ホークアイはウルトロンで大正義キャラだったせいか頑固なオヤジキャラ化し、最強の背景キャラのビジョンはまたも良いところなし。
キャップ好きとしては、キャップ映画は常にMCU作品に奉仕させられてるという不満も無くはないが、そんな利他的な構造もまたキャップらしいし面白いのでまあいい。

 

インシディアス 序章 (2015)」と「死霊館 エンフィールド事件 (2016)」
この2作が僕の好きなジェームズ・ワン制作ホラーの中でも極まった最高峰だと思う。
普通、ベストを考える時に同じ要素のものは2つ入れない。だけど序章とエンフィールド事件どっちも外せなかった。エンフィールド事件はそれまでになかったエモさも加わって何か新フェイズに移行しそうな感じもした。
だけどジェームズ・ワンは最近ホラー以外を撮りたがってるっぽいし翌年のアナベルの続編が、初めてクオリティ下がったつまらないものだったのでかなり醒めた。今までいっぱい楽しんだからもういいかという気もするし潮時感もある。
まだまだ「インシディアス:ラスト・キー」「NUN」「へそ曲がり男」などが控えている。ホラー界のキングの座を奪った「IT」に逆転できるか?

 

この世界の片隅に (2016)」
この映画は本当なら絶対ベスト3以上に入る傑作なんだと思う。
多分、公開初日に観てたらそうしてた気がする。
かなり遅れてレンタルで観た。噂通り傑作だし、何よりも登場人物たちが皆クールなのがめちゃくちゃよかった。もっとベタベタした話だったら嫌だなと思ってた。
僕は作品の舞台になった広島県呉市に実家がある。
だから作品中に出てきた病院とか山とか全部近所だし地名も全部知ってるし、毎年夏に戦争映画とか学校で見せられたので不思議な気分になった。
すずさんの家は僕が通ってた学校の近くだし。ちなみに実家の母にこの映画の話をすると「今、呉では片隅フィーバーよ」と言っていた。
だけどこれを観るのがめちゃくちゃ遅かった。
大絶賛の嵐が二次、三次の爆発を迎えて海外でも評価されたり散々した後に観たので、「ここは感動!あそこも凄い」と、頭では理解できるのだがなかなか入っていけない。
何というか‥「客観的に観れない」というのはよくあるが、この場合「主観的になれない」という状態になってしまった。あまりに大勢が絶賛した少し後に観ると、こういった盛り上がりすぎてる飲み会にシラフで途中参加したような感じになる。
その場合「自分の映画」というように感じることができないのだ。
思えば「マッドマックス 怒りのデスロード」も同じように観るのが遅かったせいで内容は明らかに大傑作なのだが未だに主観的に観ることができない。
わかりますかこの感じ?
そして観た映画は絶対に感想書くようにしてたのだが、浮かんでくる感想が全部「何かどっかで誰かが言ってたな」というものばかりなので感想も書かなかった。
この映画が悪いのではなく観るのが遅すぎた僕が悪かったという話です。
5年後の夏くらいまで寝かせてから、呉市の実家でもう一回観てみようと思う

 

ヘイトフル・エイト (2015)」
本当は1位か2位にタランティーノの「ヘイトフル・エイト (2015)」が入るはずだった。
いや「ザ・ウォーク」は何度も楽しむ感じの映画じゃないからヘイトフル・エイトが一位だったんだろうと思う。
が、タランティーノはワインスタインとかユマ・サーマン関連のアレコレ(その話すると長くなるので知らない人は検索してください)で、楽しく観たりする気分になれないので棚上げしておく。
タランティーノは、僕が高校卒業して実家出て初の一人暮らしを始めた時に「レザボア・ドッグス」が公開されたので最も共に生きた感のある監督で一番好きだった。
ちなみに全ての映画の中でここ10年間くらい一番好きだった映画は「デス・プルーフ」でした。
だが今となってはキルビルの次に観たら嫌な気分になる映画になってしまい自分の中で死んでしまった(これにより一番好きな映画はジョン・カーペンターの「ゴースト・オブ・マーズ」が繰り上がった)
そしてタランティーノ作品群でも特に好きだった「デス・プルーフ」「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」などの、虐げられた女性が悪に復讐するという、内容は今でも超最高なのにも関わらず今となっては「一体どういう気持ちで観ればいいの?」と思って観れない作品群とは違って「ヘイトフル・エイト」はクズ達のバトルロイヤルみたいな話なので比較的ダメージは少ない。本作を撮ってる時のタランティーノは既に反省した後らしいしね。だけど終盤の、善良な女性たちが虐殺される場面とか観たくないわ‥
だけどそれでも微妙な気分になるものがある(そもそも始まるときのWロゴでもう観る気失せる)
こういった問題には「時代の性格」というものが作用する。
恐らく2000年代だったら「監督の人格と作品は別!」と言って作品を見るぶんには影響なかっただろう(僕だけでなく多くの人がそうだったはずだ)
そしてもし90年代だったら「タランティーノはやっぱ映画狂だなぁ!」という感じで肯定されていた可能性が高い。若い人はピンと来ないだろうが絶対にそう(フリードキンやキューブリックなどが緊迫感を出すために俳優をビンタしたりショットガンぶっ放したり、わざとNG100回出して精神的に追い込んだりと無茶苦茶な演出して緊迫した表情を出させてたのが賞賛されてた時代)。でも今はアウト
本人はかなり前から反省しててユマ・サーマンも「彼を許してあげて」という感じになってる。だから、また楽しく観れる時が来る気もする。そう思えたらいいなぁと思う。だけど今は駄目だ。また、そういう時が来るのか来ないのか、来るならいつ来るのかなどは未来の僕以外はわからない。そして他人がタランティーノ作品のことをどう思おうが応援しようがそれは各員の自由なので何とも思わない。
近年公開のチャールズ・マンソン映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」も厳しいだろう(何て面白そうなタイトル‥。そして絶対面白いに決まっている)。劇中、マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートが史実通り惨殺されたら「げぇ‥」と思いそうだし、イングロなどの「映画で復讐シリーズ」みたいに史実に逆らってキレたシャロン・テートがマンソン一味を逆にぶっ殺すハッピーエンドになったとしても「これは凄く良い展開だけど、でも一体どういう気持ちで撮ったの?」という複雑な気持ちになりそうなので、どっちに転んでも厳しい。でも彼がどう乗り越えるのか楽しみな気もする。タランティーノ版「スタートレック」も出来れば楽しく観たいし
本当に普通に応援できる日が来て欲しいと、自分の脳に対してそう思う。他人は関係ない

以下「ワースト」ゾーンはアメコミ映画の活躍が目立った
バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)」

これは世界各国の「2016年のクソ映画」みたいなやつで数多くワースト1位に選ばれてた。僕も嫌いだしつまんないけど、ザックなのでカッコいい戦闘シーンとか怖いバットマンとかワンダーウーマンの登場とか、いい場面もたくさんあった。何だかんだ最後まで「面白い」という感覚を持ったまま観れるので、この上の「イマイチ」ゾーンの映画より実は面白い。だけど「バットマンvs.スーパーマン」という一回しかできない大ネタでこんなもん作ったという事で多くの人がこの年の駄作に選んだんだろうってこともわかる気がする。
X-MEN アポカリプス (2016)」
は、毎回「こいつの映画を作ればいいのに」と思わされるクイックシルバーのアクションや、僕の好きなオリヴィア・マン演じる僕が好きなサイロックのアクションなど数少ない楽しい場面を除いて本当にしょうもなかった。そして恥ずかしさも高い
よく覚えていないが本当は一番つまらなかった映画たち
ダメコミ映画だけじゃなく地味に「フィフス・ウェイブ」とか「ゾンビスクール」「ラザロエフェクト」などというよく覚えていないゴミもあり、シュワさんがゾンビになった娘を悲しい顔して看病する映画「マギー」では寝てしまい、夢の中とスクリーンの両方でシュワさんに会えた。「ラザロエフェクト」に至っては何一つ覚えてないので何も書くことがない。本当はこれらがスースクよりつまらなかった。だが、これらの映画の話をしても誰も観てないし、そもそも俺の記憶からも殆ど消えてて「『クソだった』。それだけは忘れずにいよう」という過去の自分の決意以外、内容を全く覚えていないので盛り上がらない。「ワーストの称号すらこいつらには勿体無い」という事かもしれない。やはりダメコミ映画の話をする方が楽しい。だから僕の2016年のダメ映画は「スーサイド・スクワッド」に決定。スーサイドスクワッドにはその価値がある。
ワースト1位「スーサイド・スクワッド (2016)」
X-MENアポカリプスのしょうもなさと恥ずかしさを更に倍増したアメコミ映画は「スーサイド・スクワッド」だった。もう「マーゴット・ロビーのハーレイのコスプレが可愛い」というところしか良いところがない(ちなみにこのハーレイは見た目以外はクソキャラ)
「グリーンランタン」よりつまらない。これより下は「ファンタスティック・フォー」とかくらいしか思い出せない。観る前から嫌な予感がしてたBvSやアポカリプスと違い、こっちは公開前に誰もが「面白そう!」「マーゴット・ロビーのハーレイ可愛い!」などと期待していた分、予告編に騙されて観に行ったアホの落胆も大きく(その中には僕の姿も)、大ヒットこそしたが決定的にDCワーナー映画の低評価が決定づけられた。BvS→スースクの失敗はボディブローのように効いて大本命の「ジャスティス・リーグ」でついに騙されたくない人達が出現してDCワーナー映画で初めて大幅に客足が遠のいた(ワンダーウーマンは除く)
そしてスクリーンの中のスースク一堂や、スクリーンの裏の製作者たちや俳優たち自身も大はしゃぎしてたのが余計に痛々しいものがあった。
撮った直後のデヴィッド・エアー監督は自信満々で、主演者全員がスーサイドスクワッドのタトゥーを彫ったり(エアー監督の現場では何が起きているのかわからないが毎回このような狂った状況が起きる)「スーサイドスクワッドのタトゥーは今も彼らの身体に残っているのだろうか?」と考えると怖くてとても検索して調べる気になれん。エアー監督が「Marvel映画なんかファック!www」と上映会で叫んで翌日に即効で謝ったり、つい最近も監督が「実はスーサイド・スクワッドがあんな感じになった事を本当に反省している。正直スマンかった‥」と謝っていた(失言も多いが謝るスピードが早い人だ)。そしてそれによって極わずかの応援してくれてた人達の立場もなくなり、後に残ったのはハロウィンにハーレイのコスプレする若い女の子だけになった。
だが監督に恨みはないしキャラクターや俳優たちには何の罪もない。
スーサイド・スクワッド2」は普通に面白い映画にしてほしいと本当に思っている。
そして何だかんだ言ってDCワーナー映画はその浮き沈みも含めて本当に面白い。
今後も絶対に必見だ。2016年のつまんない映画にDCワーナー映画を2本も選んだからと言って「こいつはDC+ワーナーのアンチか?MCU側の人間だな!?」とか思わないで欲しい。90年代の「バットマン」シリーズからアメコミ映画好きになって全部観てるし「ワンダーウーマン (2017)」は、めちゃくちゃ好きですし。
そしてこれらのBvSとかスースクとかX-MENアポカリプスの話をするのはめちゃくちゃ楽しい。これらの話ししてる方がベストに入れた映画観てるより楽しいんじゃないかと思うくらいだ。
今夜もまたこれらについて書いて久々に思い出していると、とても楽しかった。
ちょっとしつこいか。
フォローしている事がバレないうちに早めに話を終わらせた方がよかったかな。
今夜もまた間違いをおかしてしまった。これからも間違い続けるだろう。
そんな僕を君が見つめてくれると嬉しい

 

そんな感じでした

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『デアデビル』〈シーズン1-2〉(2015-2016) 全26話/ストーリーもワンカットアクションも全て傑作。シーズン2はダメ。ついでに『ディフェンダーズ』(2017) 全8話も😎


原題:Daredevil〈Season.1-2〉 原作:スタン・リー、ビル・エヴァレット
放映局:
Netflix Disney+ 制作国:アメリカ 放送時間:各話約50分
シリーズマーベル・シネマティック・ユニバースNetflix

 

 

Netflixオリジナルドラマ。映画の方のMCUと世界が繋がっている。
本作のNYは「アベンジャーズ」の闘いの直後、スラム街となったNYの架空の街ヘルズ・キッチンが舞台。
だけど映画のMCUキャラがこのNetflix版ドラマシリーズに出てくる事は永遠にないし、ドラマシリーズの方のキャラが映画の方に積極的に出ていくこともほぼない。こうなるとドラマ側は色々と、映画版と矛盾が出ないようにと足かせを付けられて作品制作しなきゃならなくなる。
また本作のデアデビルと、映画版の‥例えばブラックウィドウホークアイオコエなどは常人キャラなのだが、描写の迫力が桁違いなので(比べる必要はないが)ついつい比べてしまうと、映画MCUのキャラに比べるとデアデビルが凄く弱く見えてきたりする。やはり映画とドラマは分けた方が良かったように思う。
ちなみに同じシリーズ「ルーク・ケイジ」「ジェシカ・ジョーンズ」「アイアン・フィスト」「ディフェンダーズ」「パニッシャー」なども、一応観て感想も書いてたのだが、ドラマ自体も書いた感想もイマイチ面白くないし全然アクセスもされないので全部消してしまった。
だがこの「デアデビル」はS1が凄く面白かったので一応残しておくことにする。
 

 

Story
★昼間は弁護士として活動するマット・マードック
彼は9歳の時に事故から老人を助けた時に科学廃棄物を浴びて視力を失い盲目になったのと引き換えに超人的な聴力、臭覚、空間認識能力を得た。他人の心拍数や呼吸音を聴くことにより読心術も得た。

ボクサーの父がギャングに殺害された後、盲目の武術家スティックに感覚制御と武術を習った。
アベンジャーズ vs.ロキの闘い後にスラム街となったNYの〈ヘルズ・キッチン〉で、弁護士の相棒フォギー・ネルソン、秘書のカレン・ペイジと共にネルソン&マードック法律事務所の弁護士として働くマット。
夜はヴィジランテの〈デアデビル〉として数少ない味方と共に、ヘルズキッチンを影で牛耳る実業家ウィリアム・フィスクと闘う――

 

 


不正を告発しようとしたら命を狙われたカレン・ペイジがネルソン&マードック法律事務所に助けを求めた事から物語が始まる。
やがて「ヘルズ・キッチンのあらゆる犯罪の根源に実業家ウィルソン・フィスクが関与しているのでは?」と思った各人がフィスクの妨害に遭いながらも真実を突き止めてフィスクをブタ箱にブチ込もうとする様を、マットやフィスクを掘り下げながら進むのがシーズン1。
はっきり言ってめちゃくちゃ面白い。キャラや描写もいいし、シーズン1だけなら映画も含めたMCU作品の中でもベスト3に入るくらい好きだ。
映画のような莫大な予算はないので良く言えば渋い、悪く言えば地味。映画の方のルッソ兄弟作品や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズとか「マイティ・ソー バトルロイヤル」みたいなものしか観たくないという人がコレ観ても楽しめないかもしれない。
だけどヒーローものの肝というのは派手な描写や戦闘の規模ではなく、ヒーローの精神性によるものだと思うのでそういった選り好みはナンセンスだと思う。
地味な代わりにレイティングがないので、映画MCU では観れないバイオレンス描写や濡れ場をそのまま流せるのが強み。デアデビルの能力は、原作でレーダーセンスと呼ばれる空間把握能力や超聴力や嗅覚によって、常人よりも感覚が優れている。常人よりも劣る部分は色彩がわからない事だけ。色んな感覚によってマットが認識している世界を無理やり常人の視覚で映像化すると「炎に包まれた世界」だという説明映像が一回出てくる。
あとは暗殺者スティックに習った武術で闘うわけだが割と「強すぎる人間」レベル。
大勢の銃を持ったギャングを圧倒できるが、話の展開のよってはただのチンピラ一人に苦戦する事もあるファジーな強さ(アメコミのヒーローは大抵こういうファジーな強さ)
同じ世界、同じ人間レベルのヒーローのブラックウィドウなどに比べると、まるでデアデビルが弱く見えたりもしてくるが、もしこのデアデビルが映画の方のMCUに出たら彼ら以上に強く描写されるだろうし、逆にブラックウィドウなどがドラマ版に出たら本作のデアデビル程度の強さに描写されるだろうから、映像だけ見て強さを測ることは意味がない。
デアデビルがよくやるのが、大勢のギャングをぶちのめした後、最後の一人に胴回し回転蹴りでトドメを刺す事が多い。この蹴りがめちゃくちゃ重くていい。
おなじみの赤いスーツを着るのはシーズン1最終回のラスト。特殊な職人メルヴィンに作ってもらう(彼はその後もデアデビルのスーツや武器を作ってくれる)。それまでは「デアデビル:ウィズアウト・フィアー」っぽい黒装束。まるで強盗やレイプ犯みたいな姿だが、シーズン1は面白いしマットのアクションはカッコいいので、観てるうちにこの格好でもカッコよく見えてくる。
法で捌ききれない悪を、覆面してぶん殴る‥というのは法律家としてどうなんだという気がしなくもないし、カトリック教信者である彼はいつも同じ神父に「これからする事をお許しください」と懺悔した後で毎晩誓いを破って自警活動している。
かなり矛盾する要素を幾つも持ってるのがデアデビルの魅力なんだろうきっと。



 

第2話「カットマン」
シーズン1は全部いいが、第2話は特に良い。
後の体たらくや他のNetflix+MCU作品の微妙さ(つまらないわけではないが別に観なくても良かったかなという感触)を観ると「このデアデビルが映画ならよかったのに‥」と思えた。このドラマのシーズン1を長編映画にすればさぞかし傑作オリジンになっただろうに‥。まあそんな事言っても仕方ない。
この第2話は、黒装束のマットがチンピラと闘ってぶっ倒れ、夜間看護師クレアに拾われるところから始まる(ちなみに、このクレアというキャラは他のNetflix+MCUに全て出てきてディフェンダーズ全員と面識のあるキャラ)。
マットは幼児の人身売買組織を追っていた。彼はクレアに、自分の能力の事を話す。
そして幼い頃の回想シーンに入り、気高いが凄く強いわけではないプロボクサーだった父ジャック・マードックの話になる。
この回は、マットが攫われた子供を救いに行く現代パートと、父の闘いを描いた回想シーンとが並行して進行し「マットに不屈の魂を与えた父」が描かれ、そしてラストに「父の生き様を見て誕生したデアデビル」の闘いを見せる。デアデビルの真のオリジンとも言える。
回想の中のマット、既に盲目になってボクサーの父と一緒にいる。
ギャングがやってきて「お前をメインイベントに出したい。しかし金やるから八百長で負けろ」と交渉してくる。
まず八百長を持ちかけるギャングからして良かった。
ギャングは優しい口調でマシューの機嫌を取りながら八百長を持ちかける。
ギャング「息子の失明は気の毒だったなぁ可哀想に。なぁに、子供なんてまたすぐできるさ」と言い、ジャックはギャングを睨む。
静かなシーンだが穏やかに喋っているギャングのカスっぷりが一発でわかる。
ジャックは勿論、八百長したくないが貧困だしマットの将来など考えて渋々OKする。
ちなみに、既に超人的な五感を得ていたマットはその聴力で父とギャングの会話を全て聞いている。
恐らく「パパわざと負けちゃうの?」と思っただろうがマットは賢いので口にしない。
八百長の前日、マットは父の赤いガウンを手にして話す。
マット「赤い服は血が目立たなくていい
ジャック「ははは、俺はいつも敵にやられてばかりだって?」
マット「マードックはよく打たれる。だけど立ち上がる。いつも立ち上がるんだ」
ジャックではなくマードックと言ってるって事は「事故で目が見えなくなった自分と、試合でよく殴られがちで現在困った状況になっているパパ」という意味だろう。
ジャックの顔色が変わる。八百長を破る決心をした。
ジャックは知り合いに頼み、自分の有り金を全て自分の勝ちに賭けるよう言う。
そして別れた女房に電話して「おれは自分になりに行く。自分への声援をあの子に聞かせたいんだ。」と言いマットの世話を頼む。
この一連のシーンは、マジでかっこいい。
「俺、明日死ぬから」という事をさらっと言っている。
あとマットは盲目で試合が見れない(と父は思ってる)ので「自分への声援を聞かせたい」って言うのもやばい。
赤いガウンを着てジャックが試合に向かう。ドアの向こうは光に包まれていて、まるでジャックが天国に行くように見える。
家ではマットがTVで父の勝利する試合を観て‥というか音声を聴いて勇気を貰う。
物理的にボクシングで勝つだけではない、父が圧力や街の暴力装置や死の恐怖に勝つところを聴くマット。
ギャングのメンツを丸潰しにしたジャックは生きて会場を出ることはできない。
ロッカールームで、ジャックが後ろを振り返って一瞬驚いた後、穏やかな表情になり銃声が聞こえる。
ジャックを殺しに来た暗殺者の姿を一切、見せない事によって、まるでジャックが死神や死そのものを観てるかのような印象を受ける。

 

 

 

3分間の死闘
現代パート。ギャングから訊き出した子供が監禁されている雑居ビルに来たマット。
ここからラストまでワンカット風に撮られている。
まず監禁されている子供がいる部屋を映して、カメラが引いて右側のギャングたちがたむろしている部屋を映す、またカメラが1人のギャングに着いていってもう一部屋のギャング詰め所を映す。そして非常口へカメラが向く。マットが入ってくる。
これによって、子供とギャング詰め所がどこにあるか視聴者にわからせる。
僕は「ヒットマン」などのステルスゲームが好きなので「あの部屋になx人‥こちらにx人‥」と癖で覚えた。
そのままマットは一つの部屋に殴り込んで全員殴り倒し、もうひとつの詰め所から来るギャングも全員ボコボコにして、そのまま奥の部屋に入って子供を抱いて出てきてカメラの前から去る。その瞬間に第2話が終わる。
マジでめちゃくちゃ最高。シーズン2と同じドラマとは思えない。
マットのワンカット(もしくはワンカット風)格闘だが、一体どう撮ってるのかよくわからない。TVをギャングの頭にぶち当てたり、手斧をギャングに投擲したり‥はさすがにCGだと思うけど最終的に胴回し回転蹴りを喰らわせるところなどは本当にやってるのだろう。最後の方はマットもかなりフラフラになっている。

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どこに編集点があるのかとかわからなかったが、別に曲芸を観てるわけではないのでワンカットだろうがワンカット風だろうが面白ければどちらでもいい。
また、マットは反撃もされてるし疲労も怪我もあってフラフラ状態で敵を殴り倒す時、地味に背後の壁を蹴ったパンチを見舞うところが狂おしく好き。
ワンカット(ワンカット風)の何がいいかというと、シネフィルではないので華麗に定義を言うことはできないが「本当に起きてることのように見える」というのが良いところなんじゃないか?と思ってる。
個人的にこの雑居ビルのワンカット(ワンカット風)シーンはアベンジャーズなどMCU大作の超ド派手なCGシーンよりも凄く感じる。
そして、このワンカット格闘はただ暴れてるだけじゃなくて、自分のために死に向かって突っ走った父への回答がこの死闘なのだろう。
マットは今回、父の話を一言も口にしない。
回想描写と最後のアクションで語ってるから、台詞よりも感動する。
色んなシーンが共鳴して乱反射している。
ミッション終了と同時にドラマが終わるのもカッコいい。

 

 

 

他のキャラ
フォギー
弁護士としての相棒であり大学時代からの親友でもあるフォギーは、ぽっちゃりしたお調子者で弁護士としても優秀。大物にも果敢に立ち向かうしブレない。正直言って観てるうちにマットよりカッコよく見える。凄く豚っぽい顔立ちなのだがマジでイケメンに見えてくる(実際にフォギーはそこそこモテる設定)。
大学時代のマットとフォギーの回想シーンで2人はすぐに意気投合して、フォギーはマットの盲人であることをジョークにしまくる。本当に良い親友

カレン・ペイジ
彼女は守られるだけのヒロインではなく、独自にベン・ユーリックに働きかけて真相に迫っていく。めっちゃ「ノワール物に出てくる女」っぽい美しい体型や髪も綺麗すぎて魅力的。だが彼女がフィスクの右腕を射殺した事ってマットやフォギーに言ったっけ?ずっと言ってない気がする。
彼女はシーズン2でも独自にパニッシャーを調査したり会ったりするうちにベン・ユーリックの跡を継いでジャーナリストになっていく。

ベン・ユーリック
新聞記者。重病の妻の面倒を見ながらフィスクの不正に切り込んでいく。
知り合いの病院関係者に、妻の入院延長を無理を承知で頼んで院長が仕方なくOKした後で「ありがとう」と言って差し入れを渡す。知り合いが「頼み事の前に出せばよかったのに」と言うとユーリックは「頼み事する前に渡したら賄賂になるだろ?」と言う。めちゃくちゃカッコいい。フィスクに脅されても一歩も引かないし

ウィルソン・フィスク/キングピン
原作で言うキングピン。ドラマの中でキングピンとは誰も呼ばない。というかMCUやアメコミ映画では、いつもヴィランは通り名ではなく本名でしか呼ばれないのは何故だろう?子供っぽい印象を避けるため?
スタンリー・キューブリックフルメタル・ジャケット」の微笑みデブ役だった人がフィスクを演じている。
最初は「キングピンなのに身体、小さいな‥」と思うが、迫力あるので観てると小ささは気にならなくなる。
彼はマットと同じかそれ以上に丹念に、まるで主人公のように描かれる。
生い立ちや、最愛の女性、画家のヴァネッサとの出会いや恋愛など丁寧に描かれる。
朝起きて自分で朝食を作ったり、一人の人間として描いていく。
ヴァネッサとの馴れ初めは彼女が描いたキャンバスを白く塗りつぶしただけの現代絵画を気に入ったからで、それはフィスクが幼い頃に父が母を殴ってる間に見てろと命じられて見ていた壁、シーズン1のラストにぶち込まれる刑務所の壁など全てに通じている。フィスクの居場所は全てこの「彼がじっと見る、何もない白い壁」がある場所となっている。
彼が恋人ヴァネッサに向ける愛情は本物だし普段の態度は紳士そのもの。
そして実際に本気で街を良くしようとも思っている。
だが、その目的のためには手段を選ばず、罪のない人が死んでも一切心を痛めない。
自分は正義を行っている系のヴィランだ。
一度キレたら相手が死んで人体がグチャグチャに損壊するまで暴れる。

ウラジミール
シーズン1は全体的に面白いが前述の第2話、それと第6話が特に面白い。
マットは、ロシアンマフィアのウラジミールと共に警察やギャングに包囲された廃屋に籠城する。ウラジミールは只の極悪ギャングなのだが、過去の回想があったり、身動き一つ取れない重体なのにデアデビルにも敵にも死そのものに対しても、ジョン・カーペンターの映画の登場人物的な反抗心を持ち続けていたりと、ただのチンピラキャラにも関わらずデアデビルを凌駕するメンタルを持った熱いキャラだった。 

 

 

 

ついでに『デアデビル』〈シーズン2〉(2016) 全13
フィスク(キングピン)との闘いを通してマットが「ヘルズキッチンの悪魔」と呼ばれるようになり最終的にデアデビルになると同時にフィスクをブタ箱にブチ込んで終わるシーズン1はめちゃくちゃ面白かった。
シーズン2、パニッシャー編とも言える前半はまだ面白かった。
パニッシャーのキャラも面白いし、カレンがユーリックの後を継ぐかのようにジャーナリストになっていくのも面白かった。フォギーもナイスガイのままだ。
だがパニッシャーが一段落した後のエレクトラ編ともいうべきストーリーがかなりテンション下がった。肝心の主人公マットがどんどんアカンことになっていく。
マットの元恋人でありヤミノテの暗殺者であるエレクトラが出てきて、愛情が蘇ったマットは彼女にのめりこんでいくようになると、恋愛関係になりかけてた素晴らしいカレンのことも堅い友情で結ばれたファギー&カレンとの弁護士事務所の仕事もほっぽらかし事務所は潰れてしまうし、マットの生活がグダグダになっていくと同時にドラマ自体の魅力も下がっていった。
まるで真面目でナイスガイだったマットとフォギーとカレンの愉快なサークルに、エレクトラという招かれざるサークルクラッシャーが入ってきてめちゃくちゃになっていくかのような展開。
このエレクトラというキャラ、正直マットが全てを捨ててのめりこむ価値がある魅力的な女性には全く見えない(別に演じてる女優さんが悪いわけじゃない、脚本のせい)。
だからマットが愛に狂えば狂うほど痛いカップルにしか見えなくなってくる。
「忍者ごっこばかりしてないで仕事しろよ‥」という感じ。
エレクトラというキャラや彼女との恋愛は原作でも重要な要素だったし「愛に溺れるマット」を描こうとした事は別に良いのだが、我を失っているマットがアホにしか見えないし単純に面白くない。
シーズン1では好感持ててたマットの魅力がどんどん減っていった。
フォギーやカレンやパニッシャーなどのサブキャラは以前と同様に魅力あったので、このドラマが群像劇ならそれでいいのだが、本作はあくまでも「デアデビル」というマット中心の世界なので、マットが魅力なくなるとドラマ自体の面白さも失せてしまう。
そして中盤以降のメインの敵となるのは「アイアンフィスト」の敵でもあるニンジャ組織ヤミノテ。原作で言うところの〈ザ・ハンド〉なのだが、このヤミノテが何とも魅力がない‥。
「アイアンフィスト」同様、特殊な力を持つ老婆の幹部マダム・ガオが率いている。
マットは私生活をほっぽりだしてエレクトラをヤミノテの魔の手から自由にするため、エレクトラや師匠スティックらと共闘して立ち向かうのだが、このドラマとヤミノテというニンジャ組織が合ってない。
勿論、原作でもザ・ハンドのニンジャたちはデアデビルの敵としてよく出てくる集団なのだがMARVELコミックは色んな世界観が出てきても違和感のないディフォルメされた表現されているから気にならないのだがこのデアデビルは今までリアル寄りなドラマだったので、銃があるのに何故か日本刀でしか攻撃してこない珍妙なニンジャ集団に違和感がある。
そんな感じでシーズン1はパニッシャー編の時はまだよかったが、エレクトラ&ヤミノテ編は何とも最後まで魅力なかった。

 

 

ついでにディフェンダーズ』(2017) 全8話

更に話が続いている「ディフェンダーズ」。
これは、それぞれのドラマの主人公である三人のヴィジランテとチームを組み、またしてもヤミノテ幹部の四天王、そして洗脳されたエレクトラと闘う。早い話がドラマ版のアベンジャーズ
一応ここに至るまでの「ルーク・ケイジ〈シーズン1〉」「ジェシカ・ジョーンズ〈シーズン1〉」「アイアンフィスト〈シーズン1〉」などの各シーズン1も観たが、つまらなくはないがあまり魅力を感じなかった。
さすがに各ヒーローたちや各サブキャラたちの顔合わせは、アベンジャーズ的な楽しさがあったが、マットは相変わらずエレクトラにのぼせて狂ってるのアホのままであまり魅力がない。そして他の三人は私服なのに一人だけガッチリとヒーロースーツを着てるせいで「ハロウィーン飲み会に一人だけガチで仮装して来た人」みたいに見えてしまうのもキツい。ルーク&ジェシカは原作でも私服なので仕方ないが、せめてアイアンフィストはマスク被って来てやれよ。
そして敵もまたアホみたいなヤミノテ忍者軍団で、ディフェンダーズというヒーローチームは魅力あったが、面白さはそこそこだった。
何というか異能のニンジャ集団ヤミノテ(ザ・ハンド)は映画のMCU並に金とかCGがかかってないと見栄えがしない。制作費が少なくて特撮が殆ど使われないドラマ版だと、やはり「この忍者たちは何で銃を撃たずに刀で斬りかかってくるの?」というのが気になって仕方ない。
だけど「力を合わせて忍者たちをぶっ飛ばすぞ」というお祭りムードなので、本作はまぁこんなもんでも良かったかもしれない。しかし本作の視聴者数はめっちゃ少なかったらしい。デアデビルS2のヤミノテも不評だったし似たようなノリのアイアンフィストも不評だった。やっぱりNetflix視聴者が期待してるのはこういったニチアサ的なもんじゃなく、S1でのフィスクとの闘いみたいなノリなんだろう。僕もそうだ、そういうスペクタクルなら映画のMCUに勝てるわけないんだからNetflixMCUではレーティングが低い映画では不可能な大人っぽい犯罪や殺しを全面に出した方が得策だ。
シーズン3はフィスクも出所しそうだし、恐らく原作の傑作「デアデビル:ボーン・アゲイン」的な展開をやる気がする。また面白くなる事を期待します。

 

※追記 (2024.01)
前からDisney+のMCUドラマ『エコー』にデアデビルとキングピンが出たんですが、『ホークアイ』 (2021)『シーハルク:ザ・アトーニー』(2022)の時と違い、『エコー』予告や本編でNetflix版のことに触れたりして、それと同時にでMARVELスタジオ公式からも「Netflix制作のMARVEL作品もMCU正史作品」という事が正式にアナウンスされた。そういう感じで長いこと「最初はMCUの一部だと言われてたが徐々にMCUじゃない感じで扱われてたNetflix制作MARVEL作品もMCU正史の一部」という事になった。僕としてはこのデアデビルの方がMCU全体と同じか又はそれ以上に好きなので良いんじゃないかなと思った。それならNetflix版のスタッフやキャストももう少し呼び戻してほしい気もするが。

 

 

そんな感じでした

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『ホークアイ』全6話 (2021)/大部分とても楽しく観てたが最後にガッカリして全てどうでもよくなるというワンダビジョンと同じパターン🏹 - gock221B
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)/盛り沢山なので面白い事は間違いないが突然こんなに曇らせる意味がよくわかんない🕷️ - gock221B
『シーハルク:ザ・アトーニー』(2022) 全9話/現実世界で女性を憎悪する匿名インセルを劇中でも敵にしたりファンの予想や”考察”をおちょくりMCUの自己批判まで行う最高の作品💚 - gock221B
『エコー』(2024) 全5話/あまりに地味だし既視感あるシーンも多いがMCUドラマの中では悪くなかったかも。今までのように長い映画を6分割しただけじゃなくTVドラマとして作ってる気がする🦻🦿🐦 - gock221B

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マーベル/デアデビルを視聴 | Disney+(ディズニープラス)
マーベル /ザ・ディフェンダーズを視聴 | Disney+(ディズニープラス)

Daredevil (TV Series 2015–2018) - IMDb
The Defenders (TV Mini Series 2017) - IMDbwww.youtube.com

デアデビル:マン・ウィズアウト・フィアー (MARVEL)

デアデビル:マン・ウィズアウト・フィアー (MARVEL)

 

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「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング〈シーズン1〉(2017)」全10話/プロレスを扱ったフィクションの中で一番好き👩🏻👱🏻‍♀️

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原題:Glow 企画&製作総指揮:リズ・フラハイヴ、カーリー・メンチ
放映局:Netflix 製作国:アメリ 各話:約30分

 

 

半月くらい前にNetflix入って最初にこれを観て、3話まで観てめちゃくちゃ面白かったのでシーズン1を1日か2日で一気観した。
今のところNetflixのドラマでこれで一番面白い。
※だが、これの感想書く前にNetflixの映画やドラマを次から次へと観て、それらの感想を先に書いたりしてるうちに、本作の感想書くのが面倒になって放置してたが、せっかく面白かったのに放置しとくと罪悪感があるので細部はかなり忘れたがざっくりした感想だけ書くことにした。だけどNetflixに入ったら観る映画やドラマの量が10倍くらいに増えて収拾つかなくなってきたので(下書きが20記事くらいある)全部感想書く時間ないので今後はかなり印象に残ったものの感想だけ書くことにする。
半端者の女性受刑者達の人間模様を描い過去5年間で最もイッキ見されたドラマらしいオレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のスタッフが制作。
僕はまだ「オレンジ‥」は観てないのに、検索して今知った事を偉そうに書いてしまいました。
「オレンジ‥」の次に制作された本作は、新興女子プロレス団体で半端者の女性たちが集団生活してプロレスするという似た構図。やさぐれ女性チームものというか
というか、これも今知ったがGLOWは1986年~1990年まで本当に放送されてたみたい
https://gorgeousladiesofwrestling.com/
G.L.O.W (Original 1985 Pilot) - YouTube
本作の登場人物などは新たな創作したので伝記的なドラマじゃないけど、GLOWは本当にあったし本作にも出てくる双子ババアの珍妙なギミックレスラーなどは本当に居たんだと今知ったわ
多少ネタバレしてます

 

 

Story
1985年ロサンゼルス女優志望のアラサー女性ルース・ワイルダーアリソン・ブリー)。
ある日、オーディションに落ちてばかりの彼女は、女子プロレスを放映する新番組GLOWゴージャス・レディ・オブ・レスリン)」の女子プロレスラー募集のオーディションを受けた。
団体と番組を制作するのはC級映画監督サムと、スポンサー兼製作者であるプロレスマニアの大富豪イケメン、バッシュ。彼らの元に集まったのは、プロレス未経験者半端な女性ばかり。
ルースの親友デビー・イーガン(ベティ・ギルピン)。彼女は元昼メロ女優のセクシーな子持ち人妻。
デビーは、ルースが酔った勢いで自分の夫と寝た事を知り、道場に殴り込んでくる。

2人の喧嘩を見たサム監督は「ベビーフェイス(善玉レスラー)のセクシーブロンド美女デビーが、他人の夫を寝取るヒール(悪役レスラー)のルースをボコボコにして番組は大人気!」という筋書きが閃き、嫌がるデビーを団体に招き入れる。
かくしてルースとデビーは「GLOW」の女子プロレスラーとしての道を歩むことになり、同じく負け犬である仲間達と共に「ギミックとは?」「アングルとは?」「プロレスとは何か?」などを学びながら自らを四角いジャングルでのアングルの中で輝かせて各々の魂に炎を再点火し、人生や失われた友情を取り戻しにいくのだった――

 

 

主人公ルース
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プロレスもののフィクションは大抵アスリートや格闘技者などが主人公になりがちだが、本作の主人公ルースはガリガリの女優。元親友のデビーはただの胸がデカいだけの人妻
そして二人とも女優
ここが面白いと思った。
※ちなみにアメリカのプロレス界は、WWEビンス・マクマホン会長によって2000年頃に「スポーツ・エンターテインメント」宣言が叫ばれた。複数のチームで脚本を作って、優れた演技力と運動神経と肉体と健康管理と英語でのトーク力と巡業移動能力と運の全てを備えたスーパースター(WWEレスラー)とDIVA(WWE女子プロレスラー)が演じている、と明らかにして、より面白いものにした。
ルースは演技オタクで「何を演じる」という事に飢えている。
第1話冒頭でルースはオーディションで、勝手に男性主人公の台詞を読んで落ちる。
ルース「女キャラは愛想笑いや相槌を打ってばかり。女のキャラは中身がないから、カッコいい男キャラの台詞を読んだのよ」
当然オーディションに落ちてやけになったルースは、以前酔った勢いで寝てしまった親友デビーの夫と再びやってしまう。以降、ルースはシーズンを通してデビーや他のキャラに「親友の夫を寝取るような女」と蔑まされデビーと同席するたびに気まずい思いをする。
だがルースは器用だし演技に飢えてるのであっという間にプロレスが上手くなっていく。
ルースは客に憎まれる悪役。理由はしみったれた雰囲気とルックス、加えて親友の夫を寝取るような女だから。
そして演技が得意で周りのことも考えられる。どれも悪役向きだ。
ルースを演じるアリソン・ブリーは、ドラマあまり観ない僕は知らなかったが既にTVスターらしい。彼女はこのルース役で2018年のゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。彼女は「世界で一番美しい顔」に選ばれたこともあるほどのスタイルも良い美人らしいのだが、あまり美人に見えないメイクやファッションや髪型を施されて冴えない女を演じている。
というか僕も観てる間まんまと乗せられて「冴えない女優だな‥」と思わされていた
電気グルーヴのMVで、色んな可愛いモデルを集めて80年代風のファッションさせたら全員ブスになたというから、80年代の格好自体が美人をブスに見せる力を持ってるのかもしれない。
電気グルーヴ 『少年ヤング』 - YouTube
「当時はこれが可愛かったんだよ!」じゃなくて、80年代(自分が幼少期)にTVで女性芸能人見て「何で皆こんな変な格好してるんだろ」と思っていたという記憶も書いておく。

 

 

デビー
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ルースの元親友デビーはいきなりスター候補になる。
理由はアメリカ人好みのブロンド美人で胸と尻がめちゃくちゃデカい美人だから。
デビーは昼メロ女優時代、ルースと同じような悩みを抱えていた。
つまり「巨乳の金髪白人美人がまともな役をキャスティングされる時は永遠に来ない」という事だ。おそらくどうでもいい脇役のお色気キャラを演じていたっぽい。
だがプロレスなら自分が主体的な主役となって言いたいこと言えるし、やりたい事がやれる。
そしてプロレス未経験のデビーが主役に抜擢された理由も「グラマーなブロンド美人だから」というものなのが面白い。映画ドラマの世界では彼女を挫折させた要因がプロレスの世界では彼女をスターにする。
それにしても、このデビー役の女優さんも顔めちゃくちゃ小さくて胸と尻が超デカくてブロンド‥って、現代でもキャスティングが難しそうな美人だ。
実際に彼女を見てるとどうしてもデカすぎる胸や尻に目が行くのでこれ以上ない適役と言える。
彼女のドラマは「夫と寝たルースを許せないが本心では仲直りしたい」「親友ルースと浮気した上に、デビーのやりたがっているプロレスを馬鹿にする夫(こう書くと凄いクソ野郎だ)」「メインスターに選ばれたもののプロレスがよくわかってない」というもの
デビーは内心「プロレスなんて馬鹿馬鹿しい」と思いつつも、スター待遇なので我慢してやっていた。そんな感じなのでデビーはプロレスに関しては非常に塩で、既にプロレスを理解している器用なルースと違って上手くスイングしない。
デビーはルースをまだ憎んでるので教えてもらうわけにはいかない。
そこでプロレスラー一家で育った大柄女性カルメンの仲間が、近所に来た男子プロレス団体にデビーを連れて行く。
メインイベントを観ながら大柄がデビーにアングル(設定や筋書き)を解説する。
大柄ちゃん「あのカッコいいベビーフェイスは労働者階級のヒーローなの!あっちの悪役は町を牛耳って皆の仕事を奪う悪い奴!ヒーローの恋人である女子マネージャーを奪ったのでヒーローは悪役を倒して彼女を取り戻そうとしてる。そして実はあの悪役はヒーローの実の兄なの!」
デビーは、カルメンの解説付きでメインイベントを観たことでプロレスの魅力に気づく
デビー「わかった!これって昼メロだわ!」
昼メロ女優だったデビーが、今まで興味なかったプロレスを昼メロだと看過することによって一瞬でプロレスを理解してエキサイトする。。
このシーンはシーズン1で一番感動した。
何故だか泣きそうになった。
現実的なものにしか興味がない(という印象が個人的に強い)主婦が、実生活に直接必要ないし馬鹿にしていたエンターテイメントの魅力に目覚める‥。めちゃくちゃ感動する。
世界平和が来るとしたら、各人の心の持ちようがこのようにして変わったら訪れるのだろう。と、そういう事を感じたから感動したのかもしれない。
プロレスを理解したデビーは、最後に見事なアングルを披露する。

 

 

現場監督サム
女子プロレス団体「GLOW」を総監督を務めるのは、コカインと女と映画が大好きな売れないC級映画監督サム。
映画を撮る制作資金が欲しいので仕方なくGLOWの現場監督になった。
彼は「ルースとデビーの喧嘩をそのままリングに持ち込みアングルにしよう」と閃いた
サムは口が悪いし品性下劣な男だが、いちいち言うことが真理を突いてるし目的のためには手段を選ばず、それでいて女性たちと利害関係が合致している。優しいところもある。だから女性たちも結果的にサムの言うことを聞くことになる。サムは何もかもエンターテイメントに繋げる事が出来るのでプロレス向きだし(その代わりのまともな事は何も出来ないしするつもりがない)
ルースがメソメソして陰気臭いシーズン1前半は、サムを見ていた方が気持ちいい。
映画監督なせいか、最初はやたら設定が複雑でわかりにくい台本を書いて、バッシュに「そんなの客が理解できないよ!プロレスはキャラ設定だけあればいいんだ!ストーリーラインは後から付いてくる!」と怒られ、バッシュが考えたストII的なわかりやすいキャラ設定(「君は中東系の顔してるからテロリストだ!」)を受け入れる。
そしてサムが作りたい構想10年のSF近親相姦映画「母と恋人たち」のあらすじは‥
「母親に性欲を抱く少年が、母親への性欲を抱かなくて済むようにタイムマシンで未来へ行って年老いた母を観て萎えよう‥とするが間違って過去に行ってしまい、さかりのついたセクシーな母に追い掛け回される話」という面白そうすぎるSF映画を作りたがっていたが、それを説明した相手に「それって今公開中の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』じゃん」と言われて落ち込むシーンがめっちゃ面白かった(同時に「バック・トゥ・ザ・フューチャーのストーリーってすげえな‥」とも思わされた)

 

制作者兼スポンサーのバッシュ
富豪ニートのバッシュ。プロレスとコカインとパーティが大好きなイケメン。
このドラマ、1~2話はルースがひどい目にばかり遭うし(小学生にカツアゲされるシーンは観てて辛い)流産をネタにしたギャグとかもキツくてあまり面白くなかった。
だけど彼が登場する3話くらいから加速度的に面白くなる。
彼は自分の別荘のパーティに、GLOWの貧乏な女子プロレスラー達とサムを招待する。
こういう、にこやかな金持ちイケメンがパーティに誘うと大抵「実はイケメンの正体は金儲け主義だったりサイコパスして、女たちをレイプや殺害しようとする変態」というのが定番だ。
1~2話でキツい展開が多かった事もあり、警戒して観てると実はバッシュはコカイン大好物の無職ではあるが、本当ににプロレスが大好きかつめちゃくちゃ優しい奴だということが明らかになる。
プロレス一家に育ったが自分に自信のない大柄女子レスラーが、誰に貶されたわけでもないのに「私はデブで不細工だから、バケモノのキャラにでもなるわ‥( ´・_・`)」と言うと
バッシュ「何てこと言うんだ!君はとても綺麗な瞳をしてるじゃないか!今日から自分のことをバケモノなんて言うな!今日から君は『マチュピチュの遺跡を守る正義の戦士マチュ・ピチュ』だ!」と無償の愛でもって叱咤激励する。
まさか、異常者かも‥と思ってたキャラが本当に良い奴だったなんてパターンは意外すぎた。定番のパターンに慣れすぎていたようだ。
さらにバッシュはサムと揉めるが、仲直りすると「君の映画を全額出資するよ。一切注文はないから君の好きなようにしてくれ」とまで言う。まあ親の金だとはいえ良い奴なのに変わりはない。また「ロッキー4」とかに出てきた家政婦ロボットも持ってる(中にはドラッグがいっぱい)
何だか可笑しくなって笑た。
そしてこのドラマが好きになった。

 

 


第2話でトレーニング中。黒人レスラー兼トレーナーのリーダー格の女性が、ルースに対して練習中に不意打ちでガチなダメージを負わそうとする勘違いした女性に対して怒る
「プロレスで一番大事なのは、相手に怪我させないという事!相手にダメージを与えたら絶対にダメ!」と注意する。言われた相手は「プロレスなのにダメージを与えたらダメなの?」と理解していないが話が進むと自然と理解している。
その後もみっちり受け身を練習したりと、段階を経てプロレスを描いている。
しかもプロレスを語る人って大抵ドヤ顔だったり熱が高すぎたりロマンが過ぎたりしてウンザリさせられるものだが、本作は凄くクールかつサラッと語ってるのが良かった。
暑苦しく語るのではなく「プロレスについて」は、あくまでも面白いドタバタドラマのついでにササッ‥と行われる。 
GLOWのキャラたちは皆、生活のためだったり目立ちたかったりというそれぞれ異なる理由でプロレスに人生をかけて取り組んでいるのだが、誰もそれを暑苦しく語ったりしないのが凄く良い。
本作を観ると、昔は大好きだったダーレン・アロノフスキー監督の「レスラー」が主観的で自己憐憫的な映画にすら思えてきた。
そんな感じで旗揚げ公演を行ったり、バッシュのオカンに金もらえなくなって頓挫しそうになったり、デビーが夫とヨリを戻して抜けそうになりながら女子プロレス番組「GLOW」初回放送日を迎える。
そのクライマックスも面白いのだが、どちらかというと本作は合宿所での打ち合わせや段階的にプロレスを学んでいく中盤などの方が面白かった。
そう、このドラマは1シーズン中で試合は2回しかなかった。
それでいて試合よりも道場や合宿シーンの方が面白い‥というのも面白かった。
このドラマ何かに似てるな~と思ったら、これはドリュー・バリモアが監督してエレン・ペイジ主演でローラーゲームを映画化した傑作「ローラーガールズ・ダイアリー」によく似ていた。と思った。アレを、エレン・ペイジじゃなくてドリューやクリステン・ウィグなどの姐さんキャラを主人公にしてプロレスにしたドラマとでもいうか。
その面白さとは反比例して日本ではイマイチ人気がないらしい。
女子プロレスってところが敬遠されたのかな?
よくわからないが、とにかくめちゃくちゃ面白いので男性も女性も観たほうがいい。
シーズン2が楽しみだ。
まだ旗揚げしたばかりなのでシーズン1は序章みたいなもんだ。メインキャラ以外はまだ全然いじってないし、題材がプロレスなので無限に話作れるね

 

 

そんな感じでした

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「ブラック・ルーム (2017)」色んな意味で90年代の低予算ホラーみたいで不安な気持ちになるセクハラホラー

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原題:The Black Room 監督:ロルフ・カネフスキー
製作国:アメリカ 上映時間:91分

 

これは何故か無性に観たかった。Netflixに加入した理由の一つ‥というのは忘れたい感じのD級ホラー。
何で観たかったのかというと、80年代のC級ホラー映画っぽくてノスタルジーを感じそうだったから。
あと僕の一番好きな映画はジョン・カーペンターの「ゴースト・オブ・マーズ」なので主演のナターシャ・ヘンストリッジが出てるというのもある(「スピーシーズ 種の起源」の人と言ったほうが通りやすいかもしれない)。
インシディアス」シリーズの霊能力おばあちゃんも出てる。
ちなみにIMDbの評価は5点満点中1.4。低っ‥

 

Story
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老婦人ミス・ブラックが住む一軒家の地下。
そこにあるブラックルームにはエロ事で人間の性器をどうにかして精気を吸い取るインキュバス夢魔)が封印されていた。

泊まりに来ていた孫娘がインキュバスにヤラれそうになったので怒ったミス・ブラックは我が身を犠牲にして夢魔を封印した。
孫を泊めなきゃよかったのでは?とか思いつつ2年が経過。。
売家となったブラックルームを要するこの家に、
ジェニファーナターシャ・ヘンストリッジ)とその夫ポールが新たに住み始める。
夫婦は「新しい家の色んな部屋でSEXしまくるぞ」と興奮している。
だがセクハラ電気技師がブラックルームの封印の鏡をうっかり落としてしまい夢魔を封じる鏡が取れて封印が解かれてしまう。
エロ悪魔が再び鎌首を蘇る‥。いったいどうなってしまうのか

そんな感じ

 


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やがてエロ悪魔は、夫婦それぞれにデビル・クンニやデビル・フェラなどしたり、エロくなるガスでナターシャ・ヘンストリッジをエロい気分にさせて角オナ的な感じで振動する洗濯機に股間をくっつけさせたりしてイタズラする。
この辺までは「今時こんなセクハラ悪魔が大暴れする映画なんてありえないぞ」と喜んでたのだが、そんな調子が延々と続き、夫ポールの身体を奪ったエロ悪魔がレストランに行き、エスプレッソの中の珈琲をウェイトレスの女性器と繋げてイタズラするというデビルとびっこ によって快感を与えるシーンや、ジェニファーの妹をデビル・チンコで貫く様を観てるうちに「俺は、いい歳してこんなもの観てないで、もっと世の中のためになる事をした方がいいのでは‥?」と不安を感じてボランティア活動がしたくなった。
やはりものには限度というものがある。
そして同時に、どのキャラクターも全員エロいことを考えてたり言ったりするので「この監督、大丈夫か?」と若干引いてきた(だがモラル的に反した描写は一切ない)
そして後半、悪魔が触手レイプしようとするのを見ると引くのを超えて「もう今は2018年だぞ‥」と怖くなってきたりもした。 
最近の映画はエロ要素を、内容があるかのように見せかけたり、上映時間をわざと二時間超えにして大仰な音楽つけて高尚に見せかけたりといった外装を整えてバカにさせない工夫が激しいが本作にはそれが一切ない。
ある意味男らしいとも言えるが同時に、裸で往来を闊歩してる大人みたいな不気味さもも感じた
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観る前は「B級、C級映画かな?」程度に思っていたが、もっとそれどころじゃなくて、とんでもない低予算映画だった。
たぶん20年前の海外ドラマの1話ぶんくらいの予算しか使ってないのでは?
わずかにCGを使ってる場面もあるが、基本的にはキグルミとか照明やカメラワークを凝って頑張っていた。
肝心のブラックルームも、ラストではSFXによる内臓のような空間になっていたが、前半のブラックルームは壁にローション塗って、裏方さんが赤く塗った腕を壁の穴から出してるだけ。
だけど妙に映画テクニックが高く、俳優もプロがやってるので完全に映画として形になっていた(よく知らないがベテランの低予算ホラーの監督らしい)。
ナターシャ・ヘンストリッジインシディアスばあさんが、動かない物を掴んで「うわー!」とか「やめろー!」とか叫んだりするというエド・ウッド状態でも何とか形になるのだから「やっぱり第一線じゃないにしてもスター俳優は凄いな」と思った。
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たまにスプラッターシーンもあるが基本的にはコメディみたいだね。
恐ろしい魔力を持った夢魔だが、おあずけを食らうとエッチするの我慢したりする。
最後まで観ると、夫婦の夜の性生活に悪魔を絡めてコメディホラーにした感じの映画だったのかなと思った。
それにしても良い意味でも悪い意味でも90年代みたいな映画だった。
「白人しか出てこない」「スマホは使わず家電話で話す」「最初から最後までセクハラやエロ要素ばっかり」「CGは少しであと全部SFXと俳優の頑張り」
‥など、技術的にもノリ的にもポリコレ的にも90年代と大差なかった。
俳優を知らない状態で「これ90年代の映画」とビデオテープで観せられたら完全に信じてしまいそうだ。
だから、最初は「昔の映画みたい。イェーイ」と喜んでたが、中盤を過ぎると上記の理由で「この監督は、こだわりとかじゃなくて脳内の何もかもがマジで90年代で止まってるのでは‥」とそんな理由で恐ろしくなったのかもしれない。
インシディアスばあさんが出てるからもっと常識的なレベルの金がかけられた映画かと思ってたので、こんなに超低予算で時代錯誤な映画とは思ってなかった。
だけど作りがしっかりしてるし別に破綻はしてない(とはいえ、さすがに前半で飽きた)
まるで一瞬だけ異界に神隠しにあったかのような、不思議な気分になった。
だけどたまにはこんな気分も悪くはない。
一度きりで終わるなら

 

そんな感じでした

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